草津温泉からの…四万温泉がイイ!風呂デューサーが伝統の「仕上げ湯」を体感

草津温泉からの…四万温泉がイイ!風呂デューサーが伝統の「仕上げ湯」を体感

温泉旅行というと、一つの温泉地にとどまってのんびりするもの、というのが一般的なイメージかもしれません。しかし先人たちは、まったく逆の方法で温泉の力を引き出していたようです。

それが草津温泉に長期間滞在して体調を整える湯治のあとに、近隣の温泉に入って湯治効果を高める「仕上げ湯」。草津の強酸性の湯で肌を癒し、アルカリ性の四万の湯で「仕上げる」伝統の入浴法があるというのです。

「風呂デューサー」を名乗り、風呂屋の番頭である私、毎川直也が、草津温泉に入ったあとに四万温泉に入る「仕上げ湯」の効果を体験調査してきました。

温泉の効果を最大限に生かす群馬の伝統

草津の湯もみ

草津温泉といえば湯畑を中心に100軒を超える宿泊施設が営業し、昔ながらの共同湯も残る歴史ある温泉地。江戸時代に発行された温泉番付には「東の大関」として草津温泉の名が記されているほどの深い歴史があるのです。

そんな草津温泉になぜ「仕上げ湯」という文化が存在するのか? そのヒントになっているのが、草津温泉伝統の技術「湯もみ」です。

草津温泉には6本の源泉があり、低温の源泉でも51℃と高い温度が特徴。そんな熱い温泉に空気を混ぜて、温泉成分を薄めることなく適温にするのが湯もみです。草津・四万を擁する群馬には、昔から温泉の効能を活用してきた歴史があり、「仕上げ湯」の効果にも期待できそうです。

草津ハイランドホテル

今回温泉をいただくのは「草津スカイランドホテル」。

ここで利用されている源泉は、昭和50年代に掘削された「万代鉱源泉」。源泉の温度は96℃、湯もみで冷ませるレベルではないので、冷水と熱交換(温泉が流れる配管の周りを冷水で満たし、熱を冷水に逃がして温泉の温度を下げる)をしてから各旅館に配湯されています。温泉の熱で暖められた水は各旅館、個人宅に送られ、温水として活用し、温泉の廃湯は道路の下に流して雪を融かすなど、公共の熱源として再利用されています。草津の温泉は浸かって気持ちいいだけではなく、熱源という恩恵ももたらしているのです

草津ハイランドホテルの露天風呂

こちらは男性露天風呂。紅葉と日差しが、イイ雰囲気を演出しているじゃあないですか!
湯に入った瞬間、体が膜に包まれたような感覚。しばらくすると、その感覚がなくなり、肌がさっぱりしてきます。体を拭いても、サラサラ感は長く持続していました。ちょっと舐めてみると、さすがは強酸性、ものすごい酸っぱさ!

女将さんいわく「万代鉱源泉を含む草津の湯は殺菌効果が高く、昔から草津に住む人は眼病をほとんど患わない」とのこと。この殺菌効果こそ、草津温泉が湯治場として栄えた理由なのかもしれません。

草津温泉の感覚を肌に残したまま、四万温泉へ!

四万温泉"

草津の湯を堪能したところで、その日のうちに四万温泉で「仕上げ湯」を体験することに。草津温泉からバスで30分ほど揺られ、JR吾妻線の長野原草津口駅へ。ここから電車で中之条駅へ向かい、さらにバスに乗ること約40分で四万温泉に到着。

はるばるたどり着いた四万温泉の町並みは、昔ながらのお店も多く残り、いかにも下駄の音が聞こえてきそうな風情です。旅館は36軒を数え、環境省の「国民保養温泉地」に第一号として認定されました。それもそのはず、四万とは「四万の病を癒す」という由来があるといわれるほど、多くの人々を癒してきた温泉なのです。

鹿覗キセキノ湯つるや

四万温泉には43本の源泉があり、草津と同様に、旅館ごとに温泉は異なります。
今夜宿泊するのは「鹿覗キセキノ湯つるや」。 四万温泉の最深部に位置し、自家源泉の「鹿覗きの湯」を中心に、4つの源泉をブレンドした湯に入ることができます。

鹿覗キセキノ湯つるやの露天風呂

自慢の貸切風呂「鹿覗きの湯」。夜、景色は見えませんが、黒い背景に踊る湯けむりを眺めるのもオツなものです。

サラサラだった肌はキュッキュとした肌触りに変わり、体を拭くと草津温泉と四万温泉、両方の良さが残っているような感覚。これこそが「仕上げ湯」の効果か……と実感! 湯あがりサッパリだった草津温泉に対し、四万温泉はポカポカしっとり。両温泉の違いは、間を空けずに体験して比べてみないとなかなかわかりません。この違いがわかると、温泉巡りがいっそう楽しくなるはず!

「四万温泉は、肌に潤いを補給してくれます。おかげで初代は106歳でも健在なんですよ」と語るのは、つるやの3代目ご主人。四万温泉で生活して106歳……温泉の力を信じずにはいられません。

四万温泉で日本酒

夕飯にいただくのは四万温泉で仕込んだ地酒「四万の温泉酒」。
喉元を過ぎるとスーッと体に染み入る感覚、不思議と四万川と山々の情景が頭に浮かび、胃に入ると、温泉に入ったように胸がやんわりと温まり、まるで四万温泉そのものが瓶に詰まっているかのよう。肌も心も仕上がりました。

海外の人も興味津々! 群馬が持つ、温泉のストーリー

時わすれの宿佳元

翌朝、「時わすれの宿 佳元」の旦那さんにお話を伺いました。こちらは草津温泉と四万温泉の両方に宿がある唯一の宿です。
「草津温泉は海外のお客様の多い温泉地です。仕上げ湯のように、『日本人は草津温泉のあとで四万温泉に“はしご”して、湯治の効果を最大限に生かす知恵を持っていた』という歴史的なストーリーがあると、海外のお客様が興味を示してくれます。草津のあとに他の温泉に入る文化を発信することで、草津をきっかけに、日本の温泉文化全体に興味を持ってくれることを期待しています」と語る旦那さん。

古から続く仕上げ湯のストーリーが、温泉という日本の文化を海外につなげるきっかけになっている……そう感じました。

草津温泉と四万温泉

今回の旅を振り返ると、草津温泉は賑やかな観光地、四万温泉は落ち着いた保養地と、対照的な魅力を持つ温泉地であり、その2カ所を回ることで、それぞれの良さがより一層際立つことを実感しました。「仕上げ湯」という伝統の入浴法が伝える、対照的な温泉の楽しみ方。温泉が恋しいこの季節、新幹線なら首都圏から草津・四万はあっという間です。
週末を利用して、心身共に元気になる、冬の温泉旅はいかがですか。

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