名物そばからの…喜多方“朝ラー”! ラーメン&そば食いだおれ福島 東北

喜多方「朝ラー」から名物そばまで。福島でラーメン&そば食いだおれ!

2017.01.12 東北福島

「最近のラーメンって複雑だな~」と、よく思うのです。
はやりの店の情報量多めなメニューを見ていると、「……普通のラーメンが食べたい!」と思ってしまうのは私だけかしら。

そんな「普通」を絵に描いたようなラーメンが(←褒めてます!)、福島県の喜多方ラーメン。

日本の三大ラーメンのひとつといえば、喜多方ラーメン!
お店は昔ながらの家族経営で、丼の中には澄んだしょうゆ味のスープ。
太めのちぢれ麺に、メンマ、チャーシューが浮かび、思わず「昭和の漫画に出てくるやつですよね!」と手をたたきたくなるほど。

今回の福島への旅は、そんなラーメンを求めて、いざ新幹線へ!
郡山駅からJR磐越西線に揺られ、まずは会津若松駅で下車します。って、え……? 喜多方ではなく会津若松……?
すいません~。福島へ来たからには、もうひとつ食べたい麺類があるんです!

お殿様が伝えた! パワフル地粉の会津若松そば三昧

まず目指すべきは、ズバリおそば屋さん。
会津若松は、隠れたそばの名店が集まるエリアなのです。
その昔、信州出身のそば好きだったお殿様・保科正之公が、転封(お殿様の転勤)の際にそば打ち職人を連れて会津へやってきたのが歴史の始まり。
今ではオリジナル品種のそば粉「会津のかおり」もあると聞いて、おそば屋さん(※飲酒含む)好きな私としては、行かずにはいられない……!

会津産のそば粉を使ったそばが食べられる「桐屋夢見亭」

そんなわけで、1軒目は「桐屋夢見亭」へ。
地元を代表するお店で、会津産の玄そばを自家製粉したそばが各種食べられるそう。

「桐谷夢見亭」の建物は奥会津の「三瓶屋」を移転復元させた

店舗は、奥会津只見町の曲屋「三瓶家」を移転復元した歴史ある建物。
入り口からして重厚な雰囲気で、中に入れば天井高い! 梁が太い! 立派だわ~!

ビールを飲みながらメニューを熟読し、選んだのは「こだわりそば三種盛り そば三昧」。
3種の食べ比べそばに、小鉢などがついたお得なセットです。

「桐谷夢見亭」の「こだわりそば三種盛り そば三昧」

1種目は「飯豊権現そば」。
地方のそばといえば、殻まで挽いた黒い田舎そばが主流ですが、まるで更科のように白い一番粉そば! 
昔は祝宴料理だった流れをくんだ、贅沢な挽き方の白いそば粉なのだそう。
うーん、のどごしがよく、繊細な香り!

2種目は昔ながらの石臼挽き十割の「会津頑固そば」、3種目は福島県の新品種「会津のかおり」で打ったおそばです。
どれも力強いそばの味と香りで、じっくり食べ比べできるのが楽しい。
そばつゆではなく塩で食べたり、本わさびを添えたり……。
一度でいろいろ食べられて大満足!

おもしろかったのが、駅前まで戻るタクシーの中でのこと。
ふと思いついて、「運転手さんもおそば屋さんによく行きますか?」と尋ねると、「いや、俺は行かないよー。だって自分で打つもん」とのお返事が。えー!
聞くと、兼業農家&減反で余った田んぼでそばを育て、自宅用で楽しんでいるそう。
「親父から受け継いだ、欅の木の厚いそば打ち用板もあるよー」って、会津若松の家そば、なんだか楽しそうだなあ……。
「秘伝だけど、教えてあげるよ」と、特製そばつゆの作り方も教えてもらいました。笑

会津若松駅近くにある「喜平そば屋」

そして、もう1軒!
駅の近くにある「喜平そば屋」へゴーゴー!

会津若松「喜平そば屋」の店内

店主おひとりの小さなおそば屋さんで、メニューもシブい!

会津若松「喜平そば屋」のお品書き

壁のボンボン時計と、ラジオから流れるアナウンサーの声だけが聞こえるのもいいわあ。
やっぱり、ここはシンプルなもりそばを……。

会津若松「喜平そば屋」の十割手打ちそば

やってきたのは、しっかり太くて黒い、迫力のおそば。
さすがの十割……食べてみるとコシが強くて、噛めば噛むほど、そばの香りがぶわっとふくらみます。
ああ、なんだか日本酒が飲みたくなりますね……。

会津若松「喜平そば屋」入り口に貼られているお品書き

帰る際、ふと入り口に貼ってあるメニューを見ると、地元名物の「ニシンの山椒漬け」はもちろん、まさかの「手打そば」にも「酒のつまみにも最高です」って書いてある。
わかる! わかるわ~、その気持ち!笑

この日は、会津若松駅すぐの「駅前フジグランドホテル」へ宿泊。
名前の通り、会津若松駅からすぐの立地が便利なお宿でした。
近くにある温泉施設「富士の湯」の無料入浴券ももらえますよ~。

元祖からおみやげまで! 喜多方ラーメンはしご

翌日は早朝から列車に揺られ、いざ雪の舞う喜多方へ!
なぜ早起きをしたかというと……三交代制勤務の工場が多かった喜多方には、
「朝ラー」という「朝からラーメンを食べる」文化があり、早朝からやっているラーメン店も多いそうなのです。
わー。それ、ぜひやってみたいんですけど!

喜多方の老舗ラーメン店「あべ食堂」の店構え

1軒目は創業50年の老舗ラーメン店「あべ食堂」。
バリバリの朝ラー店で、午前7時半から営業しております。

喜多方のラーメン店「あべ食堂」の店内は昭和な雰囲気

完全に「昭和の食堂」な店内に入ると、座敷とテーブル。
やさしい笑顔のおばちゃんに「いらっしゃーい。ひとり?」と迎えてもらって、中華そばを頼みます。

喜多方「あべ食堂」の朝ラーメンは素朴な味わい

さー、来ました! 朝の喜多方ラーメン!
まずは、ほわほわと湯気を上げるスープを一口。
とんこつと煮干しのだしが効いたしょうゆ味が、五臓六腑に染み渡る……。
うーん、これはおいしいわあ……なんて素朴でやさしいスープ!

太めでもちもちのちぢれ麺はスープによく絡み、上にのったロース&バラの2種チャーシューも、やわらかくておいしい~。
メンマとたっぷりのねぎも、なくてはならない存在感。
確かに、このあっさり感なら、朝から食べるのも納得かも!

古い建物が残る会津若松の街並み

「この軽さなら、まだいける!」と、2軒目のお店へ歩いてハシゴ。
古い建物が残る町をぶらぶら歩くのも楽しいなー。

喜多方ラーメンの元祖「源来軒」の店構え

お次は、喜多方ラーメンの元祖と呼ばれる「源来軒」。
大正時代の終わりごろ、中国大陸から喜多方へ渡り住んだ店主が、この地で引いたラーメン屋台が発祥らしいです。

喜多方のラーメン店「源来軒」の歴史が書かれた立て札

もちろん、こちらでも一番シンプルな「ラーメン」を。
うわわー、このなるとがのったビジュアル……たまらん!

スープは、先ほどのお店と同じしょうゆ味だけど、煮干しと鶏ガラと野菜ベースで、さらにあっさり。
二日酔いの胃にも、するすると入っていくすばらしさ……。
やはりコシのあるちぢれ麺と、チャーシューが基本なんだなー。
中には3枚、4枚と、たっぷりのチャーシューがのるお店もあるそう。

喜多方「源来軒」の店内は近所の皆さんで混雑

入れ代わり立ち代わり、近所の皆さんがやってくるのを横目で見ていると、ずーっと愛されているお店なんだなというのがよくわかる。
「これぞ元祖!」という老舗の雰囲気を味わえるお店でした。

さすがに朝から2杯食べると、おなかいっぱい……。
でも喜多方まで来たなら、もう1軒行きたい!

喜多方のラーメン店「食堂いとう」の店構え

というわけで、「食堂いとう」へ。
こちらは、喜多方ラーメンのお店でもあるのですが、とある名物の「おみやげ」があるのです。

喜多方のラーメン店「食堂いとう」の店内

じゃじゃーん!
なんと「炒めそば」なる、喜多方ラーメン用の麺を使った焼きそば!

喜多方のラーメン店「食堂いとう」の名物「炒めそば」

聞くと、60年以上前からの名物メニューで、ソースも特注品。
キャベツや豚肉と一緒に炒めたもっちりちぢれ麺は、確かに名コンビ!
「昔は45円だったのよー。周年祝いのとき、当時の価格で出したら、小学生が列を作って地元新聞が取材に来たの」と、うれしそうなおかみさん。
包んでもらい、「新幹線の中で食べますね~」と、お店をあとにしました。
車内で広げた「炒めそば」は、もっちもちの麺に香ばしいソースがよく絡み、
これまで食べたことのない驚きの味!
「今度、家でもやってみよう……」と、こっそり心にメモったのでした。

ああ、1泊2日で麺5食!
そばとラーメンという違いはあれど、どれも印象に残る楽しい食べ歩きでした。
歴史ある麺文化、おそるべし……。ぜひ皆さんも、おなかすかせて福島へどうぞ!

 

掲載情報は2019年11月18日更新時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

スポット情報

喜平そば屋

住所:福島県会津若松市駅前町6-22
電話:0242-22-1456

今回の旅の行程

【1日目】東京駅→会津若松駅→桐屋夢見亭→喜平そば屋

【2日目】会津若松駅→喜多方駅→あべ食堂→源来軒→食堂いとう→喜多方駅→東京駅

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1泊2日/東京駅⇒会津若松駅・喜多方駅⇒東京駅

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この記事を書いた人

ツレヅレハナコ

寝てもさめても、おいしいものとお酒のことばかり考えている編集者。著書『女ひとりの夜つまみ』(幻冬舎)、『ツレヅレハナコのじぶん弁当』(小学館)、『ツレヅレハナコの薬味づくしおつまみ帖』(PHP研究所)。
Instagram:https://www.instagram.com/turehana1/
ツレヅレハナコ blog ver.:http://turehana.exblog.jp/ 

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