ふかふかの雪にバフッとして人型を作りたい! スノーシューで雪遊び

ふかふかの雪にバフッとして人型を作りたい! スノーシューで雪遊び

冬の間にひとつ、どうしてもやっておきたいことがある。「まだ誰も歩いていないふかふかの雪にバフッとして人型を作る」をやりたい。東京で生まれ、東京で育った私は、生まれてこの方、「まだ誰も歩いていないふかふかの雪にバフッとして人型を作る」機会に恵まれなかった。何年かに一回、大雪が降ったときも、せいぜい多めに積もっているところを見つけてはサクサクと踏みしめて歩くのが関の山。バフッとできるほどの雪が東京に積もることはない。雪を踏みたい。雪に包まれたい。雪に向かって全身をバフッとしたい。

だからといって、スキーではダメだ。スキー場の雪は滑るために固めてあるし、そもそもスキー板を履いていたら、うまくバフッとできない。ある程度身軽な装備で行えないものか。

調べたところ、“スノーシュー”を履いて行う「スノートレッキング」が最も理想に近そうだ。

スノーシュー 踏み固められていないような柔らかい雪上を歩くための道具。日本の「かんじき」と用途は同じだが、形状と歩き方に違いがある。
スノートレッキング スノーシューやかんじきを装着して、雪原や雪山を散策すること。

1日目 スノーシューを履いて雪山へ

駅弁

駅弁

東京駅で3つも駅弁を買ってしまった (うち2つはうに弁当

秋田新幹線に乗って、田沢湖へやってきた。「たざわ湖スキー場」でウェアと靴を借り、近くの山を歩く。今回は1日目に水沢温泉郷の「友情の滝コース」へ、2日目に乳頭温泉郷の「ブナの森コース」へ行くことになっている。ウェアとストックは、スキーのときと同じものを使う。スノーシューはスキー板と比べるとかなり小さくて軽い。サングラス、手袋、雪山用の靴下は持参するか、またはスキー場にあるスポーツショップでも購入可能だ。

スノーシューを装着

スノーシューを装着

スノーシューを装着

サク、サク……おっかなびっくり歩き始めた。最初は先を行くインストラクターさんが歩いて足跡をつけたところをなぞるようにして歩く。誰も踏んでいない雪をいきなり歩こうとすると、雪の重みですぐ疲れてしまうのだそう。まっさらな雪を踏めないのは少々物足りないが、背に腹は代えられない。

ゆっくり歩けば疲れない

ゆっくり歩けば疲れない

ウサギやキツネの足跡を発見

山道でときどき、動物が歩いた痕跡を見つけた。丸い穴がいくつも塊になって空いているのはウサギの足跡。縦長の穴が長く伸びているのはキツネの足跡らしい。

ウサギの足跡

ウサギの足跡

キツネの足跡

おそらくキツネの足跡。似た足跡の動物はいくつかあるそうなので、違う可能性もある

バフッ!

木々の中を歩いて慣れてきた頃、開けた場所に出た。今こそ、あれをやるときではなかろうか。周囲に木もなく、一面真っ白な雪が広がるこの一画は、まさにバフッとするにふさわしい場所といえよう。私はいそいそと、雪が深そうなところまで歩いていき、ひと思いに倒れ込んだ。

バフッ1

バフッ2

バフッ3

ついに念願が叶った。憧れの「まだ誰も歩いていないふかふかの雪にバフッとして人型を作る」をやってやった。バフッとしては人型を作り、そしてゴロゴロと転がった。こんなにふかふかと優しい感触なのに、ゴロゴロとしているとウェアの隙間から雪が入ってきて、冷たい。雪は優しいくせに、冷たいのだ。悪い男に騙されている人も「彼は冷たいけど、本当は優しいの」と言う。人はそういうのに弱いのである。なんの話をしているかよくわからなくなってきたが、優しさと冷たさを存分に味わった私は、「友情の滝」へと向かった。ここで休憩をし、元来た道を戻ってこの日のコースは終了となる。

友情の滝

「友情の滝」付近でコーヒーを飲んで休憩

宿泊は「休暇村乳頭温泉郷」へ。このあたり一帯は、乳頭温泉郷のほかにも、水沢温泉郷、田沢湖温泉郷と温泉郷だらけ。乳頭温泉郷だけでも7つも温泉宿が並ぶ。いわゆる“山奥の秘湯”のような古い温泉が多い中、「休暇村乳頭温泉郷」は現代的な、きれいな建物だった。ちなみに、各宿では7つの宿の温泉に入り放題の「湯めぐり帖」というパスのようなものも売っていて、なんと1年間有効だという。

秋田牛

晩ご飯は秋田牛のすき焼きを食べた

すき焼き

2日目 雪山で滑り台をした

卵かけご飯1

比内地鶏の卵かけご飯

卵かけご飯2

黄身がぷりっぷり

卵かけご飯3

もったりと濃厚で、黄身がなかなか崩れない

翌日。朝ご飯に比内地鶏の卵かけご飯を食べて、再びスノーシューを履いた。この日は乳頭温泉郷の「ブナの森コース」を歩く。晴れていた前日とは打って変わって、雪が降っていて寒い。

2日目は寒い

細い枝にも雪が降り積もり、前日歩いたコースよりも、かなり雪が深い。一歩一歩進むたびに、膝のあたりまで沈んだ足を持ち上げる必要があった。

歩きづらい

傾斜のあるところに来ると、インストラクターさんがピクニックシートのようなものを差し出してきた。これを使って、滑り台のような遊びができるらしい。お尻の下にシートを敷き、シートをつかみながらすべる。いざ滑ってみると、滑っている間に雪が足元に集まってくるため、途中で勢いをつけながら滑らないと何度か止まってしまった。

傾斜3 

2日目もバフッとしたい

キノコが生えた木

キノコが生えた木があった

この日も私は、あれをやりたいと思っていた。このブナの森の中でも、「まだ誰も歩いていないふかふかの雪にバフッとして人型を作る」をやりたいのだ。前日よりも格段に雪が深い中でバフッとするのは、どんなに気持ちがいいことだろう。しばらく歩くと、バフッとしがいのある広めのスペースが見えてきた。太い木の近くは、スペースが広いことが多い。木が太いと、その分、根っこが広く張っているため、ほかの木が周辺に生えてこないのだ。

積雪160センチ

積雪は約160センチ。いい具合に積もっている

手慣れた手つきで、私はバフッの態勢に入った。

バフッ

深いバフッ

雪が深い分、なかなか事件性の強い画が撮れた

私は、しばらく動けなかった。動きたくなかった、といったほうが近い。雪の中に埋もれるのは、埋もれた瞬間と直後が最も心地いいのだ。徐々に体温で雪が溶けてきて、体全体がひんやりとしてくる直前までのほんの一瞬を、ずっと味わっていたかった。

休憩スペース

スコップで穴を空けて休憩スペースを作った

休憩スペース

雪がやみ、晴れ間がのぞいた帰り道。木々の影で雪が一面ストライプ模様になっていた。雪の柔らかい感触を忘れないように、ストライプ柄の雪を一歩一歩踏みしめながら帰ったのだった。

帰り道1

帰り道2

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