海鮮、すき焼き、地酒も和菓子も! 北海道新幹線で函館グルメを目指す 北海道

海鮮、すき焼き、地酒も和菓子も! 北海道新幹線で函館グルメを目指す

2017.03.28 北海道
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暖かい風が吹き、花粉が舞い飛び、春が到来した東京を抜け出し、ひんやりとした空気とおいしいものを求め、北海道へ。鉄道で行ける限り、どこまでも鉄道で行きたい! ライター鳥澤光です。去年の春に新函館北斗駅までつながった、東北新幹線&北海道新幹線で函館を目指します。

旅のお供は函館名物&朝ビール

東京駅から863kmの旅。北海道新幹線はやぶさに乗り込む前に、まずは東京駅構内の「駅弁屋 祭」へ。全国有数のイカ水揚げ量を誇る函館にちなんで選んだのは、「阿部商店のいかめし(650円)」。レトロなパッケージもかわいい、JR北海道函館本線・森駅の名物弁当です。生のイカにうるち米&もち米を詰めて炊き上げ、甘辛ダレで味付けたいかめしは、歯をギュムッと押し返すほどの弾力。素朴なおいしさで朝ビールにもよく合う!

いかめし

プリプリ!阿部商店のいかめし

おなかが満たされたら、到着するまでのんびりリラックス。久生十蘭(函館出身の直木賞作家)と石川啄木(函館に一時在住した歌人、詩人。立待岬の墓地に眠る)の本を読み、時々うとうとしながら北へ、北へ。新幹線に乗ってから4時間と少し、新函館北斗駅で降りたら外気の冷たさが心地よい〜! 何度も深呼吸してクリアな空気を吸い込んだら、はこだてライナーに乗り換え、函館駅へ向かいます。

はこだてライナー

メカ感がかわいい、はこだてライナー

函館山から街を見下ろし、行き先サーチ

はこだてライナー→函館市電→函館山ロープウェイと乗り継いで、まず向かったのは函館山山頂。標高334メートルからの景色は、かの有名な夜景だけにあらず。地元民に言わせれば、朝昼晩にそれぞれ違った美しさがあるのだそう。函館湾と津軽海峡に挟まれた独特の地形を眺めていると、赤や緑の屋根が連なる異国情緒満載の一角を発見。ということで、山麓のロープウェイ乗り場近くの「元町の教会群」エリアを目指し下山します。

函館山からの景色

函館山から市街地、五稜郭方面を望む

ロシア正教の「函館ハリストス正教会」、イギリス聖公会の「函館聖ヨハネ教会」、「カトリック元町教会」が立ち並び、1135年から続く北海道最古の「船魂神社」や、日本初の鉄筋コンクリート造りの寺院「東本願寺函館別院」まで、宗教・宗派も超えて教会や寺院が集まる元町エリア。静かで厳かな時間が満ちています。

教会

左・函館ハリストス正教会/右・函館聖ヨハネ教会

同じエリアに立つ「函館市旧イギリス領事館」は、開港記念館として一般公開されていて、ティールーム「ヴィクトリアンローズ」では、英国式のアフタヌーンティー(セット1500円)も楽しめます。雪に覆われた庭もよいけれど、満開のバラを楽しむなら6〜7月が見ごろとのこと。これは再訪せねばなりません。

旧イギリス領事館

左・アフタヌーンティーセット/右・函館市旧イギリス領事館

函館の町を歩いていると気づくのが坂の多さ。映画やCMでおなじみの「八幡坂」、函館本道の基点となった「基坂」、「汐見坂」「倒産坂」「招魂社坂」といくつもの異名を持つ「護国神社坂」など、函館山山麓には18本の坂道が並んでいて、坂の名前や位置関係を示した標識が立っています。標識の上には時々鳥のオブジェ。思わずコンプリートしたくなるかわいさです。

標識

あさり坂の標識。由来が書かれている

歴史ある名店で、すき焼き&地酒に舌鼓

坂道を上って下っておなかがすいたら、「護国神社坂」近くの「阿佐利本店」へ。1901(明治34)年創業、当時最先端だったハイカラ料理・すき焼きを、美しい日本家屋の個室でいただきます。注文したのは「竹コース 上級和牛ロース(ご飯、お新香、玉子とデザート付き3,300円)」。

「しらたきと野菜を炒めてからお肉を並べて、鶏ガラスープと割下で味を付ける。これが“阿佐利スタイル”なんですよ」と、4代目女将。

鹿児島県産のA5ランクリブロースを、ほんのり赤さが残った状態で、グワシ、パクリ! 甘みのあるタレに負けない肉の味が最ッ高です! これにはやっぱりお酒でしょ、ということで、地域限定の日本酒「みそぎの舞 ひやおろし」を追加注文。北海道新幹線の隣駅・木古内産の酒米で作る「みそぎの舞」は、なめらかでコクコク飲めてしまうおいしさなれど、限られた数しか作られないため、道内でもごく一部の酒店と飲食店でしか出会えない希少なお酒。今回は冷えたものをいただきましたが、ほんのりぬる燗にしてもおいしそうです。 

阿佐利本店

阿佐利本店。現在の店舗は昭和9年の大火後に建造

すき焼き

肉が踊れば心も躍る! 絶品すき焼き

みそぎの舞 ひやおろし

めったに出会えない稀少な地酒・みそぎの舞

「阿佐利本店」の、すき焼きと並ぶもうひとつの名物は、併設の精肉店で売られる揚げたてコロッケ。昼前に売り切れることもしばしばという人気総菜には残念ながら出会えず。切ない心と満腹のおなかを抱えてこの日の宿へ向かいます。


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脂の乗った海の幸を目指して朝市巡り

2日目は朝から早起きして「函館朝市」へ。せっかくこの時期に北海道に来たのなら、おいしく太って脂の乗った海鮮を食べずには帰れません。500軒以上が軒を連ねる市場は、カニ、ウニ、ホタテ、イカに、干物にラーメンなどなど、北海道の美味が集まるワンダーランド! 呼び込みに心動かされ、試食用に差し出された食べ物に思わずかぶりつきそうになるのをこらえ、衝撃のワンコイン丼が待つという「えきに市場」を目指します。30店舗ほどが集まる「えきに市場」1階で牡蠣とホタテを購入したら、2階「二番館」へ。お目当ての丼と一緒に、牡蠣&ホタテを焼いてもらおうという算段です。

市場

厚岸で獲られた牡蠣を指名買い!

やってきました、エビ、カニ、イクラ、刺身3種にトビッコ&玉子が載った五目丼。これで500円とは、北海道、恐るべし! そしてむきたて焼きたての牡蠣&ホタテ。朝7時にこの量は……と躊躇する間もなく、あっという間に食べ尽くしてしまいました。ワンコイン丼は7種類、さらに20種以上の丼があり、トッピングを加えて究極の一杯を作ってもらうことも可能です。

海鮮丼

これだけ乗ってワンコイン! 大人気の海鮮丼

焼き牡蠣&焼きホタテ

焼き牡蠣&焼きホタテも到着

朝食を終えたら広〜い市場の中をブラブラ。浜ゆでガニの説明を聞いたり、昆布の使い分けを教えてもらったりしつつ、お土産の毛ガニ&鮭とばもしっかり購入。ここから帰京するはずの予定を変更して、もう一軒だけお店を訪ねることにしました。

帰京の前にもう一軒。歴史ある街並みでホッとひと息

やってきたのは「阿佐利本店」のすぐ近く、黒漆喰の外観がかっこいい「茶房ひし伊」。初日に見かけてどうしようもなく惹かれてしまったこの店は、明治末期に建てられた質屋の蔵を改装した喫茶室。天井高を生かしたロフトのお座敷席で、お抹茶セット(760円)をいただきます。添えられた季節の和菓子は2軒隣の「千秋庵総本家 宝来町本店」から仕入れた地元の味。

ひし伊

黒い壁に朱色の観音開き扉が美しい

お抹茶セット

和の空間でいただくお抹茶セット

おいしいものと歴史ある街並み、美しい建物に大満足して、すっかりこの街が好きになった12日の函館旅。北国ゆえの寒さはまだまだ続くけど、だからこそ味わえる魅力もたっぷりみっしり。北海道新幹線に飛び乗れば、素敵な出会いが待っています。

 

スポット情報

阿佐利本店

住所:北海道函館市宝来町10-11
電話:0138-23-0421
営業時間:11:00〜21:30(入店は20:30まで) 水曜定休

今回の旅の行程

【1日目】JR東京駅→JR新函館北斗駅→JR函館駅→函館山→「元町の教会群」エリア→函館市旧イギリス領事館→阿佐利本店→宿

【2日目】宿→函館朝市→茶房ひし伊→JR函館駅→JR新函館北斗駅→JR東京駅

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この記事を書いた人

鳥澤光

ライター、編集者。『BRUTUS』『Casa BRUTUS』『&Premium』『FRaU』『SPUR』などの雑誌で、食と本&カルチャーの記事を書いたり編んだり、インタビューしたり。国内、国外を問わず、旅の長さにかかわらず、あまり下調べをせず突発的に旅に出るのが好きです。

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