美術ブロガーが伝授!青森のアートスポットを楽しむ10のポイント

美術ブロガーが伝授!青森のアートスポットを楽しむ10のポイント

本州最北端の青森県。とても遠いイメージを持たれているかもしれませんが、東北新幹線「はやぶさ」に乗ってしまえば、ほんの3時間ほど。都会では味わえないアートやおいしいものへの期待に胸を膨らませていると、あっという間に着いてしまいます。

はやぶさ

今回は青森県内にある話題の2大アートスポット(青森県立美術館と十和田市現代美術館)を巡る1泊2日の旅です。2つの美術館を軸に、「青森アートを満喫する10のポイント」をご紹介します。

これを読んだら、今すぐにでも新幹線で出かけたくなりますよ! きっと。

1:開館10年目を迎えた青森県立美術館

最初の目的地である青森県立美術館は、新青森駅からバスまたはタクシーで10分のところにあります。開館して10年がたちますが、雪の中に映える美しい白い外観は、時の経過を感じさせません。

青森県立美術館

外からですと低い建物に見えますが、地下部分に広い展示空間があるので、一歩美術館の中へ入ると、そのギャップにまず驚かされます。約9×15メートルもあるシャガールの大作バレエ「アレコ」の舞台背景画3作品がすっぽり収まっているのです。

ちなみに、「アレコ」はもともと4枚一組の作品で、残りの1枚はアメリカのフィラデルフィア美術館が所蔵されていますが、425日より同美術館から「第3幕:ある夏の午後の麦畑」が青森県立美術館へやって来ます。全4幕を一挙に観られるチャンスです。これは観に行かないとですよね。

シャガールも有名ですが、ここの美術館を訪れる人の8割は、青森県弘前市出身の現代アーティスト奈良美智さんの「あおもり犬」がお目当てなのではないでしょうか?

あおもり犬

また奈良美智さんの新作「Miss Forest/森の子」が、2016年12月、屋外スペース「八角堂」に設置されたばかりですので、これもぜひ観ておきたい作品です。

さて、青森県立美術館は、その建物自体もひとつの「作品」として見応えのある建築物です。設計したのはルイ・ヴィトンの路面店なども手掛ける、建築家の青木淳氏。三内丸山遺跡と隣接していることに着想を得て、発掘現場のトレンチ(壕)のように、地面が幾何学的に切り込まれているようなモチーフも取り入れられています。
ほかにも、シンボルマークやロゴタイプ、館内の案内などのデザインは菊地敦己氏が手掛けるなど、いたるところに芸術家の技が秘められています。
美術館は、建物からロゴまでトータルでコーディネートされているところがほとんどです。とくにファッションに敏感な人は、美術館を居心地の良い空間と感じることが多いように思います。そこにはそんな理由があったのです。

そうそう、青森県立美術館には1番から7番までの入り口があります。どこからどう入ってどう見て回るかは、来館者に委ねられています。さて、何番の入り口から入りましょうか?

2:美術館のカフェ・ショップも要チェック

美術館に併設されているショップやカフェも、お洒落な空間となっています。限定グッズや、地元で作られたものも目立ちます。

アオビちゃん

おすすめは、青森県弘前市でこけし雑貨を制作している「COOKIES」による、ミュージアムショップ限定こけし「アオビちゃん」。青森県立美術館のテーマカラーをまとった、愛らしい現代風こけしです。これは1体お持ち帰りしたくなりますよね。

カフェ「4匹の猫」

1階のショップを見下ろせる場所にある、カフェ「4匹の猫」は、外から差し込む太陽の光が心地良い落ち着いた空間です。展示作品をじっくり観終えると、思っている以上に疲れてしまうかも。美術館のカフェで、小腹を満たすひとときも贅沢ですよ。

青森県産りんごのアップルパイ

青森県産りんごのアップルパイ

見どころ盛りだくさんの青森県立美術館は、時間を忘れてアートに触れられる必見のスポットです。

3:棟方志功記念館や「ねぶたの家 ワ・ラッセ」も必見

ねぶた

同じく、青森市内にある棟方志功記念館。少年時代にゴッホの絵画に感動し、芸術家になることを目指した棟方志功。「わだばゴッホになる」という言葉は、あまりにも有名です。

毎年優秀賞に輝いた大型ねぶたを展示公開している「ねぶたの家 ワ・ラッセ」も、おすすめスポット。ねぶた祭りの雰囲気を肌で感じ取れる、極上空間です。

4:駅ナカで青森の海鮮丼

海鮮丼

新青森駅ナカには地元青森の特産品を扱うお店や、地産地消飲食ゾーンがあります。新鮮な魚介が売りの寿司食堂「魚っ喰いの田(でん)」で、海鮮丼を食べました。青森といえば、なんといってもホタテです。甘くて口の中でとろけるようなホタテに大満足。旅行の目的地に到着し、地元のおいしい料理を食べると、がぜんテンションが上がります!

5:君は「青森シャモロック」を知っているか!?

青森シャモロック

1日目の締めは、グルメで。通常の鶏の2倍の期間をかけて育てる、まだ新しい品種の「青森シャモロック」は、いま最もおいしい地鶏として評判です。せっかく青森まで出かけたのですから、ぜひこちらも味わってみてください。

6:街の中心部に立つ、十和田市現代美術館

青森市内に宿泊して、2日目は十和田市現代美術館に向かいました。
十和田市の官庁街通り(駒街道)の一角に2008年に開館。「日本の道100選」に選ばれた官庁街通りの景観を損なうことのない、開放的で外観も美しい美術館です。

十和田市現代美術館

豊島美術館や軽井沢千住博美術館を手掛けた若手人気建築家、西沢立衛氏が、ほかの美術館にはない特徴的な建物を創り上げています。ひとつの展示室をひとつの家として見立ててガラスの回廊で結ぶ美術館は、それ自体がアート作品のようです。

百聞は一見にしかず。雑誌やウェブの解説を読んだだけでは、十和田市現代美術館の良さは半分も伝わりません。

十和田市現代美術館

市民に開かれた美術館を目指すことを象徴するかのように、入館しなくても美術館周り(屋外)にある数々の現代アート作品を鑑賞できます。草間彌生、椿昇、奈良美智といった日本人の人気アーティストから、海外で高い評価を受けている外国人アーティスト作品まで、実に多岐にわたる作品に出合えます。

そして一歩館内に入ると、独立したホワイトキューブの展示室にひとつの作品が鎮座しています。まるで展示室が、作品たちの家のように思えてきます。いくつかの部屋をのぞいてみましょう。

スタンディング・ウーマンロン・ミュエク「スタンディング・ウーマン」
高さ4メートルもある巨大な彫刻作品の前に立つと、スケール感の倒錯に見舞われます。この写真では巨人に見下ろされたように見えますが、不思議と作品の前に立つと、恐ろしさではなく、懐かしさや親近感を覚えてしまいます。架空の人物ですが、指輪をしていたり靴下がずり落ちていたりと、すぐ近くにいそうな人物のようにさえ思えます。

スゥ・ドーホー「コーズ・アンド・エフェクト」
こちらも高さ9メートルの展示室を埋め尽くす、圧倒的な迫力の作品。数万体の樹脂製の人形が肩車をして、この作品を形成しています。肩の上に乗る人を落とさないように必死で腕組みをしている人形たちの中には、腕組みをせずさぼり気味の人形も交じっているので探してみてください。観る位置によって違った印象を受ける見応えのある作品です。

栗林隆「ザンプランド」
展示室の天井裏に作られた作品は、この場所に来ないと観ることができません。しかも、ひとりでしか観られない作りとなっています。テーブルの上に椅子があり、そこに乗っかって天井裏を覗くと……これ以上書くとネタバレとなるので、ぜひ観に行ってください。驚きと感動が待っています。

7:現代アートが、こんなに楽しいなんて!

現代アートというと、なんだかさっぱりわからない、意味不明なものを想像してしまうかと思います。実際にそうした作品は多くありますが、十和田市現代美術館に展示されている作品は、誰もが楽しめるものばかりです。

現代アートがこんなに身近で楽しいものだと、ここの美術館へ行って初めて気がつく方も多いはずです。人気の高い美術館には、しっかりとした理由があるのです。

現代アート

一方、人生が楽しいことばかりではないのと同様に、アートが教えてくれるのは楽しさだけではありません。オノ・ヨーコの「三途の川」、マリール・ノイデッカー「闇というもの」、アナ・ラウラ・アラエズ「光の橋」などは、人間の生死、自然の恐ろしさといったものを素直に感じさせてくれます。あれこれと考えを巡らしてみたり、時に自分の人生について考えてみたりする。そんな機会を与えてくれる作品たちも待っています。

カフェ「cube」

極上のアートと触れ合ったら、カフェ「cube」で一休み。なんとこのカフェの床も、マイケル・リンによる“作品”なのです。その上で、草間彌生のカップでコーヒーを飲んだり、地元青森の食材を使った料理に舌鼓を打つなど、のんびりとした時間を過ごせます。

ちなみに、カフェ「cube」は美術館利用者以外でも立ち寄れるだけでなく、オーダーしなくても、休憩スペースとして使うことができます。平日夕方は、ここで勉強する高校生たちもいるとか。まさに、市民に開かれた美術館ですね。

8:街中アートや、有名建築家が手掛けた公共施設も見逃せない

十和田市内のアート

十和田市現代美術館の周辺には、体験型の大型作品などが点在しています。Arts Towada(アーツ・トワダ)として、市民をはじめ訪れた人々が集う、ほかでは体験することのできない街角アートは必見です。また隈研吾氏が設計した十和田市市民交流プラザ「トワーレ」や、安藤忠雄氏が手掛けた十和田市民図書館(十和田市教育プラザ)など、有名建築家による建物もアート好きの心をくすぐります。

9:積極的にアートと関わる十和田市地元商店街

十和田市地元商店街

近隣に古くからある地元商店街も、派手さはありませんが、堅実にアートの街十和田を盛り上げることに一役買っています。中でも必ず訪れたいのは、松本茶舗。栗林隆の作品が、地下室に常設展示されています。また、福田菓子舗、高村食料品店はアーティストの山本修路とタッグを組んで、オリジナルの日本酒や酒粕ケーキを販売しており、店内には山本の作品も展示されています。

10:やっぱり旅の最後は、B級グルメ「バラ焼き」で!

バラ焼き

十和田の地元料理「バラ焼き」は、必ず食べておきたいB級グルメです。美術館の方の紹介で、歩いて3分の場所にある「大昌園食堂」にて、バラ焼きをいただきました。牛肉と玉ねぎを特製の甘いタレとともに鉄板でジュージュー焼きます。一度食べたらクセになる味でした。

この12日、青森、十和田のアートと地元の美味しい料理、そしてお酒を存分に堪能してきました。
青森がこんなにアートにあふれていたとは、行ってみるまで想像できませんでしたが、地元出身のアーティストを大切にしつつ、積極的に現代アートを取り入れ市民に開放していく姿に、街とアートの新しいあり方を感じ取ることができた有意義な旅となりました。

これからの季節、桜の名所でもある十和田市現代美術館のある官庁街通り(駒街道)は、日本広しといえどもここだけでしか味わえない、アートと自然が融合した極上スポットとなります。皆さんも、東北新幹線に乗って出かけましょう!

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