極楽・浄土ヶ浜で、旬の口開けウニ&激ウマの蒸しウニ缶を堪能

口開けウニ&激ウマの蒸しウニ缶を堪能!極楽・浄土ヶ浜へ

いよいよウニ漁の解禁であります。ウニの名産地、岩手県からは「○○漁港で口開けになった」などという声が聞こえてくる。口開けというのは解禁のことで、地方によってさまざまな言い方をするらしい。しかし口開けというのは、いかにも食いしん坊が口を開けて待っているようで面白い。
されば、口開けしたばかりのウニを食べに行こう。目的地は、岩手・宮古の浄土ヶ浜。昔、あるお坊さんが「さながら極楽浄土のごとし」とたたえたという景色を見てみたい。それに宮古は三陸海岸の真ん中だから、おいしい魚介類のご当地缶詰もあるはずだ。

浄土ヶ浜の海は無色透明だった

浄土ヶ浜

浄土ヶ浜の最奥部。夏には海水浴場になる

JR東京駅から東北新幹線に乗り、JR盛岡駅に到着。そこからバスで宮古に向かったのだが、その道中がなかなかよかった。菜の花が咲く国道をひた走り、やがて道は山間に入る。眼下に岩をかむ渓流と、山腹には山桜。渓流の対岸にはJR山田線の線路が見え隠れし、併走したり交差したりしながら進んでいく。2時間15分という長旅だが、景色が美しくて飽きることがなかった。次に来る時には、ぜひ山田線にも乗ってみたい。

宮古駅に着いたのは正午。腹が減っていたがタクシーに乗り、まずは浄土ヶ浜へ向かう。明日は雨の予報なので、今日のうちにできるだけ写真を撮りたいのであります。
車は宮古湾を回って山道を上がり始めたが、すぐに下りになった。カーブを回ったところで、松林の向こうに突然、白い浜と水面がきらめいた。
「あっ、あれが浄土ヶ浜ですか」
「そうですねぇ」
興奮気味の僕に対し、地元の運転手はクールである。車を降りると周囲がまぶしい。足元に広がるのは砂ではなく石で、そのすべてが日を受けて白く輝いている。海は淡いグリーンに見えたが、水際まで行くと透明だった。海底の岩盤や海藻がよく見える。海水に色というものがついていないのだ。
そして目の前には、水面に浮かぶ白い岩山の連なり。その景観は「さながら極楽浄土のごとし」であります。ただし、本物の極楽浄土には行ったことはないですが。

岩手版、青の洞窟を見に行く

ぶっかけ海鮮丼

旬の幸がのった、ぶっかけ海鮮丼(1,200円)。メインの食材は時期で変わる

浄土ヶ浜レストハウスは浄土ヶ浜のすぐ後ろにあり、地元の食材を生かした料理が食べられる。「当店イチオシぶっかけ海鮮丼」というのを迷わず注文。真だらの刺し身、いくら、刻むと納豆のように糸を引く昆布などがたっぷりのっていた。真だらは新鮮で、かむとむっちり歯に絡みついてくる。いくらはじけるし、全体はねばねばしてるし、実ににぎやかな丼だ。半分食べたところでだし汁をかけ、さらっとかっこむのが通である。

腹ごなしに遊歩道を進むと「ようこそ陸中 青の洞窟へ」と書いた旗が見えた。そこは入り江になっており、浄土ヶ浜マリンハウスというボートハウスがある。
はて、青の洞窟というのはイタリアにあるんじゃなかったかしらん、と思っていたらスタッフらしき男性が声を掛けてきた。
「すぐに船を出せます。今すぐ出ますよ」
すぐに出るというならば、すぐに乗らねばならぬ。急いで乗船券を買い、言われるままにライフジャケットとヘルメットを装着。家族連れと一緒に、ボートに乗り込んだ。

船に群がるうみねこ

船に群がるうみねこ。えびせんを差し出すと、見事にキャッチ!

浄土ヶ浜 風景

海上の岩山も、船なら間近に見える。流紋岩というマグマが固まった岩だそうな

浄土ヶ浜 青の洞窟

これが岩手版・青の洞窟。朝日の差し込む時間帯には、さらに青く透けるという

意外な場所に、ご当地缶詰

浄土ヶ浜パークホテル

浄土ヶ浜パークホテルに宿泊。部屋からも浄土ヶ浜の一部が見える

陽が傾いてきたので散策をやめ、ホテルまで歩いた。今夜の宿「浄土ヶ浜パークホテル」は浄土ヶ浜の背後の山上にあるのだ。部屋に入って荷物をほどくと、ちょうど風呂に入れる時間だという。すぐに着替えて行ってみれば、一番乗り。のんびりと露天風呂を楽しんだ。

部屋からの風景とビール

風呂上がり、夕食前……とくれば冷たいビール

ホテルの売店を覗いて驚いた。缶詰の種類が豊富なのだ。東日本大震災からの復興のために誕生した「サヴァ缶」(鯖の缶詰。フランス語の挨拶“サヴァ”と掛けている)がずらりと並び、この3月に出た新商品パプリカチリソース味もあった。この缶詰は岩手で獲れたさばを使って岩手のメーカーが造り、岩手の企業が販売している。売り上げがちゃんと岩手の企業に行くから、これを買うことで復興の手伝いができるわけだ。

ほかにウニとあわびの潮汁・いちご煮缶の2種と、別の棚には見たことのない「蒸しうに」という缶詰もあった。税込1,728円でも迷うことなく購入。ご当地缶詰は一期一会だ。出会ったときに買っておかねば、その後は二度と会えないことも多い。

ホテル売店に並ぶ缶詰

ホテル売店に並ぶ缶詰。デザインも愛らしく、お土産にいい

欲望のままに食べる

ホテル ビュッフェ

和洋中の料理が並ぶ。素材はもちろん地元産がメイン

ホテルの夕食は、ビュッフェ形式であった。地魚の刺し身や山菜を酒肴に選び、カキフライを揚げてもらう。その横で、寿司も握ってもらう。オススメは海鮮たっぷりの陶板焼きだというので、それも食べることにする。
どうにもこのビュッフェというのは、いけないもんですね。欲望のままに食べてしまう。見ればほかの客のテーブルも満艦飾であります。

カキフライとビール

カキフライならビールだし……

寿司と日本酒

寿司とくれば清酒だし……。本当に困ったものである

この日呑んだ清酒は「千両男山・フェニックス」というもの。地元の菱屋酒造店が造っており、すっきりしているが辛みはなく、酸がとてもまろやか。
「酒を仕込む湧き水が、とてもいいそうです」
と、フロアスタッフのI氏が教えてくれる。ちなみに酒名の「フェニックス」は、東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた菱屋酒造店が、苦心したのちに再建し、初めて蔵出しした酒だから名付けたという。
そんな話を聞いたら、もっと呑みたくなった。ウニの炊き込みご飯といちご煮を平らげ、ルームサービス用の酒を買って部屋へ戻った。

蒸しうに缶

晩酌に缶詰。たまらぬ

部屋に戻ると、まずは買ったばかりの「蒸しうに缶」を開けた。グラスに酒を注いで準備万端、二次会の始まりであります。
缶詰というのは中身が何であれ、最後に加熱殺菌してある。故にこのウニ缶も加熱済みである。ぎっしり詰め込まれたウニの身をほじくって、ひと口……。むっ、舌触りがこっくりしていて甘みが濃い。生ウニでは味わえない風味だ。そこに口当たりの軽い生貯蔵酒をくぴり。またまた蒸しウニをひと口……と、無限ループになってしまった。

情報は観光案内所でゲット

浄土ヶ浜 風景

浄土ヶ浜を俯瞰。白い岩肌と松の緑のコントラストが美しい

翌朝は予報通り、ちゃんと雨が降っていた。日本の天気予報はたいしたものである。

しかしそんなことに感心していてもしょうがないので、ホテルをチェックアウトして、浄土ヶ浜を俯瞰できるポイントまで歩く。高台から眺めてみると、海、岩山、松林が、まるで誰かの手によって配置されたように美しい。

景色を堪能した後は、タクシーで一度宮古駅まで戻った。公設市場「魚菜市場」においしい定食屋があるというので行ってみたが、シャッターが閉まっている。あとでわかったのだが水曜日は宮古の魚市場の休業日だそうだ。だから鮮魚を扱う魚菜市場など、多くの店舗が休みになる。うかつでありました。

駅の観光案内所に入り、水曜日でも開いているお店を教えてもらう。それも「地元の人が通う店を教えてください」と念を押す。すると、素晴らしい寿司店を教えてもらったのであります。みなさん、水曜日の宮古でも、あきらめちゃいけませんよ。

口開けウニを堪能

寿司

オススメセット。どのネタも入念な仕事がしてあった

残念ながらお店の名前を明かすことはできないが、ここでいただいたウニがまた、素晴らしかった。ミネラル豊富な塩味が利いていて、醤油をつける必要がない。そして、味が極めて濃厚。飲み込んだあとも、舌の上にずっとうまみが残っているくらい濃い。

岩手のウニは独特の処理をしている。さばいて取り出した身を殺菌処理した塩水に浸けるのだが、それをなぜか牛乳瓶に入れて売るのが昔からのスタイルだそうだ。

形を保つための添加物・ミョウバンは使わないので、冷蔵しても2~3日しか持たない。だから、口開けのウニは地元で食べるのが一番なのである。

かくして1泊2日の宮古旅は終了した。これまで知らなかった岩手のウニ食文化を知ることができたし、激ウマの「蒸しうに缶」を発見したことはうれしかった。これだから旅はやめられない。

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