このたび、「スキー上級者が越後湯沢で1日滑ったらどれくらいの距離を滑れるのか?」というテーマをいただいた。正直、自分が他のスキーヤーと比べて、どれくらい滑れるものなのかわからないが、雪山が好きすぎて、ガーラ湯沢などでスキーインストラクターを務め、越後湯沢のスキー場をよく知った者として、この疑問にお答えしようと思う。
さっそく、愛スキー板を背負ってガーラ湯沢に向かった。
今回の条件は、日帰りかつ、往復とも東京駅発着の上越新幹線を使い(※平日ダイヤ)、始発列車で越後湯沢に着いてから、最終の東京駅行き列車が出発するまでスキーをすること。
調べてみたところ、東京駅始発の上越新幹線「たにがわ73号」(6時44分発)は、ガーラ湯沢駅に7時58分に着く。
東京行きの最終列車「とき350号」は、越後湯沢駅22時25分発。
スキー場の営業時間を考えると、8時00分~20時00分の約12時間がチャレンジタイムということになる。
ガーラ湯沢といえば、駅直結の便利さで有名なスキー場だ。だが、ガーラの魅力は決してアクセスの良さだけではない。このガーラ、何を隠そう日本有数のビッグゲレンデなのだ。
ガーラの中だけでも、レストハウス「チアーズ」正面の中央エリアのほかに、北エリア、南エリアという広大な敷地に全17コースがある。
ガーラ湯沢到着後リフト券を買い、ゴンドラに。まずは中央エリアの中級コースを流す。さらに北エリアのブロードウェイを。
そしてブロードウェイから左に分岐する、コブコースのスーパースワンへ。
このスーパースワンは最大斜度33度。ガーラで一番斜度のあるコースだ。
続いて、標高1181mの山頂からグルノーブルへ。ハイシーズンの最高の雪質を楽しむ。
朝10時、そろそろ中央エリアも混んできたので、南エリアに移動。南エリアは初級コースのエーデルワイスから右に分岐する。この連絡コースは途中ほんのちょっと登り坂になっているので、少し勢いをつけていくと楽だ。
南エリアでは不整地コースのブロンコと260万ダラーを滑る。ブロンコはねじれていたり、一部上りになっていたりと、一番の難斜面。
南エリアのゲレンデボトムからロープウェイ「ランドー」の11時の便で、湯沢高原スキー場に向かう。
ほんの数分で湯沢高原に到着。湯沢高原側のロープウェイ駅近くには「アルピナ」というレストランがある。
ここは岩原スキー場内のイタリア料理の老舗「ピットーレ」の姉妹店で、ピザがとにかくおいしい。ランドーはガーラ湯沢単独券でも乗れるので、ガーラで滑って、ここにお昼だけ食べにくる人もいる。
お昼はまだ我慢して、湯沢高原のゲレンデトップの青いケシコースに向かう。山頂からこのコースを眺めると、温泉街に一直線で滑り込めるかのような絶景。
上級コースとなっているが、よく圧雪され、快適なコース。ただ幅が狭いので、スピードオーバーには注意しよう。
湯沢高原の下部、温泉街のほうへ向かう、つづら折りの下山コースのコマクサコースは全長2キロ。ここも上級指定だが、プルークボーゲンできちっとコントロールできる方であれば、滑走は可能だ。しかし、ガーラの下山コース・ファルコンより、少しきつい感じはある。
布場ゲレンデに出たら右にコースを取り、細い道を渡れば、湯沢高原のロープウェイステーション。ここでスキー・スノーボードを脱いで、温泉街の飲食店で昼食をとることもできる。ロープウェイステーションの真ん前にあるのは、とんかつが美味しい「人参亭」。ほかにも、刺身定食など和食が食べられる「一二三」、そばの老舗「しんばし」など、グルメスポットがたくさん。
いろいろ食べたいものが思い浮かんだが、ちょうど来たシャトルバスで、再びガーラへ。
ガーラのゲレ食(ゲレンデでの食事)が混んでいる時に穴場の「おむすび処・ゆた」で、少々腹ごしらえ。
ゴンドラで再びゲレンデに上がり、北エリアへ。そこからリフトで石打丸山スキー場へ。
石打丸山の国体コースを経由し、まずハツカ石口方面へと快適なダウンヒルを楽しむ。そしてリフトを乗り継ぎ、大丸山ゲレンデ山頂へ。
ここにある「チロル※」「バレーナ」といった個人経営の食堂では、本格的な洋食を楽しむことができる。
ランチは「チロル」の絶景のテラスで、ビーフシチューセットを。
ビーフシチューは味の良いドミグラスソースでよく煮込まれていて、魚沼コシヒカリのご飯とも相性抜群!
※現在、チロルは営業終了しています。
食事のあとはダイナミックコースなどを通り、観光口に滑り込む。午後3時、そろそろ疲れがたまってきたころ、また大丸山の山頂に戻り、「バレーナ」で自家製チーズブリュレとコーヒーのセット。
疲れた時に、甘いものはよく効く。
次は中央口へ。デビルダウンコースは、短いながらも斜度があり大きなコブもある難斜面。
ここを3回ほど滑るうちに日が暮れてきた。時刻は午後5時。三山共通券は、この時間まで。
ナイター券2,400円を買い、夜間でも滑りごたえのある中央口から大丸山ゲレンデをひたすら回る。午後6時、さすがに休憩を取りたくなってきた。
おなかもすいてきたし……こんな時、大丸山ゲレンデ山麓に、うってつけのお店がある。「ウインターハウス大丸」だ。ここはなんとゲレンデ内の焼肉屋さん。注文したカルビ定食は、肉もご飯も漬物も絶品。
あとは、ひたすら大丸山ゲレンデと中央口の間をぐるぐるして、20時30分(※)リフト運転終了とともにスキー終了。
この時間、越後湯沢駅に向かう公共交通機関は少ないので、タクシーを呼ぶ。越後湯沢のタクシーはスキー板も積めるので、安心。
無事に新幹線に乗れる時間であることを確認して、本日の取材は終了である。
この日、滑った本数は、リフトで57本とロープウェイ1本分。約12時間もスキーなんて、私自身最長記録だ。
(※)2021年12月現在、石内丸山スキー場のナイター営業は20時までです。
でも、こうして足腰ヘロヘロの状態でひたすら滑っていると、自分の欠点がよくわかる。右手の位置が少し上がる癖があって、ナイターで冷えてアイスバーン化したコースを滑ると、スキーの軌道がズレるとか、あらためて自分の腕前を理解する、とても良い機会ではあった。
上級スキーヤーでもヘロヘロになるまで滑り倒せる越後湯沢。ぜひ、遊びに行ってみてください。
ガーラ湯沢
住所:新潟県南魚沼郡湯沢町大字湯沢字茅平1039-2
電話:025-785-6543
営業時間:8:00~17: 00
湯沢高原スキー場
住所:新潟県南魚沼郡湯沢町大字湯沢490
電話:025-784-3326
営業時間:8:30~17:00
石打丸山スキー場
電話:025-783-2523(石打丸山観光協会)
営業時間:8:30~17:00(ナイターは20:00)
掲載情報は2021年12月24日更新時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR越後湯沢駅→ガーラ湯沢→湯沢高原スキー場→湯沢温泉→ガーラ湯沢→おにぎり処・ゆた→石打丸山スキー場→チロル→バレーナ→ウインターハウス大丸→JR越後湯沢駅→JR東京駅
上記より商品の詳細がご覧いただけます。商品が0件の場合は「検索条件変更・絞り込み」より条件を変更いただき、再度検索をお願いします。