こんにちは、歴史タレント(歴史好きタレント)の小栗さくらです!
いつもはご飯を忘れて史跡を巡ってしまう私ですが、今回は山形でゆっくりグルメと温泉を堪能する女子旅を味わってまいりました!
歴史やグルメ好きの皆さんにオススメの旅をご紹介します♪
まずは東京駅から東北新幹線で福島駅へ。この福島駅から「足湯」付きの「とれいゆつばさ」(山形新幹線区間)に乗り換えることができます。
さっそく足湯に浸かりながら山形へ向かいます。冒頭からなんとも贅沢な旅!
車内は落ち着いた雰囲気で、ホッとする空間ですよ。
事前に足湯券を購入しておくことで(当日券は空きがあれば購入可能)、専用車両にて足湯を楽しむことができます。専用タオルをもらえるので、手ぶらで行っても大丈夫です!
スタッフさんが記念写真を撮ってくれるので、一人旅の方も、ちゃんと思い出を残せますよ~。
そして、ちょっと車窓へ目を移すと……!
列車は福島県から山形県へ、森の中を進みます。足湯に浸かりながら、こんな雪景色も堪能できるんですよ。
座席に戻ってからも足はホカホカ♪ 現地に着く前に、温泉旅館に泊まったかのような満足感を得られました!
山形駅に到着し、まずは戦国武将のもとへ向かいます!
駅から徒歩10分ほどで山形城に到着。
門を抜けた先に見えてきたのは……!
戦国武将「最上義光」の銅像です!
躍動感にあふれた姿は、数ある武将像の中でも、指折りのかっこよさ! 今にも戦場へ駆け出すひづめの音が聞こえてきそうですよね!
最上義光は、一般的にはあまり知られていない武将なので、簡単に解説しますね。ちなみに名前は「義光」と書いて「よしあき」と読みます。
最上義光は戦国時代末期に活躍して、山形周辺を治めていた大名。かの有名な伊達政宗の伯父にあたる人物です。
政宗を主人公にしたTVドラマなどでは、ダークなイメージの謀略家として描かれることが多いのですが、実際には最上家を57万石の大大名に押し上げ、領民からも好かれていた、家族と民衆思いの人だったと言われています。
そんな山形の誇り・最上義光をたたえる「最上義光歴史館」が山形城のすぐそばにあります!
お次は昼食、山形ラーメン店へ! 山形城南門近くの「ラーメン中村家」に入ってみました。
このお店には普通の中華そばだけでなく、「クセ中」と呼ばれる大評判の一品があるということで、私は「クセ中ワンタン麺」を注文してみました。
スープは少し濃いめで、コクがあります。でも不思議とふたくち目からは濃さを感じず、旨味に箸が進みます!
そして麺は、私の好きな縮れ麺♪ 絶妙な太さで口当たりもよく、スープとの相性も抜群! なるほど、これはクセになりそうな中華そば! それで「クセ中」なのね、と納得。サラリとしたスープにもかかわらず、最後まで熱々でいただけました。煮玉子や具材を、お好みでプラスできるのもうれしい♪
この後は古戦場巡りに行くので、それに向けて兵糧を用意しようと、山形城南門そばにある「かすみ餅店」に立ち寄りました。
ゆべしと豆大福を買っただけなのに、新商品のみそ大福をおまけでつけてくださいました……! 山形の方は優しい……!
甘さ控えめで、とっても美味しいです! とにかく柔らかいお餅が好きな人には大福が、もちもち食感が好きな人にはゆべしがオススメ♪
関ヶ原の戦いといえば、ご存じ1600年に起こった、天下分け目の戦いです。その主な戦場となったのは今の岐阜県の関ヶ原ですが、実は全国で、それに関連する戦いがありました。そのひとつが「東北の関ヶ原」といわれる「長谷堂(はせどう)城の戦い」。
そこは、山形駅からタクシーで20分ほどの場所にあります。
いざ、長谷堂城へ!
標高は230メートルで、道は整備されているのですが、取材日はなかなかの雪の量でした。
雪を踏みしめながら登ること15分。空気は冷たかったですが、体はホカホカに! お城のてっぺん「本丸」に到着です!
「東北の関ヶ原」で戦ったのは、最上義光(東軍)と上杉景勝(かげかつ/西軍)。長谷堂城は最上側のお城でした。長谷堂城は本城である山形城を守る最後の砦。この戦いで最上側はギリギリまで追い詰められていて、城の麓で激戦が繰り広げられました。
上杉景勝側の大将としてこの地まで出陣していたのは、NHK大河ドラマ『天地人』の主人公で、上杉家の執政・直江兼続(かねつぐ)。彼が本陣を置いた場所は、長谷堂城の向かい側の丘にある菅沢「沢泉寺」周辺です。興味のある方は、こちらもぜひ!
歴史には興味がないなあ……という人にも、長谷堂城跡頂上は、ビュースポットとしてオススメしたい場所です♪ 登りきった先には蔵王の山々が広がり、その雪景色を独り占めできたようで最高の気分に! 運が良ければ、周辺の水田で白鳥が見られますよ~! 私は白鳥の飛び立つ姿を見て感動しました……!
それでは山形駅に戻って、本日の宿泊地・かみのやま温泉に移動です。
かみのやま温泉駅から歩き、宿泊先に荷物を置いて、かみのやま温泉の公衆浴場の中では、一番古い歴史を持つ「下大湯」で、温泉に浸かってきました。
江戸時代初期からある下大湯は、宿場として栄えた上山(かみのやま)の名残を感じさせます。
湯温は高めで、初めは足の先しか入れなかったのですが、入った後は外の寒さを感じないほどの温かさが持続。地元の方たちの憩いの場でもあり、自然と周りの方との会話が弾みます。
昔ながらの銭湯のように、人の温かさも体験できるので、レトロな雰囲気を味わいたい方にオススメです! こちらには、せっけんやタオルなど一式を持っていってくださいね。
宿泊先は「仙渓園 月岡ホテル」。
ホテルは上山城のすぐ近くで、武家屋敷の並びにあります。
温泉はまた夜入ることにして、夕食へ。
夕食は、お刺し身や天ぷらなど、それぞれのコーナーの板前さんがその場で用意してくれるビュッフェです。チョコレートフォンデュやケーキなどのデザートもあって、どれもおいしかったです。
山形の郷土料理「芋煮」もありました! なめらかな食感の里芋と、味の染み込んだこんにゃくが最高においしい~♪ おかわり必須のひと品です!
夕飯のあとは、ひと休みしてから、ホテルの温泉へ。
雪を見ながらの露天風呂は、至高の時間でした! 湯温も程よく、内風呂も外風呂も広々としています。サラリとした無色透明のお湯は、美肌の湯としても有名なだけあって、お風呂上がりのお肌はサラサラなのに潤っていました♪ これは女性にはうれしいですよね! しかも夜と朝で男風呂・女風呂の入れ替えがあるので、どちらのお湯も楽しめるのが魅力!こうして盛りだくさんの旅1日目が終了しました。
2日目は、ホテルに程近い上山城からスタート。別名は月岡城。夜はライトアップもきれいなお城です♪
模擬天守の中は、歴史資料館になっています。歴史だけではなく、出羽の修験者や自然についても立体的に表現されていて、とても興味深いです! 江戸時代の絵図を見ると、上山宿には旅籠(はたご)が立ち並び、栄えていたことがわかります。絵図にも記載されている「下大湯」に自分も入浴したと思うと、江戸時代の旅人と同じ気持ちになれた気がして、テンションが上がりました♪
次は、かみのやま温泉駅から米沢駅へと移動します。
米沢は、昨日訪れた「東北の関ヶ原」で最上義光と戦った上杉景勝が、江戸時代になって藩主を務めた地。旗になぜ「義」と「愛」が描かれているのか……。その説明を始めると長くなるので、まずは腹ごしらえ。
駅に着いたころには正午を過ぎていたので、米沢牛をお得においしく食べられるお店へ直行しました! それがこちら、「牛の恩返し 鷹山公」。
お店の名前にある「鷹山公」とは、江戸時代に、困窮していた米沢藩の財政再建をして藩を救った、9代藩主・上杉鷹山(ようざん)のこと。そんな偉人の名前がついたこちらのお店は、1階が精肉店、2階が飲食店になっています。自社生産した米沢牛を、ランチで格安に食べられることで評判のお店です!
990円からランチメニューがある、太っ腹なお店「鷹山公」! でもここはやっぱり米沢牛ステーキを食べたい! ということで、ビフテキ定食を注文。
お、おいしい……! 良い肉の脂は甘いといいますが、まさにこの牛肉は甘いです! 分厚いお肉なのに柔らかで、シンプルな味付けでこそ引き立つような、旨味が凝縮されたお肉! 普段豚肉派な私が「次もまた食べたい」と興奮した一品です! 本来なら4000~5000円くらいしそうなお肉なのに、2500円……! 米沢牛のお店で迷っていたら、こちらをオススメします!
米沢の名所といえば上杉神社!
米沢藩の藩主・上杉家は、川中島の戦いで有名な越後の龍「上杉謙信」から続く大名家で、江戸時代を通じて、この地を治めました。藩祖である上杉謙信を祀るのが上杉神社。かつて米沢城の本丸があった場所です。
関ヶ原の戦いが起こった1600年当時、上杉家は会津120万石を有していました。上杉家の執政だった直江兼続と、豊臣家の奉行だった石田三成は盟友関係にあったともいわれ、上杉家は反徳川家康派の有力大名でした。そして家康は、そんな上杉家に謀反(むほん)の疑いありと、全国の諸将を引き連れて栃木県の小山あたりまで出陣します。世にいう「上杉征伐」です。
対する上杉家も、現在の福島県の白河付近まで南下し、戦の準備を進めていました。ところが、大坂で三成が挙兵すると家康は西に大返し。上杉家は徳川との戦いを避け、北の山形・最上領へと侵攻しました。 これが「東北の関ヶ原」の始まりです。
長谷堂城の戦いで兼続が奮戦するも、関ヶ原で三成が敗退したため、上杉家も敗軍に。上杉家は会津120万石のうち、米沢30万石以外は召し上げという大幅な領地縮小を、江戸幕府から命じられるのです。
執政の兼続は、領地が4分の1になっても誰ひとりリストラせず、領内開発を進め、米沢藩の発展に努めました(その結果、赤字を抱えて、鷹山の時代に続いてしまうのです……)。
そんなわけで、上杉家の歴史を象徴するこの上杉神社には、上杉家の旗印「毘(毘沙門天)」と「懸かり乱れ龍(上杉家の突撃旗)」、そして、米沢の街中には、上杉家に忠義を尽くし発展に努めた兼続の志である「義」と、兜でも有名な「愛」、が掲げられているのです。
さて、この上杉神社周辺。とにかく銅像が多いです! 神社周辺だけで、なんと4つの銅像が立っています(胸像などを含めると、もっと多い)。
こちらの座像は、先ほど米沢牛の店名にもあった「上杉鷹山」。ところが鷹山の銅像は、このすぐ先にもうひとつあるのです! 同じ場所に同じ人物の銅像を2つも建てるなんてこと、滅多にないですよね。
そして数年前にできたのがこちら、戦国武将上杉景勝・直江兼続主従の「天地人」像。私の大好きな銅像のひとつです!
主従の銅像から少し離れたところには、上杉謙信の銅像もあります。
最上義光像も立派でしたし、銅像に込めた先人への敬愛や感謝の念に触れて。思わず少しウルッときてしまいます。山形の人々は寒い地で熱い心をお持ちなのですね……!
周辺を散策したあとは、上杉城史苑で山形土産探し! 米沢織から武将グッズ、お酒、お菓子と何から何までそろっているので、見るだけでもとても楽しく、あっという間に時間がたってしまいます♪
山形の名産品である、ラ・フランスとさくらんぼを使ったお土産、山形ラーメン、山形米「つや姫」作ったお菓子の数々、米沢の地酒など、山形を感じる名産品を買い込んで、米沢駅へ。
旅の終わりには、これまた有名な「新杵屋」の駅弁「牛肉どまん中」を買って帰りました。
肉の味付けが絶妙で、温めなくても、このままでおいしいです! 帰路も幸せになれる「牛肉どまん中」は、お土産にするのもオススメですよ。
振り返ってみると、食べてばかりだった山形旅でしたが、どの場所も楽しめます! まだ雪が残るうちも味わい深いですし、城跡は桜の名所でもあるので、これからの季節にもぜひ訪れてみてくださいませ。
長谷堂城跡
住所:山形市大字長谷堂字内町994番2外
電話:山形市公園緑地課 023-641-1212
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR福島駅→JR山形駅→山形城→最上義光歴史館→ラーメン中村家→かすみ餅店→長谷堂城跡→直江兼続本陣跡→JR山形駅→JRかみのやま温泉駅→仙渓園 月岡ホテル→かみのやま温泉 下大湯公衆浴場→仙渓園 月岡ホテル
【2日目】仙渓園 月岡ホテル→上山城→JRかみのやま温泉駅→JR米沢駅→牛の恩返し 鷹山公→上杉神社→上杉城史苑→新杵屋→JR米沢駅
1泊2日/東京駅⇒山形駅・米沢駅⇒東京駅/夕朝食付き
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