ツレヅレハナコの秋田グルメ旅。海の幸、酒…春の恵みを食べまくる

東京駅から秋田新幹線こまちに乗り、約4時間で秋田駅に到着。

そこからJR男鹿線に乗り換え、ガタンゴトンと揺られること約1時間で男鹿駅へ。

着いたー！　……って、ちょ！　
ホームの駅看板が、なまはげイラスト付きなんですけど！（興奮）

着いたのは、ちょうどお昼時。でも、この日のランチは、この駅周辺ではありません。
駅前から乗り合いタクシー「なまはげシャトル」（予約制）に乗り、いざ男鹿半島の先端「入道崎」へゴーゴー！

車で30分ほど走って岬に着くと、そこにそびえ立つのは、しましまの入道崎灯台。
その下に広がるのは、見渡す限り日本海のパノラマですよ。
「わー、世界の果てみたい……」と一人たそがれるのもよいのですが、すぐ近くの割烹「美野幸」に予約を入れていたので、さっさと移動！

高級感のある、白のれんの入り口がいいわね～。
こちらは、男鹿半島の名物である「石焼き鍋」のお店。
真っ赤になるまで焼いた石を鍋に入れ、その熱で瞬時に煮上げる郷土料理です。

「もとは漁の前に暖をとるため、浜辺で作った漁師料理です」と話すのは、男鹿育ちのご主人。
先代までは、いろいろな魚を混ぜた鍋だったこのメニューを、「男鹿周辺でとれる天然の鯛の鍋にして勝負しよう」と決めたのだそう。

さー、来ました！「天然真鯛の石焼き定食」（2800円）！
お盆に載るのは、立ち上る湯気がおいしそうな雰囲気を出す木桶に入った石焼き鍋、地元でとれたワカメ、天然真鯛の刺身、ごはん。

さっそく石焼き鍋のスープをいただいてみると、だしが効いた、やさしく滋味深い味！
秘伝のだしと新鮮な鯛、海藻を木桶に入れ、1日熱した石をドボンと加えることで、瞬時にスープが沸き立つのだとか。

わー、こんなに大きな石が！　すごー！

見るからに新鮮な厚切りの天然真鯛刺しも、ぷりっとした歯ごたえ。
かむごとに、旬の白身ならではのうまみが広がります。
ワカメには、おろししょうがとしょうゆ、酢（！）を入れて。

食べ進めると、最後にお楽しみ。
少し残したごはんに、わさびと「石焼き鍋」の残ったスープをかけて、お茶漬けですって！
くー、コレはたまらんわー。

おなかいっぱいになり、この日は路線バスで男鹿温泉郷へ。
「男鹿観光ホテル」に宿泊し、夕方から温泉を堪能しまくりました。
極楽すぎる……。

男鹿温泉郷から少し行った「なまはげ館」の近くにあるのが「なまはげ直売所」。
直売所があれば入らずにはいられないので、まんまと吸い込まれます！

そして、見つけたのがコチラ。
収穫されたばかりの男鹿産の山菜たち～。
ねばりのある「ミズ」、ピンク色がかわいい「サシボ」、野性的なサイズの「たらの芽」……。
店のオバちゃんに「これは天ぷら、こっちは豚バラと炒めるとおいしいよ」などと教えてもらい、ホクホク購入。帰ったら山菜祭りだ！

そこから男鹿駅に戻り、この日のランチ。
目指すべきは、地元の市場「男鹿海鮮市場」でございますー。
隙あらば、壁にもなまはげ！（笑）

1階は市場、2階は食堂になっており、市場で買ったものを食堂へ持ち込んでもOK。

地元の人たちが、日常のランチに利用している気配がプンプン。
いいなー。家や職場の近くに、こんな食堂がある環境。

1階で買った刺し身を、お座敷に持ち込み！
黒ソイ、活タコ、ヤリイカが、これだけ入って900円。安っ！
やわらかなヤリイカは甘く、タコはコリコリくにゃくにゃ……。
あー、最高。いい昼ごはんだなあ。
ごはんよりも断然ビール派！　昼からすいません……。

ほどよくおなかがふくれたら、秋田が誇る調味料「しょっつる」を買いに諸井醸造へ。
私、こちらの商品を長く愛用しておりまして、ずっと来てみたかったんだ～。

塩漬けにした魚を発酵させてつくる「日本三大魚醤」のうちのひとつが、秋田で作られる「しょっつる」。
なかでも諸井醸造のものは、原材料が「ハタハタ」と「塩」のみ！
完全無添加なので、雑味のない、強いうまみが特徴なのです。
秋田人にとっては、冬の「ハタハタ鍋」に欠かせない調味料。

「ここ数年、ハタハタの漁獲高が劇的に減っているので、かなり贅沢な作り方ですね。ほかの魚をブレンドした商品もありますが、やはりオススメしたいのはハタハタ100％のもの」と営業部長の諸井誠さん。

工場内にはプンと独特な良い香りが漂い、なんだかおなかがすいてくる……。
カキの魚醤、うなぎの魚醤など、さまざまなものを通年で仕込んでいるそう。
うーん、それって、なめるだけでも日本酒が進んじゃいそうだなー！

私も「しょっつる」をお土産に購入。
パスタやミートボールなど、新たなしょっつるの使い方を教わったので、東京に帰ったらさっそく作ってみようっと！

17時前に男鹿駅を出発。帰りも男鹿線に1時間揺られ、18時台の新幹線で東京へ。帰宅したのは23時。
「遠い！　でも、男鹿半島に来なければ食べられない食があるな～」と、しみじみ思い返す美味な旅なのでした。

この記事の内容は2019年3月2日現在の情報です。