老舗店から餃子バーガー、いちご餃子まで!宇都宮で餃子を食べまくる
東京餃子通信という餃子専門サイトを運営している塚田亮一です。全国で1000店以上の餃子店を食べ歩いてきた私が、日本有数の餃子タウン・宇都宮をご案内したいと思います。
餃子の町「宇都宮」
JR東京駅から新幹線で50分ほどの、JR宇都宮駅へ。改札階から西口の出口をまっすぐ進んだ所に設置されているのが、宇都宮のシンボル「餃子像」。ビーナスが餃子の皮に包まれた「餃子ビーナス」の像で、宇都宮市特産の大谷石で作られています。
餃子像への挨拶を済ませたら、観光案内所や書店で「宇都宮餃子オフィシャルマップ」や「宇都宮餃子公式ガイドブック」を入手。「宇都宮餃子ナビ」というスマホアプリも便利ですよ。
というのも、市内には200店舗を超える餃子店があり、宇都宮餃子会に所属する店舗だけで約80。情報なしにお店を決めるのは困難なのです。
まずは「来らっせ」で作戦会議
まずは宇都宮餃子会が運営するアンテナショップ「来らっせ 本店」に向かいます。JR宇都宮駅からはバスが便利ですが、徒歩でも10分ちょっとです。
「来らっせ 本店」には、有名店5店舗が並ぶ「常設店舗」と宇都宮餃子会加盟33店舗の餃子を日替わりで楽しめる「日替わり店舗」があります。初めての方には「日替わり店舗」がおすすめ。A盛り、B盛りという日替わりの盛り合わせセットがあり、2皿注文するだけで10店舗の餃子を楽しむことができるんです!
各店の餃子を食べながら、「オフィシャルマップ」や「公式ガイド」を参考に作戦会議をして、自分の好みに合った食べ歩き計画を立てましょう。
「来らっせ」では33店舗の冷凍餃子を発送できるので、気に入った餃子が見つかったら、お土産を購入できます。
宇都宮餃子の老舗代表格「宇都宮みんみん」へ
次に向かったのは、宇都宮を代表する老舗餃子店「宇都宮みんみん」。市内各所に支店がありますが、今回は「来らっせ」から徒歩2分ほどの所にある本店へ。常に行列ができているので、並んでいる間に注文内容を決めておき、入店したらすぐにオーダーするのがスマートです。「焼き1、水1」などと、餃子の調理方法と数を伝えればOK。
白菜をたっぷりと使った餃子は、さっぱりした味わい。水餃子は焼き餃子に比べ、にんにくの香りや味が強く感じられるため、通常はにんにくを入れないのですが、宇都宮みんみんの餃子はにんにく入りでも上手に香りを抑えて旨味だけを残しているため、焼きだけでなく、水餃子にしてもおいしく食べられます。パクパクと何個でも食べられそうで怖い。
オリジナルの特製ラー油の下に沈んだ“砂”とも呼ばれる唐辛子の部分をたっぷりとって餃子ダレに混ぜると、旨味が増すのでおすすめ。本当に辛いのは、ラー油の上澄み部分なのだとか。水餃子は白湯に入っているので、醤油、酢、ラー油で好みの味付けにしていただきます。ひとつだけ崩してスープの具のようにして食べるのもおいしいです。
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こんなところにも餃子!?「宇都宮野菜餃子バーガー」
続いて、「公式ガイドブック」で見つけた宇都宮餃子のハンバーガーが気になったので、オリオン通り商店街にある「フレッシュネスバーガー宇都宮店」に向かいました。
「宇都宮野菜餃子バーガー」は、フレッシュネスバーガーと宇都宮餃子会とのコラボレーションで生まれた、ご当地メニュー。栃木県内4店舗限定で販売されています。野菜たっぷりの揚げ餃子に、白髪ねぎ、風味の良いエビチリソースとしその葉のトッピングが、バンズに挟まれています。
話題先行のネタ的なメニューかと思いきや、実際に食べてみると、その完成度の高さに驚きました。サクサクッとした食感の揚げ餃子と甘辛のエビチリソースの相性がとてもよく、白髪ねぎとしそも良いアクセントになっています。
※編集部注:価格が変更となっている場合があります。最新情報はWebサイトにてご確認ください
ラー油をちょっと使い、辛味とごま油の香りを足したところ、さらにおいしくなりました。
餃子店の食べ歩きの間に、餃子バーガーで変化をつけるというのも面白いですね。
3店舗を食べ歩き、おなかがいっぱいになったので、歩いてホテルに。この日のホテルは、JR宇都宮駅直結の「JR東日本ホテルメッツ 宇都宮」。フロントがある3階には「宇都宮みんみん」と、その新業態「宇都宮みんみん ステーションバル」があり、夜に小腹がすいても餃子が食べられるので、とても便利です。
ちなみにこの後は、宇都宮のもうひとつの顔「カクテルの街」を楽しむため、夜のバー巡りをしました。
レンタカーで宇都宮郊外の餃子店巡り
2日目は、レンタカーで餃子店を巡ります。郊外まで足を延ばすと、市の中心部には出店していない、個性あふれる餃子店に出会えます。
「医食同源」の薬膳餃子を堪能
宇都宮に来た際に必ず訪れるのが「和の中」。宇都宮市街地から大谷街道を西に進み20分程度の駒生町にあります。
内モンゴル自治区出身のご主人こだわりの餃子は、とにかく皮がおいしいので、茹で餃子からいただきます。
じっくり寝かして発酵させた手作りの皮はもちもちで、小麦本来の甘みが感じられます。頬張ると豚肉のジューシーな肉汁がジュワッと染み出て、後から中華系の香辛料の香りが、口から鼻に抜けていきます。この香辛料の香りこそ、薬膳餃子の真骨頂。
焼き餃子で食べると、また違った表情を見せてくれます。カリッと焼かれた餃子は肉汁のジューシーさが際立って、一気に食べ応えが増します。さらに、お店特製のにんにく醤油とラー油をつけると、旨味が深まります。
毎日でも食べたくなる「幸楽」
大谷街道をさらに西に進み、宇都宮餃子の老舗店のひとつ「幸楽」に向かいます。餃子工場に隣接した店舗は、市の中心地からかなり離れているにもかかわらず、週末には長い行列ができる人気店。
巨大な地下空間で有名な大谷資料館の近くなので、観光のついでに立ち寄るのにも便利です。
餃子は、焼餃子と水餃子の2種類のみ。行列に並んでいる間にも、地元の方と思われるお客さんが、次々と大量の生餃子を購入していきます。持ち帰り餃子が売れるのは、地元に愛されている証拠です。
宇都宮餃子は全般的に安くておいしく、さらに毎日食べても飽きないのが特徴ですが、「幸楽」の餃子は、まさにこの特徴を体現しています。
焼餃子は、もっちりとした弾力のある皮を、カリッと焼き上げています。野菜は白菜とキャベツのブレンドで食感を残し、豚肉のコクもしっかりと感じられます。
塩味のスープに浸かった水餃子は、ツルッ、モチッとした皮の特徴が引き立ちます。お好みでラー油をちょい足しして、餃子の中にもスープを吸わせて食べるのがおすすめです。
ネタ勝負の餃子かと思いきや、本格派の「天馬」
次に向かったのは、今回の宇都宮餃子食べ歩き最後のお店「天馬」です。東武線江曽島駅から徒歩圏内なので電車でも行けますが、駐車場もあるので、車が便利です。
以前は中華料理全般を扱うお店だったのですが、ここ数年はメニューを餃子に絞り込み、専門店になりました。研究熱心なご主人が、いちごやパイン、レモンを使った変わり種の季節限定メニューを次々と開発しています。
変わり種餃子が話題になる天馬ですが、実は、皮は“竹もみ”で一から作る本格派なのです。餃子の街・宇都宮でも、手延べ皮、手包みの餃子は貴重な存在です。
今回は、レギュラーメニューの干しエビ餃子の焼きと、季節限定のいちご餃子を注文しました。それぞれ円盤型の美しい羽根がついています。これも宇都宮餃子ではかなり珍しいですね。
干しエビ餃子は黄色い皮。クチナシで色付けされています。さらに皮に独特の風味があるので、ご主人に聞いてみると、ワインと牛乳を練り込んでいるとのこと。餡もとてもジューシーで、贅沢に使った干しエビの香りが口の中に広がり、タレなしでも充分に楽しめます。自家製のラー油をつけて食べると、さらに旨味が引き立ちます。
いちご餃子は、いちご大福のようなスイーツ系の餃子を思い浮かべたのですが、実物はまったく異なりました。皮にはいちごとワインを練り込んでピンク色に仕上げ、豚肉ベースの餡にもいちごが練り込まれています。いちごの酸味と甘みがアクセントになっているものの、しっかりと餃子として味がまとまっているのに驚きました。
ご主人にメニュー開発についてお聞きしたのですが、それぞれの餃子をお店で出せる完成度に持ってくるまでには相当な試行錯誤があり、かなりの数の失敗を乗り越えてきているとのこと。今は、この夏に向けて、メロンを使った餃子に挑戦しているそう。新メニューにも期待が高まります。
以上、餃子食べ歩きの2日間の旅でしたが、お楽しみいただけたでしょうか?
今回は一人旅だったのでおなかが膨れてしまい、6店舗しか回れませんでしたが、家族や友人と一緒に回ればさらに多くの餃子店を食べ歩くことも可能でしょう。ぜひみなさんも餃子の街「宇都宮」に足を運び、自分好みの餃子を見つけてください。
スポット情報
和の中
住所:栃木県宇都宮市駒生町1296-33
電話:028-624-7886
営業時間: 11:30~14:30(LO14:00) 17:30~21:30(LO21:00)※売り切れ時は閉店
定休日:月曜日(祝日の場合は営業。翌日休)
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR宇都宮駅→餃子像→来らっせ 本店→宇都宮みんみん本店→フレッシュネスバーガー宇都宮店→ホテル アール・メッツ宇都宮
【2日目】和の中→幸楽→天馬→JR宇都宮駅→JR東京駅