長野・上高地で星空写真を撮影!写真家が教える5つの絶景スポット
日本全国を旅しながら星景写真を撮影している宮坂雅博と小松由利江です。
今回は、雄大な穂高連峰を間近に望む上高地を訪問しました。同じ長野県の諏訪地方に生まれて数十年ですが、恥ずかしながら上高地を訪れたのは今回が初めてです。
長野県内のほとんどの地域で風景写真の撮影を経験していますが、上高地は観光地として有名すぎるので訪問を避けていました。ところがもっと早く来ていればと後悔したほど、素晴らしい旅となりました!
【行程】
- 河童橋を渡り、ホテル白樺荘でランチ
- 絶景ポイント1 河童橋から1時間の「明神池」
- 絶景ポイント2 「ウェストン碑」
- 雄大な穂高連峰に抱かれて眠る贅沢
- 天の川銀河を眺めるロマンチックな夜
- 絶景ポイント3 星空からの「早朝の大正池」
- 絶景ポイント4 「河童橋と梓川散策」
- 絶景ポイント5 「田代池(サルにも遭遇!)」
河童橋を渡り、ホテル白樺荘でランチ
JR新宿駅から特急あずさに乗車して、北アルプスを望むJR松本駅へ。松本電鉄上高地線に乗り換えて約30分、新島々駅で下車し、路線バスかタクシーに乗り換えて約55分、トンネルを抜けて上高地に入ると、穂高連峰と大正池の雄大な景観が目の前に広がります。
まずは、平日でも多くの人々でにぎわう河童橋へ。橋の上から雄大な穂高連峰と梓川の景観を眺めてから記念撮影を行うとよいでしょう。
河童橋を渡ると、宿泊先としておすすめのホテルがあります。橋のすぐ前にある 上高地ホテル白樺荘、ウェストン碑(橋から徒歩約20分)近くの上高地ルミエスタホテル、そして上高地温泉ホテルです。今回は、上高地 ホテル白樺荘と上高地ルミエスタホテルを訪れました。
宿泊するホテルで荷物を預け、昼食をとります。
今回は上高地 ホテル白樺荘1Fにあるカフェ小梨で、名物の上高地コロッケとトマトカレーを注文し、河童橋前の野外テーブルで周囲の景観を楽しみながらおいしくいただきました。
絶景ポイント1 河童橋から徒歩1時間の「明神池」
昼食後は、いよいよ上高地の名所めぐりに出発。
上高地は国が定める特別名勝、特別天然記念物に指定されており、車両の乗り入れが規制されているので、徒歩での散策が基本になります。
まずは、梓川上流に向かって進み、明神池を目指します。
河童橋から緑が美しい山林遊歩道を歩くこと約1時間、明神池に到着。「北アルプスの総鎮守」と呼ばれる穂高神社の境内にあり、池を散策するには拝観料300円が必要です。
明神池には小さい浮島が点在し、独特の美しい景観が特徴です。周囲に散策道があるので、池の奥までめぐることができます。
秋には美しい紅葉が見られます。
絶景ポイント2 「ウェストン碑」
明神池をめぐったら、遊歩道を歩いて河童橋まで戻ります。
河童橋の休憩所で一休みしたら、20分ほど歩いてウェストン碑を目指します。ウェストンは明治時代に日本にやってきた英国人宣教師で、上高地の素晴らしさを世界に紹介しました。
このウェストン碑のすぐ近くに、上高地ルミエスタホテルがあります。
実はこのホテルでは隣接する上高地温泉ホテルと同様に、天然温泉を楽しむことができます。日帰り入浴(11:00~13:00)も可能なので、散策や登山に疲れた体を癒やすには最高です。
また、上高地のホテルはどこも水道水が冷たく、すごくおいしいです。ペットボトルに入れて持ち帰るお客さんもいるそうですよ。
雄大な穂高連峰に抱かれて眠る贅沢
ウェストン碑から河童橋に戻り、今回の宿泊先である、上高地 ホテル白樺荘にチェックインします。部屋の窓からは雄大な穂高連峰や梓川の流れを望むことができ、なんとも贅沢な気分です。
美しい景色を見ながらゆっくり休憩し、ディナーを待ちましょう。
メニューは一流シェフによる信州名産の川魚や野菜、肉を使った洋食がメイン。外国人のお客さんも多く、暮れゆく上高地の景観を眺めながら食事を楽しむことができます。
天の川銀河を眺めるロマンチックな夜
夕食も終わり、客室に戻ったら、星空観賞の準備に入ります。
各ホテルの照明は深夜になるとほとんど消えるので、ホテルの周辺でも十分に星空を堪能できます。なお、星空を観賞する時は服装に注意。標高1,500mの上高地は、真夏でも夜は寒いので、長袖のパーカーなどを準備しておきましょう。
宿泊した上高地 ホテル白樺荘は河童橋のすぐ手前なので、今回は河童橋を中心に、美しい天の川銀河を撮影しました。星景写真家である筆者も驚きの、満天の星です。
この素晴らしい星空を見逃すのが惜しくなり、河童橋から深夜の遊歩道を1時間以上かけて歩き大正池まで向かいました。
絶景ポイント3 星空撮影会からの…「早朝の大正池」
途中何カ所かで星空撮影をしながら、大正池のほとりに到着すると、白々と夜が明け始めました。立ち枯れの巨木の上に輝く天の川銀河が次第に消え始め、焼岳の上空が青白く変化する幻想的な光景です。
大正池のほとりを移動しながら撮影ポイントを探し、朝霧が出るのを待ちました。
立ち枯れの巨木と、穂高連峰を鏡のごとく映し出す静寂な湖面。その背後から次第に朝霧が立ち込める、そんな美しい光景を撮影することができました。
絶景ポイント4 「早朝の河童橋と梓川散策」
大正池での朝霧を観賞したら、梓川沿いの遊歩道を歩きながら河童橋へ戻ります。
上高地で一番おすすめしたいのが、この早朝の川沿い散策です。まぶしい朝日が次第に穂高連峰や梓川を照らしだし、キラキラ光る清流に沿って歩くだけで、心身共にリフレッシュできます。
長野県民として、もっと早く上高地を訪れるべきだったと後悔しつつも、楽しい早朝散策を終えて宿に戻り、朝食後に一休みしてチェックアウトします。
絶景ポイント5 「田代池(途中でサルに遭遇!)」
河童橋から田代池までは徒歩約45分。遊歩道を歩いていると、背後から突然2匹のサルが前方に走り抜け、目の前でじゃれ合い(けんか?)を始めました。非常にユーモラスな動きで、次第に仲間のサルたちも増えて遊歩道を占拠。
上高地のサルは性格が大変おとなしく、ほかの観光地で見られるような、観光客のお弁当を奪うことはほとんどないようです。
冬季は閉鎖される上高地。厳しい自然の中でたくましく生きているからなのか、人間にはあまり関心がないのかもしれませんね。
“サル騒動”も済んで、しばらく遊歩道を歩いていると、田代湿原に入りました。
緑が美しく、背後に穂高連峰を望む静寂な湿原です。
少し歩くと田代池に到着します。
透明度が高いきれいな池で、水深は非常に浅く、小さい魚たちが群れて泳いでいるのが見えました。6月下旬の訪問でしたが、前方の浮島には美しい緑の木立が生い茂り、赤いツツジが花を咲かせていました。
田代池を後にして、上高地ルミエスタホテルで昼食をゆっくり取り、日帰り温泉に浸かってから帰路に就きました。
2日間にわたり、上高地をぐるりと回って、さまざまな絶景に出合った旅。主要な名所をめぐるために、15km近く遊歩道を歩きましたが、心身はリフレッシュされて大変に良い旅となりました。名所をバスで次々とめぐるのではなく、大自然の中を自分の足で歩いて目的地を目指したことで、到着した時の感動もひとしおでした。
ベストシーズンの夏はもちろんのこと、早めの紅葉が楽しめる秋も、ひと味違う絶景が望めます。ぜひ日本一の山岳リゾート上高地で、美しい四季を楽しんでください。
この記事の内容は2019年5月20日現在の情報です。
星景写真家・宮坂雅博に師事。写真店を営んでいた父親の影響もあり、中学生の頃から一眼レフカメラを使い撮影を始める、女性の繊細な感性を生かし、宮坂氏と共に幻想的な写真を撮り続ける。
今回の旅の行程
【1日目】JR新宿駅→JR松本駅→新島々駅→大正池→河童橋→レストラン小梨→明神池→ウェストン碑→上高地 ホテル白樺荘
【2日目】河童橋→大正池→田代池→上高地ルミエスタホテル 露天風呂→新島々駅→JR松本駅→JR新宿駅