フジロック後の温泉は最高!新潟を満喫しまくる男ひとり旅
みなさん、フェスに行ったことはありますか? まず、大前提として行ったことない方は、ぜひ行っていただききたい。
特に野外のフェスは、音楽を浴びて、好きな物を食べて、自然を堪能する……。
最高なイベントです。
しかしながら終わったあと……
バカみたいに疲れます。
そして……
帰りが地獄。
さらに、かの有名なフジロックともなると、山登り&雨がつきものです。
このまま帰るのはしんどすぎる……。
もう一泊して、ゆっくりして帰れたら……。
そんなフジロック終わりを考えながら、今回の旅を参考にしていただきたい。
さまざまな野外フェスに、客としても、仕事絡みでも参加したことはありますが、実はまだフジロックに行ったことがないので(もちろんいつか行きたい!!)
行ったことない人の気持ちを踏まえながら旅に出ました。
あと、大事な事が1つ。今回はひとり旅です。
皆さんは、経験ありますか?
僕はありません。
なぜなら……
「どうしていいか分からないから」
というのも末っ子で甘えまくって育った僕は、ひとりで何かするのが、苦手なのです。話す相手がいない旅なんて孤独すぎる。ひとりじゃトランプもできないし。
しかしながら、最近はひとりでフェスに行く人も多いと聞きますし、フェス後に気ままなひとり旅をしちゃえばライブも楽しめて、疲れも癒やされる、まさに一石二鳥じゃないか! ということで、僕もそんな気分を味わいたい! 誰にも邪魔されず旅に出てみるというのも、一生に一度あってもよいのではないか! 新しい扉が開くんじゃないか!
動きだせ、38歳!
フジロックの後は、新潟の穴場温泉へ
さあ。
今回旅の行き先は、新潟は越後湯沢。
スキーのイメージが強いエリアですが、この季節、果たしてどんな場所なのか? ドキドキとワクワクと少しの不安を抱えて、いざ出発。
早速JR東京駅から、上越新幹線「Maxたにがわ」に乗り込む。決してユーチューバーの名前ではありません。
新幹線にはトキのマーク。早くも新潟の香りが……。
1時間もすれば、周りの景色はすっかり変わっていく。赤城山を右手に見ながら進んでいきます。自分の位置をグーグルマップで見ると、なんだか不思議な気持ち。俺は今、こんな所にいるのかー……。
旅の「お供」いや「音も」は吉澤嘉代子、ほのかりん、片平里菜と、気づけば女性シンガーばかり(笑)。どこかで女性を求めているんでしょうか。
もしフジロック終わりなら、憧れのアーティストの生音を思い出しながら、セットリスト通りに曲をプレイバックするなんていうのもいいかも。
そんなことを思って、ふと後ろを見ると
あれ?
あれ?!
誰もいない! この車両誰もいない! マジでひとり旅じゃん!! やべぇ!! 寂しい!! でも負けない!! ここから、背もたれ全開モード突入です。こうなったら、とことん楽しんでやる!
そんな戦いの末、東京から約1時間半で、無事、JR越後湯沢駅に到着。さっそくホームで温泉がお出迎え。
フジロックに参加した人の場合は、フジロック翌日、ここ越後湯沢駅から旅をスタート!
目の前には圧倒的に自然!
空気うまい!
越後湯沢からJR上越線でJR六日町駅へ、そこからなんだか響きの良い、ほくほく線に乗り換えて、まつだい駅へと向かいます。
なんと車両は1両!! ワンマン!
そして徐々に景色は変わって
町並みからだんだんと……
田んぼ
田んぼ
田んぼ
石コロけとばし〜♪
(田園/作詞:玉置浩二・須藤晃)
ていうくらい田園。
さすがだ新潟! これぞ新潟!
いつもおいしい米をありがとう!
そうして、六日町駅から20分ほどで、まつだい駅に到着。
そこからタクシーにて20分ほどかけて、松之山温泉へと向かいます。
その途中で、なにやら不思議なモニュメントが。そういえば、駅近くにも草間彌生さんの作品がありました。
タクシーの運転手さんに、せっかくなので、いろいろと聞いてみました。
「大地の芸術祭というのが、3年に一度、夏にあるんですよ。その時期には、アート作品がいろんな場所に設置されるんです。アート好きな人が国内外からたくさん来るイベントで、開催期間中には50万人近く来るんですよー」
まじすか。
とんでもないイベントじゃないすか。
ちなみに、タクシーの運転手さんは、それを見にきた山本寛斎さんを乗せたこともあるそうで。その時の印象は……
「ケバケバの衣装だなー!」
だったそうです。
しかしまさか、そんなこともしてる場所だったとは。行ってみないとわからないこともあるものだ。
そうこうしているうちに、最初の目的地、ひなの宿ちとせ 松之山温泉に到着。
お店の雰囲気も良い感じ。フロントの周りはかなり広くて、お土産コーナーや、喫茶店もありました。
ちょうど、お昼前に着いたので、さっそくご当地名産の湯治豚丼定食をいただく。
読んで字のごとく、温泉の湯に、新潟妻有地方のブランド豚「妻有ポーク」を浸けてじっくり温めたという湯治豚。それがこちら。
花が咲いている。肉の花が。
さっそく……
何これ。
うまいんですけど。
柔らかいんですけど。
甘いんですけど。
いや、これ文字で伝えるの、めちゃ難しいです。焼く・煮るではなく、温泉熱を利用した低温調理なので、ちゃんと柔らかくて、どんどん口に入れられる感じ。うまい……。
すると、宿のオーナーでもある柳一成さんが来てくださいました。
せっかくなので、この町のお話を伺いました。
「まつのやまの辺りは、どんな町なんですか?」
「フジロックとアートの町なんですよ。フジロックの会場は苗場だからここから離れてるんですけど、県内だから皆さんあまり距離を気にしないで、ほくほく線に乗ってこちらまで足を延ばしてくれますね」
「確かにせっかく新潟に来たなら、県内だから行ってみよう! みたいなノリってありますね。アートの町というのは?」
「『大地の芸術祭』といって現代アートの祭典があるんです。大地の芸術祭の期間中は、田舎で普段人が来ない場所にも作品が展示されます。観光客の人たちが『素敵な場所ですね』と言ってくれることで、町のお年寄りもどんどん元気になっていくんです。今じゃ、有名な海外の作家さんの作品を、地元のお年寄りが説明していたりもするんですよ(笑)」
ロックとアートがエネルギーを吹き込んで、町を活性化させている、それに圧倒的な自然。
なんと生命力にあふれている場所だろう。
フェス終わりに来たら、逆に元気になってるかもしれない。
腹も膨れたことだし、この流れで露天風呂「月見の湯」へ。
宿の3階には露天風呂があって、時間によって撮影が可能ということでお邪魔させてもらった。
あれ? 女湯じゃないよな……。
一瞬、のれんの色でビビる。
よかった、この時間は男湯でした。
いざのぞいてみると……!
めっちゃ素敵!!
雑誌とかで見るやつ!
では、さっそく……!
河童ではありません。
僕です。
いや、しかしすごい。
河童にも来てほしいくらいです。
すぐに体がポカポカになります。
一度湯船に入れば、出てもしばらくのあいだ全く寒くない。フェスで散々歩いた足の疲れも、内側からほぐれていくことでしょう。
柳さんいわく、塩分が強いので、それが汗腺にふたをすることで熱が外に逃げないから、体の温かさが続くとのこと。
なので逆に、あまりの長湯は禁物なのだそう。
といいながら、気持ちよくて出ては入りを繰り返しました……。
そして、1階にある大浴場にもお邪魔しました。こちらは岩風呂もあって、また違った風情が。
うん、素敵!
気持ち良く過ごしたところで、最後に柳さんともパシャリ!!
完全に看板かぶっちゃってますけど、いいんです! 楽しかった!
柳さん、本当にありがとうございました!
「星峠の棚田」が絶景!心身が癒やされる
温泉とランチを堪能した後は、再びタクシーに乗って宿から30分ほどの、大河ドラマ『天地人』でその絶景が有名になった「星峠の棚田」を見に出発。
※棚田(たなだ)とは、傾斜地にある稲作地のこと。
どんどん山の中を進んでいきます。
「目の前、緑一色ですねぇ」
と僕がつぶやくと、
「冬は白一色なんだけどねぇ」
と運転手さん。
ここは冬は雪に埋もれてしまい、雪崩の危険もあるので、通れない道なのだとか。
この緑はこの時期にしか見られないっていうのも、なんだか貴重な気が。
そして、ついに星峠の棚田に到着!!
その景色がこちら
目の前にあるのに、完成されすぎてて桃源郷に来たような気持ちです。
タイミングによっては、雲海に隠れた棚田という絶景が見られる可能性も。
すごいなー……。
あと、どうでもいいけど
自撮り棒買っておいてよかった。
越後湯沢駅近で絶品グルメをいただく
越後湯沢駅近に戻り、今夜宿泊するホテルで休んでいると、いろんなリラックス効果のおかげか、ひと眠りしてました。
日も落ちてきたので、よし、夜ご飯!!
ホテルから歩いて10分ほどのところにある「湯沢釜蔵」さんへ。
普段ひとりで居酒屋には行かないので、ちょっとドキドキしながら注文を……
の前にお通しが。
ゲソサラダと牛すじ煮込み。
おいしいお店は、やはりお通しがうまい!
特にゲソサラダが食感たまりませんでした。
その流れで、一気に注文。
写真でうまさを想像していただきたい……!
お刺身
フグの白子焼き
そして、
シンプルな鮭おにぎり&味噌汁!!
わーー!! うっめーー!!
どれも旨味がね、ギュッと詰まってます。魚もぷりぷりです。
そして、その料理のお供はもちろん。
幸せだー。
ちなみに頼んだのは「八海山 魚沼で候」
魚沼のおいしい水で作った日本酒が、まずいわけがない。
店長の関智也さんに話を聞いた。
「料理めちゃくちゃおいしいです。あと、当たり前ですけどお米が本当においしいですね」
「もちろんおいしいお米を提供しているんですけど、この時期(取材時は5月)は去年収穫したお米なんですよ。秋の新米の時期は、もっとおいしいですよ!」
「え、これよりうまくなるんですか? まじですか……。ちなみにこのお店が一番混む時期って、いつ頃なんですか?」
「2月のスキーのシーズンが一番多いですね。フジロックの時期はたくさんの方がいらっしゃるんですけど、みなさんグルメにはお金を使わないように抑えるようで、コンビニなどで済ませる方が多いみたいです(笑)。近くのセブン-イレブンは、その時期全国のコンビニの売り上げNo.1らしいですよ。」
えぇー!
すごいけど、なんだかもったいない!!
逆を言えばその時期、ここに来るべき!
お店の雰囲気もいいし、そこまで高くないですよ。
あと、周りを見ると、ちょこちょこ海外のお客さんが……。
それにしてもこのお店のスタッフさんは関さん含め、料理長もみんな気さくに話をしてくれます。
一緒に写真も撮っちゃいました!
そして、料理長!
またお話聞かせてくださいー!
そして、最後は店長オススメの、米焼酎なのに風味がウィスキーという「風媒花(ふうばいか)」をいただき、越後湯沢の夜が更けていきました。
そして翌日!
気に入ったので、お土産に風媒花を一本購入しました。
そして新幹線では……
エチゴビールで身も心も越後湯沢に染まっていきました。
越後湯沢は水がうまい。
そして、米がうまい。
そこから作る酒がうまい。
全部つながっていました。
そして、町の人たちがあったかい。
いろんな大きなイベントがここで行われるのも、
そこに理由があるのかもしれません。
あれ……?
気がつけば、ひとり旅だということを忘れて楽しんでいるぞ……。
初のひとり旅は大満足で終わりました!
ありがとうー!越後湯沢ー!
ぜひ、次はあなた自身で体験してみてください。
自撮り棒を買って。
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR越後湯沢駅→六日町駅→まつだい駅→ひなの宿ちとせ 松之山温泉→星峠の棚田→まつだい駅→JR越後湯沢駅→湯沢釜蔵
【2日目】JR越後湯沢駅→JR東京駅