今回の列車旅ポイント
冬の楽しいアクティビティといえば、スノーボードにスキー。さらに、ゲレンデの近くには、必ずといっていいほど美味しいごはんと温泉があります!
ご当地ごはんと温泉が大好きな元プロスノーボーダーの私、松井英子と友人のDJ YUCOが、そんなゲレンデを求めて、郷土の文化や歴史、さらに料理や温泉も楽しむことができる福島県磐梯町へ。欲張りに冬を楽しみたい方にぴったりな、1泊2日の列車旅をご紹介します。
JR東京駅から東北新幹線「やまびこ」に乗って約1時間半、JR郡山駅に到着。郡山駅で磐越西線に乗り換えて約1時間、JR磐梯町駅に到着しました。
今回宿泊する「磐梯山温泉ホテル by 星野リゾート」へは、磐梯町駅から予約制のシャトルバスで送迎してもらえます。駅からホテルまでは約15分、道中は雪道でした。送迎があるのは便利ですね。
玄関ではスタッフの方のお出迎えがあり、入り口で検温、手指消毒を行います。
チェックイン時刻の前から滑りたい人は、荷物を預けておくことができます。預けた荷物は部屋に届けておいてもらえるそう。
いざ、ゲレンデへ!
磐梯山温泉ホテルとスキー場「星野リゾート アルツ磐梯」(※)の「リゾートセンター」は通路でつながっているので、ゲレンデの目の前まで室内を通って行けます。
1,910メートルの長さのアルツエクスプレスはフード付きのリフトなので、雪の日でも快適に上まで運んでくれます。
※編集部注:2023年冬、「アルツ磐梯」は「猫魔スキー場」と連結リフトでつながり、「星野リゾート ネコマ マウンテン」として生まれ変わりました。詳しくは公式サイトをご確認ください
アルツ磐梯には、最長2,370メートルを滑れるメインエリアがあります。メインエリアにはゲレンデデビューに最適な初級コースが、麓からよく見える場所にあるので、初心者やファミリーには安心です。さらに、雪が降れば新雪を楽しめる非圧雪コースが多いバレーエリアもあります。初心者やファミリーから、上級者まで楽しめるゲレンデなのです。
また、コースも豊富で、奥に行けば行くほど雪質も良質に。
ホワイトバレー1は、コース幅が広い中級斜面。雪質が良好でコースの幅も広く、気持ちよくカービングターンができるので私のお気に入りコースです。
ここでコーヒー休憩をしようと、バレーエリアにあるレストハウス「The Rider’s」へ。
スケートボードのランプ(スケートボードで技をするための道具)やビリヤード台もある遊び心のあるお店です。2階には有料のラウンジもあるそうです。
ズナイコースは、磐梯町を眺めながらロングライドできます。斜度の緩急があり、気持ちのいいターンもできるコースです。眺めがいいのでYUCOが動画を撮ってくれました。
ランチはリゾートセンターの中にある「磐梯食堂」へ。
磐梯山ソースカツ丼をチョイス。ソースカツ丼は、ここ会津地方のソウルフード。大正時代から親しまれてきた庶民の味で、「カツ丼=ソースカツ丼」というぐらいにメジャーなのだそう。
分厚くてやわらかいカツに甘辛いタレがしっかりからんでいます。口の中をさっぱりさせる千切りキャベツとあいまって、箸が止まりません!
YUCOも「このソースが美味しい!」とペロリと平らげていました。
ゲレンデで飲む味噌汁って冷えた体に一層しみるのですよね。うまい! ごちそうさまでした。
磐梯山温泉ホテルには、16時からチェックインできます。
宿泊した部屋は「ゴロゴロルーム」。メゾネットタイプなので広く、1階がリビングで、2階が寝室となっています。
ウェアやグローブ、ゴーグルなどはハンガーにかけて乾かしましょう。部屋が暖かいので干すだけで大丈夫。
ゴーグルはカバンやケースに入れたままだと、レンズ周囲のスポンジが湿ったままになり、いざ使うときに曇るので注意してくださいね。
こちらのホテルでは、会津の文化に触れられるアクティビティが多数用意されています。夕食までの時間でいくつか挑戦してみました!
まず、最初に気になったのは「薬研こしぇる茶」。会津藩の領主が薬草園をつくったことに由来するアクティビティで、「こしぇる」とは会津弁で「つくる」という意味だそうです。
数種類の薬草から自分好みにブレンドして、薬研(やげん)で細かくくだいてお茶としていただく体験ができます。
私はスギナ、柿の葉、ハトムギを選択。
細かくなったらお湯を注ぎ、砂時計でカウントダウン。挽きたてのハトムギの香りが良いお茶が完成! クセがなく飲みやすかったです。
YUCOはスギナを多めにしたせいか「苦味があって体に良さそうな感じ」のお茶になったそう。選ぶ薬草や量によって出来上がりの味はかなり変わるみたいですね。絶対失敗したくない人向けに、すでにブレンドされている薬草もあるので安心して挑戦できます。
また、会津の郷土玩具「赤べこ」の絵付け体験もできます。
どれも初めての体験で、楽しく参加できました。ホテル内で楽しめるアクティビティがあると、天候が悪い日でも充実した時間を過ごせるので嬉しいですよね。久しぶりにスキー・スノーボードをする方や、お子さん連れにもおすすめです。
お待ちかねの夕食は、レストラン「kisse・kisse(キッセ キッセ)」でビュッフェスタイルです。
食事はどれも彩りが美しく、見ているだけでも満足するほど。そば打ちの実演も行われていました。何を食べようかと迷うぐらい、料理の種類が豊富です。
2人でいろいろ食べたい! と欲張った結果……!
打ちたてのそばは、ほんといい香り。そばにコシがあってツルッと喉を通ります。なんて贅沢だ!
とくに私のお気に入りはこちら。
会津の郷土料理であるわっぱ飯。杉や檜の薄い板を曲げてつくったお弁当箱にごはんと具材を詰めて蒸し上げられています。時期によって具材は変わるようです。鶏肉と出汁のきいたごはんに舌鼓を打ちました。
最初は「取りすぎた!」と思った私もYUCOも、結局はおかわり。とにかく何を食べても美味しくて、話も弾むし、ついつい食べ過ぎちゃいました。
太鼓の音が聞こえたので向かってみると、会津の民謡である「会津磐梯山」の生歌と生演奏がはじまりました。15分の会津磐梯山踊りは食後のいい運動になりました。2人とも軽く汗をかくぐらい楽しみました。
いい汗をかいたところで、旅の癒やしである温泉へ。
会津漆器をイメージした赤と黒の配色が美しい浴場です。お湯は無色透明でとろみがあり、乾燥肌にも効果のある美肌の湯です。
檜の赤べことリンゴがぷかぷかと浮いているのがまたかわいい。「スノボの後の温泉は格別……!」と、私たちの頬も緩みっぱなしでした。
アルツ磐梯では「ファーストライド」という、通常の営業開始時間の15分前からリフトに乗ることができるサービスがあり、磐梯山温泉ホテルの宿泊者は無料で利用することができます。(※)。
※編集部注:当日有効なリフト券が必要です。
まだ誰も滑っていない圧雪仕立てのコースは、普段よりも上達した感覚で滑れます。
夜の間に雪が降ったのでパウダースノーも楽しむことができました。ホワイトバレーやブラックバレーエリアの非圧雪コースも最高でしたね。リフトの上ではどこを滑ろうかと会話が弾み、時間があっという間にすぎました。
さらに! 磐梯山温泉ホテル、冬はなんとチェックアウトが14時!
朝一番で滑って、部屋でゆっくり着替えて帰路につけるのは嬉しいですね。スノーボード旅行では荷物も多いので、荷物の整理も落ち着いてできました。
チェックアウトを済ませ、再びシャトルバスで約25分、磐梯町駅へ。
駅舎はレトロな雰囲気で、とてもいい味がでています。
赤い公衆電話ボックスもまたおつなもの。私はこういう古き味のあるものに惹かれてしまいます。かわいいですね。
駅からは山が見えます。私たちはさっきまであの山にいたのかぁ……。
磐梯町駅から磐越西線に乗って郡山駅へ。駅中にある「三万石 郡山おみやげ館」に寄ってから東北新幹線で東京駅へ帰りましょう。
おみやげ館でのお目当ては、郡山のソウルフードである「クリームボックス」。
ロミオのクリームボックス。クリームボックスの元祖です。
2センチぐらいの厚みのパンに、たっぷりのミルククリーム。パンはふわふわ。ミルククリームはしつこくないちょうどいい甘さで美味しい!
スノーボードだけでなく、会津の文化や歴史に触れてすっかり福島のことが好きになった私たち。美味しいごはんに美肌になる温泉、そしていい雪! ゆっくりとその土地を感じる列車旅の余韻に浸りながら、また次の旅を構想するのでした。
掲載情報は2022年2月25日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR郡山駅→JR磐梯町駅→磐梯山温泉ホテル by 星野リゾート→星野リゾート アルツ磐梯→磐梯山温泉ホテル by 星野リゾート
【2日目】磐梯山温泉ホテル by 星野リゾート→星野リゾート アルツ磐梯→磐梯山温泉ホテル by 星野リゾート→JR磐梯町駅→JR郡山駅/三万石 郡山おみやげ館→JR東京駅
1泊2日/東京駅⇔郡山駅/夕朝食付き
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