今回の列車旅ポイント
皆さんこんにちは、仮面ライダー大好きオジさんこと「いぢま。」と申します。特撮作品を中心に映画メディアでライター兼カメラマンとして活動しております。
さて、そんな私が今回向かうのは宮城県石巻市。昨年(2021年)、生誕50周年をむかえた『仮面ライダー』の原作者である、漫画家・石ノ森章太郎先生のマンガミュージアム「石ノ森萬画館」とその周辺の「石巻マンガロード」などを、仮面ライダー中心に巡ります。
JR東京駅から東北新幹線に乗車して約1時間半、まずはJR仙台駅を目指します。乗車したのは日曜日、朝8時台の新幹線。なぜ、特撮ヒーローシリーズの放映日という特撮好きにとって大切な日曜日の朝(ニチアサ)に出発したのか。その理由は後述いたします。
仙台駅から徒歩5分ほどの仙石線の始発駅・JRあおば通駅に移動します。
そこに待っていたのは仙石線の特別車両「マンガッタンライナー」です。このマンガッタンライナーは通常ダイヤの中で運行しているので、乗れるかどうかは運任せですが、毎週日曜日の朝、あおば通駅10:48発だけは確実に乗れるのです。
これこそが、特撮のテレビ放映を差し置いてでもニチアサに出発した理由なのです。
仙石線は仙台駅にも停車しますが停車時間が数十秒、終点のJR石巻駅も到着後数分で折り返してしまいます。始発駅のあおば通駅なら発車までの待機時間が長いので、先頭車両からゆっくりと愛でつつ、記念の写真を撮ることもできます。
マンガッタンライナーを見て楽しんだ後は、のんびりと仙石線の列車旅を楽しみましょう。
マンガッタンライナーは各駅停車。終点の石巻駅までの約1時間半、のんびりと列車旅を満喫できます。
市街地から田園地帯を通り、山を貫くトンネルを抜け、日本三景の松島を望む海沿いを走る。まさに列車旅の醍醐味です。
石巻駅に到着すると既にそこはマンガの世界。
駅の至るところに石ノ森先生の作品が描かれ、改札口の手前では『仮面ライダー』と『サイボーグ009』のモニュメントが出迎えてくれます。
駅構内の跨線橋を渡って石巻線のホームへ下りていく階段には大きな仮面ライダーも描かれています。
改札の手前で、「日曜日のこの時間限定」のマンガッタンライナー乗車記念証明書を受け取り、みどりの窓口にある記念スタンプを押せば素敵な旅の思い出になります。
石巻駅正面口の屋根の上にはサイボーグ002。明かりとり窓がさまざまな石ノ森作品のキャラクターが描かれたステンドグラスになっている特徴的な駅舎です。
石ノ森萬画館まではこの石巻マンガロードを通って徒歩約12分です。
石ノ森萬画館の宇宙船をイメージした特徴的な建物は、本当に宇宙からやってきて、ここ中瀬に着陸したように見えます。
正面玄関前には、サイクロン号で疾走する仮面ライダーのモニュメントが設置されています。実写版ではなく、石ノ森先生が描いた原作マンガ版の仮面ライダーが立体化されているというだけでファンには堪りません。
萬画館1階にはインフォメーションカウンターとグッズショップ「墨汁一滴」があります。インフォメーションカウンター脇のスロープを登って2階展示コーナーへ向かいます。
2階へのスロープの途中も展示スペースになっていて、ここには仮面ライダー好きが絶対に座りたくなるベンチがあります。このベンチは仮面ライダー1号の等身大ブロンズ像と並んで座って記念撮影ができるフォトスポットなのです。
仮面ライダーのベンチの先、スロープの壁面には宇宙船の窓をイメージしたパネルが並んでいますが、その中の1つだけ暗くて絵が見えません。
床にある足形に合わせて立ってフレームの中を覗き込むと……
内部構造を再現した仮面ライダーがホログラムのように宙に浮いて回転していました。これには仮面ライダー好きでなくてもテンションがあがると思います。
2階の展示コーナーへ入って『サイボーグ009』のコーナーを抜けると、そこは『仮面ライダー』の世界。岩の上に立つ仮面ライダー(旧1号)がカッコ良すぎて震えます。
仮面ライダー1号・2号が揃ってからリニューアルされたデザインもいいですが、やはり放送開始当初の少しダークなイメージの旧1号スーツは渋さが堪りませんね。
50周年という歴史の礎を作った、昭和の歴代仮面ライダーのマスクが並んでいる様子は圧巻。
壁面のガラスケースには平成から令和に登場した仮面ライダーのマスクがずらりと並んでいます。テレビで見ていたマスクをじっくりと観察できる、幸せなひとときに大満足です。
3階には石ノ森作品に限らず、6,000冊のさまざまなマンガ本や300本の映像を無料で閲覧できるライブラリーや食事ができる展望喫茶「BLUE ZONE」があります。
ライブラリーへと続いている「仮面ライダークウガの足跡」には仮面ライダーファンなら思わずニヤリとしてしまうでしょう。
劇中で、強烈なライダーキックによって敵の身体に焼き付く刻印となるクウガの足跡。石ノ森先生の没後初めて制作された仮面ライダー作品でもあるクウガの足跡が導く先に、さまざまな漫画家の方々が描いた作品のライブラリーがあるなんて、石ノ森スピリッツが新たな時代へと受け継がれ、歩み続けていると感じられて感慨深くもありますね。
仮面ライダー三昧ですっかり時を忘れてしまいましたが、1日目はここまで。石巻駅近くのホテルに宿泊して明日に備えます。
2日目は、石巻マンガロードを散策します。石巻マンガロードにちりばめられた石ノ森キャラクターのモニュメントやブロンズ像は28体。今回はその中から仮面ライダーを中心に巡っていきましょう。
「あいプラザ・石巻」の前に立つ、仮面ライダー1号のモニュメント。
モニュメントは通り沿いに立って行き交う人々の平和と安全と自由を見守っています。
石ノ森萬画館のスタッフの方に伺ったところ、東日本大震災の津波で流されたモニュメントは2体、そのうちの1体はのちに発見されて現在は東日本大震災の伝承施設で展示されています。
つまり、この仮面ライダー1号を含め震災前からあったモニュメントは、すべてが強さと復活の象徴として今も石巻の街を見守り続けているのです。その話を聞いてから見るライダーたちはとても力強く見えました。
こちらの仮面ライダーBlack(ブラック)のモニュメントは2018年に新たにマンガロードの仲間に加わりました。
そして、その向こうに見える建物は1930年に建設された石巻市指定文化財の「旧観慶丸商店」です。歴史ある建物の前に立つヒーローは味わい深いです。
こちらの仮面ライダーBlackは、「いしのまき元気いちば」前に設置されているブロンズ像です。生物然としたリアルな造形がかっこいいですね。
石ノ森萬画館の西側にある堤防上のテーブルベンチで、散策途中に買った「萬楽堂」の「元祖メロンパン」を食べながら少し休憩。
元祖メロンパンは70年以上作り続けられている人気商品。中にメロンのカスタードクリームが入っています。
さっそく食べてみると、カスタードからほんのりメロンの香りが広がり、表面のカリカリっとした生地の甘みと相まって絶妙な味わい。70年以上も愛されて続けているのも納得です。
さて、美味しいメロンパンを食べて元気が出たので石巻マンガロード散策を再開します。
「かわまち立体駐車場」の前に設置されているのは仮面ライダー1号と2号が並び立つブロンズ像です。50年も続く仮面ライダーシリーズの始まりのライダーだと思うだけで神々しく見えます。
仮面ライダー1号と2号のブロンズ像の前の道を北西方向に進み、アイトピア通りを左折して100m少々のところにある「石巻市営中央第一復興住宅」脇にある小さなお社が「萬画神社」です。
萬画神社の御神体は「萬画章命(よろずえがくあきらのみこと)」といい、その顔は地球を表し、右手に持つペンにはあらゆる邪気を払う力があるというありがたいものです。
萬画神社の斜向かいの石巻中央一郵便局前には仮面ライダーの萬画ポスト(郵便ポスト)があります。見落としそうですが、仮面ライダーファン要チェックですね。
残りのモニュメントを鑑賞しながら石巻駅へと戻ります。
石巻駅前まで戻ってきました。石巻駅を見守るように立つ仮面ライダーV3に見送られながら石巻駅から仙台駅へ戻り、東北新幹線に乗って東京への帰路につきます。
さまざまな石ノ森マンガのキャラクターで彩られた「石巻マンガロード」、美味しいパンの「萬楽堂」、時間を忘れてしまうほど楽しい「石ノ森萬画館」、石巻駅から徒歩圏内だけでも存分に楽しめる。仮面ライダー大好きオジさんも大満足の列車旅でした。
©︎石森プロ ©︎石森プロ・東映 ©︎石森プロ/街づくりまんぼう
応募期間は終了しました。沢山のご応募ありがとうございました。
萬楽堂
住所:宮城県石巻市立町2丁目4−23
営業時間:9:00〜売り切れまで
定休日:不定
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR仙台駅→JRあおば通駅→マンガッタンライナー→JR石巻駅→石ノ森萬画館→ホテル
【2日目】ホテル→石巻マンガロード(散策)→萬楽堂→萬画神社→JR石巻駅→JR仙台駅→JR東京駅