「顔ハメ看板」を求めて城に寺に! 信州の歴史と大自然にハマる旅 甲信越

「顔ハメ看板」を求めて城に寺に! 信州の歴史と大自然にハマる旅

2017.06.29 甲信越長野
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日本の観光地にあるものといえば、“穴から顔を出して記念撮影するアレ”がお馴染みだと思います。そんなアレこと、顔ハメ看板にハマり続けて3000枚。顔ハメ看板ニストと名乗って活動している私が、今回は2016年度の大河ドラマ『真田丸』の記憶も新しい信州・松本を起点に、北へ南へと顔ハメ看板を求めてさすらいたいと考えました。

大河ドラマゆかりの地となると、顔ハメ看板が大量に設置されるのが業界の常識。しばらく前に顔をハメにきたことはあったのですが、新しい看板が増えているという情報も多々あり、これは行かねばと思っていました。歴史と大自然を堪能できる信州の、その深みにハマるべく、1泊2日の旅に出ます。

スーパーあずさで松本へ。まずは信州の北を攻める

今回の旅の拠点は、特急あずさの終着駅、松本。ここからレンタカーで顔ハメ看板を巡ります。JR松本駅へ向かい、まずは駅周辺で顔ハメ開始です。

1枚目は松本駅から歩いて10分ほどの「なわて通り商店街」。以前来たことがあるのですが、新しい看板ができているとのことで、ぶらりと歩いてみました。入り口ですぐに顔ハメ看板に出合い、幸先の良い旅の始まりです。

なわて通り商店街 顔ハメ看板

なわて通り商店街 カエルのオブジェ

観光客の方々は、顔ハメの隣にあるカエルのオブジェ前で記念撮影していました

縄手通り商店街 カエル顔ハメ看板

かつてハマったことのある、ジャッキー・チェンと共演した顔ハメ看板は健在

朝も早よから移動して小腹もすいてきたので、石臼で自家製粉した国産小麦でパンを作っている「アガタベーカリー」へ。松本駅から約3km。車だと10分くらいでたどり着けます。顔ハメ看板もありますし、オススメです。

アガタベーカリー 顔ハメ看板

「家族連れのお客さんが多いため、みんなで一緒にハメられるように3人用にしました」とのこと。パンもおいしかったです。

次に目指すは、JR松本駅から車で約15分のアルプス公園の中にある「小鳥と小動物の森」。明らかに職員さんが手作りしたと思われる渋い看板が設置されているので、ぜひハマってもらいたい1枚です。駐車場から顔ハメ看板までは徒歩約15分と結構歩くので、時間に余裕を持って臨んでください。

アルプス公園

なんといっても、無料の公園でこのロケーション。立派なカメラを首から下げた人も多く見受けられました

アルプス公園 顔ハメ看板

肝心の顔ハメ看板も、この風格。これで無料とは

アルプス公園 顔ハメ看板 裏

顔をハメるついでに森林浴もできます

ステキな顔ハメ看板を求めて、どんどん北上

続いて車で30分 ほど北上して、穂高駅の目の前にある、レンタサイクルとカフェのお店「ひつじ屋」に到着。落ち着いた空間に、ステキな看板。大勢の子どもたちが次々とハマっていました。良い顔ハメ看板は、宣伝しなくても、自然と人にハマられるものなのです。

ひつじ屋 顔ハメ看板

お店の方いわく、「穴のサイズにこだわりました」とのこと。納得のハマり具合

ひつじ屋 外観

天気も抜群に良く、レンタサイクルを利用されるお客さんが何組もいらっしゃいました

歴史ロマン系顔ハメ看板を求めて、信州の東、上田へ

ここからは歴史ロマン系顔ハメ看板を求め、上田方面へと向かいます。大河あるところに顔ハメあり、ということで昨年の大河ドラマ『真田丸』の熱狂に沸いた信州上田。顔ハメ看板も上田各地で増えているという情報をもとに、まずは上田駅でひとハマり。

上田駅 顔ハメ看板

新幹線の発着が落ち着いて、人通りが途切れた頃がハマり時

続いて真田幸村の父、真田昌幸によって築城された上田城の跡地、「上田城跡公園」へ。真田三代、3人用の顔ハメ看板があります。親にハマるように促されて真ん中にハマった小学校低学年くらいの女の子が、「やったぁー! 幸村だ!」と叫んでいました。こんな小さい子にも大河フィーバーが起きているとは!

上田城 顔ハメ看板

そこにハマると誰になれるのかが裏に名前が書いてあるという、親切仕様でした

初日の締めくくりも、やはり真田幸村。観光案内所やそば打ちなどの各種体験施設を兼ね備えている上田の観光拠点「ゆきむら夢工房」。ここにある顔ハメ看板もなかなか渋くて良い塩梅なので、ぜひ足を延ばしてハマってもらいたいところです。

ゆきむら夢工房 顔ハメ看板

この躍動感。甲冑、兜部分の凝りよう。刀も別添えで、両手を出して、エイヤーと振りかざします

ゆきむら夢工房 顔ハメ看板 刀

刀部分はこんな感じで、紐でぶら下げてありました

こちらのステキな看板は、スタッフの方が2年くらい前に、大河に備えて作られたそう。手作り感もある、温かい顔ハメ看板にうっとりハマっていると、もう夕暮れ。旅の拠点である松本まで引き返します。1日目のハマりに気を良くして、ホテル近くの居酒屋で一杯。信州といえば、やはり日本酒。新潟に続き、全国で二番目に蔵元が多いそう。

2日目は南下、信州の大自然を堪能

2日目も早起きし、朝食を済ませてさっそく信州を南下します。1枚目は松本市内から1時間半ほど車を走らせた山の中にある、上松町を目指します。木曽路を行く、気持ちの良いドライブコース。いつまでも続く、信州の大自然を堪能できます。上松町は出羽海部屋の御嶽海関の出身地です。お土産とお食事処「ねざめ亭」の顔ハメ看板は、御嶽海関と一緒に写れる着物姿の女性という楽しいスタイルです。

ねざめ亭 顔ハメ看板

店内には御嶽海関コーナーがあり、町を挙げて応援している雰囲気が伝わってきます

ねざめ亭 展望

裏手のテラスからは、浦島太郎伝説の残る景勝地「寝覚の床」を一望できる

木曽路を戻り、次は伊那市に向かいます。きのこ狩りときのこ料理が楽しめる「きのこ王国」には、3人用の顔ハメ看板が。顔ハメとは関係ないのですが、私はきのこが大好きでして、ここではイカしたきのこ柄のカードケースを購入できました。

きのこ王国 顔ハメ看板

きのこ王国 顔ハメ看板からの展望

標高が高いところにある施設で、ハマってみると、穴から街を一望できる

きのこ柄のカードケース

伊那市からさらに南下し、避暑地として有名な駒ヶ根市では、いちご狩りの「アクアロマン 中川園」でもうひとハマり。駐車場にポツンと置かれているのですが、手作りの素朴な看板と雄大な駒ヶ岳が、絶妙な雰囲気を醸し出しています。

アクアロマン 顔ハメ看板と駒ヶ岳

アクアロマン 顔ハメ看板

もはや天国のような雰囲気が

アクアロマン 古い顔ハメ看板

現役を終えた看板も脇に。一応ハマっておきました

メインの看板を目指し、さらに南下

ここまでハマり続けてきたので、ちょっと休憩。ちょうど顔ハメ看板がある温泉施設があるので、昼食がてら、もうひとハマりといきましょう。そろそろ温泉でひとっ風呂浴びたいところですが、時間がなかったので、混浴風の顔ハメ看板にハマることで我慢。

清流苑 顔ハメ看板

珍しい混浴の構図は「清流苑」 。町営の温泉施設で、この日も地元の人で賑わっていました

清流苑を後にすると、この旅のメインにと考えていた顔ハメ看板が近づいてきます。長野の善光寺と併せて参拝しないと片参りと言われる、飯田の「元善光寺」です。善光寺には顔ハメ看板がないことを確認済みなので、今回の旅は元善光寺の片参り。

元善光寺 入り口

入り口までくると、このスケール感。こんな立派なお寺に本当に顔ハメがあるのか、不安になりました

元善光寺 顔ハメ看板

無事にハメる。歴史ある立派なお寺と対照的に、お茶目な顔ハメ看板でした。日付の後ろの「●号」は、バスで参拝に来たときに号車を表示するためとのこと

元善光寺 顔ハメ看板 裏

はみ出さないように、キュッと体を引き締めて

もう少し時間があったので、顔ハメ看板を求めて、さらに奥深い山の中へ。信州で2番目に山奥の村、大鹿村を目指します。名前に「塩」が入っているので、個人的になんとなく親近感を覚える「塩の里直売所」に、顔ハメ看板があります。

大鹿歌舞伎 顔ハメ看板

この風格。周りの雄大な景色とぴったりマッチ

300年の歴史を持ち、国の重要無形民俗文化財にも指定された地芝居、大鹿歌舞伎の顔ハメ看板。ハマりの良さもさることながら、非常に丁寧な作りに感動し、お店のお姉さんに看板を称賛しつつ、設置の背景が気になったのでお話を伺いました。「この看板は、村で絵が得意な、本業は牛飼いの若者が作りました。本人も喜ぶと思いますので、わざわざ東京の人がハマりに来たと、しかとお伝えてしておきますね」と言われました。「しかと」。やはり大鹿村なので「鹿」と掛けているのだなと、妙に腑に落ちつつ、松本へと戻りました。

大鹿歌舞伎 顔ハメ看板 裏

大鹿歌舞伎の看板の裏に回ると、「表情見本」と目が合います。「また来てね」と言われたように感じました

今回の旅ではさまざまな信州の歴史に触れつつ、移動中も大自然を堪能。北から南へと、本当に豊かな土地であるということがわかりました。あとは特急あずさで東京に帰るのみと思いつつも、昨日食べたパンの味が忘れられず、アガタベーカリーを再訪。帰りの列車内で頬張るパンを買い込んだのでした。

 

今回の旅の行程

【1日目】JR新宿駅→JR松本駅→なわて通り商店街→アガタベーカリー→松本市アルプス公園 小鳥と小動物の森→ひつじ屋→JR上田駅→上田城→ゆきむら夢工房→JR松本駅

【2日目】ねざめ亭→長野・伊那きのこ王国→アクアロマン 中川園→清流苑→元善光寺→塩の里直売所→JR松本駅→JR立川駅

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この記事を書いた人

塩谷朋之

仕事の傍ら、顔をハメるべく、看板を求めて出掛ける日々。これまでハマって撮った顔ハメ看板の枚数は、約3000。2009年より、北海道・東神楽町の夏祭りで毎年行われている顔ハメ看板大会の審査員を務める。著書に「顔ハメ看板ハマり道」(自由国民社)。

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