東北楽天ゴールデンイーグルスをスタジアムで応援&地元グルメ旅
球場に入る前から楽しすぎ
普段からアマチュア野球をよく見ている、ライターの久保弘毅です。今回はプロ野球観戦とグルメの旅で、やってきました仙台へ。JR東京駅からJR仙台駅まで、東北新幹線で約2時間の快適な旅。東北楽天ゴールデンイーグルス(以下、楽天イーグルス)の本拠地、楽天生命パーク宮城へは仙台駅からシャトルバスもありますが、歩いても20分ほど。仙台駅東口から宮城野通りを一直線で迷うこともありません。せっかくですから歩いて行きましょう。
平坦な道を約20分歩いて、楽天生命パーク宮城に到着。この日(2017年6月30日)は福岡ソフトバンクホークスとの首位攻防戦。開始3時間前でも、ユニフォームを着た熱心なファンの姿があちらこちらに。
楽天生命パーク宮城はどこよりも早く、野球観戦だけでなく観覧車やカフェなどの娯楽施設の設置や、さまざまなイベント実施などで、球場自体に集客力をつける「ボールパーク構想」を打ち出し、観客動員数を増やしてきました。
他の球場は飲食物の持ち込みが比較的自由ですが、楽天生命パーク宮城は原則不可。その代わり、選手プロデュース弁当をはじめとした売店が、とても充実しています。これだけ弁当があると、迷います。
※最新のお弁当情報はHPをご確認ください。
コインロッカーは背番号順となっています。昭和の子どもが銭湯の下足入れで、長嶋茂雄さん(巨人・終身名誉監督)の3番をわれ先に奪い合った――なんて昔話をよく聞きましたけど、仙台では誰の番号が人気なのでしょうか?
レフトスタンド後方には、名物の観覧車があります。観覧車やメリーゴーラウンドのあるスマイルグリコパークは、試合のない日でも開園日があり(入場料は大人500円、子ども300円)、試合のある日は、当日の観戦チケットを見せれば無料で入れます。この日は15時から16時半まで、観覧車が無料でした。ぜひとも乗らねば。
観覧車は約6分で一周します。思っていたよりも高さがあります。
レフト側自由席の後方は人工芝のエリアになっていて、早い時間から楽天イーグルスの選手たちのフリーバッティングが見られます。
ホームチームは先に練習を済ませてしまうので、開始1時間半前の開場だと、対戦相手のフリーバッティングしか見られないんですよね。これなら、ホームチームの練習を心ゆくまで見られます。素敵な心配り。
すいません。言い訳させてください! ボールパークの熱気にやられて、浮かれすぎました。「ユニフォームを着て、応援しよう!」の言葉につられて球場のチームショップに入ったら、足立祐一選手のユニフォームを見つけてしまいました。神奈川大学出身の、味のあるキャッチャーです。去年はルーキーながら、正捕手の嶋基宏選手が故障した時に穴を埋める活躍。大学生、そして社会人のタイミングで何度か取材した選手なので、迷わず購入。浮かれついでに、楽天イーグルス公式マスコットのクラッチーナと記念撮影。クラッチーナは大きなお友達にも優しく接してくれました。
球場の外にあるタカラレーベン れ~べ~ステージには、球団のチアリーダー「東北ゴールデンエンジェルス」の登場です。
いよいよ大興奮のスタジアム観戦、開始!
試合開始の1時間半前に開場。球場内にも魅力的な売店がたくさんあり、つい誘惑に負けそうになります。弁当を食べて、シートノックを見ているうちに、18時のプレーボール。楽天イーグルス先発の安樂智大投手、不安定な立ち上がりでしたが、1回表を0に抑えました。その裏に楽天は4番ゼラス・ウィーラー選手の3ランで先制! 早くも客席が盛り上がります。
観戦の手助けになるのが、全面LEDのKoboビジョン。選手のプロフィールから入場テーマの曲名、さらには応援歌までが映し出されます。中継ぎの柱、福山博之投手が登板したら、即座に「救援防御率ランキング」が出てきて、「1位 福山博之 防御率0.00(6月30日現在)」の表示にファンが沸きます。球場にいながら、テレビ中継のような情報量を楽しめるのは、さすがIT企業のチーム。
5回裏終了時のグラウンド整備中は、みんなでタオルを回す「まわせぐるぐるタイム」。そのほかにも観客のスマホと連動したゲームや抽選会など、回が終わるごとに楽しいイベントがあります。この日は東芝協賛によるナイターだったので、来場者の中から1名にブルーレイディスクレコーダーが当たるという、太っ腹な企画もありました。
雨が降ってきた! 皆さん慌ててポンチョをかぶります。準備がいいですね。ビニールポンチョは500円なので、売店やグッズショップで買っておくと安心です。ポンチョだけでなく、スタメン全員の応援タオルを揃えている女性ファンもいるなど、楽天イーグルスのファンはとても熱心です。
7回表のピンチを福山投手がしのぎました。福山投手、30試合に登板して、防御率0.00を継続です。ラッキーセブンの攻撃を前に、みんなで球団歌を歌って、ジェット風船を飛ばしましょう。7回裏の攻撃前に赤のジェット風船を。白は試合に勝った瞬間だけです。お間違えのないように。
試合は4対3でイーグルスが勝ちました。安樂投手が今季初勝利。ウィーラー選手とカルロス・ペゲーロ選手にホームランが出ました。球場を出てからもユニフォームを着ていると、地元のおじいちゃんに「楽天、勝ったか?」と聞かれました。こういう会話が日常的に出てくるというのは、楽天イーグルスが地元の人に愛される球団になったからでしょう。
ファンが集うおでん屋で野球談議!!
試合後に向かったのは、楽天イーグルスのファンが集う店「おでん三吉」です。店主の田村忠嗣さんは「虎屋横丁・稲荷小路親交会 東北楽天ゴールデンイーグルス稲虎応援団」の団長。常連さんは「大将は、(楽天が)負けたら機嫌が悪いからな」と言いながら、この日の勝利を共に喜んでいました。
「ウチのマスコットだから」と、息子の浩章さんがイイダコをのせてくれました。ほんのり赤くて、かわいらしい。大根はよく味が染みて、えぐみがまったくありません。サンマのすり身はふわふわで、これも柔らかな味わい。左奥の黄色い円柱形のものが、名物のニラ玉。茶碗蒸しを少し硬くしたような、三吉のオリジナル。どうやってニラ玉が生まれたかを忠嗣さんに聞いたところ「親父の代から、これだからね」のひと言。創業者の味は、三代にわたって受け継がれております。
忠嗣さんにおでんのことを聞いていると、いつしか野球談議に。「いいピッチャーって、シーズンオフからしっかり走り込んだり、準備したりしているんだよ。ウチのおでんも裏でいろいろやって、店に出てくる前で味付けは終わっている。ここは最後に温めるだけだから」。ということは、おでん鍋はブルペンで、待機している具は、いつでもスタンバイOKの福山投手みたいなものですね。「そう、福山は地味だけど、すごいね。いつもしっかり準備している。ああいう選手を、もっとたたえてほしいな」。三吉のおでんには、福山投手のような深みがあるのです。お店の入り口にはお宝サインボールもいっぱいあるので、野球観戦の後には、ぜひとも三吉でおでんを。
仙台名物牛タンを満喫。グッズショップでお土産購入も!
仙台駅近くのホテルに宿泊した翌日、ランチは「牛タン焼専門店 司」の東口店へ。仙台駅東口からすぐ近くのお店に行くと、開店時間の11時半には、もう行列が! いつもは楽天イーグルスファンの多い店だけど、行列にはガンバ大阪のサポーターの姿もちらほら。そうか、今日はJリーグの試合もあるんですね。
店内は常に満員で、厨房では絶え間なく牛タンが焼かれていました。牛タン定食(2,200円)は、厚切りの牛タンが3枚。かんだ瞬間のザクッという歯ごたえは、厚切りだからこそ。ほどよい塩気、ほどよい脂分に、焦がし麦飯がベストマッチ。サービスで、とろろがついてきました。テールスープも肉がゴロッと入っていて、コクがあります。
おでんが福山投手なら、牛タンはペゲーロ選手、ウィーラー選手、ジャフェット・アマダー選手の外国人トリオになりますかね。3枚そろうと迫力満点。麦飯という名の塁上の走者を、あっという間に一掃します。
おなかがいっぱいになったら、オフィシャルの楽天イーグルスグッズショップでお買い物。仙台駅に直結しているエスパル仙台店と、楽天生命パーク宮城に行く途中の仙台駅東口店があります。仙台駅東口店へ歩いていくと、銀次選手、嶋基宏選手、松井稼頭央選手がお出迎え。
グッズショップには、定番のメガホン、タオル、帽子、ユニフォームのほかに、ドラえもんやミニオンとのコラボグッズなど、楽しそうなものだらけ。おみやげに買ったのは「イーグルス・マガジン」。2017年の4月で創刊100号となった、オフィシャルの月刊誌です。帰りの新幹線で熟読しましょう。
と思ったのですが、歩いているうちに、今日も楽天生命パーク宮城に着いてしまいました。ボールパークの魔力、恐るべし。土曜日のデーゲームとあって、お客さんがたくさんです。みなさんも杜の都で、野球&グルメの旅をお楽しみください。一度や二度では制覇できそうもないので、私もまた仙台に行こうと企んでおります。
選手の情報は取材時の2017年8月9日、それ以外の記事の内容は2019年8月9日現在の情報です。
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR仙台駅→楽天生命パーク宮城→おでん三吉
【2日目】牛タン焼専門店 司 東口店→楽天イーグルスグッズショップ仙台駅東口店→楽天生命パーク宮城→JR仙台駅→JR東京駅