鶴見線の秘境駅探訪。猫が集う「扇町駅」や出られない「海芝浦駅」へ!
はじめまして、ダーリンハニー吉川正洋です。2歳のころから鉄道が大好きで、今では日本全国に乗りに行っています。そんな私がご紹介したい路線はこちら。
みなさまは、ご存じですか、鶴見線。
さらっと五・七・五のリズムで書いてみましたが、鶴見線は鉄道ファンには超がつくほど有名な路線です。タモリ電車クラブ仲間の土屋礼央さんは「今日はロケの前に鶴見線に乗って気分を落ち着かせてきた」と言っていたことがありましたが、その気持ちよくわかります。
「つ、鶴見線? 一体どこを走っているの?」という方は、こちらをご覧ください。
川崎付近でごちゃごちゃっとしている路線、それが鶴見線です。
今回はこの鶴見線に加え、船上で工場夜景を楽しみ、最後は横浜で飲んじゃおうという“乗り鉄”&“呑み鉄”にはたまらないツアーを計画しました。まずは鶴見駅へ出発!!
昭和にタイムスリップできる路線
鶴見線のいいところ、それは“アクセスがいい!”。起点となるJR鶴見駅へは、JR品川駅から約20分、JR新横浜駅からも約23分あれば着いてしまいます。“なのにローカル線っぽい!”ところが素敵です。「イケメンなのにスキップが下手」みたいなギャップが鶴見線にはあります。
アクセスはいいけれど、本数は少ないです。まさにギャップのオンパレード。それが鶴見線のいいところ!
鶴見線は
本線(JR鶴見駅~JR扇町駅間)
大川支線(JR安善駅~JR大川駅間)
海芝浦支線(JR浅野駅~JR海芝浦間)
の3つの路線で構成されています。終点が3つあるわけですが、「大川駅行き」は朝と夕方しか走っていません。また本線のJR浜川崎駅止まりの電車もけっこうあります。
ですから「全線制覇したい!」「駅で2時間待ちはいやだ!」という方は、あらかじめ行程をビシッと組んで行きましょう。
鶴見駅から走りだしたのは205系という電車。2分ほどで次の「JR国道(こくどう)駅」が見えてきました。乗車したばかりですが、降りましょう!
高架下は、まだ昭和が続いているようなムードで、ここだけ時の流れが止まっているかのようです。
鶴見線の本線、国道駅~浜川崎駅へ
国道駅に戻り、再び鶴見線に揺られます。次の降車駅は、南武支線との接続駅となる浜川崎駅です。
この電車は浜川崎駅止まりで、本線終点のJR扇町駅までは行ってくれません。次の扇町行きの電車までは40分ほど時間が空いています。ここは……扇町駅まで歩いちゃいましょう!
本線の終点「扇町駅」で猫のお見送り
浜川崎駅~扇町駅は歩くとだいたい2.5km。30分ほどのいい散歩コースです。貨物線の跡や使われていない踏切もあったりして、マニアックで楽しいです。
扇町駅では猫ちゃんがお見送りに出てきてくれました。工場と猫という取り合わせが見られるのも鶴見線の魅力です。
散策後は再び本線に乗って鶴見駅方面に戻り、鶴見線のハイライトである“海が見えるあの駅”に行きましょう。
鶴見線の代名詞“出られない”秘境駅へ!
今まで車窓風景は主に工場でしたが、ここから一気に……
この駅のすごさを一気に羅列すると……
目の前が海!
東芝の関係者以外、駅から出られない!
鶴見つばさ橋※がどーん!
でも、改札を出た先にある小さな公園だけは楽しめる!
公園からは出られないので、また駅に戻るしかない!
※首都高速湾岸線の扇島と大黒埠頭を結ぶ橋
会社や工場に行く方をせっせと運ぶ鶴見線。ここには工場があり、昭和の雰囲気があり、海があり、猫と貨物列車がいます。電車がバンバン来るわけではありませんが、待ち時間にボーッとするのもいいもんです。鉄道ファンならずとも楽しめるはず。
みなさまのご乗車、心よりお待ちしております!
(私はついつい会社側の人間になってしまう癖があります)
工場夜景ツアーは“肉食系”だった
鶴見駅からJR京浜東北線、みなとみらい線を乗り継いで約30分、やって来ました、日本大通り駅。
駅から徒歩約8分の「ピア大さん橋」から出航しているのが「工場夜景探検クルーズ」! もう名前を聞いただけでワクワクしてくるではありませんか。工場+夜景+探検だなんて。このクルーズは、90分かけて川崎&横浜の工場地帯をたっぷり探検してくれます。トイレとエアコンも付いていますので、ご安心を。
この船は高速走行が可能な「交通船」。とにかく走りが軽快で、ビュンビュンかっ飛ばして京浜運河を目指します。気持ちいい!
ここで船長が「こちらは私が“川崎のモン・サン・ミッシェル”と呼んでいる建物です」とアナウンス。
昼間見た工場の風景とは、まるで別物。これはもうアートに近いです。こんな景色を見ていたら、鉄道だけではなく、船も好きになりそう……。
船長「今夜は月がきれいに見えております。ここでダジャレをひとつ。工場の空に月が浮かぶ風景、これぞまさに“工場の月”であります」
こちらのクルーズ、景色も素晴らしいですが、船長のおしゃべりも本当に楽しいです。
一通り工場を見終わると「それでは、お待たせいたしました。これより“ワイルド走法”にまいります」と豪快なスピードを出す船長。HPに“肉食系交通船”と書いてありましたが、乗ってみて意味がわかりました!
船長「こちらはJR鶴見線、海芝浦駅でございます」
船から見ると「すごいところに駅があるな」と、あらためてわかります。運が良ければ、電車が止まっているところに遭遇できることも。
呑み鉄列車“ほろ酔い行き”、出発進行!!
あー、電車も船も楽しかった。最後は、パーっと飲んで締めましょう。目的地は……酒飲み天国・野毛! JR桜木町駅から歩いてすぐですが、日本大通り駅からだと乗り換えが必要なので、20分ほどですし、歩いてもよさそうです。狭いエリアに多種多様なお店が密集しているさまは、まさに居酒屋のオリンピック状態。
まず飛び込んだのは、野毛で大人気の「焼き鳥末広」さん。運がいいことに、奥の席がちょうど空いたタイミング。もういきなり金メダル!!
野毛が大好きで、よく飲みに来ているというお客さんと意気投合。
「ここはみんな優しくて、酒飲みにはたまらない場所ですよ」とお2人。
野毛はすぐに誰かと仲良くなれる街です。
野毛は“はしご酒の聖地”とも呼ばれています。
続いて入ったのは「キンピラ キッチン」。こちらは、カジュアルフレンチが食べられるお店! 焼き鳥と熱燗のあとに、スパークリングワインでフレンチをいただくのもいいですよね。野毛はこんな「ギャップ飲み」ができちゃう街でもあります。
この日は横浜駅周辺のホテルに宿泊予定。野毛は横浜やみなとみらいからも近いので、安心して夜まで飲めます。乗り物に“ノリノリ”だった1日を“ノミノミ”で締められるこのコース。おすすめです!
この記事の内容は2019年2月28日現在の情報です。
スポット情報
焼き鳥末広
住所:神奈川県横浜市中区野毛町2-76
電話:045-242-5753
営業時間:17:00~22:30(土曜日は16:30~22:00)
定休日:日曜日、祝日
今回の旅の行程
【1日目】JR品川駅→JR鶴見駅→JR国道駅→JR浜川崎駅→JR昭和駅→JR扇町駅→JR海芝浦駅→海芝公園→日本大通り駅→工場夜景探検クルーズ→焼き鳥末広→キンピラ キッチン