冬の函館は、写真映え間違いなしのイルミネーション天国だって知ってた? 北海道

冬ならではの函館旅。イルミネーション&グルメを地元出身ライターがご案内!

2018.12.26 北海道
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みなさん、冬、満喫してますか?

はじめまして。北海道函館市出身のライター、きむらいりです。

冬って寒いですよね。特に北海道はみなさんご想像の通り、寒さが厳しい土地です。「試される大地」こと、北海道。
だけど北海道の冬は空気が澄んでいるぶん、イルミネーションや夜景が1年で一番キレイに見られるんです。さらに冬ならではのおいしい海鮮も豊富と、とにかく魅力がいっぱい。「寒いから」と敬遠するのは、もったいなすぎる……!

ということで今回は、冬の味覚、イルミネーション、花火などなど、冬の函館旅を楽しむプランをご紹介します。友達と行くもよし、恋人と行くもよしの冬旅に出発〜!


【行程】


北海道新幹線&はこだてライナーで約4時間! 意外と早い

JR東京駅から北海道新幹線「はやぶさ」に乗り込み、JR新函館北斗駅までおよそ4時間の新幹線移動。新函館北斗駅に到着したら、函館本線「はこだてライナー」に乗り換えてJR函館駅へ約20分!

駅弁を食べたり現地に着いてからのプランを練ったり、車窓に映る景色が白くなっていく様子を眺めたりしていると、思っていたよりも早く着いちゃいます。

北海道新幹線 駅弁

わたしは準備運動のごとく、駅弁で「北海道気分」を高める派

函館駅に着いたら、まずは駅前にある函館バスの案内所へ。

旅行中、公共交通機関を使うのであれば、ぜひとも手に入れてもらいたいのが「市電専用一日乗車券」です。市電乗り放題で大人600円。函館の市電は通常運賃が210円〜250円なので、3回以上市電を利用するのであれば、一日乗車券を購入するのがお得。

函館駅前から市電に乗って……
昔ながらの路面電車に揺られること、およそ17分。

到着したのは、五稜郭!

五稜郭タワーから眺めた五稜郭

五稜郭タワーの影が五稜郭に重なった瞬間

市電「五稜郭公園前」駅から、歩いて約8分で五稜郭タワーに到着。チケットを購入し、五稜郭公園が一望できる展望室へ

五稜郭公園は、四季によってさまざまな表情を見せてくれます。
桜が咲き誇る春に訪れるのもいいけれど、木々が雪をまとった冬の五稜郭公園も、それはそれは見ものです。お堀の水が凍ると雪が積もり、まるでしろーい絨毯が敷かれたようになります。「五稜星の夢(ほしのゆめ)」と呼ばれる、夜のライトアップ時に青白い星が出現する様子は、冬ならではの見どころ!

五稜郭タワー

写真提供:五稜郭タワー株式会社

五稜郭タワーからは、五稜郭公園の全景だけでなく、ぐるり一周すれば函館山や函館市内も見渡すことができます。さらに天気がよければ、津軽海峡や、その先に青森県の下北半島や津軽半島も見られるのです!

五稜郭タワーから見る函館山方面(南)

六花亭のぜんざいで、体の芯からほっこり

冬の北海道は、寒い。
移動で10分も外を歩けば、足元からじわじわと体温が奪われていきます。手袋を忘れちゃった時には、指先もジンジンかじかんできます。

そんなときに欲しくなるのは、温かくて甘いもの!!

六花亭の看板と五稜郭タワー

五稜郭タワーの目と鼻の先、歩いて3分ほどのところにあるのが「六花亭 五稜郭店」です。

この店舗では六花亭のお菓子が買えるほか、店内に喫茶スペースがあるので、観光途中の休憩にぴったり。しかも五稜郭公園に面した壁は一面ガラス張り! 暖かい空間でゆっくりお土産を選びながら公園の景色を眺められるし、六花亭のお菓子や喫茶限定メニューを楽しみながら休憩もできちゃう。まさにベストプレイス。

栗ぜんざいとほうじ茶

この時期限定の栗ぜんざいとほうじ茶が、冷えた体に染み渡ります。
丸餅が2つ入っていて小腹も満たせるし、あずきと栗の甘さが身も心も満たしてくれる……。そっと添えられた塩昆布もニクい!

めんこい大平原

個人的には「めんこい大平原」が、めちゃくちゃ好き

函館の冬の味覚「鱈」をスペイン料理で!

冬の北海道は、日没が早い。
16時台には暗くなり始め、17時にはすっかり日が暮れてしまいます。ライトアップが始まった五稜郭タワーに別れを告げて、「五稜郭公園前」から市電に乗り、向かうのは「十字街」です。

スペイン料理のお店「La Concha (ラ・コンチャ)」

「十字街」駅から、歩いて5分ほど。北海道の冬の味覚「鱈(タラ)」を本格的なスペイン料理で味わえる「La Concha (ラ・コンチャ)」。
周りにはここ以外に目立つお店があまりないため、ぽかんと浮かび上がる看板と店内から漏れ出る暖かそうな光を目にすると、なんだかホッとします。そして、途端におなかがすいてくる……不思議!

「La Concha (ラ・コンチャ)」の店内

雪の魚と書く「鱈(タラ)」は、まさに冬が旬。冷たい水域に生息するため、北海道で広く採れる魚です。ラ・コンチャは、本格的なスペイン料理を提供するお店で、「鱈」料理が名物でもあります。

油分が少なく保存に適しているうえ安価で手に入る鱈は、中世ヨーロッパではどの魚よりも重宝されていたそうです。そのため、スペイン料理にも鱈は欠かすことのできない食材とのこと。

鱈とアサリのニンニクパセリソース バスク料理

鱈とアサリののニンニクパセリソース バスク料理

柔らかくあっさりしている鱈の身は、ニンニク風味のソースと相性抜群……!
身の主張が強すぎない分、料理のアレンジ次第でどうにでも化ける食材というのがわかります。

尻岸内産真ダラのタチのロマナ〜スペイン式天ぷら〜

尻岸内産真鱈のタチのロマナ〜スペイン式天ぷら〜

おいしいご飯で満腹になり、体も温まったところで夜のイルミネーションを見に行きましょう。

冬こそ見たい、函館の街を彩るイルミネーション

冬の函館は、味覚だけじゃなく、目でも楽しむことができる街!!

例年12月~2月に、「はこだて冬フェスティバル」と題したイベントを開催しています。期間中は、二十間坂、八幡坂、開港通りといった、歴史的な建物が建ち並ぶ元町地区を代表する場所がイルミネーションで飾られ、きらびやかに。
さらに2上旬には「函館海上冬花火」も開催され、冬の夜空を連日2,000発の花火が彩ります。

二十間坂

二十間坂は函館山の麓に数多く存在する坂の中で、一番広くて大きな坂

八幡坂からの景色

「The函館」といえば、この八幡坂からの景色

函館といえば坂の街としても知られています。なかでも最も有名なのが八幡坂。CMや広告にも多く使われているため、坂の名前までわからなくても、写真を見れば「見たことある!」と思う人は多いはず。

「金森赤レンガ倉庫」のクリスマスツリー

開港通りからすぐ近くの「金森赤レンガ倉庫」には、毎年カナダから運ばれるモミの木を飾ったクリスマスツリーも

個人的には雪とイルミネーションのコラボが見られるこれからの季節こそ、最も美しく、また函館らしい街並みを楽しめる季節だと思っています。

ただ、何度も言いますが、冬の北海道は寒い! マフラー、手袋は必須。夜の美しいイルミネーションを心から満喫するためには、完璧な防寒対策をしたうえで臨みましょう。

すっかり冷え切った体で向かったのは、本日のお宿「LA VISTA(ラビスタ)函館ベイ」です。

金森赤レンガ倉庫から歩いて約3分という近さ。そのため、金森赤レンガ倉庫側に面したお部屋からは、こんな感じでクリスマスツリーが見られます。

ラビスタ函館ベイの客室から見える金森赤レンガ倉庫のクリスマスツリー

暖かい場所から眺められるツリー、最高である

ツリーに面していないお部屋の場合でも、ホテル最上階にある露天風呂や、その手前の休憩スペースから同じようにツリーを見ることができるので、ご安心を!

ラビスタ函館ベイの露天風呂

明日の朝イチに待っているビッグイベントに胸を高鳴らせつつ、1日目は終了です。

北海道のイクラ盛り放題! 罪深〜い朝食バイキング

翌朝目覚めたわたしは、はやる気持ちを抑えながら朝食会場へ向かいます。もう、この日ばかりは苦手な早起きもがんばりましょう。

なぜなら、これが待っているから……!!

朝食のイクラ

さては宝石だな?

イクラ

「盛り放題」。なんて素敵な日本語なのでしょう

朝食レストラン「北の番屋」では、イクラをはじめ、甘エビ、真イカ、ホタテ、ねぎとろなどが盛り放題……! 自分の好きなように海鮮丼を作れちゃいます。

筆者が作った海鮮丼

わたしの、わたしによる、わたしのための海鮮丼が完成

「イクラ盛り放題」のインパクトに埋もれてしまいがちですが、それ以外にも「鮭の三平汁」や「ジンギスカン」、花畑牧場とコラボしたスイーツビュッフェなど、北海道食材にこだわったメニューが勢ぞろい。「朝からこんなに贅沢していいの……?」とつい思ってしまうほど、大満足の朝食がいただけます。

函館の歴史感じる西部地区をお散歩♪

朝食を済ませたら、西部地区をぷらぷらお散歩するのも良いですよ! ホテルから徒歩15分圏内のエリアだけでも、見どころはたくさんあります。

夜には気づかなかったお店やスポットに出会えるはずです。

たとえば、こんなのとか。

日本最古のコンクリート電柱

日本最古のコンクリート電柱

函館には「日本最古のコンクリート電柱」があります。ただ、めちゃくちゃ何気ないところにあるし、見た目もこの通り地味。

地味な見た目で、地味にすごい。個人的にはすごく好きです、この電柱。

ほかには、こんなのとか。

コーヒーショップのフラッグ

突如現れるお相撲さん

これはセレクトコーヒーショップ「peacepiece」の店先に飾ってあるフラッグ。

あとは、こんなのとか。

西部地区の建物

この建物の特徴、わかりますか?

実は、1階は和風建築で2階は洋風建築という「上下和洋折衷(擬洋風)」様式になっているんです。

どうしてこういった形式の住宅が広まったのかは諸説ありますが、「坂の下から見ると2階部分のみが見えるため、諸外国に負けない『近代化都市』であるような印象を持たせることができる」といった説が最近発表されました。

早くに開港し、外国船が頻繁に出入りしていた函館。貿易などの交渉ごとには、街並みだけでも、見た目だけでも、同等であるように見えたほうが有利だったのかもしれませんね。

こうして昼と夜、両方の街の顔を見ることで、その街の魅力を多面的に捉えることができるなあと実感します。夜はイルミネーションでキラキラ輝いていた街にも、いろんなお店があって、いろんな人の生活を支えている。
そして、街の歴史を色濃く反映した建造物が多く存在していると気づきます。

旬を味わえる函館朝市の定食で、函館旅を締める

さてさて、冬の函館旅も終盤です!
東京に戻る前にどうしても寄りたいのが……JR函館駅のすぐ隣にある「函館朝市」!

函館朝市のどんぶり横丁内にある、「茶夢(チャム)」というお店にやってきました。
ここでは、地元ではなじみ深い、季節の魚料理や定食がいただけます。

ホッケの煮付け定食

おまけでイクラを付けてくれたり、そうめんが出てきたりサービス心(しん)がすごい。そうめんは、余った煮汁につけて食べるのがオススメとのこと

わたしが頼んだのは、ホッケの煮付け定食。

北海道のホッケは全国的にも有名で、道内では年中水揚げされる非常に身近な魚です。東京などの居酒屋でも「ホッケ焼き」は多く提供されていますが、煮付けで食べられるところってなかなかないんじゃないでしょうか。

ホッケの煮付け

見よ! この厚みを……!

今回は時期的に少し早かったのですが、冬の函館名物「ごっこ汁」も、こちらでいただくことができるそうです。「ごっこ」とは「ホテイウオ」という深海魚のことで、ごっこ汁はその卵と身を使ったしょうゆ風味の汁料理。個人的に「ごっこ汁」はお正月あたりに実家で食べるものという印象があったので、こうしてお店で食べられるとは知らなかった……!
家庭の味を気軽に楽しめるお店でした。

さてさて、こうして食も観光も目いっぱい楽しんだ冬の函館旅は終わり。
名残惜しい気持ちを引きずりつつ、北海道新幹線に乗って現実世界(東京)へと戻りましょう。

北海道というと漠然と遠いイメージがありますが、実は新幹線で4時間半もあれば函館に着いてしまうんです。これなら1泊2日、土日だけの旅行でも十分に楽しめますし、冬にこそ見て感じて食べてほしい魅力が、函館にはたくさんあります。

みなさんもこの冬、お休みを利用して、ぜひぜひ冬の函館を訪れてみてください!

それでは、また!

 

今回の旅の行程

【1日目】JR東京駅→JR新函館北斗駅→JR函館駅→五稜郭公園(五稜郭展望タワー)→六花亭五稜郭店→La Concha (ラ・コンチャ)→二十間坂→八幡坂→開港通り→金森赤レンガ倉庫→ラビスタ函館

【2日目】ラビスタ函館→西部地区→函館朝市→JR函館駅→JR新函館北斗→JR東京駅

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この記事を書いた人

きむらいり

1990年生まれの編集者/ライター。北海道函館市出身。実家はちいさなパン屋です。動物が好きで、この世で一番愛らしいのはカバだと思っています。フリーランスの編集・ライターギルドチームHuuuu所属。「東京銭湯」編集長。
Twitter:https://twitter.com/kimurairi

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