鹿島臨海鉄道に乗って冬の茨城を満喫。旬のあんこう鍋も見逃せない!
最近、ローカル線に乗ってないなぁ。
最近、鹿島臨海鉄道乗ってないなぁ。
乗っていないと、乗りにいきたくなって、乗りにいってしまう、ホリプロのマネージャーの南田裕介です。鉄道が好きで、乗ったり撮ったりしております。今回は、鹿島臨海鉄道大洗鹿島線に乗って、鹿島神宮にお参りし、2019年もいい年になるよう祈願してこようと思います。
【行程】
- 鹿島臨海鉄道に乗って、目指すは大洗
- 鹿島線にはガルパンのラッピング車両も
- 冬の大洗といえば、やっぱり「あんこう鍋」
- 海を眺めながら食べるあんこう鍋は格別!
- 日本一の〇〇に到着。その正体とは?
- いよいよ終点!鹿島神宮にお参り
- 参拝後は、境内にある蕎麦と団子でランチ
鹿島臨海鉄道に乗って、目指すは大洗
JR品川駅9番ホーム。ここから常磐線の特急が発車します。上野東京ラインが開業して、便利になりました。東京駅、上野駅に止まって、お客さんを乗せて茨城へ出発。
まず目指すのは「鹿島臨海鉄道大洗鹿島線」の起点である、JR水戸駅。特急「ひたち」は時速100kmを超えるスピードで駆け抜けます。あっという間に、およそ1時間30分で到着。ここで、乗り換えです。
乗り換え階段を降りていくと、いた! 大洗鹿島線の赤い車両が!
今日は2両編成。ここまでの特急が10両編成だったので、余計こぢんまりと感じます。
車両に乗ったところで、聞こえてくる「カルカルカルカル」という独特の音。これはディーゼルエンジンのアイドリング音。そうです、大洗鹿島線は電気を使わずに走る非電化路線なのです。暖房の効いた心地よい車内でアイドリング音に耳を傾けている間に、発車時間となり「ガルガルガルガル」と力強いエンジン音に変わり、列車は出発。
大洗鹿島線は、鹿島臨海鉄道という会社の路線で、いわゆるローカル線。水戸駅と鹿島神宮駅間の53kmを結ぶ路線で、およそ30分〜1時間おきに列車が走行します。観光客はもちろん、地元の通勤客や学生さんなど、たくさんのお客さんを運んでいます。
開業したのは私が小学5年生だった1985年で、44歳の私よりも11コ年下です(ちょうど乗った列車には開業30周年の際のステッカーが貼ってありました)。ローカル線にしては、比較的新しいという点も特徴です。
列車は東水戸駅、常澄(つねずみ)駅を過ぎて走っていきます。ここで注目は、その線路。新幹線のような高架橋になっていて、そこを2両のディーゼル車が走っています。
1本が200m以上あるロングレールが採用され、ガタンゴトンというジョイントの音がしない。ここも特徴ですね。常澄駅を越えると、とても大きなカーブを曲がっていきます。ダイナミックに高架橋が曲線を描くシーンは壮大です。
鹿島線にはガルパンのラッピング車両も
ここで車両のお話を少し。大洗鹿島線では6000系気動車と新型の8000系気動車が活躍しています。今回乗った車両は全部6000系でした。開業の1985年に導入された車両で、車内には製造年を表すプレートが掲示されています。昭和60年。この車両は、昭和、平成と走り続け、次の時代と3つの時代を走り抜けるのですね。同じ6000系でも平成生まれの車両もいます。
大洗鹿島線はワンマン運転する場合が多いので、運賃箱が取り付けられています。この運賃箱が、なかなか古く、いい味を出しています。運賃箱も日々進化しているのですが、この運賃箱はかなり前のもの。ものすごくわびさびを感じます。ほかにもえんじ色の転換クロスシート(進行方向に合わせて座席の回転ができるシート)や、扇風機、トイレ使用中に点灯する「便所使用知らせ灯」など、渋いポイントがたっぷり。
また6000系には、大洗を舞台に描かれたアニメ作品「ガールズ&パンツァー」(通称:ガルパン)のキャラクターとコラボしたラッピング車両もあり、車内にもたくさん描かれています。
日よけのカーテンを下ろすとそこにも笑顔のキャラクターが描かれているのもめちゃくちゃ面白く、この作品を通じて全国のファンからの応援を受けている感じがします。そのほかにも、アクアワールド大洗サメラッピングや、国体のラッピング、クリーニング店のラッピングなどもあり、昔では考えられなかった華やかな風景が広がりますね。
冬の大洗といえば、やっぱり「あんこう鍋」
列車は大洗駅に到着。ここで降りて、名物をいただくことに。
無人駅の多い大洗鹿島線ですが、大洗駅は有人駅。高架になっているホームから階段を下りて、改札口で切符を渡す。自動改札がない、近代的な感じのする駅は、ちょうど子どものころに戻ったような不思議な気持ちにさせられるのです。
駅には古い鉄道指令の部品や踏切が展示されていて、売店では鹿島臨海鉄道グッズも充実。そこでクリアファイルを購入。
続いて海遊号アクアワールド大洗ルートバスに乗り、15分ほどいくと、海だー!
海を眺めながら食べるあんこう鍋は格別!
海のない奈良県で育った私は、海を見るだけでキュンキュンします。大洗神社前でバスを降り、目的の海鮮料理店「磯料理 山水」へ。テーブルからは、太平洋と水平線がしっかりと見えます。
「あんこう鍋ください!」
やっぱりこの時期はお鍋。窓から見える海岸には砂浜もあり、ワンちゃんの散歩をする人やカップル、釣り人がそれぞれ好きな時間を過ごしている。こんなにもほのぼのとする場所があるんだなぁと感じていたら、きた! あんこう鍋だ!
見てください! 2人前で、このボリューム! この迫力!
ぐつぐつ煮えてきたおだしは、お醤油とお味噌。あん肝が溶いてあります。骨や皮からも味が出るので先に煮て、次に野菜とお豆腐を入れていきます。最後に、あんこうのお肉を。あらかじめ水煮していますので、さっと煮るだけで、いただきまーす!
これがあんこうの身か……。
不思議なのが、身の部位により、ぷりぷりという感じがしたり、繊細にほどけていくような食感がしたりと違うところ。おいしいです。クタクタに煮たお野菜に、煮詰めて濃厚になっただしが絡みつき、この世のものとは思えないほど体にしみます。
あと忘れてはいけないのが、コラーゲンたっぷりの皮の部分やヒレの部分。ぷるんぷるんとした食感のあんこう鍋のおかげで、明日の朝には肌もすべすべになっていることでしょう。この日はたまたま、「なかなかお目にかかれない海老」といわれるサルエビもあり、から揚げでいただきました。こういう偶然も旅の楽しみですね。
夕方になるまで海岸を散歩しました。そして日が暮れた頃、水戸駅まで戻りホテルにチェックイン。明日は終点まで旅を楽しみます。
日本一の○○に到着。その正体とは?
おはようございます。今日はホテルのある水戸駅を出発して、大洗駅から先の区間に入っていきます。
さて、定刻に水戸駅を出発した普通列車「鹿島神宮行き」の車窓は、水戸~大洗駅間とは少し変わってきます。山の樹木の中をゆき、トンネルを繰り返し通過します。線路がまっすぐで、山を切り通して線が延びているのが印象的です。エンジンをうならせながら、列車は快適に加速して、楽しそうに走ります。
山を抜けると、少し大きな新鉾田(しんほこた)駅に。このあたりは、再び高架駅になります。そして、次の北浦湖畔駅に近づくと、右手に霞ヶ浦・北浦のきらめく水面が。実は大洗鹿島線は会社名に海がつきますが、車窓からは海はなかなか見えないのです。その代わりといってはなんですが、湖面が見えるのはある種、意外な風景です。
その先を進むと、ビニールハウスや、見たことのない野菜の畑の横を通ります。何が栽培されているんだろう。果物かな? トマトかな? メロンかな? いつごろ収穫かな……食べてみたいな……などと考えると楽しいです。
列車はまもなく、大洗鹿島線にある「日本一」に到着。
ここには日本一長い「何か」があるのです。何だと思いますか? 線路の長さ? ホームの長さ??
正解は、駅名。「長者ヶ浜はまなす臨海公園前」(ちょうじゃがはまはまなすりんかいこうえんまえ)。
熊本県の南阿蘇鉄道の「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」と並んで日本一の長さを誇ります。
1分弱の停車時間で、列車は出発していきます。短いホームに駅名看板が2つもあるのですが、一枚だけ撮ることができました。
いよいよ終点!鹿島神宮にお参り
列車は臨時駅の「鹿島サッカースタジアム」駅を通過。サッカーの試合がある日だけ営業する臨時駅で、実はここから先は電化されJR鹿島線になります。そのためこの駅までは、電気機関車が貨物列車を引いてやってきます。ホームの横で、電気機関車と貨物列車がひと休みしていました。
さぁ、まもなく終点鹿島神宮駅です。水戸駅からは1時間18分ほど。
近代的な構造の鹿島神宮駅。
列車を降りて、さっそく鹿島神宮にお参りに行きます。
鹿島神宮は、鹿島神宮駅から徒歩約7分のところにあります。駅前の道をまっすぐ道なりに行くと、大町通りに出ます。少し歩くと、ありました。大きな鹿島神宮の鳥居が!
鳥居をくぐり境内に入ると、なんて言うのでしょう、なぜか心がしゃきっとしますね。本殿でお参りをします。2019年も、たくさんいろんな列車に乗れますように……。
さらに木々に囲まれた奥参道を通り、奥宮に向かいます。いろんな時代を生き抜いてきた樹木。そこから何かのエネルギーが溢れているようなそんな気がします。奥宮にお参りを。樹々の間の奥宮は本殿とはまた少し雰囲気が違います。
そして、その先にある御手洗池へ。坂道を下っていくと3分ほどで到着。実際に池の目の前に立つと、雰囲気に圧倒されました。この池は湧き水の池で、底が見えるほど水が澄んでいると聞いていましたが、本当に少しの濁りもなく、底が見える。泳ぐ鯉も颯爽と。その池を囲む樹齢の長い木、そこに生える苔。ものすごい美しさを感じる空間でした。
参拝後は境内でおそばとお団子のランチ
池の隣にある「湧水茶屋一休」で、少し早い昼食を。「湧水せいろそば」をいただきます。つやつやしたおそばは、とてもあっさりしていて、歯ごたえ、喉ごしともに、ちょうど私好み。ずるずるずる、ぺろりと完食。通の人になったつもりで、そば湯もいただきました。
それと、お店の前で、炭火で焼いているお団子が気になり、3種類の「三色だんご」を注文。みたらし団子、草団子、きび団子。お団子一つひとつがしっかりしていて、直火で熱した温かな深い味わいがしました。
最後におみくじを引いて、駅に戻りました。
帰りは鹿島神宮駅から佐原駅まで鹿島線で向かい、そこから成田線で佐倉駅まで。総武線快速・普通列車に乗り換え千葉まわりでおよそ2時間30分で都内に戻ります。
きらめく霞ヶ浦、北浦の水面を長い鉄橋で渡りながら今回の旅を振り返り。大洗鹿島線が開業したころの若かりし自分の気持ちや、鹿島神宮で感じた澄んだ気持ちを胸に抱き、2019年も良い年にしたいと思います!
スポット情報
磯料理 山水
住所:茨城県東茨城郡大洗町磯浜町8249-4
営業時間:11:00~19:00
定休日:水曜日
今回の旅の行程
【1日目】JR品川駅→JR水戸駅→大洗駅→「磯料理 山水」→水戸駅
【2日目】水戸駅→鹿島神宮駅→「鹿島神宮」→JR佐原駅→JR佐倉駅→JR千葉駅→JR東京駅