今回の列車旅ポイント
こんにちは! ビール大好き週末ビアライターのなな瀬です。ビールが美味しくなるこの季節、週末にふらっと気ままなひとりビール旅はいかがですか?
クラフトビールが一番盛り上がっているのは、やっぱり東京。東京には、ブルワリー(醸造所)が併設され、造りたてのビールがその場で楽しめるお店がたくさんあるんです。ビール好きなら、週末を使って東京のひとりビール旅を楽しみましょう!
東京駅に降り立ったら、まずは天王洲アイルにあるブルワリー「T.Y.HARBOR」へ。東京駅から最寄りの天王洲アイル駅へは、浜松町駅でモノレールに乗り換えてひと駅、所要約12分です。天王洲アイル駅から「T.Y.HARBOR」までは、徒歩5分ほどで到着(品川駅からは徒歩15分ほど)。
「T.Y.HARBOR」はとにかくオシャレで、デートスポットとしても人気です。週末はたくさんの人でにぎわうので、来店の際は事前に予約しておくことをおすすめします。青い空に、心地良い風がそよぐテラス。1週間の疲れを忘れられる癒しの時間です。
ほのかな潮の香りを感じながら、運河沿いのテラスで飲むビールは至福です。初めて来たなら、まずは飲み比べセットがおすすめ。シーズナルで楽しめる個性的なビールもあるので、何度来ても楽しいですね。「T.Y.HARBOR」の飲み比べセットは、6種類のビールを提供しています。
ビールのお供には、細かく刻まれたシーフードとフルーツを、ドレッシングで和えたタルタル。ホタテとマンゴーの組み合わせで、小麦を使ったビール「ウィートエール」との相性が最高でした。バナナのようなフルーティーな香りがする「ウィートエール」は、トロピカルなマンゴーのフレーバーが爽やかなタルタルとよく合います。
また、「T.Y.HARBOR」に併設されているブルワリーでは、毎月第3水曜日にクラフトビール醸造所見学ツアーが開催されています。クラフトビールについてもっと知りたい方や、つくり方に興味がある方など、どなたでも参加可能なツアーです。参加申し込みについては、こちらのページをご確認ください。
昼下がりの爽やかな風を受けて、潮の香りとビールを楽しんだら、話題の飲みどころ北千住へ! 天王洲アイル駅からJR北千住駅へは、東京モノレールで浜松町駅へ行き、京浜東北・根岸線に乗り換えて東京駅を経由して約34分。目指すは女性ブルワー(ビール醸造家)が店主の「さかづきBrewing」です。こちらは、ビール好きの間で話題になったブルーパブ(※1)で、アサヒビールの元社員の方が独立してオープンされました。北千住駅からは、学園通りを抜けて徒歩5分ほどで到着します。
まず1杯目に選んだのは、愛媛県産の美生柑(みしょうかん)を使用したホワイトIPA(※2)スタイルの「百の夜」。ネーミングのわくわく感もさることながら、ホップの芳醇な香りと柑橘のジューシーさが溢れ出る贅沢なビールです。苦味が特徴のIPAスタイルに小麦麦芽を使用することで、爽快な苦味と柔らかな甘みを同時に楽しめます。
※1編集部注:店内に醸造所が併設され、製造したてのビールを提供しているお店のこと
※2編集部注:IPA(インディアペールエール)は、通常のビールよりも2〜3倍近くのホップが使用された香り豊かなビール
「百の夜」に合わせたのは、大粒の生牡蠣。上に載っている黄色いジュレは、橙を使用したもの。シトラス×シトラスの組み合わせで、合わないはずがありません!
さらに、ふわっとした食感のソーセージ「ヴァイスブルスト」も「百の夜」によく合います。レモングラスなどのハーブが香るソーセージに、柑橘系の香りがするビールは、相性抜群。「さかづきBrewing」では、ソーセージが1本から注文できるのが、ひとり飲み主義にはうれしいポイントですね。
人気メニューのカレーピラフには、香ばしくコクがあるペールエールスタイルの「風月」がぴったり。ピリッとスパイシーなカレーに、ペールエールの力強い爽やかさと深みがマッチします。
北千住へ来たならもう一軒寄りたいところが! 世界のビールが集まる「びあマ」です。北千住駅から徒歩2分。
日本、アメリカはもちろん、ベルギーやデンマーク、カナダなど、世界各地のビールがそろいます。今回は、原材料にコーヒーを使用したちょっと珍しいビールや、近年人気が高く、濁りの強いIPAであるヘイジーIPAをお土産ビールとしてGET!
さて、昼からスタートしたひとりビール旅ですが、まだここでは終わりません。北千住駅から上野東京ラインで約15分、東京駅へと戻り少し酔いもさめたので、1日の締めくくりにもう一杯。
寄り道したのは、東京駅直結の「NIHONBASHI BREWERY. T.S」です。升にビールを入れて飲む斬新なオリジナルスタイルや、その時々で入れ替わる各地のクラフトビールを堪能できます。VOYAGER「American IPA」がこのサイズで580円(税別)は安い!
Sサイズなら1杯380円(税別)(左から、うしとら「ヤバイダブルIPA」、京都醸造「夏のきまぐれ」、ビールの原料となる麦芽を煎った香ばしいお通し)
升の香りとともに楽しむオリジナルビール「NIHONBASHI IPA」はお店のオリジナルで、せっかくなら日本酒のように升で楽しむ「SAKE STYLE」をお試しください。
〆ビールの肴には、フォアグラがどーんと上にのった大根のおでんを。味噌味なので、コクのある濃い色のビールに合わせることで、どちらの味も引き立ちバランス良く楽しめますよ。
※編集部注:料金は全て2020年更新時のものです
東京駅周辺のホテルに一泊し、ほろ酔いでぐっすりと眠った次の朝は、東京の観光名所、浅草へ出発です! ビールを飲む前にお散歩がてら、浅草からほど近い、東京メトロ銀座線の田原町駅から徒歩10分ほどで行ける調理器具で有名な「かっぱ橋道具街」へ向かいます。東京駅近辺から田原町駅まで向かうなら、徒歩圏内の東京メトロ銀座線京橋駅から乗れば、乗り換えなしで到着します。
といっても、目的はビールを美味しく楽しく飲むためのグラス探しなんですが。
かっぱ橋道具街には、定番のビールジョッキから、クラフトビールの香りを楽しみやすい、うすはりのグラス、ちょっと珍しい形のブーツグラスなど、見ているだけでも楽しいアイテムがたくさんあります。自宅へ帰ってからの楽しみに、ぜひお気に入りを見つけてくださいね(私がこの日購入した最高のグラスは、最後に登場します)♪
さて、たくさん歩いてお腹も減ってきたところで向かうは、本格的なブリティッシュスタイルのビールを楽しむことができる「浅草ビール工房」です。かっぱ橋道具街から徒歩10分ほど。
ブリティッシュスタイルのビールは、日本で飲み慣れたビールよりも炭酸が少なく、ゴクゴクとのどごしを楽しむというよりも、ビールそのものの味わいをのんびりと時間をかけて楽しむ方が向いています。
ひとりビール旅には、少しずつたくさんの種類が楽しめて飲み比べできる「テイスティングセット」がいいですね。(※1)
左から、「ゴールデン」は、ふんわりとした酸味があり、麦のやさしい風味がするライトな飲みごこち。「ビター」は、麦の香ばしさとホップの苦みはありつつも、するっと飲みやすい、昼ビールに最適な一杯。「ポーター」は、カカオ豆からできるカカオニブのような香ばしいフレーバーと苦味がありつつ、後味はすっきりとしたビールです。
ブリティッシュスタイルのビールのおつまみといえば、これ。「フィッシュ&チップス」です(※2)。枝豆とグリーンピースのフリットは、ガーリックが効いていてビールとの相性最高! フィッシュには、ビールと同じ原料を使ったモルトビネガーをかけて食べるのが本場の食べ方です。
※1編集部注:2023年10月現在は、当日提供しているビールから3杯(250ml)を自由に選べるお得なセット「選べる3杯セット」があります
※2編集部注:付け合せによって、料理の内容が変わります
ゆっくりたっぷりとビールを楽しんだら、そろそろ帰りの新幹線の時間……。ですが、もちろんその前に、本日のお土産ビールも手に入れるつもりです。最後のビールスポットとしてご紹介するのが、東京駅直結の八重洲地下街にある「リカーズハセガワ本店」です。東京駅までは往路と同じ道順で、田原町駅から京橋駅へ戻ります。
大きな冷蔵庫には、日本と海外の各地のビールがずらっと並びます。購入の際は、パッケージやポップに書いてあるビールの特徴を参考にしたり、原材料から好みの味わいを選ぶのも良いですが、迷った時にはジャケ買いがおすすめ!
こちらが、「びあマ」と「リカーズハセガワ」で実際に購入したビール。
左から、人気のヘイジ―IPAスタイルのビール「TROPIC HAZE IPA」(SILVER CITY)、原材料にコーヒーを使用した「BEER GEEK COCOA SHAKE」(ミッケラー)、カナダのブルワリーの「HAZY DAZE」(HOWE SOUND)、原材料にマンゴーを使用した「HERE COMES mango IPA」(ベルチングビーバー)です。
パッケージがポップだしカラフルだし、とにかく可愛い! どれを買えばいいかわからなくなったら、パッケージの可愛さで選んだり、限定醸造品を買ってみたりするのも楽しいですよ。
ビールを楽しむために重要なアイテムのグラス。こちらがかっぱ橋道具街で見つけた、ブーツグラスならぬネコ足グラスです(笑)。
IPAなどの色の濃いビールを注ぐと茶トラのネコ足に変身して、癒されますし愛着が湧きます。
今回のビール旅はここまで。気合の入った旅も良いけど、たまには気楽なひとりビール旅も良いものです。癒しを求めたい週末に、自分へのご褒美として旅に出かけてみては?
掲載情報は2020年9月29日更新時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
今回の旅の行程
【1日目】東京駅→T.Y.HARBOR→さかづきBrewing→びあマ→NIHONBASHI BREWERY. T.S→東京駅
【2日目】東京駅→かっぱ橋道具街→浅草ビール工房→リカーズハセガワ本店→東京駅