今回の列車旅ポイント
皆さん、こんにちは!
国内外の温泉を年間300ヶ所以上巡っている、温泉家の北出恭子です。
今回の旅は、温泉好きなら誰もが口をそろえて絶賛する! 名湯ぞろいの青森県で、素晴らしい温泉とグルメをたっぷり堪能してきました。
向かう先は、青森県南津軽郡大鰐(おおわに)町にある「大鰐温泉」。JR東京駅から、東北新幹線「はやぶさ」に乗って、約3時間でJR新青森駅へ。
そこから、ローカル線「奥羽本線」に乗り換えて、のどかな田園風景を眺めながら列車に揺られること約50分。目的地のJR大鰐温泉駅に到着です。
まずは日帰り温泉施設「鰐come(ワニカム)」へ行ってみましょう!
大鰐温泉駅から徒歩約3分とアクセス良好で、温泉入浴や食事、お土産購入ができ、手軽に立ち寄るのにとても便利な施設です!
館内には「大鰐温泉観光案内所」も併設されているので、ぜひ立ち寄って大鰐温泉郷の情報をゲットしましょう。(観光案内所のみの利用もOK)
大鰐温泉は800年以上の歴史があり、津軽の奥座敷として古くから親しまれてきた温泉郷。さぁ! それでは、歴史ある名湯につかります!
「鰐come」の大浴場には、広い内湯と露天風呂、薬湯、アルパインサウナ(低温サウナ)などがあり、充実しています。
また、タオルのレンタルやアメニティも揃っているので、手ぶらでもOKなのが嬉しい。
私のおすすめは家族風呂。なんと内湯だけではなく、贅沢にも露天風呂までついているのに1時間1,650円(税込)とお得です。周りのことを気にせずに、源泉かけ流しの温泉をゆっくりと堪能できますよ。泉質は、ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉で、pH7.5の弱アルカリ性です。
温泉でサッパリしたところでランチタイム。
大鰐温泉郷の名物は「大鰐温泉もやし」。門外不出の地域在来種で、小八豆(こはちまめ)という品種の大豆。およそ350年以上前から栽培されてきた津軽伝統野菜の一つで、その名の通り、温泉の熱で土床を温めて、たっぷりの温泉水だけを使用した伝統的な栽培方法で作られます。
鰐comeの中にある「お食事処花りんご」では、そんなもやしを使った色々なメニューがありますが、私のおすすめは「大鰐温泉もやしうまか丼」です。青森県が独自開発した地鶏「青森シャモロック」のひき肉と「大鰐温泉もやし 」が、大鰐町産米の上にこれでもかっ!!!とのっています。ひき肉ともやしは温泉熱を利用して発酵・熟成させた津軽味噌と醤油、豆板醬などで味付けされています。
温泉卵と具材を豪快にかき混ぜるのがポイント。まろやかな温泉卵とコクのあるピリ辛味噌味のひき肉、大豆を食べているような濃厚な味わいの「大鰐温泉もやし」の相性は抜群です!!
温泉と大鰐温泉もやしに満たされたところで、大鰐温泉駅に戻り、宿の送迎バス(要予約)で、老舗旅館「不二やホテル」へ。
手入れの行き届いた美しい日本庭園があり、ラウンジやお部屋から四季のうつろいを感じられます。
和のしつらえで温かみのあるお部屋に入ってほっとひと息。座椅子と掘りごたつがあるので、ゆっくりと本を読んだり、仕事をしたりと、自分の好みに合わせて快適に過ごせますよ。
大鰐温泉では、6ヶ所ある源泉を集中管理し各施設に配湯しています。なんと! 毎分1,000ℓ以上の温泉が湧き出しているのだそう。
「不二やホテル」の男女別大浴場は、天井が高く美術館のようなモダンで開放的な空間。これだけの大きな浴槽なのに、贅沢にも、内湯と露天風呂ともに源泉かけ流しなのです!!
泉質は、カルシウム・ナトリウム-塩化物・硫酸塩泉で、pH7.5の弱アルカリ性。羽衣のようにふんわりと柔らかい湯ざわりでツルツル肌に。さらに、温泉成分が肌をベールのようにコーティングするので、乾燥しにくくしっとりとした肌を実感。保温効果も高いのでポカポカ感が持続しますよ。
さぁ! お待ちかねの夕食は、近港で水揚げされた新鮮な魚介や地元産の野菜など、とことん青森県産の食材にこだわった会席料理。手間を掛けて作られた料理は、何を食べても本当に美味しいです。ここでしか出会えない自然の恵みに大満足!!!
温泉旅の2日目は、大鰐温泉駅から奥羽本線に乗り約10分のJR碇ケ関駅へ。駅から徒歩3分ほどで到着する「道の駅いかりがせき-津軽関の庄-」を目指します。
特産品である自然薯などの農産物やお土産品の販売所、「関所資料館」など見どころが満載です。
施設内には、日帰り温泉「関の庄温泉 御仮屋御殿」も併設。
木の温もりを感じる青森ヒバをつかった男女別の大浴場も素晴らしいのですが、なんといってもおすすめなのは、殿様気分を味わえる広々とした貸切り風呂の「殿様風呂」。立派な休憩室まで完備されて1時間1,500円(税込)は安い!
泉質は、pH8.7のアルカリ性単純温泉ですが、美肌効果があるとされる植物由来の有機物が溶け込んでいるモール泉。とろとろの濃厚美容液につかっているようなリッチな湯ざわりです。ベールのように全身に微細な気泡がまとうのですが、これは「新鮮な温泉の証」! 源泉から湯口まで、湯を空気に触れさせないように運ぶ独自の供給システムで、湧きたての源泉かけ流しを体感できます。
温泉を堪能した後は、再び大鰐温泉駅に戻り、駅から徒歩約6分の「朝日屋 日景食堂」へ。「大鰐の大日様」として親しまれる「神岡山 大圓寺(じんごうざん だいえんじ)」のすぐ近く、1897年創業の歴史ある食堂です。
看板メニューの「大鰐温泉もやしラーメン」は、大鰐温泉もやし、油揚げ、キクラゲ、長ネギ、ニンジン、豚肉、メンマ、胡麻、玉子が入った塩味のラーメン。あっさりとしたスープながら野菜や豚肉の旨味が染み出した深みのある味わいで、ツルツルとした喉ごしのちぢれ麺がピッタリ! 飲み干したいくらい美味しいスープは、煮干し、昆布、鰹節、鯖節からとった出汁に、チャーシューを作ったときのタレをブレンドしているのだそう。大鰐温泉もやしは、朝採れの鮮度の良いものにこだわっているとのこと。音が出るほどシャキシャキで存在感が抜群!!
大鰐温泉駅から奥羽本線で新青森駅に戻り、東京駅に帰る前に、お土産を購入。チョイスしたのは、職人が一枚一枚丁寧に焼き上げる「小山せんべい」です。
定番は、落花生がのったせんべいですが、他にもピーナッツやアーモンドなどがあります。その中でも、女性に大人気なのが「手焼きピスタチオせんべい」。サクサクとした生地とピスタチオの風味や甘さがクセになる一枚です。
大鰐温泉郷の温泉で育てられた大鰐温泉もやしは、11月〜3月が最盛期。美味しくてヘルシーな大鰐温泉もやしを食べて、贅沢な源泉かけ流しの温泉につかって、心も体も癒されませんか?
掲載情報は2021年1月21日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
朝日屋 日景食堂
住所:青森県大鰐町大字大鰐字大鰐55-2
営業時間:11時30分~19時
定休日:不定休
今回の旅の行程
【1日目】東京駅→新青森駅→大鰐温泉駅→鰐 come(ワニカム)→不二やホテル
【2日目】不二やホテル→大鰐温泉駅→道の駅いかりがせき→朝日屋 日景食堂→新青森駅→東京駅