長野・白馬村でワーケーション。グリーンシーズンの自然を満喫
今回の列車旅ポイント
- 東京駅から長野駅までは約1時間40分
- 白馬駅周辺には徒歩・自転車で移動可能なワークスペースが複数
- 三角屋根の駅舎が可愛らしい白馬駅
「フリーランスの人って、ふだんどこで仕事してるの?」とよく聞かれる。決まったコワーキングスペース(※)などを使っている人も周りにはいるのだが、私(ライターの生湯葉シホといいます)は、人の気配があまりしないほうがありがたいタイプなので、基本的には自宅で作業している。
ただ、ずっと自宅にいると飽きてくるし、気分も変えたくなってくるから、一時期は近所の河原とかデパートの屋上とか、いろんな場所を試していた。その延長で、最近よく聞く「ワーケーション」はどんな感じかしら……と気になっていたところだった。
そんなわけで今回は、ウィンタースポーツの聖地・長野県白馬村でワーケーションを体験してこようと思う。
※編集部注:さまざまな職種の人たちが共有で使用するワークスペース
東京駅
北陸新幹線でいざ、長野へ
お天気は、快晴。せっかくなら信州を朝から堪能したいと思い、久しぶりに早起きした。JR東京駅から北陸新幹線で約1時間40分、JR長野駅を目指す。
車内で白馬村のことをちょっと予習してみる。白馬といえばスキーのイメージが強いけれど、長野県はいま、ワーケーションを県ぐるみで推していて、白馬にもさまざまなワークスペースがあるんだとか。
長野駅からアルピコ交通の特急バスに乗り換え、約70分。スノーピークランドステーション白馬バス停に到着。
バスを降りて振り返った瞬間、ひとりなのに思わず「絶景じゃん!」と叫んでしまった。青い空に映える真っ白な山々がまぶしい。北アルプス、こんなにくっきり見えるんだ……!
スノーピークランドステーション白馬
青々とした芝生のあるテラスで休憩
バス停の目の前にある「Snow Peak LAND STATION HAKUBA(スノーピークランドステーション白馬)」。ここはその名のとおり、キャンプ製品で有名なアウトドアブランド・スノーピークが運営している複合施設。外観と内装は建築家の隈研吾さんによるもの。
今日はここのレンタサイクルを利用し、白馬村を巡る予定。受付がオープンする11時まで、併設のスターバックス コーヒーで仕事をしつつ休憩する。
Wi-Fi完備で、こちらもワークスペースとしてばっちり利用できそう。
ただ、お店の方に聞いたところ、土日は外の芝生スペースにテントが張られてマルシェなどのイベントが開かれることもあり、その際はテラス席もかなり賑わうとのこと。イベントのお客さんのためにも、土日の長時間利用は遠慮したほうがベターかも。
スノーピークランドステーション白馬
サイクリングで北アルプスを堪能
11時、さっそく電動自転車をレンタル。今回、私は自転車のみをレンタルしたのだけど、コーヒーを淹れるためのケトルといったスノーピーク製の道具や、併設している「レストラン雪峰」の特製デリ、目の前にある温泉施設の入浴券などがレンタサイクルとセットになった「Snow Peak GO」(税込7,700円)サービスもあるとのこと。アウトドアを楽しみ尽くしたい人にはすごくよさそう。
白馬ノルウェービレッジ
最高のワークスペースを見つけてしまった
まずは「白馬ノルウェービレッジ」へ。慣れないサイクリングと景色に見とれていたせいで20分ほどかかったのだけれど、スムーズに行けば10分ほどのはず。
こちらの施設はなんと、利用料が無料(!)のコワーキングスペース。地元の人にも人気のワークスペースだそう。
Wi-Fi完備、コンセントもばっちり全席にある。隣にホテルがあるので、そちらに宿泊しつつテレワーク利用される方もいるとのこと。
ちょうどお腹も空いていたので、ライブラリ内にあるカフェでパスタランチセット(税込1,200円)を注文。おいしくいただいたあと、しばらく仕事をする。
内装は温かみがあって気持ちいいし、ワークスペースとして最高だった。併設の個室のレンタルルームは有料で、会議やヨガ教室などに利用する方が多いとのこと。
Workation Hakuba
ツリーハウスで仕事ができるなんて!
白馬ノルウェービレッジをあとにして、再び自転車を漕ぐ。体力が続くかちょっと心配だったけれど、電動自転車はさすがだ。全然疲れない。
この日の気温は約25度。標高の高い場所ということもあり、日中は日差しがかなりまぶしい。それでも自転車で風を切って木々の間を走るのは、本当に気持ちがいい。
白馬ノルウェービレッジから15分ほどで到着したのは「Workation Hakuba」。こちらはリゾートホテルが運営するテレワーク施設で、広大な敷地の中には、いろんなタイプのワークスペースがある。
大型のテーブルが並び、モニターやプリンタ、スキャナなどを借りることもできる室内スペースのほか、ツリーハウスやレストランテラスなども。
スペースごとにきちんと別々のWi-Fiと電源が完備されており、気分で場所を変えられるのがありがたすぎる。
ちなみにホテルのスタッフさんは「こんなところまで来てわざわざ仕事したいもんですかねえ……」と(半分冗談で)おっしゃっていたが、いやいや、この景色の中でする仕事、めちゃくちゃはかどります。
白馬駅
景色を堪能しつつ、自転車を走らせる
Workation Hakubaの自由さが好きすぎて長居してしまった。日が暮れる前にもっと景色を見たいので、再び自転車を走らせる。
ゆっくりと散策しながら、北アルプスの絶景を堪能。
Workation Hakubaから30分ほどでJR白馬駅に到着。レトロな三角形の屋根の駅舎が可愛らしい。
ここからすぐそばのスノーピークランドステーション白馬に戻り、自転車を返却。白馬駅近くのホテルに宿泊した。
白馬岩岳マウンテンリゾート
山頂の絶景リゾートへ
2日目は白馬駅からタクシーで、アクティビティの楽しめる絶景スポットやレストランなどが一体になった複合施設「白馬岩岳マウンテンリゾート」を目指す。タクシーの運転手さん曰く、「白馬といえば冬って感じすると思うけど、最近はグリーンシーズン(春~秋)のほうが賑わうくらいですよ」。
たしかに私もスキーやスノボはほとんどしたことないけれど、夏場に景色のいいスポットでのんびりはしたいもんなあ……と大いに納得。7分ほどで白馬岩岳マウンテンリゾートに到着し、ゴンドラ「ノア」に乗って山頂へ。
ちなみにこちらのリゾート内にはドッグランもあり、白馬エリアでは唯一、犬と一緒にゴンドラに乗ることもできる。山頂で降りると人間以上に犬がイキイキしており、なんともうれしかった。
Hakuba Deli
高原野菜たっぷりのお昼ごはん
白馬はある程度晴れてさえいれば、どこからでも山が見える。だから(いってしまえば)ず~っと絶景なのだけれど、ここの絶景っぷりはちょっとその比じゃなかった。山の斜面に芝生の敷かれた「ヤッホーデッキ」では、お客さんが山の方を向いて座り、「きれいだね~」とつぶやいていた。
山頂には、2020年にリニューアルオープンしたデリレストラン「Hakuba Deli」がある。こちらで高原野菜たっぷりのランチ(税込1,480円)をいただいた。
森のオフィス
森のど真ん中でする仕事、はかどりすぎる
ランチのあとは、歩いてすぐの「森のオフィス」へ。ここはその名前のとおり、森のど真ん中にあるワークスペースだ。
キャンプ用のしっかりとしたテーブルと椅子があるだけでなく、Wi-Fiもコンセントも各スペースに完備されている。本当に森の中なので雨が降ると利用できないのはネックだけれど、この日は天候もよく、終始涼しく快適に作業できた。
森のオフィスのすぐそばに絶景を望めるブランコがあるので、しばらく仕事を頑張り、集中力が切れてきた頃にここでリフレッシュするのが個人的なおすすめ。
山頂のため地上よりは気温が低い。肌寒くなってきた頃にゴンドラで山から降り、タクシーで白馬駅へ戻る。1泊の旅を終えて、長野駅に列車で向かい、行きと同じルートで帰京した。
旅行当日のメモを見返したら、「永遠にここで仕事をしたい」と書いてあった。アウトドア派じゃない(私のような)人にはむしろ、白馬は冬よりも夏をおすすめしたい。こうして書いているまたすぐに白馬に行きたいくらい、お気に入りのワークスペースがたくさん見つかってすごくうれしい旅になった。
東京駅
掲載情報は2021年7月16日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR長野駅→スノーピークランドステーション白馬→白馬ノルウェービレッジ→Workation Hakuba→松川橋→JR白馬駅→スノーピークランドステーション白馬→ホテル
【2日目】ホテル→JR白馬駅→白馬岩岳マウンテンリゾート→JR白馬駅→JR長野駅→JR東京駅