東京のブルックリン・蔵前エリアを散策。文具店「カキモリ」やカフェ巡り 首都圏

東京のブルックリン・蔵前エリアを散策。文具店「カキモリ」やカフェ巡り

2023.05.09 首都圏東京
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POINT

今回の列車旅ポイント

  1. JR東京駅からのアクセスが良い蔵前エリア
  2. 蔵前駅周辺で個性的なお店散策ができる
  3. 蔵前エリアにはホテルも多いので宿泊にも最適

こんにちは。東京近郊の食とおでかけを中心に執筆中のライター、中村友美です。

職人とお店がゆるやかにつながり、古くからものづくりの文化が息づく蔵前エリア。昔ながらの店舗に加え、倉庫をリノベーションしたカフェや雑貨店などの新鋭店も増え、今ますます街歩きが楽しい場所となっています。

川沿いにあり、クリエイターが集う街として知られるニューヨークのブルックリンと共通点が多いことから、最近では「東京のブルックリン」とも言われているのだとか。そんな蔵前エリアを実際に歩きながら、よりみちのヒントをお届け。

JR東京駅

蔵前駅を起点に、よりみちの旅にいざ出発

JR東京駅から列車を乗り継ぐこと約20分、地下鉄の蔵前駅からよりみち旅のスタートです。問屋や工房、ショップが軒を連ねる蔵前エリアは、つくり手の思いを感じられる商品が購入できるお店が多いのはもちろん、自身でものづくりにチャレンジできる場も少なくないそう。

蔵前駅

CAMERA

雑貨屋併設のカフェでほっこりランチタイム

まずは駅から徒歩5分ほど、国際通り沿いに佇む「CAMERA」へ。オリジナルのベイクブランド「CAMERA BAKE」の焼き菓子が味わえるカフェと、オリジナルのレザーグッズブランド「numeri」の販売スペースが心地よく同居するお店です。

CAMERA

国内産の小麦粉とバター、きび砂糖にこだわった焼き菓子は、飾り気はないけれどどこか懐かしさを感じる、心にやさしいラインナップ。

CAMERA

かわいらしい見た目で人気No.1の「お花のクッキー(2枚入り)」をはじめ、コシのある生地とコクのある味わいが特徴だという焼き菓子が並びます。

CAMERA 焼き菓子

バッグや財布をはじめとした、ハンドメイドでつくられた革小物を目当てにふらりと立ち寄ってみたり、毎日お店で焼き上げる焼き菓子を片手におしゃべりを楽しんでみたり。異なる目的で訪れた人たちが行き来し、交差し合う「部屋」のような場所にしたいという願いから、店名はラテン語で「小さい部屋」という意味のCAMERAにしたのだとか。

CAMERA

ランチメニューも充実しており、この日は人気だという「キーマカレーセット」をオーダー。玉ねぎの甘みが引き立つスパイス控えめのキーマカレーに、さっぱりとしたキャロットラペやマカロニサラダが添えられたセット。やさしい味わいに思わずほっこりしてしまうこと間違いなしです。

キーマカレーセット

ボタンの博物館

ボタンから世界の歴史を読み解く博物館へ

次は少し足を延ばし、CAMERAから徒歩約25分の「ボタンの博物館」へ。大手服飾資材メーカーである株式会社アイリスが運営する、ボタンだけを常設展示している博物館です。

ボタンの博物館

ボタンに関する内外の資料と文献を収集したこちらの博物館では、世界中から集めたいわれのあるボタン約5,000点、バックル約2,000点のうち、約1,600点を世界有数のアンティークボタン研究家、ロイック・アリオさんに監修のもとに展示。ボタンでつづる世界の文化史、日本の文化史を紐解く優雅な時間を堪能することができます。

1日3部制の完全予約制なので、混み合うことなく少人数でゆったりと鑑賞できるところもうれしいポイント。

ボタンの博物館 建物入口 天井

博物館がある建物の入口で出迎えてくれるのは、天井から連なったきらきらと光るボタンのインスタレーション。見る角度によってさまざまな表情を見せ、来場者を楽しませてくれます。エレベーターで博物館の受付がある2階へ。

ボタンの博物館 受付

受付を済ませ、ボタンの文化的背景がわかりやすくまとめられた映像を視聴後、展示作品の鑑賞をスタート。

ボタンの博物館

ボタンのルーツともいわれる古代ローマ時代の留め具「フィビュラ」から始まり、フランス革命の勝利を記念してつくられた「革命の七宝ボタン」、1960年代のファッション界の隆盛期に、オーダーの婦人服に高い価値観を持つボタンをつけることが流行したことでつくられた「組み合わせボタン」など、時代とともにボタンの軌跡を追うことができるのはこの場所ならでは。

組み合わせボタンは、各種プラスティックと紐やメタル、ビーズなどの異素材を組み合わせた意匠的に優れたボタン。

ボタンの博物館 組み合わせボタン

組み合わせボタン

日本製のボタンである、江戸時代末期に薩摩藩でつくられていた「薩摩ボタン」も鑑賞しておきたい逸品。薩摩焼の技法を駆使してつくられた薩摩ボタンは、幕末のパリ万博に出品されたことでヨーロッパ各国にも輸出されるようになりました。当時のヨーロッパでは、日本美術ブーム(ジャポニズム)が起こっていて好評を博したそう。

ボタンの博物館 薩摩ボタン

薩摩ボタン

18世紀から19世紀にヨーロッパやアメリアの狩猟クラブの間で流行したのが、狩猟の道具や獲物をモチーフにした「ハンティングボタン」。なかでも目を引くのが、こちらのボタン。

ボタンの博物館 「リバースインタリオ」技法を用いたハンティングボタン

「リバースインタリオ」技法を用いたボタン

半球形の透明ガラスの裏から削り、くぼみの底に色を塗って仕上げる「リバースインタリオ」という技法を用いたハンティングボタン。この技法により、表から見るとガラスの中に狐の顔が立体的に浮き上がるように見えます。貴族たちは、こういったボタンをお抱えの彫刻職人に高度な技術を駆使してつくらせて身につけることで、ステータスを表していたそうです。

タイムスリップしたような気分でボタンを鑑賞したあとは、館内のワークショップに参加するのもおすすめ。ワークショップの中でも、好きな柄の生地や留め具を自分でカスタマイズし、プロが使用する特殊な道具を使って仕上げる「くるみボタン」の製作体験は(有料/事前予約不要)、10分程度で簡単にオリジナルのボタンが完成します。子どもから大人まで気軽に参加でき、世界にたった1つのボタンは、手土産にもぴったり。

隅田川沿い

緑あふれる穏やかな隅田川でリラックス

ボタンの博物館を見学したあとは、徒歩1分ほどの隅田川へ。江戸時代からの運河であり、憩いの場としても愛されてきたこの川は、蔵前エリアを語る上で欠かせないスポット。

隅田川沿い

水と緑に囲まれた遊歩道を散歩していると、厩橋(うまやばし)や駒形橋(こまがたばし)、吾妻橋(あづまばし)などの印象的な橋に加え、風情のある屋形船も鑑賞することができます。迫力のある東京スカイツリーやアサヒグループホール棟の上にある「炎のオブジェ(正式名称:フラムドール)」も見どころのひとつ。

隅田川沿い

散歩のあとは、蔵前駅近くのホテルにチェックイン。1日目の旅の疲れを癒やしました。

ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前

クラフトマンシップを感じるチョコと出合う

2日目は蔵前駅から徒歩約3分の場所に位置する、築60年の元倉庫をリノベーションした「ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前」におじゃましました。10ヶ国以上のカカオ農園にスタッフ自らが訪れて原料を仕入れるところから始まり、選別、焙煎、摩砕、テンパリング、成形に至るまですべての工程を自社の工場で行っているといいます。サンフランシスコ発祥の同店がこのエリアに上陸したことで、蔵前という街が多くの人に認知されるきっかけになったのだとか。

ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前

「ダンデライオン・チョコレート」ではカカオ本来のフレーバーを純粋に味わうため、単一農園・単一品種でつくられるシングルオリジンのカカオ豆ときび砂糖のみを使用しているところが特徴的です。個性が引き立つカカオ豆を採用し、独自の焙煎を行うことで、それぞれの豆が持つ独特のフレーバーやニュアンスを引き出しているそう。

ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前 店内

1階はチョコレートファクトリーとスタンド、2階はカフェと、ワークショップスペースを併設したファクトリーという構成で、製造工程を眺めつつチョコレートドリンクやスイーツを味わうことができます。

ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前 店内

スイーツの中でいちおしは、スパイシーなサブレ生地の上に、ガナッシュを流し込んだ自家製マシュマロをのせ、独得の食感に仕上げた「スモア」。

スモア

スモア

マシュマロに含まれるひと粒ひと粒の泡のかたちを均一に仕上げることで、むっちりとした歯ごたえを実現しているそう。注文されるごとにバーナーで炙り、香ばしい出来立てを提供してくれます。チョコレートに生クリームなどを混ぜ合わせてつくるガナッシュは、ワインやウイスキーの樽香とフルーティーな香りを持つグアテマラ産のカカオを70%使用しているので、2種類の香りを楽しむことができます。トップに添えられた岩塩の塩気が絶妙なアクセントに。

カキモリ

文具店で私だけのノートを

ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前で腹ごしらえしたあとは、徒歩10分ほどにある、このエリアならではの個性派文具店へ。

カキモリ

書くきっかけをつくる場として2010年にオープンした「カキモリ」は、愛着の湧く古びない文具をセレクションした、蔵前エリアのランドマーク的存在です。オーダーインクやオーダーノートといった、客自身がオリジナリティーあふれる文具をつくれる面白みのあるスポットとなっています。

カキモリ

書くことで想いを伝え、交わし合うことの豊かさを伝える同店は、「たのしく書く人」の種を育て、それを世界へ広げることをモットーとしているそう。

カキモリ インク

ここを訪れたらぜひチャレンジしておきたいのは、表紙・裏表紙・中紙・リング・留め具を組み合わせて、自分だけのオリジナルノートがつくれるオーダーノート制作(※)。ノートのサイズ(B5もしくはB6)を決めたあとは、表紙・裏表紙・中紙をチョイス。リングの色やゴム、封かん、ボタンなどの留め具も選んでいきます。

※編集部注:土日祝日は予約が必要です。詳しくはこちら

カキモリ オーダーノート制作

さらに、選んだ部材の製本を目の前で見ることもできるのが、このお店の最大のポイント。ガチャン、トントン、パチッという音とともに手作業で仕上がっていく作業工程は迫力いっぱい。

カキモリ オーダーノート制作

そして、30分~1時間程度で世界に一冊のノートが完成。私は、手描きのようなデザインの表紙と封かん留めを選びました。手作業で丁寧につくられたノートは、なんだかいつも以上に愛着が湧いてしまう、趣のある佇まいが特徴的です。

カキモリ オーダーノート制作

私の独断と偏見でカスタマイズをしたこちらのノートを、びゅうたび読者5名にプレゼントします。
※デザインは異なる場合があります。プレゼント詳細は記事下部をご覧ください

使い方はあなた次第。中の紙はカキモリの店舗で好きな種類の紙と交換できるので、自分なりの使い方で楽しめるはず。

カキモリ 店内

江戸時代、「明暦の大火」によって消滅した寺社の再建を行うために仏具や銀器などをつくる職人が集まったという蔵前。次第に、職人から仕入れたものを小売店に卸す問屋が生まれ、今も愛される、おもちゃや雑貨の問屋街が形づくられたそう。

今回は、そんな街に新たな感性で価値を生んだ、とっておきのお店たちをご紹介しました。新旧入り混じる「ものづくりの街」ならではの楽しさを、ぜひ実際に体感してみてくださいね。

東京駅

掲載情報は2023年5月9日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

カキモリ オーダーノート プレゼント応募要項

ご応募にあたっては、本応募要項にご同意の上ご応募ください。ご応募をもって同意いただいたとみなします。

■応募期間
2023年5月9日(火)~5月23日(火)まで

■応募方法
【びゅうたび会員の方】
1. 応募フォームに必要事項をご入力ください。
※ログイン画面が表示された場合はログインいただくと応募フォームが表示されます。

【びゅうたび会員以外の方】
1. びゅうたび会員にご登録ください。(無料)

2. 会員登録完了後、応募フォームに必要事項をご入力ください。

■賞品と当選人数
カキモリ オーダーノート(B6サイズ) 5名様
※デザインは記事内で紹介したものと異なる場合があります。

■抽選・当選発表
・応募期間終了後、厳正な抽選を行い、当選者を決定いたします。
・当選者にはご登録いただいたメールアドレスへご連絡いたしますので、ドメイン「@jre-vts.com」からのメールを受信できるよう設定をお願いいたします。
・当選通知受信後、指定の期限までに、当選したご本人が賞品のお届け先等、必要事項を指定の方法でご連絡ください。指定の期限までにご連絡をいただけない場合、当選権利を無効とさせていただきます。
・記入内容に不備、誤り、虚偽等があった場合、応募・当選を無効とさせていただく場合があります。
・当選された方のご連絡先が不明の場合や、長期不在等により賞品をお届けできない場合、当選を無効とさせていただく場合があります。
・抽選状況や当選結果等についてのお問い合わせは受け付けていませんので、ご了承ください。

■賞品発送
賞品は2023年6月上旬以降に発送する予定です。
※賞品の発送は日本国内に限らせていただきます。
※都合により発送スケジュール等が変更となる場合もございます。
※賞品の配送日時・配送方法・配送業者の指定はできません。

■注意事項
・ご応募は必ずびゅうたび利用・会員規約と本応募要項にご同意の上行ってください。
・ご応募はパソコンまたはスマートフォンからのみとなります。
・お一人様一メールアドレスでのご応募とさせていただきます。
・お一人様ご応募は1回となります。2回目以降のご応募分は無効となります。
・同一住所および同一人物への賞品の発送は1回までとさせていただきます。
・当選のご連絡前に退会をされた方、会員規約に違反された方は当選が無効となります。
・当選権利は当選者本人のみが行使できるものとし、第三者への譲渡(有償・無償を 問わない)や換金を禁止させていただきます。
・本企画の内容や賞品内容につきましては当社の都合により予告なく変更する場合があります。
・当社のネットワーク環境等の不具合により応募ができないことがあった場合であっても、当社は一切の責任を負いかねますので予めご了承ください。

■個人情報の取り扱い
・応募時にご入力いただいた情報はびゅうたび利用・会員規約第3条に則って取り扱わせていただきます。
・当選者からのみご提供いただく賞品のお届け先等の情報はびゅうたび利用・会員規約第3条に定める目的の他、賞品の発送を目的として使用させていただきます。取り扱い方はびゅうたび利用・会員規約第3条に準じます。
・当社の個人情報保護方針も合わせてご確認ください。

■お問い合わせ
お問い合わせフォーム
※お問い合わせフォームからのお問い合わせ対応のみです。
※返信は土日祝日を除く平日のみとなります。
※返信まで1週間程度いただく場合がございますので、あらかじめご了承ください。
※事務局より返信しますので、ドメイン「@jre-vts.com」からのメールを受信できるよう設定をお願いいたします。
※通信費は応募者のご負担になります。

今回の旅の行程

【1日目】JR東京駅→蔵前駅→CAMERA→ボタンの博物館→隅田川→蔵前駅(ホテル)

【2日目】ホテル→ダンデライオン・チョコレート ファクトリー&カフェ蔵前→カキモリ→蔵前駅→JR東京駅

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東京・蔵前JR+宿泊 トーセイホテルココネ浅草蔵前

1泊2日/仙台駅⇔東京駅

※商品が0件の場合は検索条件を変更いただき、再検索をお願いします。

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この記事を書いた人

中村友美

東京都生まれのフード&トラベルライター。IT企業・出版社での編集者・ディレクター経験を経て、独立。関東の食・おでかけ・アートを中心に執筆中。主な媒体にOZmall、ELLE gourmet 、Time Out Tokyoなどがある。15歳から都内のカフェ・喫茶店巡りを開始し、これまで訪れた飲食店の数は2,000件以上。
Instagram:https://www.instagram.com/___tomomi____/

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