今回の列車旅ポイント
ご乗車ありがとうございます。鉄道好きお笑い芸人ななめ45°岡安章介です。
みなさん知っていますか? 年間を通じて季節の味覚が堪能できるグルメ食堂車がある事を。そんな魅力的な列車が走る明知鉄道と、駅周辺のノスタルジーな街並みを旅してきました。
JR東京駅より東海道新幹線・のぞみ号でJR名古屋駅へ。名古屋駅から中央本線快速中津川行きに乗り換え、揺られること約60分。JR恵那駅に到着。
「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」であれば、新幹線と宿のセットがお得に予約できます。
JR恵那駅の改札を出て左に行くと、明知鉄道恵那駅。
ホームで待っていたのは、明知鉄道伝統の「ペールオレンジ×オレンジライン」カラーをまとったアケチ101形。12月限定のかわいいヘッドマークをつけての登場です。
明知鉄道(通称:あけてつ)は岐阜県東部の恵那駅から明智駅を結ぶ25.1キロのローカル鉄道。恵那駅を起点に東濃地方の高原地帯、田園地帯を縫いながら南下していきます。
そんな「あけてつ」の目玉列車と言えば……、四季折々の旬の地の物をふんだんに使った料理を楽しめる「グルメ食堂車」。
このグルメ食堂車は、なんと一年中運行しています。(季節で内容も変わります。休みもありますのでホームページでご確認下さい)
訪れた時期には「じねんじょ列車」が運行中(例年12〜3月)。今回の旅の目的はこれです。
食堂車「急行大正ロマン号」に使用された車両は、アケチ10形の明智光秀ラッピング。車内のロングシートの前にテーブルがスタンバイされています。
さて、じねんじょ列車、出発進行です!
ご飯とは別に、通行手形なるものがついてきます。1日フリー乗車券と色々な施設の割引もついている、お得な手形なんですよ。
じねんじょ列車のお食事、折詰オープン。(メニューは多少変わることがあります)
見た目も鮮やかでおいしそう。では、さっそくいただきます。
ふわふわでとろとろのじねんじょを、ほかほかご飯の上に連結。テンションも列車も勾配を駆け上がり、ディーゼルのように岡安も唸ります。
ゔゔゔうううまい。
滋味深い味わいに箸が止まりません、ご注意下さい。
鮎の甘露煮も頭からガブリ。身は甘くほろほろと口どけて、ほんのりやってくるワタの苦味もアクセントになって絶妙。海苔に包まれたじねんじょの天ぷらも抜群においしい。
じねんじょのとろろとご飯は、おかわりできるのも嬉しいです。(無くなり次第終了です)
アナウンスで「お客さま、外の景色も楽しみながらお食事してくださいね」。
あっ! おいし過ぎて夢中で食べてて、車窓を見るのを忘れてた。
何気なく見ていたのどかな田園風景。実は1989年に「農村景観日本一」に選ばれているんですよ。
そんな、日本一の原風景の一部になって食べる「地の物」。なんともいえないプレミアム感が味わえて大満足でした。
このグルメ食堂車の種別は急行。各駅停車とは違って何駅か通過する設定なんですが、よく見ると、終点到着が各駅停車よりも4分遅いんです。
なるべく停車時のブレーキを緩やかにし、食事の邪魔にならないように配慮されており、さらに、食事をしながら景色を楽しむために普通列車よりゆっくり走る。
この心遣いは本当に素敵。粋な「4分遅延」なんです。
約60分のグルメ食堂車の旅。お腹いっぱいになって明智駅に到着。
明智駅構内ではSL運転体験、現役気動車運転体験などもあり、とても貴重な経験が出来ます。(日程、内容など詳しくはホームページをご覧ください)
明智駅から徒歩5分ほどの「日本大正村」へ。明智駅のある恵那市明智町では、「懐かしさと、新しさ。ーまるごと大正」というコンセプトのもと、大正村役場・大正村資料館など大正レトロモダンな建物や施設が整備され、自分のペースで好きなルートで散策することが出来ます。
大正村浪漫亭(写真上)はカフェとお土産屋さん、大正ロマン館(写真下)の趣ある建物は資料館になっています。
こちらは、茅葺き屋根の旧三宅家。
雰囲気のある大正路地で記念撮影。大正っぽいポーズが思いつかず敬礼……いつものポーズになっちゃいました。
ノスタルジックな大正時代を堪能。ライトなタイムトラベルをしてきました。
帰りは通行手形についている1日フリー乗車券を使って、普通列車に乗って恵那駅へ向かいます。
恵那駅に到着。駅から徒歩5分、五平餅の専門店「あまから」さんから香ばしい匂いがしてきます。
岐阜の郷土料理である五平餅は、ご飯をつぶして串に刺し、くるみの入った甘辛い特製のタレをたっぷり付けて焼いたもの。ご飯のつぶつぶした食感がクセになります。
こちらのお店の五平餅は、串団子のような形状。焼き立てをいただきます。口に入れた途端に香ばしさ、甘さ、しょっぱさの3路線の立体交差。旨さが発車します。一本じゃ足りないな……。
この日はJR多治見駅に移動して、駅付近のホテルで一泊。
翌日、再び恵那駅へ向かい、明知鉄道に乗車。昨日降車しなかった明知鉄道の名物駅を巡ります。
まずは恵那駅から2つ目の飯沼駅。ここは傾斜33パーミルという過酷な場所に、周辺住民の熱い要望でできた駅なんです。普通鉄道としては日本一の急勾配駅。
特別に許可をいただき、勾配がわかりやすい線路の向こう側から撮影。ななめ33パーミルのポーズ。
続いて非常に縁起のいい名前の駅へ。
飯沼駅から3つ目の極楽駅。こちらは2008年に出来た新しい駅。
駅舎は小さいですが、金色の雲をあしらったオブジェや椅子がありとてもユニークで幸運を呼びそう。誰でも観音様気分になれる撮影スポットもありますよ。
また、極楽駅行きの硬券きっぷも縁起物として人気があります。
そして、最後は岩村駅。極楽駅のお隣の駅です。
岩村駅から、日本三大山城としても有名な岩村城跡のふもとにある岩村城下町に行きます。緩やかな坂道におよそ1.3km続く情緒ある街並み、当時の面影を残す商家や旧家が軒を連ねます。
少し小腹が減ったので甘味処「かんから屋」へ。どこか懐かしい店内で名物のかんから餅をごま、きな粉、こしあんの3種類でいただきます。見た目もかわいらしくて、お餅もふんわりして、とてもおいしかったです。
日本酒「女城主」などが人気の酒屋さん「岩村醸造」。ここをなぜ鉄道ファンが通過できないかというと……なんと店内にレールが。
奥までレールが敷かれています。お店の奥が醸造所になっており、昔はこのレールを使って材料のお米や出来上がったお酒を店先に運んでいた専用線だったみたいです。
この緩やかなカーブはたまりませんね。
今は廃線となり、試飲のできる台車が置かれています。廃線跡で「女城主 純米あま酒」を試飲。自然の甘さと芳醇な香りがふわっと口に広がり、とてもおいしかったです。
カステラの原型ともいわれている、全ての面に焼きが入った「カステーラ」を売っている「松浦軒本店」にも立ち寄り。時間を忘れて散策を楽しみました。
岩村駅に戻り、今度はレアな腕木式信号機体験。
腕木式信号機とは、駅などに設置してある信号テコを操作して、離れた所にあるワイヤーでつながった色付きの腕木を上下させ、信号を現示するもの。
重厚なレバーを握り下げたとき、「あれ?軽い」が最初の印象。引退した今でも、細かな手入れが引き続きされているんだろうなと思うと頭が下がります。ここでも素敵な体験ができました。
岩村駅を折り返し恵那駅に帰ります。
恵那駅改札横にある明知鉄道のグッズショップ「あけてつ本舗」へ。ショーケースがとても愛らしく、来る人たちを惹きつけます。
明知鉄道のグッズは、どれもかわいいデザインで鉄道好きのみならず、普段使いも出来ると女性にもかなり好評です。トート大、ハンドタオル、クラフトテープをお土産で購入。オンラインショップでも販売してますので気になる方はぜひ。
明知鉄道のグッズ「オリジナルトートバッグ(大)」「ハンドタオル」「クラフトテープ」をセットで、びゅうたび読者5名にプレゼント。ぜひご応募ください。 (デザインは写真と異なる場合がございます)
※プレゼント詳細は記事下部をご覧ください。
中央本線で名古屋駅へ、帰路につきます。
旅の目的はグルメ食堂車でした。名所や観光スポット駅も周辺にまとまっていたので、時間的にもゆとりのある旅になりました。
都心などからも近くて、アクセスの良い恵那明智エリア。違う季節のおいしいグルメ食堂車にもう乗りたくなってます。寒天列車が気になる……。
掲載情報は2024年2月20日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
応募期間は終了しました。沢山のご応募ありがとうございました。
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR名古屋駅→JR恵那駅/明知鉄道恵那駅→グルメ食堂車「じねんじょ列車」→明智駅→日本大正村→恵那駅→あまから→JR恵那駅→JR多治見駅(ホテル)
【2日目】JR多治見駅→JR恵那駅/明知鉄道恵那駅→飯沼駅→極楽駅→岩村駅→かんから屋→岩村醸造→松浦軒本店→岩村駅→恵那駅/あけてつ本舗→JR恵那駅→JR名古屋駅→JR東京駅