今回の列車旅ポイント
こんにちは! 地域のおいしいものに目がない、グルメライターのぴさきです。みなさんは、山梨を代表する郷土料理「ほうとう」をご存じですか?
小麦粉の平打ち麺にかぼちゃや芋、季節ならではの野菜を加え、お味噌で煮込んだソウルフード。山梨県では、物事がうまくいったときに、「うまいもんだよ、かぼちゃのほうとう」という言葉があるほど、広く親しまれているようです。そんなほうとうを、河口湖周辺のおすすめ店を巡って、1泊2日で食べ尽くします!
東京方面からは、JR新宿駅からJR大月駅まで特急「かいじ」で約1時間。大月駅で富士急行線「富士山ビュー特急」(※)に乗り換え、約50分で河口湖駅に到着です。ちなみに、「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」であれば、特急「かいじ」と宿のセットがお得に予約できます。
※編集部注:富士山ビュー特急は車両の定期検査のため、2025年3月上旬まで運休しています。詳しくはこちら
富士急行線のキャッチフレーズは「富士山に一番近い鉄道」。富士山を望みながら駆け抜ける朱い列車は圧巻! 大月駅から富士山の玄関口でもある河口湖駅間を運行しています。
河口湖駅からは、河口湖、西湖、本栖湖を巡る3タイプの周遊バスが便利。今回は本栖湖を巡る周遊バスを利用して、約20分の場所にある「ほうとう不動 東恋路店」へ向かいます。
目を引く、白いドーム型の店舗。富士山にかかる雲を想起させ、青い空にとてもよく映えます。
まるで洞窟のような店内では、音が壁を伝い、「遠くの話し声が近くで聞こえる」という不思議な現象も。非日常な空間にわくわくします。
お待ちかねの「不動ほうとう」。大鍋に富士山麗のかぼちゃと季節ならではの山菜、自家製平打ち麺がたっぷり入っています。
小麦粉から練る自家製の平打ち麺は、コシがあり食べ応え抜群。味噌仕立ての素朴な味わいの汁に、季節の山菜やかぼちゃの旨み、コクが溶け出し、麺によく絡みます。
途中で「秘伝の薬味」を加えながら食べるのも◎。厳選された7種類の薬味に、創業400年の「やげん堀」の一味をこだわりの調合で精製してつくられています。1杯食べ終わる頃には心も身体もポカポカに。
お腹に余裕があるならぜひ食べてほしいのが、甲州名物の馬刺。富士山の信仰登山が盛んだった頃に、登山客の荷揚げ用に馬がたくさん飼われていたことから馬刺が有名になったのだとか。甲州の馬刺はビタミン・ミネラルを多く含み、さっぱりとした旨みがたまりません。
富士山がこんなに近くに見えるのもうれしい!
名物ほうとう不動 東恋路店でほうとうを楽しんだ後は、歩いて約5分の場所にある、「ハーブ庭園旅日記 富士河口湖庭園」へ。
敷地内には、四季折々の花々と約200種類のハーブが彩る庭園のほか、富士山と河口湖を360度パノラマで楽しめる「ふじさんデッキ」や、ふじさんスイーツが楽しめる「ふじパノラマカフェ」など、富士山を堪能できるスポットがいっぱい!
そんな、ハーブ庭園旅日記 富士河口湖庭園のおすすめの巡り方をご紹介します。
まず訪れたいのは「大温室」。園内のハーブはすべてやさしくさわってOKなので、手につく香りを楽しみながら廻るのがおすすめ。
次はふじさんデッキへ。高さ13メートルの展望台からは、富士山と河口湖、そしてハーブ庭園が贅沢に一望できます。
デッキ内には座ってゆっくり富士山を眺められる椅子や、携帯をおいて撮影できるフォトスポットも。
ふじさんデッキには、ピンク色の「どこでもドア」や額縁など、富士山と一緒に撮って楽しめる仕掛けが! この日は、少し紅葉がかった木々に、雲に包まれた富士山を、どこでもドアと一緒に撮影することができました。
ふじさんデッキのある建物2階には、富士山スイーツが楽しめるふじパノラマカフェが。眼前に広がる雄大な富士山を眺めながら、富士山をモチーフにしたスイーツや、庭園で採れたハーブティーを堪能することができます。
カフェのテーブルは表面がすべて鏡のようになっており、富士山と一緒に撮影すれば「逆さ富士」が見れますよ!
カフェから見える富士山をイメージした「プレミアムふじさんソフト」! さっぱりとした爽快なラムネ味のソフトクリームに、濃厚ミルクのソフトクリームが豪快にのっています。
ハーブ庭園旅日記 富士河口湖庭園を楽しんだあとは、歩いて約5分の場所にある「甲州ほうとう小作 河口湖店」でひと休み。ここでは、山梨の郷土料理である「あずきほうとう」を注文!
お正月やお盆、お祝いなど、特別な日に食べられてきたあずきほうとう。あずきの赤色は邪気をはらうといわれ、本来は、あずき汁に餅を入れてぜんざいとして楽しむものを、当時はお餅が貴重だったため、ほうとう麺を餅に見立てたのが始まりだとか。
弱火であずきと砂糖をじっくりと煮込むため、あずきの粒感はしっかりそのままで、旅路で疲れた身体に甘さが染み渡ります。ほうとうの自家製麺はもちもちで、あずき汁との相性も良く、甘いもの好きにはたまりません。
こちらの自家製麺は、太麺でありながら固すぎず、煮込んでも柔らかくなりすぎない、自慢のもちもち麺。粉の配合は、秘伝の割合が代々受け継がれ、創業以来変わらぬ味を提供し続けています。
小作では「かぼちゃほうとう」も人気。秘伝の出汁と自家製味噌でたっぷりの甘いかぼちゃを煮込んでいきます。注文が入ってから一つひとつ鉄鍋を火にかけるため、いつでも出来立てアツアツです。
ほうとう巡りを楽しんだ後は、河口湖周辺に宿泊。
2日目はほうとうづくりからスタート! 「ほうとう研究所」の「ほうとう手打ち体験」では、「海鮮ほうとう体験コース」と「すき焼きほうとう体験コース」の2つのコースから選ぶことができます(※)。今回は、講師の方が教えてくださった様子を写真とともにお伝えします。
※編集部注:ほうとう手打ち体験は、予約制(2名から)。詳しくはこちら
麺のつくり方について、説明を受けたらいよいよスタート!
まずは小麦粉を整えて、
水を加えていきます。
そして、とにかくこねる! 手触りがもちもちでとても気持ちいいです。
ほどよくまとまったら、麺棒で生地をのばしていきます。
うすーく、生地を引きのばして、
太めに切り、
ほうとう麺の完成です!
ほうとうをこねる際の手ざわりがとても気持ちよく、クセになること間違いありません。麺棒でモクモクと無心にのばしていく作業は、とても心地よく、ストレス解消にもなりそうです。
最後は、海鮮ほうとうにして食べます。昆布出汁に海鮮の旨みが溶け出し、食べ応えも抜群!
カニと海老、ほたてが贅沢にのっているのもうれしい。そして何より、自分でつくったほうとう麺がとてもおいしい……!
ほうとうをたっぷり楽しんだ後は、富士急行線でのんびりと車窓を眺めながら帰路につきます。富士急行線にはラッピングトレインもたくさん! どの列車に乗れるのか、来てのお楽しみです。
この日はあいにくの雨でしたが、天気の良い日にはきれいな富士山が。ぜひ、車窓からの景色も楽しんでくださいね。
日本の絶景・富士山を楽しみながら、山梨の郷土料理ほうとうを食べ尽くし、ほうとう麺の手打ちも体験できる「ほうとう堪能ツアー」。これからの寒い時期にもぴったりです!
掲載情報は2024年12月12日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR大月駅→河口湖駅→名物ほうとう不動 東恋路店→ハーブ庭園旅日記 富士河口湖庭園→甲州ほうとう小作 河口湖店→河口湖駅(ホテル)
【2日目】河口湖駅→ほうとう研究所→河口湖駅→JR大月駅→JR東京駅