今回の列車旅ポイント
こんにちは。観音クリエイションです。霧や雲に包まれながら浮かび上がる、福井県の「越前大野城」をご覧になったことはありますか? 雲海に包まれるその姿は、まさに「天空の城」と呼ぶにふさわしい絶景です。
今回は、そんな越前大野城の姿をカメラで捉えるために、1泊2日で福井県の大野市に行ってきました。
まずはJR福井駅へと向かいます。JR東京駅からの場合、北陸新幹線「かがやき」で3時間ほど。「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」なら、新幹線と宿をお得なセットで予約できます。
東口広場で迎えてくれる、迫力あるトリケラトプス。旅への期待が一層高まります。
雲海の撮影は早朝5時から9時ごろがベストタイム。早朝移動をスムーズにするために、今回は福井駅で「駅レンタカー」を借りることにしました。
福井駅から車で約40分、「越前大野城」へ。明日の雲海撮影の前に、間近で見学させてもらいます。
※編集部注:越前大野城は例年12月~3月は休館しています
天守からの眺めは息を呑む美しさ。眼下に広がる城下町やその先の山並みが一望できます。
ただし、登城には少々体力が必要。標高249mの亀山にそびえる平山城(平野の中の山や丘に築かれた城)でもある越前大野城までの道のりには、傾斜がきつい箇所もあり、亀山公園西側の駐車場にある西登り口から20分ほど歩きます。履き慣れた靴と飲み物の持参をお忘れなく。
※編集部注:体力に自信のない方には、亀山公園の南側にある、南登り口からのコースがおすすめ。ゆるやかな遊歩道で景色もよく、こちらも20分ほどで登ることができます
越前大野城の見学を終えたあとは、天守から眺めた城下町を散策することにしました。車で3分ほどの距離にある「寺町通り」へ向かいます。
この通りは、京都のように碁盤の目状に整備されており、古き良き町並みが色濃く残っています。歩くたびに歴史と文化が息づく風情を感じることができました。フォトスポットとしても人気です。
さらに、この地域は地下水が豊富で、街中には清水(しょうず)が点在しています。
こちらは環境庁名水百選にも選ばれた「御清水(おしょうず)」。湧きでる水の温度は一定で、夏は冷たく、冬は温かく感じられるそう。
今回は駅レンタカーを利用しましたが、列車を利用する場合、越前大野城の最寄り駅は越美北線(九頭竜線)のJR越前大野駅となります。福井駅からの所要時間は1時間ほど。
明日の早朝からの撮影に備えて、福井駅周辺のホテルにチェックイン。たくさん歩いたのでぐっすり眠れそう。早めの就寝。
朝4時、まだ暗闇の中で目を覚まし、期待を胸に「戌山城址」へ向かいます。
車で国道158号沿いにあるホームセンターパルスへ。ここには天空の城撮影スポットへの案内看板があり、撮影者向けの駐車場としても利用できます。
駐車場に車を停めた後は、徒歩で砂山トンネルを目指します。トンネルが見えてきたら、左手の側道を山道へと進みます。
この山道はかなり険しく、休憩を挟みながら30〜40分ほどの登り。登山装備が必要です。
撮影当日(2024年11月)は、汗ばむほどの登山中とはうって変わって、撮影スポットでは冷え込みが厳しく感じられました。この時期は、厚手の靴下や防寒性の高いブーツ、長時間待機できる暖かい装備は必須です。特に足元から冷えるので、しっかりとした準備をおすすめします。
朝5時ごろに撮影スポットに到着。しかし、この日は霧が濃く、理想的なコンディションとは言えない状況。
それでも1時間半ほど待つと、次第に霧が晴れ始め、朝焼けが美しく見えました。
雲海が徐々に姿を現す中、「もしかして……あれが!」と思った瞬間、越前大野城の天守らしき形がぼんやりと浮かび上がりました。
見えた! ちょっとだけだけど! 見えた!
写真を拡大したら、ぼんやりとですが天守の形が確認できます!
今回は天候の影響で、幻想的な姿を完全には捉えられませんでしたが、条件が整えば、この写真のように、越前大野城が雲海に浮かぶ「天空の城」の絶景が楽しめます。
越前大野城のHPによると、見える可能性が高まる条件は以下の通り。
・10月から4月末ごろ
・明け方から午前9時ごろまで
・前日の湿度が高いこと
・前日の日中と翌日朝方の気温差が大きいこと(放射冷却現象が起こるような日)
・風が弱いこと
9時ごろになると、居合わせた地元のカメラマンさんたちが、「今日は惜しかったねー」「こればっかりは自然相手だからねー」と話しながら片づけをし始めたので、それに倣って下山。次回はベストコンディションの日に挑戦したいなあ。
撮影後は、ホームセンターパルスの駐車場から車で10分ほどの道の駅「越前おおの荒島の郷」へ。
ここでは、大野市産の食材を使用したメニューが楽しめ、地元ならではの味を堪能できます。しっかりとエネルギーをチャージして、旅の締めくくりにふさわしいひと時を過ごしましょう。
「焼きさば・豚汁・きのこご飯セット」を注文。ほかほかのきのこご飯と豚汁が冷えた体に染みる……。
道の駅内にあるバームクーヘン工房「森のこしかけ」で「バームクーヘン ソフト」をお土産に購入しました。大野産のコシヒカリ生米粉を100%使用しているとのことで、ひと口食べると、米粉ならではのふわふわとした食感と優しい甘みが広がります。
道の駅を後にして、車で40分ほどの福井駅へ。再び北陸新幹線に乗って帰路につきました。
帰宅後、ふわふわのバームクーヘンを家族と頬張りながら、次は家族みんなで訪れたいねと話しました。
掲載情報は2025年1月16日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR福井駅→越前大野城→寺町通り/御清水→JR福井駅(ホテル)
【2日目】JR福井駅→戌山城跡→道の駅 越前おおの荒島の郷→JR福井駅→JR東京駅