今回の列車旅ポイント
幼いころからのハリー・ポッター好きが高じ、英国の大ファンに。雑誌や書籍などで、英国文化や、紅茶とお菓子を楽しむ「お茶の時間」をテーマに執筆活動をしている山田志桜里です。
そんな私が訪れたのは、「パスポートのいらない英国」こと、福島県の「ブリティッシュヒルズ」。東京から新幹線に乗って約2時間半で、本場さながらの英国文化や、まるでハリー・ポッターの世界に迷い込んだような空間を楽しめます。
今回はブリティッシュヒルズを日帰りで満喫したあと、郡山へ移動して1泊。翌日は開成山公園を散策する、1泊2日の福島旅へ出かけました。
旅の始まりはJR東京駅。東北新幹線「やまびこ」に乗り、JR新白河駅を目指します。
東京駅から新白河駅までは約80分。車窓を眺めたり、ブリティッシュヒルズの施設案内を読んだりしているうちに、あっという間に到着です。
「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」を利用すると、新幹線と宿のセットがお得に申込みできます。
高原出口を進むと看板もある
新白河駅で、ブリティッシュヒルズの無料送迎バス(予約制)に乗り換えます。
バスは完全予約制(利用日前日の17時まで)
バスの車内では、ブリティッシュヒルズの紹介動画や英国に関するミニクイズも流れ、期待が高まります。
山あいの景色のなかを走ること約40分、緑のなかに英国の旗が見えはじめ、ブリティッシュヒルズに到着しました。英国好きはもちろん、ハリー・ポッターの世界に憧れてきた私にとっては、まるでホグワーツへ向かっているような気分。どんな景色が待っているのか、到着前からわくわくします。
福島県天栄村の羽鳥湖高原にある「ブリティッシュヒルズ」は、中世の英国の街並みや、英国文化を体験できる施設。標高約1,000メートルの敷地内には、マナーハウスを中心にパブやティールームなどの建物が点在しています。
マナーハウス
特徴は、建物からインテリアまで「本物」にとことんこだわっていること。模倣したり、アレンジしたりするのではなく、実際に英国から建築資材や調度品を輸入し、本場の空気感やサービスを体験してもらうことを大切にしているそう。
ポスト
「英国風」の景色を眺めるだけでなく、その背景にある文化や暮らしまで感じられるのが、ブリティッシュヒルズの大きな魅力です。
日帰りで、ブリティッシュヒルズのレストランやアクティビティを利用する際には、入場料(大人400円)が必要です。入場券は、レストランやギフトショップで200円分の金券として利用ができます。
※編集部注:入場料については2026年10月現在のものです
まず参加したのは「マナーハウスツアー」(有料、事前予約優先・先着順)。スタッフの説明を聞きながら、ブリティッシュヒルズの象徴であるマナーハウスを巡ります。
写真手前はシェイクスピアの像
マナーハウスとは、中世の英国において、貴族が自分の荘園内に建てて住んでいた「館」のこと。
ブリティッシュヒルズのマナーハウスは、「貴婦人の城」と呼ばれる英国のリーズ城をモデルにし、館内は19世紀ごろのヴィクトリア時代をイメージしてデザインされています。
ツアー集合場所のレセプション前
マナーハウスのレセプション付近で目を引く豪華なシャンデリアは、かつては、ろうそくを灯して使われていたもの。当時は、2〜3時間ごとに使用人がろうそくを取り替えていて、多くのろうそくを灯せることが貴族の財力を示す証でもあったそうです。
ブリティッシュヒルズのエンブレム(紋章)
レセプションから見える大きなステンドグラスも、英国の工房に特注したもの。
重厚な木の扉や長い廊下、暖炉のある部屋を巡っていると、英国の邸宅文化を学びながらも、どこかの物語の中を歩いているような気持ちに。
館主の部屋「キングズルーム」
こちらは、館主の部屋をイメージした「キングズルーム」。背もたれの両側が翼のように張り出した「ウィングアームチェア」は、暖炉の熱を逃しにくくするためのデザインだそう。
スタッフさんの説明を聞くと、何気なく見ていた家具にも、当時の暮らしにまつわる工夫が隠れていることに気づき、部屋を入った時と出る時とでは、家具の見方が大きく変わってきます。
女性らしい優雅な調度品が多い
館主夫人の部屋をイメージした「クイーンズルーム」。
貴重なシャーロック・ホームズの初版本も
19世紀の書籍が並ぶ「ライブラリー」。
そのほか、男性たちの社交場をイメージした「スヌーカールーム」、女性たちがお茶や会話を楽しんだ「ドローイングルーム」、英国の教会で実際に使われていた椅子が並ぶ「チャペル」などを、約50分かけて見学しました。
宿泊者の食事会場として使われる なかでも、ハリー・ポッター好きの私がひときわ心を惹かれたのが、イギリスの大学の大食堂を思わせる「リフェクトリー」。
英国の大工さんを招いて、英国の伝統的な建築様式でつくられており、高く三角形の天井が美しい空間です。
マナーハウスツアーに参加したあとは、「アスコットティールーム」へ。
紅茶や英国菓子、軽食を楽しめるティールームで、建物の前には英国から輸入したという赤い電話ボックスも置かれています。
アフタヌーンティー(写真は2人前)
人気の「アフタヌーンティー」を注文。ここでは「本物」にこだわるブリティッシュヒルズならではの、王道の英国らしさを楽しめるのが魅力。きゅうりやたまごのサンドイッチ、スコーン、英国で親しまれる焼き菓子が並びます。
なかでも、きゅうりのサンドイッチは英国のアフタヌーンティーを代表する伝統的な一品。アフタヌーンティーが生まれたヴィクトリア時代にはすでに登場しており、当時はきゅうりがぜいたく品だったことから、お客さまに振る舞うことで豊かさやもてなしの気持ちを表したといわれています。
スコーンはプレーン、レーズン、チーズから2種類を選択。クリームやジャムをつけなくても、バターの風味がしっかりと感じられる濃厚な味わいです。その濃厚さに合わせて、添えているクリームはあえて口当たりの軽いものを採用しているそう。たっぷりつけても重たくなりすぎず、最後までおいしく楽しめる工夫がうれしく感じました。
焼き菓子は、個性豊かな4種類。写真「左奥」は、爽やかなレモンの風味を楽しめるレモンパウンドケーキ。「左前」は、ふわりとスパイスが香るキャロットケーキ。どちらも英国のティールームではおなじみのお菓子です。
「右奥」は、日本ではなかなか見かけることの少ないラミントンケーキ。ココナッツをたっぷりまぶしたオーストラリア発祥のお菓子ですが、英国でも親しまれています。そして「右前」のタルトは、英国らしいお菓子の世界に、福島ならではのエッセンスを添えた一品。季節ごとに旬のフルーツが使われるそうです。
レモンの爽やかさやキャロットケーキのスパイス感、季節のフルーツのみずみずしさなど、ひと皿の中でも味わいはさまざま。紅茶を片手に「次はどれを食べようかな」と選ぶ時間まで、アフタヌーンティーの楽しみのひとつでした。
紅茶は数種類から好みのものを選べ、ポットサービスで提供。差し湯もしてもらえるため、ゆっくり楽しめます。
今回選んだのは、ブレンドティーの「イングリッシュブレックファスト」。ミルクにも負けないしっかりとしたコクが特徴で、ミルクティーを好む英国でよく親しまれているブレンドです。
甘いスコーンやケーキと合わせても味わいがぼやけず、今回はミルクを入れずに、その豊かなコクを楽しんでみました。
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食後は、まるで中世の英国さながらの敷地内をお散歩。
こちらは、英国のパブを再現した「フォルスタッフパブ」。
15~16世紀の英国建築をイメージした空間で、ブリティッシュヒルズのオリジナルエールなどが楽しめます。
そのほか、真っ赤な郵便ポストが目を引く「シェイクスピアコテージ」や、土日やイベント限定で運営する赤いバスのキッチンカー、英国の歴史的な建築様式を再現した宿泊棟などが点在しています。
どこを撮っても絵になる景色が多く、まるで1990年代の英国に迷い込んだような雰囲気のある一枚から、電話ボックスや英国建築を背景にしたかわいらしい写真まで、思い思いの写真を次々と残したくなります。
最後はギフトショップ「ビクトリアンアレー」へ。
英国雑貨や食品、オリジナルタータンを使った限定グッズなどが並びます。
オリジナルタータン柄の紙袋がおしゃれ
スタッフさん一押しのパウンドケーキやショートブレッド、紅茶をお土産に。数種の味わいがありましたが、紅茶はアールグレイ、パウンドケーキは「アールグレイキャラメル」をおすすめしてもらいました。
お土産人気No.1というパウンドケーキは、その期待を裏切らないおいしさ。アールグレイの柑橘の香りとキャラメルの甘さがよく合い、しっとりとしたリッチな食感が印象的でした。
ショートブレッドは、バターのコクとさくさく食感が魅力の、イギリスでおなじみの焼き菓子。ブリティッシュヒルズでは、プレーン、アーモンド、クランベリーの3種類があり、プレーンはバターの風味をしっかり感じられ、アーモンドは香ばしいナッツの風味、クランベリーはほんのりとした酸味がアクセントに。食べ比べも楽しいお菓子でした。
旅から帰って自宅でも英国の余韻を楽しむことができるのがうれしいですね。
ブリティッシュヒルズを満喫したら、再び送迎バスに乗って新白河駅へ。東北本線の在来線に乗り、約40分でJR郡山駅へ。この日は駅周辺のホテルにチェックインし、ゆっくり休みました。
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2日目は郡山駅周辺を観光してから帰路に着こうと思います。「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」は、往路の降車駅(今回は新白河駅)と復路の乗車駅(今回は郡山駅)を異なる駅に設定できるので、目的に応じて旅の自由度が高まります。
郡山駅前から路線バスに乗り、約15分の「開成山公園」へ。
写真提供:開成山公園
開成山公園は、桜やバラの名所として市民に親しまれている緑豊かな公園です。園内には、ふくしま応援ポケモン「ラッキー」をモチーフにした「ラッキー公園 in こおりやまし」があります。
大きなピンクのラッキーがお出迎え
ラッキーの複合遊具をはじめ、さまざまなポケモンの遊具が並び、思わず写真を撮りたくなるかわいらしさです。
さらに園内には、ポケモンが描かれたマンホール蓋「ポケふた」も。
見つけた時のうれしさもひとしお
「ポケふた」も探しながら、公園散策を楽しみました。
公園を散策したあとは、園内にあるカフェ「FLATWHITE(フラットホワイト) COFFEE FACTORY - Lakeside in the park」へ。
早起きしたらモーニングも楽しめる
五十鈴湖を眺めながら休憩ができる贅沢なロケーションが魅力です。
テラス席
今回は、バナナとベーコンを添えた「フレンチトースト」と、コーヒー「フラットホワイト’98」を注文。
スタッフさんおすすめの組み合わせ
甘じょっぱいフレンチトーストとコーヒーを味わいながら、水辺の景色をゆっくり楽しみます。
旅の最後に、慌ただしく観光地を巡るのではなく、景色を眺めながら過ごす時間があるのもいいもの。
ランチを終えたら路線バスで郡山駅へ戻り、東北新幹線で東京へ。1日目は山深い高原に広がる“英国”で文化や食に触れ、2日目は郡山の緑の中をのんびり散策。同じ福島県でも、まったく異なる雰囲気を楽しんだ1泊2日の旅となりました。
掲載情報は2026年10月27日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
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今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR新白河駅→ブリティッシュヒルズ→JR新白河駅→JR郡山駅(ホテル)
【2日目】JR郡山駅→開成山公園/ラッキー公園 in こおりやまし/FLATWHITE COFFEE FACTORY lakeside in the park→JR郡山駅→JR東京駅