10,000個以上のパンを食べ歩いてきたパンマニア片山智香子です。日本国内はもちろん、海外にも足をのばし、日々美味しいパンを求め、食べ歩いております。
1日に平均45万人以上が利用しているという、東京の玄関口の一つであるJR東京駅。実は200種類以上のパンが集まる激戦区って知ってましたか? エキュートやグランスタなど駅構内の商業施設が充実しており、改札を出なくても美味しいパンがいっぱい。その中でも選りすぐりの5店のオススメパンをご紹介します。
グランスタ地下1階にあるZopf(ツオップ)カレーパン専門店。丸の内地下中央口と八重洲地下中央口、どちらの改札からいってもちょうど真ん中くらいにあります。ツオップといえば、パンの聖地と言われるくらいパン好きの間でも人気のお店。千葉県の松戸に本店があり常時300種類以上のパンが並んでいます。山小屋風の扉を開けると、思わず、うわー! と声をださずにはいられません。どれもこれも美味しそうなパンにあふれていて、何回行ってもワクワクしてしまいます。その中でもカレーパンは、それを目当てに来る人も多い同店の看板商品。このカレーパンの専門店として2019年7月、東京駅にオープンしました!
牛肉をたっぷり使いスパイシーに仕上げた具材にもっちりした甘めの生地。粗めのパン粉を付けてじっくり香ばしく揚げられており、火が全体に行き渡っているので、どこから食べても旨みがじゅわりと口内に広がります。持ちやすいように平たい形なのも嬉しい。
4個入りのカレーパン詰め合わせもあるので、手土産としても喜ばれそう。
東京駅構内八重洲南口方面のエキュート京葉ストリートにある、ブーランジェリー ラ・テール。2019年春に東京ステーションシティ運営協議会が発表した東京駅のエキナカ人気商業施設の「パン売上個数ランキング」でエキュート京葉ストリート部門ベスト3はすべてブーランジェリー ラ・テールが獲得していて、1位は「ビーフシチュー」2位は「しあわせを呼ぶクリームパン」3位は「ひよこ豆のカレー」なのですが、個人的には「クラップフェン」をオススメしたいと思います。
クラップフェンとはドイツ北西部伝統のドーナッツ。見た目はゴツゴツ岩みたいなのに、中はしっとり柔らかい。レーズンが生地に練り込まれていて、断面をみると分かるのだけれど、中はシュー生地のような様相です。ペタリとした食感、初めて食べた時に見た目と食感のギャップに驚き、それからはやみつきに。ちなみにシナモン味とプレーンがありシナモンの方が人気なのだそう。
グランスタ1階、八重洲北口方面にあるデイジイ東京。 1962年創業で本店は埼玉県の川口にあります。東京駅構内のベーカリーは店によってそれぞれ特徴があるけれど、こちらは全体的に「昔ながら」という言葉がぴったりなラインナップ。惣菜系も充実している上に、あんバターこっぺやツイストドーナッツなどを見つけると、安心感があります。ストアコンセプトが「NIPPONのベーカリー」ということもあり、店構え、イートインスペースともに木がベースになっていて和を感じられます。外国人のお客さんもチラホラ。
こちらのオススメはやはり人気ナンバー1である「クロワッサンB.C.」。
農林水産大臣賞を受賞している商品です。
アーモンドケーキをクロワッサン生地で包み、上にクッキー生地をソボロ状にしたものと、砕いたアーモンドをトッピング。B.C.のBはバター、Cはクロワッサン、クッキー、ケーキを意味しています。クロワッサンのふんわりとした食感と、アーモンドケーキの深いコクが組み合わさった美味しさが口内いっぱいに広がります。
エキュートサウスコート1階、丸の内中央口と新幹線南乗換口どちらからも行きやすい(※)東京あんぱん豆一豆(まめいちず)。定番から少し変わり種まで、様々なあんぱんが楽しめる「あんぱん専門店」です。東京駅構内のベーカリーはイートインできるところが多いですが、こちらはテイクアウトのみ。
※編集部注:「東京あんぱん豆一豆」は、2024年8月に京葉ストリートエリアに移転オープンしました
一番人気は看板商品の「東京レンガぱん」。その名の通り、東京駅の赤レンガをモチーフにしたフォルムに、明朝体で焼き印された東京駅という文字は、自分が食べるのはもちろん、手土産としても喜ばれること必至。4個入りのギフトボックスもあります。
赤練り餡と特製生クリームの二層構造。ホイップにも白餡を使用しているこだわりぶりで、生地にも小豆入りという、まさに「豆」づくし。こし餡の優しい甘みとホイップクリームの濃厚ながらもふんわりした食感が口内に広がり、後を引く一品です。
グランスタ地下1階にあるブルディガラ エクスプレス。(※) 前述の「パン売上個数ランキング」で、グランスタ部門上位3位を独占しています。1位は「カレーパン」2位は「クロワッサン」3位は「パン・オ・ショコラ」。
この中で私が好きなのがパン・オ・ショコラ。エアリー感が半端ないクロワッサン生地にチョコレートが入っているパン。クロワッサンにはバターのコクと濃厚さを求める方もいるかもしれませんが、私は軽い食感のものが好き。チョコレートは下部に少量入っているだけで甘さがしつこくないので、ペロリと食べられてしまいます。
ちなみに、ブルディガラ全店舗で一番人気があるのは、セーグル・フリュイ。ライ麦が配合された生地に、レーズン、イチジク、オレンジピール、カレンズ、クルミと、ハードパン好きにはたまらない組み合わせ。深みある味わいながら、それほど酸味は感じないので、ライ麦のパンはあまり食べないという初心者の方にもオススメです。
※編集部注:ブルディガラ エクスプレスは2020年7月にブルディガラ トーキョーとしてリニューアルオープンしました。
列車の乗り換え途中の食事はもちろん、旅のお供、手土産にも良し。東京駅であなたのお気に入りパンを見つけてくださいね!
掲載情報は2020年2月7日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。