JR東京駅から山形新幹線「つばさ」で3時間弱、山形観光の玄関口であるJR山形駅。駅周辺には、史跡や文化施設、レトロな商店街など魅力的なスポットが数多くあります。
今回は、山形駅から徒歩やバスで行けるおすすめの観光スポットを、『びゅうたび』ライターの地主恵亮さん、ゆっこさん、藤田華子さんが実際に訪れてレポート。車なしで行けるので、列車までの空き時間を利用した観光にもぴったりです。
びゅうたびライターも参加!
新しい旅の楽しみ方「地域の物語を作る新幹線旅」とは?
【目次】
\列車と宿がセットでお得!/
「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」とは?
びゅうたび編集部:
「霞城公園(かじょうこうえん)」は、公園内や周辺に史跡や文化施設が多く、桜の名所としても知られる人気観光スポット。びゅうたびでおなじみの地主恵亮さんのレポートです。
霞城公園!(手を上げているのが地主です)
春は桜の名所です!JR山形駅東口から徒歩15分ほどで「霞城公園」東大手門に到着する。霞城公園は、山形城の本丸と二ノ丸があった場所に位置する公園だ。城跡なのでお堀が公園を囲む。現在の城郭は11代目城主の最上義光(もがみよしあき)が築いたものが原型とされている。春には1500本の桜が咲き乱れるそうだ。
二ノ丸東大手門から見える、
山形新幹線!
山形城は明治を迎えた1871年の廃城令により廃城となり、櫓(やぐら)や御殿は壊されてしまったけれど、1986年に本丸と二ノ丸が国の史跡に指定され、1991年には二ノ丸東大手門や櫓が復原された。その二ノ丸東大手門には山形新幹線が走り抜ける昔と今が融合した景色が広がっている。
復原された二ノ丸東大手門櫓です!
櫓の内部は広いです!
出土した瓦を触れます!
二ノ丸東大手門櫓は例年4月から11月頃まで、無料で公開されている(詳しくはこちら)。現存する石垣から寸法を割り出して復原したそうだ。内部では山形城の歴史や、出土した瓦の展示などがある。つまり、山形城は瓦葺(かわらぶ)きの建物を有していたということ。ちなみに、同じ山形県にある上杉氏の居城「米沢城」は瓦を持たない城郭だった。
最上義光騎馬像
城内には「最上義光騎馬像」が鎮座している。決戦の場へ向かう勇ましい様子を、発祥は平安時代という歴史ある伝統工芸「山形鋳物」で再現している。3トンの重さを馬の後ろ足だけで支えているそうだ。さすが歴史ある山形鋳物の技術だ。
本丸一文字門
本丸御殿へとつながる本丸一文字門大手橋が2005年に、その先の高麗門などが2014年に復原されている。大手橋は発掘調査で出土した遺物から樹種鑑定を行い、当時と同じように橋脚には杉、梁には松、橋板には栗が使われている。
山形市郷土館(旧済生館本館)
公園内には「山形市郷土館(旧済生館本館)」もある。こちらは1878年につくられた山形県立病院で「済生館」と称されていたもの。元々は現在の場所からほど近い七日町にあったけれど、移築復原され1971年より山形市郷土館として一般公開されている。
ステンドグラスがオシャレ!
何て趣のある建物なのだろう。洋風にも感じるけれど、和風な感じもある気がする。それもそのはずで、「擬洋風建築」と言われるもので、欧米の建築を日本の職人が真似てつくったものだからだ。中庭には枯山水もあるのだ。
中庭は和風!
中庭やそれを囲む回廊では、職員たちが盆踊りを行っていたそうだ。やはり洋と和の調和。現在は郷土史や当時の医学資料などが展示してある。建物が今ではなかなか見ることのできないもので、歩いているだけでも迷宮に迷い込んだ感じで楽しかった。
びゅうたび編集部:
歴史的な建物「文翔館」や、水路と町屋づくりの建物の風景が美しい「水の町屋 七日町御殿堰」などもあり、散策にぴったりの「七日町商店街」。リラックス方法は週末旅に出かけることだという、ゆっこさんがレポートします。
七日町商店街
JR山形駅からバスで10分ほどの場所にある「七日町商店街」。「山形県郷土館『文翔館』」へと続く七日町大通りを中心に、飲食店や雑貨店、サービス施設など約80店舗が集まる商店街です。
商店街の真ん中あたりまで歩くと見えてくるのが「ほっとなる広場」。ベンチが置かれ、その名の通りほっと一息つける広場です。
ほっとなる広場
広場では年間を通じてさまざまなイベントを開催。滞在中に気になるイベントがあれば、のぞいてみると山形ならではの空気を感じられるかもしれません。
また、七日町商店街では、電動アシスト付き自転車のレンタルを行っています。周辺には史跡や文化施設も多いので、七日町商店街を基点に観光するのもおすすめです。
水の町屋 七日町御殿堰
「水の町屋 七日町御殿堰」は、七日町商店街のほぼ真ん中に位置します。御殿堰(ごてんぜき)とは、約400年前に生活用水としてつくられた水路のこと。山形市内を流れる「山形五堰」の1つです。
水路の両脇の建物はモダンな町屋風。歴史ある御殿堰の情緒溢れるせせらぎを眺めながら、市民や観光客が思い思いに過ごす憩いの場となっています。
過去には水質が悪化してしまった時代もあったそうですが、地元の方々による清掃活動などの取り組みによって、昔のような澄んだ水流が戻っています。
150年続く老舗の蕎麦屋や呉服店、蔵をリノベーションしたカフェなどが並ぶ施設内は、山形の昔ながらの趣と現代のセンスが心地よく調和した空間。新旧それぞれの魅力を味わいながら、散策を楽しめるスポットです。
山形県郷土館「文翔館」
七日町商店街の突き当たり、山形駅からはバスと徒歩で約15分の場所にある「山形県郷土館『文翔館』」。
1916年(大正5年)に県庁舎および県会議事堂として建てられた、大正時代の面影を残す歴史ある建物です。レンガ造りの3階建て、壁面は石貼りでどっしりとした落ち着きのある佇まいです。
文翔館の前庭
建物の前に広がるのは、美しい前庭。どこを切り取っても絵になるレトロな洋風建築は、フォトスポットとしても人気。この日は前庭でウェディングフォトを撮影しているカップルの姿を見かけました。
正面玄関を入るとすぐに立派な中央階段が現れ、アーチ天井を支える8つの柱すべてが大理石で覆われています。
階段の踊り場にあるのは、月桂樹の葉の輪飾りが描かれた素敵なステンドグラス。
3階にある重要な会議などに使われた「正庁」(現在の講堂)は、館内でも特に豪華な装飾が見どころ。
職人技が光る漆喰天井は、塗って乾かす作業を8回も繰り返してつくられています。天井には、山形名産の「さくらんぼ」と「紅花」が隠れているのでぜひ探してみてください。
文翔館のシンボルでもある時計塔。今も動いている時計塔は、日本で2番目に古いそう。5日に1度、時計職人が手作業で、振り子を動かすための錘(おもり)を巻き上げることで動いています。絶えず時を刻む時計を見ていると、文翔館が歩む長い歴史を感じずにはいられません。
■スポット情報
住所:山形県山形市旅篭町3-4-51
アクセス:JR「山形」駅から路線バスで「山形市役所前」停留所下車、徒歩約1分。またはJR「山形」駅からコミュニティバス「ベニちゃんバス」で「市役所南口」停留所下車、徒歩約5分
びゅうたび編集部:
山形の魅力を伝える複合施設「山形まるごと館 紅の蔵」。特産品「紅花」の魅力や、地元食材を使った料理を、手仕事や工芸品が好きな藤田華子さんがレポートします。
山形新幹線を降り、初夏の風に吹かれながら向かったのは、JR山形駅から徒歩10分ほどの場所にある「山形まるごと館 紅の蔵」です。ここはかつて紅花商人の蔵屋敷だった建物を改装した観光複合施設で、一歩足を踏み入れると、情緒溢れる空間が広がっています。
店内(写真提供:Bubula.)
まずは、敷地内にあるレストラン「Bubula.(ブブラ)」で腹ごしらえ。いただいたのは、1番人気の「山形牛ビーフステーキ」です。
ボリューム満点、野菜や旬の食材がぎゅっと盛り合わせてある前菜からスタート。
山形牛といえば焼肉のイメージが強いですが、ここでは1.5時間もの時間をかけて低温調理し、最後に焼き色をつけて仕上げます。この日のお肉は、山形牛A4ランクのランイチ(お尻にあたる赤身の部位)。口に運ぶと、じっくり凝縮された肉の旨みが広がり、その柔らかさに驚かされました。
オーナーシェフの佐藤善太郎さんはとても気さくなお人柄ながら、一時期はお店を営みながら自ら農業もしていたという、野菜への情熱がほとばしる一面も。
手がける料理には、「薄皮丸なす」や「うこぎ」といった、独自の文化の中で守り継がれてきた「やまがた伝統野菜」も登場します。「地産地消という言葉は広く浸透していますが、私たちは本当の意味での地産地消を追求している」という佐藤さんの精神が、この一皿にも息づいているのを感じました。
食後は、山形の歴史や文化を伝える「街なか情報館」へ。この時期は、山形県の特産品でもある紅花が咲く時期ということで、紅花の展示が行われていました。
明治初期までは主要産業として街を支えていた紅花ですが、輸入染料に押されて衰退していった歴史が。そんな中、いまだに山形県では大切に紅花を育てる農家さんがいらっしゃいます。
展示では、紅花がどのように染料へと姿を変えるのかが丁寧に解説されていました。
手間暇を惜しまず育てられた紅花から抽出できる紅色は、極くわずか。化学染料では決して生み出すことのできない、自然の生命力が宿った繊細な色彩には、思わず見入ってしまうほどの美しさがあります。人の手から手へと、想いとともに託されてきたこの美しい巡りに、山形の文化の奥深さを再確認しました。
旅の締めくくりは、地元生産者に育てられた野菜や果物、地域の特産品などが販売されている「旬菜旬果 おいしさ直売所」へ。さくらんぼの最盛期ということもあり、店内は発送手続きをする地元の方や観光客で活気に満ち溢れていました。箱に並んだ宝石のようなさくらんぼは、まさに山形の初夏の風物詩。
お土産として、自宅でも山形の味を長く楽しめるよう、日持ちのする品々をセレクト。
「Fruits Craft Cider サクランボサイダー」(左から3つ目)は、山形県産のさくらんぼ「佐藤錦」を主体にしたこだわりの果汁入りサイダーで、さくらんぼの味をダイレクトに感じられました。紅白でかわいらしい「紅花そうめん」(左から5つ目)の紅色の麺には、紅花の花弁が練りこまれているそう。ツルツルとした食感がたまらないおいしさでした。
紅の蔵で過ごした時間は、単なる観光以上の、山形の文化や精神に深く触れるひと時となりました。駅からすぐのこの場所には、山形の「おいしい」と「美しい」が、ぎゅっと詰まっていました。
いかがでしたか? ノスタルジックな温泉地や神秘的な寺社、美しい雪景色など壮大さが魅力の名所も多い山形県。訪れた際には、山形駅周辺の観光スポットにもぜひ立ち寄ってみてくださいね。
\山形へのおすすめ旅行を見る/
掲載情報は2026年8月25日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。