こんにちは。フォトジェニックのためならどこへでも駆けつける! 浅草育ちのフォトグラファー石井小百合です。
紅葉! ビール! 温泉! 大人の楽しみ3点セットを、一度に楽しめる場所があると聞き、長野県南部の駒ヶ根へ駆けつけてまいりました。
【行程】
まずはJR新宿駅から、8時ちょうどのあずさ5号に乗り、JR上諏訪駅に向けて出発。「8時ちょうどの〜あずさ2号で〜」……と歌いたかったのですが、惜しくも5号でした。JR上諏訪駅からJR中央本線に乗り換え岡谷駅についたら、JR飯田線に乗り約60分でJR駒ヶ根駅へ。さらにバスで約45分のしらび平駅、そこから駒ヶ岳ロープウェイで日本一の標高2,612mにある千畳敷駅へ。一気に千畳敷カールへ駆け上がります。
千畳敷カールは、駒ヶ根市と宮田村にまたがる、中央アルプス宝剣岳の直下に広がるエリア。約2万年前に、氷河の流れにより浸食されて形成されたカール(半円形のくぼ地)状の氷河地形で、畳を1,000枚敷いたくらいの広さがあることから「千畳敷カール」と呼ばれているのだとか。
取材日はあいにくの雨で、遊歩道は分厚い霧に覆われてました。泣! だけどせっかくここまで来たのだからと、売店で雨ガッパを購入し、散策へ。歩き始めてみると、この霧がかった感じが逆に神聖な空間を創り出していることに気づきます。太陽の明るさを帯びた霧と、一面の紅葉色。神秘的……! 紅葉する主な樹木はダケカンバやナナカマドなどで、晴れていれば遊歩道1周40〜50分ほどの散策が楽しめるそうです。
千畳敷カールのカール部分は映し出せなかったものの、しっかりと色づいた紅葉が見られました♪ 赤やオレンジに色づいた草木は、とってもきれい!
こちらの紅葉、9月下旬〜10月上旬と、比較的早い時期に見頃を迎えます。
今回は写真に写せなかった千畳敷カール。およそ2万年前に自然によってつくられた地形をこの目で見たかったな……という悔いも残りつつ、長い年月を重ねた大地のパワーを感じながら、売店内のカフェでまったり。なかなか来られない「贅沢なカフェ」に来ちゃったかのような特別感は、居るだけでも気分上々。来てよかった!
ロープウェイの発着地しらび平駅から菅の台バスセンターまでバス(駒ヶ岳ロープウェイ線)に乗り、
約30分、今夜は早太郎(はやたろう)温泉郷の「駒ヶ根高原リゾートリンクス」に宿泊。
駒ヶ根高原に湧き出る「早太郎温泉」は、やわらかな肌触りで、湯上がりの肌はしっとりすべすべ。半露天風呂からは、木々のいい香りと自然のエネルギーが感じられました。
ちなみにこの早太郎温泉、名前の由来は、なんと犬の名前から。駒ヶ根高原リゾートリンクス近くの光前寺で飼われていた山犬「早太郎」が、怪物の老ヒヒを倒したという「霊犬 早太郎」 伝説にちなんでいるそう。ってちょっと待って、思いもよらない伝説の戦いがこの地で繰り広げられていたのか……! この取材が決まったときに温泉の名前が気になって、いろいろと想像していた私(桃太郎的な? もしくは、何をするにも早く行動する太郎がいたのか? など)。由来はまさかの霊犬でした。なんだかご利益ありそうな温泉!
伝説を持つ早太郎温泉で体の芯から温まり、お部屋でホッとひと息。さっきまでいた山々を見渡せ、室内からも紅葉が楽しめる贅沢な空間。
明日のビールを楽しみに、今夜は早めに就寝です。ビールッビールッビールッ…
気持ちのいい景色を見ながらの朝食とコーヒー。ちなみに夕食もこちらのホテルでいただいたのですが、信州の幸が盛りだくさん。ひとつひとつの料理に手間がかかっていて、丁寧に味わいたくなる美味しいご飯に出会えました♪
ホテルから徒歩10分。伝説の霊犬、早太郎にご挨拶をしに光前寺へ。立派な木々の間に続く参道は、歩いているだけで背筋がしゃんと正される感じ。コケが日差しで煌めいていて、幻想的なお寺。
待ってました!! 光前寺から徒歩約20分、南信州ビール直営レストラン「味わい工房」に到着。こちらでは、中央アルプスの雪解け水を豊富に含んだ良質な地下水でつくられた地ビール「南信州ビール」がいただけます。今回は、この時期限定の銘柄「オクトーバーフェスト」をチョイス。この美しく輝かしいキャメル色がたまりません。飲む前から、くぅ〜っ! って言いたくなる。香りも芳醇で、ひと口飲むと甘いモルト感が口に広がり、くぅ〜っ!! 美味しい。
旬なお野菜ゴロゴロのパスタと、オクトーバーフェストの生ビール。窓の外には紅葉がかった山々が見渡せ、一気に秋が飛び込んでくる感覚。体の中から外から「秋」を体験できる、素晴らしいレストランでした。
アンバーエールは、濃厚で力強い味わい。フルーティーな甘みとコク。
黒ビールのデュンケルヴァイツェンは、デザート感覚のような甘みで、小麦麦芽をブレンドしたバナナ香が感じられます。
ゴールデンエールは、ジャパン・ビア・グランプリを2度受賞の銘柄。華やかですっきりとした口当たりが特徴。
私が気になったのは気の里ビール。伊那市と大鹿村の境にあるパワースポット「分杭峠」のゼロ磁場の水で醸造した、フルーティーですっきりとした味わい。料理との相性も良くて、「飲んだらいいことありそう」と思わせてくれる感じがして好き。
どのビールも、飲んだあとのスッキリ感が格段に違う。胸までスーッと透き通るような感覚は、私のビール史上初めての経験でした。
秋の味覚を全身で感じた今回の旅。紅葉、温泉、ビールの3点セットは、間違いなく人を幸せにしてくれますよ!
この記事の内容は2019年9月16日現在の情報です。
今回の旅の行程
【1日目】JR新宿駅→JR岡谷駅→JR駒ヶ根駅→しらび平駅→千畳敷カール→駒ヶ根高原リゾートリンクス
【2日目】駒ヶ池→光前寺→南信州ビール直営レストラン「味わい工房」→JR駒ヶ根駅→JR岡谷駅→JR新宿駅