【函館&札幌の旅】地元大学生が1日乗車券を活用してみた
今回の列車旅ポイント
- 函館市電で楽々観光
- 電車事業所で最新車両を見学
- 1日乗車券で函館・札幌市内をお得に巡れる
こんにちは! 函館学生フリーペーパー「SPOT」編集部、北海道教育大学函館校4年 千田陽菜です。函館市在住の大学生で、同世代に向けたフリーペーパーを制作しています。
今回は、私たちの大好きな街・函館と憧れの大都会・札幌を、1日乗車券を使って巡ります。グルメや観光を2泊3日にギュギュッと詰め込んでご紹介します!
函館駅
ぼくらの街、函館をご案内〜!
東京駅から新函館北斗駅まで東北・北海道新幹線で約4時間、そこからはこだてライナーで15分、函館駅着です。
まずは今回の旅のお供、「市電1日乗車券」を市電車内で購入して、末広町に向かいます。函館市電に1日3回以上乗る場合はこちらを購入した方がお得!
電停「末広町」
函館の歴史感じる旧金森洋物店
函館駅前電停から函館市電で約8分、末広町電停に着くと吹き抜ける海風が! 突如現れる港町函館感! 船の汽笛やカモメの鳴き声が響き渡り、五感で函館の初夏を堪能。街を歩くだけでも函館は充分楽しいんです!
まずは、末広町電停から徒歩約8分のところにある「金森赤レンガ倉庫」。明治時代に倉庫として使われていた建物をレストランや ショップとしてそのまま利用している施設です。
さらに、金森赤レンガ倉庫から約6分ほど歩けば、「八幡坂」から函館屈指の絶景を見ることができます。
そんな見どころがたくさんの末広町電停から徒歩1分。「旧金森洋物店(市立函館博物館郷土資料館)」へ。こちらの建物は明治13年、外国の小間物や雑貨を販売するお店として開店。港町函館は西欧文化が広く受け入れられ、ハイカラな商品に市民は胸を躍らせたそうです。
明治から昭和にかけて、函館は何度も大火事に襲われました。当時の建物はほとんど焼け落ちましたが、金森洋物店は奇跡的に残っています。それもそのはず。これまでの大火で、手がけていたお店を焼失した渡邊熊四郎さんが、金森洋物店を簡単には燃えない造りにしたから。耐火性の強いレンガと漆喰を使用し、細かいところも大火事に備え設計。そのおかげで、北海道指定有形文化財に指定され、今も函館市の歴史を伝える貴重な建物として残っているのです。
館内は笑顔が素敵な女性スタッフの方々がわかりやすく案内してくれます。番頭さんしか入れなかった帳場で記念撮影ができたり、明治当時の店周辺の様子を再現したジオラマがあったりと見ごたえたっぷり!
電停「末広町」
味も雰囲気も◎カリフォルニアベイビー
街歩きしてカロリー消費した後は、末広町電停から徒歩約3分、「カリフォルニアベイビー」でボリューム満点の「シスコライス」をいただきます! 昭和51年から「カリベビ」の愛称で親しまれているお店は、インテリアやBGMに至るまでアメリカンテイスト。建物は大正時代の郵便局をリノベーションしたもので、古くて良いものを大切にする函館文化を感じることができます。
シスコライスの迫力にびっくり! 直径25センチくらいのお皿にはシンプルな味付けのバターピラフ、その上に甘辛いミートソースがかかり、大きなウインナーが2本も! 大満足しちゃうボリュームです。
電停「函館どつく前」
ちょっとそこまで、どつくまで。
末広町電停から市電で4分。函館の一番西側にある函館どつく前電停周辺は隠れた観光スポット。古い建物を再利用して建てられたカフェが増えてきて、街を歩く若者もちらほら。野良猫に導かれてふらっとお店に入るのもありかも?
電停「函館どつく前」
みかづき工房・ギャラリー三日月
函館どつく前電停から徒歩約6分。「みかづき工房」には、函館市内とその近郊の作家さんによるハンドメイド作品がずらり。2019年6月現在は20名程の作品を取り扱っているそうで、作家さんひとりひとりの個性溢れた作品に思わず釘付け。食器やアクセサリー、ポストカードなど、お土産にしても喜ばれそうなものばかり。
併設された「ギャラリー三日月」には、絵画や彫刻品などジャンル問わずさまざまな作品が定期的に展示されています。大正時代の質屋をリノベーションして建てられた空間に、現代作家の作品が飾られるなんて、なんだか不思議な気持ち〜。
※編集部注:「ギャラリー三日月」は2019年11月に閉店しました。
電停「魚市場通」
できたてのはこだてビールで乾杯!
どつく前電停から4駅の魚市場通電停から徒歩1分ほど。「はこだてビール」でお待ちかねの夜ご飯。市電を使って市内を歩き回った後に飲むものといえば、はこだてビール一択!
店内に入り、目の前に現れるのは大きなタンク。なんとお店の中でビール製造を行なっているそうで、正真正銘のできたての生ビールが飲めちゃいます。函館山の天然地下水を使った地ビールは種類も豊富。今回は人気No. 1「五稜の星」と、お店オススメの「社長のよく飲むビール」をいただきました。
「五稜の星」は口当たりが軽く、ゴクゴク飲めちゃいそうな味わい。鼻を抜けるフルーティーな香りがたまりません。「社長のよく飲むビール」は、アルコール度数約10パーセント、芳醇でコクがあり、赤ワインのような奥深い味わいです。飲んでいると体がポカポカ。料理も北海道産の食材を使用しており、和洋中好みに合わせて食事が楽しめます。
本日はここまで。函館駅周辺にはたくさんホテルがあるので、宿泊される方は、好みに合わせて宿泊施設を選んでみてください。旅の楽しみがまたひとつ増えると思います。
函館駅
特急スーパー北斗に乗って札幌へ
北海道旅行2日目。天気にも恵まれ、特急スーパー北斗に乗って札幌へレッツゴー! 函館から札幌、同じ北海道なら近いんでしょ? っていう人がたくさんいますが、いいえ違います。特急スーパー北斗で約4時間。やっぱり北海道はでっかいどー!
停留場「電車事業所前」
レア車両「ポラリス」はここで見よ!
JR札幌駅から徒歩4分のさっぽろ駅に向かい、すすきの駅を経由し電車事業所前停留場まで地下鉄南北線と札幌市電を乗り継いで約36分。電車事業所に着きました。
札幌市電の「路面電車1日乗車券」は税込500円、車内でも購入できます。
電車事業所内は見学が可能で、スタッフの方にご案内いただけます。車体をじっくりと間近で見学できる上に、市内で中々見られない「ポラリス」「シリウス」などの新型低床車両や除雪専用の電車「ササラ電車」も見られます。
停留場「資生館小学校前」
器に詰まった北海道! 名物スープカレー!
電車事業所前停留場から市電で約30分の資生館小学校前停留場へ、そこから徒歩3分ほど、狸小路商店街7丁目アーケード内にある、スープカレー「SOULSTORE」で、少し遅めのお昼ご飯。注文したのはチキンと野菜のカリー、そしてご飯の上には「よだれ鶏」をトッピング。お昼から贅沢しちゃいます。
まずはスープをひと口。コクがありまろやかな女性人気1位の「BOSSAスープ」、少し甘めの優しい香りが鼻を抜ける〜。そしてたっぷりゴロゴロ道産野菜! 甘みの詰まった蒸したサツマイモに、下味の付いたやわらかいゴボウ。ひとつひとつの野菜を丁寧に、一番美味しい形でご提供。スープの中に潜んでいたのは、握りこぶし1.5個分くらいの鶏肉!
人生初のよだれ鶏は本当に衝撃。貝のように歯ごたえがあり、シャクシャクとした食感! スープカレーとはまた違った辛さにご飯が進む進む。
大通公園
バラを眺めてひと休み
資生館小学校前停留場から市電で18分、中央区役所前停留場で下車し徒歩4分ほど。お腹も満たされた後は、「大通公園」をお散歩。常にさまざまなイベントが行なわれている大通公園は、平日もたくさんの人で賑わっています。
公園内、札幌のシンボル・テレビ塔の真逆の位置にあるのがサンクガーデン。例年6月末頃から、およそ55種類のバラが園内に広がります。景色を見ながらベンチに座ってぼんやり過ごすのも最高にオツです。
停留場「西線6条」
丼とブリュレの最強コンボ
中央区役所前停留場から市電で6分、西線6条停留場の目の前「洋風丼とブリュレのお店Don Bru」で夕食をいただきます。「なんで丼ものとブリュレ?」と疑問に思う人も多いでしょう。こちらのオーナー、以前はホテルのシェフとして働いていて、その当時の自信作がこちらの2つだったそう。ちなみに私はどっちも大好き!
丼とは言うものの、おかずとご飯が別になっていて見た目も華やか。味付けは全体的に濃いめで若い人向け。まずは「ルスツ産もち豚のTONテキDon」を実食! ジューシーな分厚いお肉にかかっているのは、トンテキソースを洋風にアレンジしたもの。もうこれ、箸が止まらない!
「ロコモコ丼」は、ハンバーグの上に濃厚なデミソースとクリームチーズソースがかかっていて2つの味が楽しめちゃう。
食後にほとんどのお客さまが頼むという「ミニブリュレ」。カラメルをスプーンでコツコツと割っていただきます。とろ〜んとしたクリーミーなブリュレにパリパリ食感が加わり、なんとも絶妙な味わい。材料にもこだわっていて、特濃牛乳と北海道江別市の太田ファームの卵を使用しています。
※編集部注:「洋風丼とブリュレのお店Don Bru」は2023年7月に閉店しました。
停留場「西4丁目」
おとぎの国で締めパフェを!
いよいよ旅も終盤ですが、パフェを食べるまでが札幌旅行。西線6条から市電で14分、西4丁目停留場で下車して徒歩2分ほど。パフェ専門店「幸せのレシピ スイート 大通店」で旅を締めくくります。店内はBGMからインテリア、メニューに至るまで、おとぎ話の世界を再現したような空間が。お上品にパフェをいただきます。
「濃厚ピスタチオ静かな森のパフェ」は、主役のピスタチオジェラートが濃厚! ナッツの風味が口いっぱいに広がります。仕事終わりのほろ酔い気味のお客さまが多く、男性客もちらほら。メニューが年に2回変わり、季節の果物を使ったり、夏はさっぱり、冬は濃厚な味に変えたりと、ニーズに合わせて展開されているそうです。
列車で始まり甘味で終える札幌旅行はこれにて終了! 札幌駅近くのホテルで1泊します。
札幌駅
列車旅の醍醐味「駅弁」
列車旅を何十倍に彩る存在、駅弁。「いくら、うに、たらば」に惹かれこちらの駅弁を即決。
実はこの旅で海鮮をしっかり味わうのはこれが初。危うく大後悔で旅を終えるところでした! 車窓から見える風景を眺めながら食べるご飯って、なんでこんなに美味しいんでしょう。
札幌のお土産にはこちらのカヌレ風焼き菓子を購入。箱を開けてみると可愛らしい小さな鈴が。焼き菓子は小分けに3つ入っているので、分けて配ることも可。北海道のしぼりたての牛乳とバター、新鮮な卵を使ってじっくり焼き上げた焼き菓子。喜ばれること間違いなしのお土産です!
今回の函館&札幌旅は食に歴史に列車と、盛りだくさん。かなり密度の濃いスケジュールでしたが、1日乗車券を使ってスムーズにまわれました! 車窓から見える景色が函館と札幌では全く違うのも旅の見どころ。ぜひ足を運んでみてくださいね~!
今回の旅の行程
【1日目】函館駅→金森赤レンガ倉庫→旧金森洋物店→カリフォルニアベイビー→みかづき工房・ギャラリー三日月→はこだてビール
【2日目】函館駅→札幌駅→電車事業所→SOULSTORE→大通公園→洋風丼とブリュレのお店Don Bru→幸せのレシピ スイート 大通店→札幌駅
【3日目】札幌駅→函館駅