今回の列車旅ポイント
今年の夏休み、列車を使った小さな冒険はいかが? 子ども自身が旅の計画を立て、なるべく自力で行ってみる。全力で冒険を味わったら、その経験をまとめて自由研究にするのもステキ。毎年、夏休みの自由研究はテーマ選びに困るしね。
ちなみに、最近では「旅育」なんて言葉を耳にすることも。食育なら知っているけど……旅!? なんとなく、旅を子育てに役立てようとする取り組みみたいなもの、というのはわかりますよね。
そんなわけで、今回の旅の主人公は
と即座に手を挙げた10歳の長女。さらに
と駄々をこねる6歳の次女も参加。そして、
1 行き先を決める
まずは、びゅうたび編集部と一緒に行き先を決めます。
この2つが長女の希望。まずはメインとなる目的地を選びます。編集部が用意した紙の資料を見て、長女はあれこれ迷った挙句、茨城の「こもれび森のイバライド」を選びました。ちょうどそれは次女の希望と重なり、二人で「やった!」と大騒ぎ。
2 旅の計画表づくり
さあ生まれて初めての、旅の計画表づくりです。
など、インターネットで検索しながら授業で板書するようにメモを取り、見やすいように色を変えたりイラストを入れたりして工夫します。列車の時間を調べるのも初めての長女は真剣な表情。
最終的に、今回の旅で訪れる場所は以下の4つになりました。
1日目
・遊覧船に乗る(土浦駅)
・こもれび森のイバライド (牛久駅)
・しゃぶしゃぶを食べる(水戸駅)
2日目
・アクアワールド・大洗(大洗駅)
ちゃっかり者の次女。早くも次の旅をもくろみ中。
「晴れ女」を自称する長女の根拠のない自信の通り、取材日はぴっかぴかの晴れ。出発地は上野駅、乗車予定の7:30発特急ときわ51号を探します。
電光掲示板で見つけて乗り場を確認、ホームへ。
座席に座り、旅の計画表を広げて予習。学校の勉強もこれくらいちゃんとやってね。
土浦駅8:15着。ホームから特急に手を振りました。
土浦では遊覧船に乗る予定。土浦駅に案内の看板があるのでは? とのんきに構えていたら、改札を出てもどちらが湖かすぐにはわかりません。
途端に困り顔の長女。客待ち中のタクシー運転手さんに道を聞いてみたら? と促すも、勇気が出ず。仕方なく母が聞くと、丁寧に教えてくれました。
東京ではなかなか触れられない見知らぬ人の親切に感謝しつつ、やはり事前の準備は大切と実感。
駅から歩いて約17分。ようやく、たくさんのヨットが並ぶラクスマリーナに到着。マスコットキャラクターである「まりりんちゃん」の描かれたホワイトアイリス号に乗り込みました。
霞ケ浦沖合を快走するホワイトアイリス号。青い空と湖の青が目にまぶしい。船は次第に速度を上げ、風が猛烈に過ぎていきます。
まりりんちゃん、爆走。30分ほど、霞ケ浦の沖合を回ります。遊覧船と聞いてのんびり湖に浮かぶさまが頭に浮かんでいましたが、予想以上のスピードに3人で何度も絶叫しました。
土浦駅に戻り、常磐線普通列車に乗って14分の牛久駅へ。牛久駅から「こもれび森のイバライド」へは、無料の送迎バス(基本土日祝のみ運行)が出ています。
バスに乗って約30分、「こもれび森のイバライド」に到着しました。動物に触ったり、カラダを使って遊んだり、モノづくりをしたり、自然の中でさまざまな体験が出来るテーマパークです。
二人はお腹が空くと暴れ出す(!)ため、さっそくランチタイム。バイキングレストラン「シュー」へ直行します。
園内製造の自家製ソーセージや冷製トマトジュレパスタ、四角いオリジナルピザなどの洋食料理が並び、バイキング形式で食べられます。
ロースハムのサラダマリネ、濃厚なヨーグルトと、やはり自家製のものはひと味違います。
ランチを終えたら、旅の計画を立てたときから楽しみにしていた牛の乳しぼり体験へ。おっぱいをしぼらせてくれるのは、既に2頭のママというぷりんちゃん。
ぷりんちゃんの右脇腹が膨らんでいて、よく見るとときおりもごもご動きます。妊娠中で、11月に出産予定なのです。よほどお腹が空いているのか、たくさんの体験参加者に囲まれても平然として、もくもくと牧草を食べ続けます。
恐る恐るお腹に手を伸ばすと、しっとり温かい。
その通り! 大きな乳房から突き出た乳首は、さっきレストランで食べた自家製ソーセージにそっくり。表面に黒コショウみたいなブツブツまであります。
「まず親指と人差し指で輪をつくり、そこに乳首を入れて人差し指、中指、薬指と順番に力を入れていきます」と飼育員さん。その通りにやると、ぴゅー! っと勢いよく乳が飛び出しました。
お次はクラフト体験教室へ移動し、長女はガラスドーム型オリジナルチャームづくりに挑戦しました。小さなガラスの器に好みのビーズを入れたものです。
何種類ものビーズを前にあれこれ悩みつつ、作業自体にうっとりしています。
一方、次女は同じ部屋でレザーキーホルダーづくりにトライ。次女は骨型のレザーをベースに選んだようです。
レザーに刻印を入れていきますが、次女が選んだのはサソリ。数ある刻印から、なんでサソリ? と思うも、そういえば君は「サソリ座の女…。」
どちらも30分ほどで完成。二人の女子な一面が垣間見えました。
クラフト教室を出て歩き出すと、前方に木から木へ張られた1本のロープ上を歩くある父子の姿が。た、高い……あれが、こもれびアドベンチャー!? 目的地を決める決め手になった、アスレチックです。
参加者はまず胴体にハーネス(専用の安全帯)を装着。コースに沿って張り巡らされたワイヤーにプーリー(滑車)を通し、木から木へ移動しながらゴールを目指します。
「途中でリタイヤ出来ないからね~。怖くなって進めなくなったらココにお泊まりだよ!」
係の人に笑いながら言われて、なんとなく表情が硬くなる二人。でも、事前に受ける簡単な講習がはじまるころには、期待の高まった顔つきに。
まずは長女から。意外と順調。笑顔さえ見せながら、ひょいひょいと障害をクリアします。
ふだんはどんなことにもイケイケな次女も、さすがにちょっと怖い様子。「怖いよ~怖いよ~」と言いながらもがんばって最後のジップスライドまでクリア!
再び無料送迎バスで牛久駅へ。そこから常磐線で約1時間の水戸駅に向かいます。最強のアスレチックをクリアした達成感か、車内でやたらハイテンションな二人。
ところが水戸駅に着くと、想像以上に都会的な様子に戸惑い気味。夕食を予約した囲炉裏焼と蕎麦の店うえ田まで徒歩で行くというミッションも不安そう。
ところがここでも生来のポジティブな性格と根拠のない自信で一瞬にして元気を取り戻した長女は、足取り軽く歩き出しました。つられて次女も楽しそうについていきます。
地図を片手に歩き続けるも、それらしいお店は見当たりません。迷いながら歩くことしばし、ようやく囲炉裏焼と蕎麦の店うえ田を見つけました。
走り出す二人。もうなにも食べなくてもいい……くらいの満足感。いやダメだ。着物姿の美人女将に笑顔で迎えられ、「リング鍋」を食べました。
リング状に盛り付けた茨城産ローズポークを、その下に敷き詰められた野菜と一緒に、真ん中に入れられただし汁でしゃぶしゃぶ。そばつゆを使ったタレでいただきます。
お腹が満たされ、今度は迷わず水戸駅に戻り、駅近のホテルに宿泊。
と顔を曇らせる次女をなぐさめつつホテルで朝食。まだ旅は続きますよ。宿をチェックアウトして、水戸駅から鹿島臨海鉄道大洗鹿島線に乗って約16分の大洗駅へ。改札を出るとすぐ、循環バス海遊号が停まっていました。
バスに乗って最終目的地のアクアワールド・大洗に到着。
長女は母からスマホを取り上げ、熱心に水槽の中を撮影します。
ランチは入り口近くのフードコートで。海を眺めながらのんびり食べました。
のんびりとアクアワールドを楽しみ、バス停「アクアワールド・大洗」から循環バスに乗り込み、約15分で大洗駅へもどります。鹿島臨海鉄道大洗鹿島線で水戸駅に戻り、特急ときわで上野駅へ。車内では旅の反省会を。
小学5年生と1年生だと、これだけ差があります。
って協調性の問題!? とツッコミつつ、それを自覚するところに成長を感じもします。
そんなことを考えていたの!? 子どもが赤ちゃんのときは、遠出の移動は車に頼りがち。でも気づけば二人とも小学生。3人であーだこーだ言いながら、ときには道に迷いながら、列車旅が出来るようになったことに気づきました。
子どもの成長はあっという間。小さい子どもと一緒にいられる時間もあと少し。さて、今度はどこに行こうかな?
なかなか腰を上げない長女の尻を叩き、余韻が冷めないうちに旅の記録を。次女は、
と、水族館で見たカメを折り紙で再現しました。写真をプリントしたり持ち帰った資料をコピーして貼り付けたりして、楽しかった旅をまた味わい直します。これで自由研究まで出来ちゃったら、一石二鳥ですね。
今回の旅の行程
【1日目】JR上野駅→土浦駅→霞ケ浦観光遊覧船→牛久駅→こもれび森のイバライド→牛久駅→囲炉裏焼と蕎麦の店「うえ田」(水戸駅)→宿
【2日目】チェックアウト→水戸駅→大洗駅→アクアワールド・大洗→JR上野駅
1泊2日/東京駅⇒土浦駅・水戸駅⇒東京駅
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