ラ コリーナ近江八幡とヴォーリズ建築を巡る滋賀・近江八幡の旅 関西

ラ コリーナ近江八幡とヴォーリズ建築を巡る滋賀・近江八幡の旅

2022.09.13 関西滋賀
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POINT

今回の列車旅ポイント

  1. 米原駅を経由して、琵琶湖線で近江八幡へ
  2. 近江八幡駅を基点に徒歩でヴォーリズ建築を巡る
  3. 列車旅なら地元のクラフトビールも楽しめる

こんにちは、美術ライターの明菜です。今回は滋賀県の近江八幡で、近代の西洋風建築を巡る街歩きと、話題のスポット「ラ コリーナ近江八幡」でバームクーヘンを楽しんできました。早速、東京駅から出発しましょう!

東京駅

雨の日も快適な列車で近江八幡へ

JR東京駅から東海道新幹線で、JR米原駅まで2時間ちょっと。米原駅で琵琶湖線に乗り換えて20分ほどでJR近江八幡駅に到着です。

琵琶湖線 車窓

雨に濡れる琵琶湖線の車窓

京都在住の私は、JR京都駅から琵琶湖線に乗車して、近江八幡駅に向かいます。出発した日は残念ながら雨! でしたが、雨滴したたる車窓も情緒があって大好きです。光が水滴に乱反射して、窓がキラキラ光っているように見えます。

近江八幡駅に到着したら、名建築巡りスタートです!

ハイド記念館

約90年の歴史があるハイド記念館

ヴォーリズ学園

ヴォーリズ学園

近江八幡駅から歴史を感じる街を30分ほど歩くと、ヴォーリズ学園に到着します。今回訪れた「ハイド記念館」(※)は、学園の敷地内にあります。学園の正門の受付に申し出て、ハイド記念館へ。

※編集部注:感染症対策のため、一般には非公開(2022年7月時点)。公開再開の時期については、ヴォーリズ学園までお問い合わせください

ハイド記念館

ハイド記念館

ハイド記念館は、1931年に建設され、2003年まで幼稚園舎として使われていた建築物です。2000年に国の登録有形文化財に指定されました。

この建物を設計したのは、ウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880-1964年)です。1905年、アメリカ出身のヴォーリズは英語教師として来日し、キリスト教を伝道する施設や個人の邸宅の設計など、建築家としても活動を始めました。近江兄弟社を創業して常備薬「メンソレータム(現:メンターム)」を日本に普及させた実業家でもあります。近江八幡を中心に活動したヴォーリズは、近江八幡市名誉市民第1号に選ばれました。

ハイド記念館 内観

ハイド記念館 内観

根強いファンを持つヴォーリズの建築を一言で表すなら、「自由」です。アメリカで普及していた様式を日本に持ち込むだけでなく、日本の建築やデザインの良いところも積極的に取り入れ、日本人が暮らしやすい建築を目指しました。

ハイド記念館の階段

ハイド記念館の階段

ヴォーリズが重視したのは、住む人や使う人に優しい建築であること。その思想は、階段によく表れています。アメリカ風に奥行きを長く取り、傾斜を緩くして誰でも上り下りしやすくしました。また、階段や手すりの縁の角が取れて丸みを帯びていますが、経年で丸くなったのではなく、建築された当初からこのようなデザインだったそうです。

旧八幡郵便局

和と洋が融合した建築、旧八幡郵便局

旧八幡郵便局

旧八幡郵便局

ハイド記念館から5分ほど歩くと、淡い黄色の壁が可愛らしい「旧八幡郵便局」に到着します。ヴォーリズの設計で1921年に竣工してから、1960年まで郵便局として利用されてきました。その後は空き家として放置されてきましたが、現在はヴォーリズ建築の保存活動を行う「一粒の会」が保存や再生に取り組んでいます。

旧八幡郵便局 窓

旧八幡郵便局の窓

洋風の建築に瓦屋根を取り入れるなど、こちらの建築にもヴォーリズの柔軟なアイディアが発揮されています。訪れた日は雨が降っていたので、窓に水滴がつき、物憂げな印象が乙でした。

八幡堀

近江八幡の歴史情緒を味わう八幡堀/二兎醸造

八幡堀

八幡堀

北に向かって5分ほど歩くと、風情のある「八幡堀」に到着しました。水の音を聴きながら堀に沿って遊歩道を散策すると、気持ちが落ち着いてきます。

八幡堀 もみじ

八幡堀のもみじ

雨上がりは緑も鮮やかです。もみじは赤く色づく準備を始めたところでしょうか。

八幡堀 遊歩道

八幡堀 遊歩道

雨に濡れてツヤを増した石畳が美しいです。ハート形の石を発見しました!

八幡堀 遊歩道

遊歩道で見つけたハート形の石

八幡堀には「二兎醸造」というクラフトビールの醸造所があります。創業者はオーストラリア出身。近江八幡に魅せられて創業し、また、水源である琵琶湖の環境保全活動にも参加しているそうです。

RABBIT HUTCHクラフトビアカフェ

直営店の「RABBIT HUTCHクラフトビアカフェ」でクラフトビールが楽しめるのですが、取材時は休業中。そこで、近くの酒屋さんで二兎醸造のクラフトビールを購入し、お土産にすることにしました。

二兎醸造「金柑ウィット」

いくつか種類があって迷ったのですが、酒屋さんのポップでおすすめされていた「金柑ウィット」を選びました。麦の風味に柑橘の香りが爽やかで、飲みやすいビールでした!

今回は帰宅してから飲みましたが、アルコールを気軽に楽しめるのも列車旅の嬉しいところです。

十人十家 Vories Cafe & Art Lab

蘇ったヴォーリズ建築に酔いしれる

十人十家 Vories Cafe & Art Lab 外観

八幡堀から20分ほど歩き、「十人十家 Vories Cafe & Art Lab」にやってきました。ヴォーリズ建築の旧パーミリー邸を改装した建物で、生パスタやプリンアラモードなどをいただくことができます。

十人十家 Vories Cafe & Art Lab 内観

旧パーミリー邸は1924年に建てられ、一部増改築を加えながら、個人の住宅として使われてきました。しかし空き家だった期間が長いため、シロアリによる被害などが酷く、改装には多大な労力がかかったそうです。ヴォーリズ建築は木造が多く、保存も再生も一筋縄では行きません。

旧パーミリー邸 暖炉

オリジナルのまま受け継がれた暖炉

ヴォーリズ建築の特徴である暖炉やクリスタルのドアノブなど、オリジナルのまま活用できる部分はそのまま残されています。外観も建築された当初の様子をイメージしたそうで、現代に蘇ったパーミリー邸という印象でした。

プリンアラモード クリームソーダ

築90年以上の趣を堪能しながら、プリンアラモードとクリームソーダをいただきました。卵の味が濃厚なプリンに、爽やかなクリームソーダ、とても美味しかったです。お食事では生パスタもおすすめだそうです!

歩いて近江八幡駅に戻り、1日目はJR草津駅周辺のホテルに宿泊しました。

ラ コリーナ近江八幡

焼きたてバームクーヘンが美味しい

ラ コリーナ近江八幡 入口

スカッと晴れた2日目は、糖分を求めて「ラ コリーナ近江八幡」へ! 近江八幡駅から、長命寺行きの近江鉄道バスに乗ること約10分、「北之庄 ラ コリーナ前」バス停で下車します。

ラ コリーナ近江八幡

ラ コリーナ近江八幡

ラ コリーナ近江八幡は、和菓子や洋菓子を製造・販売する「たねやグループ」のフラッグシップ店です。和菓子や洋菓子のお土産を購入できるのはもちろん、カフェでできたてのバームクーヘンをいただくこともできました。甘いもの好きには堪らないスポットです。

「自然に学ぶ」をテーマに、自然に囲まれた敷地内には田んぼや自社農園、たねやグループの本社などもあります。

ラ コリーナ近江八幡 メインショップ外観

メインショップ外観

『森のくまさん』が暮らしていそうな緑の建物がメインショップ。当初は芝のみで覆われていた屋根ですが、現在ではほかの植物も育って賑やかな雰囲気に。定期的なお手入れはしつつ、ある程度は自然の流れに任せているそうです。

ラ コリーナ近江八幡 メインショップ内

メインショップでは、たねやの全商品を取り扱っています。和菓子売場では、夏にぴったりの水羊羹など、季節のお菓子がとても美味しそうでした。

ラ コリーナ近江八幡 クラブハリエ

バームクーヘンをつくっているところ

バームクーヘンで有名な「クラブハリエ」の洋菓子売場では、ガラス越しにバームクーヘンを焼くところを見られました! 丁寧な手つきでじっくり時間をかけてつくられており、美味しさの秘訣を感じることができました。

焼きたてバームクーヘンセット

焼きたてバームクーヘンセット

2階のカフェでは、焼きたてのバームクーヘンをいただくことができます。一口食べた瞬間、綿のような柔らかさに驚きました。私が今まで食べたバームクーヘンの中で一番美味しかったです!

ラ コリーナ近江八幡 田んぼ

ラ コリーナ近江八幡の田んぼ

お買い物だけでなく、敷地内の散策も気持ち良かったです。広々とした田んぼには、社員の方々が田植えをしたそうです。お菓子の原材料についての理解を深めるための試みなのだとか。

田んぼには、オタマジャクシやカエル、メダカなどたくさんの生き物がいました。なんと鴨の親子が目撃されたこともあるそうです! 野生の生き物にとっても住みやすい環境なのですね。

ラ コリーナ近江八幡 フードガレージ

フードガレージ

メインショップのほか、カステラショップやフードガレージでもお菓子を購入できます。さらに新店舗の開発も進んでいるようで、ますます楽しいスポットになりそうです。

ラ コリーナ近江八幡限定「たねや饅頭 桑の葉」

ラ コリーナ近江八幡限定の「たねや饅頭 桑の葉」

お土産には、ラ コリーナ近江八幡限定の「たねや饅頭 桑の葉」がおすすめです。桑の葉の粉末を生地に練り込み、若草色が綺麗なお饅頭は、あっさりした優しい甘さでいくつでも食べられる味でした。

ラ コリーナ近江八幡を堪能したら、バスで近江八幡駅に戻り帰京します。ヴォーリズによる人に優しい建築を巡り、真心のこもったお菓子をいただき、心が温まる旅になりました。近江八幡は季節によって違う表情が見られそうなので、再訪したいと思います!

東京駅

掲載情報は2022年9月13日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

今回の旅の行程

【1日目】JR東京駅→JR米原駅→JR近江八幡駅→ハイド記念館→旧八幡郵便局→八幡堀/二兎醸造→十人十家 Vories Cafe & Art Lab→JR近江八幡駅→JR草津駅(ホテル)

【2日目】JR草津駅(ホテル)→JR近江八幡駅→ラ コリーナ近江八幡→JR近江八幡駅→JR米原駅→JR東京駅

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この記事を書いた人

明菜

美術ブロガー/ライター。美術ブログ「アートの定理」をはじめ、各種メディアで美術館巡りの楽しさを発信している。西洋美術、日本美術、現代アート、建築や装飾など、扱うジャンルは多岐にわたる。旅行も大好きで、アートと旅行を組み合わせた効率良いプランを練るのが得意。人よりも猫やスズメなど動物に好かれる体質のため、可愛い動物の写真や動画もSNSで発信している。
Twitter:https://twitter.com/Akina_art
Instagram:https://www.instagram.com/wa.bunka/
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCRnAFfdjO6F3PkzvpYU7KUA?sub_confirmation=1
アートの定理:http://theory-of-art.blog.jp/

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