魚沼の里のお酒に関興寺の味噌。新潟・南魚沼で観光&美味しい旅
今回の列車旅ポイント
- のんびり上越線の旅を楽しむ
- 石打駅前にある上越線生みの父・岡村貢の像
- 列車旅ならお酒も楽しめる!
「新潟は、日本酒とお米が美味しい」は、みなさん共通の価値観なのでは。そんなお米を現地でいただけたら最高なんじゃないかしら!
JR東京駅からJR越後湯沢駅まで約1時間20分、思いたったらすぐ行けるお手軽さで、新潟県南魚沼市へ。越後湯沢駅で、かわいいローカル線・上越線に乗り換えます。どんな美味しい出逢い、ほろ酔いな出会いが待っているのでしょうか。
【目次】
東京駅
いざ、新潟県稲穂の国へ
越後で美味しいおにぎりを食べる! このために、いつもより朝ごはんを少なめにして、東京駅から上越新幹線「とき」に乗りこみました、
東京駅から1時間20分ほどで、越後湯沢駅に到着!
うおぬま倉友農園 おにぎり屋
ふわふわおにぎりを求めて
越後湯沢駅の上越線ホームには、、か、かわいい~! ピンクと黄色のラインが入った列車が。鉄道ファンの間では通称「ハムチーズ」と呼ばれて親しまれているそうで、やっぱりかわいい!
この列車に乗って、まずは、越後で評判のおにぎり屋に向かいます。
車窓から見える景色は、永遠に広がっているんじゃないかと思うほどの稲穂! この時点で、私はおにぎりのことしか考えていません。
稲穂の景色に魅せられ15分ほどで、JR塩沢駅に到着。
駅から歩いて10分ほどで、「うおぬま倉友農園 おにぎり屋」に到着!
おにぎりは、1組につき10個までの購入制限があるとのこと。幸い1人なので、10個は食べられませんが(笑)すごく迷います。
新潟をテーマに選んだおにぎりが「塩・鮭・すじこ・かぐら南蛮・みそ漬け」。
1人で5個! 多いかな? いや、、、このために来たのですから。
一度はしてみたかった「田んぼの景色を眺めつつおにぎり」。近くに木陰を見つけ、そこでいただくことに。おにぎりには紙があててあるので、基本所作「手でおにぎりを持って食べる」ができる気配りも素晴らしい!
「塩」からいただきました。やさしいむすび具合で、口に含むとほろりとお米が広がります。お米は程よくもっちりしてて、塩加減も絶妙! いい塩梅とは、このおにぎりのためにあるのではと思うほど。お米は、自家栽培の塩沢産コシヒカリや、新潟産のお米というこだわり。
次は「鮭」。新潟県は、村上市の塩引き鮭が有名ですし、県内には鮭の郷土料理もあります。こちらのおにぎりの鮭は、平日は北海道産、週末は村上市産の鮭を使い分けているというこだわり。美味しいに決まってます。鮭つながりで選んだ「すじこ」は、プリっとしたすじこがたっぷりな贅沢おにぎり。
「かぐら南蛮」に使われている神楽南蛮は、南魚沼の伝統野菜で唐辛子の仲間です。程よい辛さと味噌のコクがおにぎりにぴったり。
「みそ漬け」は、ご近所の漬け物屋製の大根味噌漬けが使われています。カリカリとした食感が心地よく、漬け物に染みている味噌はおにぎりにぴったり! ちなみに、大根の味噌漬けを使った新潟の郷土料理には、刻んでごはんにのせた「桜飯」や、納豆と大根の味噌漬け等を混ぜる「きりざい」などもありますよ。
関興寺
お寺の「味噌なめたか」とは!
塩沢駅に戻り、再び上越線に乗って10分ほどでJR石打駅に到着!
駅の横には、上越線生みの親・岡村貢氏の像が。彼がいなければ、今回の旅もできなかったかもしれない。私からも感謝です。
石打駅から歩いて20分ほど、600年以上の歴史がある「最上山 関興寺(かんこうじ)」に向かいます。
三門の先には美しい庭に立派な本堂。
関興寺は、「関興寺の味噌なめたか」という言葉が生まれた有名なお寺。ご住職の奥さまにお味噌の歴史を教えていただきました。
上杉謙信の没後、上杉景勝と上杉景虎による家督相続争いの戦火に巻き込まれ、お寺の建物は大きな被害にあいました。しかし、修行僧たちがつくっていた味噌の桶に埋められた経典は、戦火から逃れることができました。これ以来、関興寺の味噌をいただくと御利益があるといわれ、「関興寺にお参りして有難い味噌を頂きましたか?」の意味で「関興寺の味噌なめたか」といわれるようになったそうです。
現在はお寺で育てた大豆を使用した味噌が販売されてます。お土産に購入。帰宅してからのお楽しみです。
石打駅に戻り、再び列車に乗って田園を眺めながら、今夜の宿がある越後湯沢駅に向かいます。
越後湯沢駅
角打ちで新潟酒を飲み比べ
越後湯沢駅周辺の商店街を散策していると、気になるお店を発見!
こちら「たつのや酒店」は、新潟のこだわりのお酒を角打ちのようなスタイルで飲めるんです。入店すると、手書きのお品書きがずらり。創業80年近くで、店員さんとのトークも楽しい。
列車旅は、駅からふらっと歩いて、美味しいお酒と出会ったら呑める! そんな贅沢ができるのも嬉しいですね。
この日は、越後湯沢駅近くのホテルに泊まりました。
魚沼の里
「魚沼の里」へ。ひんやり雪室
2日目。越後湯沢駅から再び上越線に乗り、30分ほどのJR五日町駅で下車。そこからタクシーで10分ほど、「魚沼の里」に到着です。
日本酒「八海山」などを製造する八海醸造株式会社が運営する、魚沼の暮らしや雪国の文化を知ることができる施設。広い敷地内に、一般の方が利用できる「八海山みんなの社員食堂」や醸造所、研究棟などがあります。
「雪中貯蔵庫見学ツアー」に参加するため「八海山雪室」へ。
ツアーまでの待ち時間に、八海山雪室の2階にあるキッチン雑貨店「okatte」で、台所道具を拝見。
魚沼の里
夏でも雪国! 雪室の知恵
見学ツアーの時間になりました! スタッフが雪室の歴史を教えてくれます。
八海山雪室には1,000トンの雪(!)を収容する雪中貯蔵庫があります。1年を通して安定した保冷力があるそう。暑い夏でも天然の雪を活かす雪国の知恵は、SDGsにも貢献できそうですね。
奥に行くと、一生かけても飲めないと思うほどの量の日本酒を貯蔵するタンク! さらに先に進むと、わわわー! 大きな雪の山! 室温4℃ほどで寒い!
毎年2月に雪室に雪を積み上げます。この雪の冷気をいかし、お酒をゆっくり熟成させたり、製品を冷蔵したりしているそうです。
雪中貯蔵庫から出ると、焼酎を貯蔵するオーク樽やメモリアル焼酎が並んだ棚を見学することができます。
ツアー後は、お楽しみの試飲! ずらりと並ぶ八海山のお酒を試飲できます。
真っ白な瓶は、雪室で3年間熟成した「純米大吟醸 八海山 雪室貯蔵三年」。ゆっくり熟成させたお酒は、風味豊かでまろやか!
ここに来たからこそ入手できる日本酒をご希望の方には、「純米酒 八海山 魚沼で候」がおすすめ。
八海山雪室のあとは、敷地内にある「石動神社」に参拝。縁結び・商売繁盛・五穀豊穣などの御利益があるそう。
魚沼の里
発酵力を活かした定食をいただく
お昼は蔵人の活力の源になっているごはんをいただけるという「八海山みんなの社員食堂」へ。お昼の時間に限り、一般にも一部開放されているそうです。
メニューは「日替わり定食」「八海定食 肉」「八海定食 魚」から選べます。今回は魚をセレクト。季節ごとに変わるメインのおかずは、カラスガレイあまさけ煮です。砂糖のかわりに八海山の「あまさけ」と醤油で煮ているから、ほんのり甘く、カレイの身がふんわり!
食事の供に選んだのは「清酒 八海山」。各種ある八海山のお酒の中でもお手頃な日常酒。とはいえ、品良い風味はさすが八海山。
魚沼の里
里山を散策
食後は散策を楽しみます。
食堂のとなり、農園クラブハウス内にある「little M.」へ。オーガニックコーヒーや北海道小麦を使用した「長時間発酵ベーグル」など、原料にこだわった品揃え。クラブハウス2階のテラス席でいただくこともできます。
魚沼の野花が広がり、夢心地になるナチュラルガーデン。奥に見える青い三角屋根の建物はお菓子工房です。
「八蔵資料館」は、お酒と食に関する書籍がずらり。ひとやすみしたい時に、ゆっくり本を読むのにも良さそう。魚沼の里は景色もお酒文化も楽しめました。
田と山に囲まれた魚沼の里は、季節ごとの景色が楽しめます。一日で全て食べきれなかったので(笑)食とお酒を楽しみにまた伺いたいです!
自宅
関興寺の味噌をいただく!
自宅で関興寺の味噌を開封。この味噌と南魚沼産コシヒカリでお昼ごはんをつくりました。
壺入りの味噌は、修行僧が仕込んでいた時代をちょっと彷彿させるような壺。材料に、大豆・米・食塩を使った「米味噌」。「越後味噌」と呼ばれることもある、旨味と辛味のバランスが良いお味の味噌です。
おにぎりとお味噌汁にしていただきます。お味噌汁は出汁を入れてないのに旨味があり、焼き味噌は程よい甘さもあり美味しい!
おにぎりをほおばりながら、上越線の車窓から見た、広がる田園景色を思いだします。また、南魚沼のお米とお酒と楽しいみなさんにお会いしたいな!
東京駅
掲載情報は2022年10月18日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
スポット情報
たつのや酒店
住所:新潟県南魚沼郡湯沢町湯沢315-7
営業時間:9:00~19:00位
定休日:水曜日
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR越後湯沢駅→JR塩沢駅→うおぬま倉友農園 おにぎり屋→JR塩沢駅→JR石打駅→関興寺→JR石打駅→JR越後湯沢駅→たつのや酒店→ホテル
【2日目】ホテル→JR越後湯沢駅→JR五日町駅→魚沼の里→JR五日町駅→JR越後湯沢駅→JR東京駅