男鹿温泉・元湯 雄山閣で肌しっとり。注目のクラフトサケ醸造所も 東北

男鹿温泉・元湯 雄山閣で肌しっとり。注目のクラフトサケ醸造所も

2023.03.30 東北秋田
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POINT

今回の列車旅ポイント

  1. 男鹿線「ACCUM」は、なまはげカラー
  2. 男鹿駅はエコステーション
  3. 旧男鹿駅駅舎跡地のクラフトサケ醸造所

温泉に入った瞬間に「あぁ」と思わず声が漏れる、あのトロける瞬間、たまりませんね。こんにちは、温泉ソムリエでもある編集者の藤田華子です。

今回は、秋田県の男鹿(おが)温泉郷にある「元湯 雄山閣」へ。男鹿といえばユネスコ無形文化遺産にも認定されている来訪神・ナマハゲが有名ですが、古くは湯治場として人々を癒やした効き湯の郷でもあるんです。また、近年はクラフトサケ醸造所など新しい取り組みも増えているそう。楽しみです!

東京駅

いざ秋田!……って、新幹線が逆走!?

秋田出身の友人に「雪女を怒らせると大雪が降るから気をつけて」と送り出され、ビクビクしながら(笑)、いざ男鹿へ!

JR東京駅から秋田新幹線「こまち」に乗り、3時間50分ほどかけてJR秋田駅へ向かいます。戦隊モノのセンターを思わせる赤い車体が格好いい!

秋田新幹線「こまち」

秋田新幹線「こまち」。堂々たる赤!

「長いトンネルを抜けると雪国であった」——このくだりが有名な川端康成の『雪国』は越後湯沢が舞台ですが、ここにも白銀の雪景色が!

秋田新幹線 車窓 大曲駅付近

車窓にうっとりしていると、突然、「大曲駅〜秋田駅」間で新幹線が逆走しはじめてびっくり! これには線形上の理由があるそうで(気になる方は調べてみてくださいね)、お客さん同士で声をかけ、座席を回転させる愉快な体験ができました。

男鹿駅

ナマハゲカラーの男鹿線「ACCUM」

秋田駅で男鹿線(男鹿なまはげライン)に乗り換えます。2両編成のコンパクトな列車は、赤と青のナマハゲカラー。1時間ほど揺られ、JR男鹿駅に到着しました!

ACCUM(アキュム)

通称「ACCUM(アキュム)」とも呼ばれるEV-E801系

ACCUM(アキュム)

「ACCUM」は二酸化炭素の排出量が少ない、環境に配慮した交流蓄電池電車です。車内にはエネルギーの流れがわかるパネルも。

ACCUM(アキュム)

そして到着した男鹿駅は、2018年にエコステーションとして生まれ変わったピッカピカの駅舎。

男鹿駅

でもここ、ただ新しいだけではなく未来を見つめる駅でもあるんです。「創エネ・省エネ・エコ実感・環境調和」の4つの柱を掲げる「エコステ」モデル駅として整備されたそう。

天気が良かったので、屋上テラスからは寒風山を眺望できました。また、駅近くには男鹿の豊かな風力を利用した小型風力発電の風車が。

男鹿駅 屋上テラスからの眺望

深呼吸したくなる景色です(屋上テラス)

駅前広場では、各種イベントも行われ地域の交流の場になっているそうなので、今度はそのタイミングに合わせて訪れてみたいと思います。

秋田男鹿温泉郷 元湯 雄山閣

これぞ大地の力! 元湯 雄山閣の噴き出す温泉

男鹿駅前のモニュメント

男鹿駅前のナマハゲのモニュメントやイラストに迎えられた後は、宿の送迎バス(要予約)で25分ほど揺られてお宿へ。

元湯 雄山閣 外観(写真提供:秋田男鹿温泉郷 元湯 雄山閣)

写真提供:元湯 雄山閣

今日のお宿「元湯 雄山閣」は、自家源泉を保有していて、たっぷりの湯量を誇るそう。冷えた体をはやく温めたい! と期待が高まります。

元湯 雄山閣

ナマハゲがお出迎え! 髪の毛は漁で使った網だそう。

到着そうそうお風呂にご案内いただくと、女湯も男湯も、なんとナマハゲの口からお湯が噴出しているではありませんか!

元湯 雄山閣 温泉大浴場(女湯)

温泉大浴場(女湯)

こうもダイナミックに噴出するお湯を前にすると、大地のパワーを感じずにはいられません。う〜ん、これぞ温泉の醍醐味。

元湯 雄山閣 温泉露天浴場(女湯)

温泉露天浴場(女湯)

こちらは温泉露天浴場(男湯)。あまりの勢いに、浴槽の外にまでしぶきが!

元湯 雄山閣 温泉露天浴場(男湯)

温泉露天浴場(男湯)

宿の代表であり、温泉の管理人でもある「湯守(ゆもり)」の山本貴紀さんにその魅力を伺いました。

元湯 雄山閣 客室

そんな、男鹿自慢の温泉を堪能し、部屋から遠くに見える海を眺めました。なんだか、身も心もじんわりほぐれていくのを感じます。

秋田男鹿温泉郷 元湯 雄山閣

まるでマグマ! アツアツの名物「石焼料理」

秋田男鹿温泉郷 元湯 雄山閣 夕食

元湯 雄山閣のもうひとつのおすすめ、お夕食の時間です。地元の食材をふんだんに使った男鹿伝統のお料理がずらり!

秋田男鹿温泉郷 元湯 雄山閣 あんぷら餅

こちらは伝統料理の「あんぷら餅」。あんぷらはジャガイモのことだそうです。

注目は、「一瞬だから見逃さないでね!」と湯守の山本さんに言われた「石焼料理」です。

お味噌汁が入った桶に、アツアツに熱した石を投入して一瞬で煮立て、そこに海鮮を加えます。石焼料理に使用するのは、男鹿の海で取れた溶結凝灰岩(火山灰などが積み重なって固まった岩石)。炭を使って約3時間焼くことにより、なんと800℃にまでなるそうです。

秋田男鹿温泉郷 元湯 雄山閣 石焼料理

湯気で写真がうまく撮れない!

秋田男鹿温泉郷 元湯 雄山閣 石焼料理

一気に熱を通すと、魚介特有の生臭さが吹き飛んで美味しいっ! そしてあったまる!
その昔、男鹿の漁師達は浜の岩場でこの石焼料理を食べて、漁で冷え切った体をあたためていたそうです。

なまはげ太鼓(写真提供:秋田男鹿温泉郷 元湯 雄山閣)

なまはげ太鼓(写真提供:元湯 雄山閣)

この日は冬季休業中でしたが、時期によってはナマハゲと和太鼓を組み合わせた郷土芸能「なまはげ太鼓」も堪能することができるんだとか。心も体もホッカホカになり、1日目はおやすみなさい。

秋田・男鹿温泉JR+宿泊 元湯 雄山閣

1泊2日/東京駅⇔男鹿駅/夕朝食付き

※商品が0件の場合は検索条件を変更いただき、再検索をお願いします。

稲とアガベ醸造所

男鹿のクラフトサケに舌鼓!

朝食をいただき、宿の送迎で男鹿駅に戻ります。一晩で膝まで積もるほどの大雪だったので、この日は、町中雪かきで大忙し。駅から歩いて1分のところにある「稲とアガベ醸造所」の併設店「土と風」でお土産を買って帰りましょう。

稲とアガベ醸造所 外観(写真提供:稲とアガベ醸造所)

写真提供:稲とアガベ醸造所

稲とアガベ醸造所は、「男鹿の風土をそのまま瓶に閉じ込めたようなお酒造り」を目指すクラフトサケの醸造所。2021年秋、築90年の旧男鹿駅駅舎跡にできました。旧駅舎に対する人々の思い出を大事にするために、改築は最低限に留めたそうです。

稲とアガベ醸造所

日本酒の製造技術をベースとした新しいジャンルのお酒「クラフトサケ」を製造しており、土と風ではボトル購入のほか試飲もできますよ。

稲とアガベ醸造所 DOBUROKU series 水酛

DOBUROKU series 水酛

私は「DOBUROKU series 水酛」をお土産に。

実は、どぶろくもクラフトサケのひとつなんです。どぶろくって、原料を濾していないので栄養たっぷり、でも、独特のお味で少し飲みにくいイメージがあったのですが、これはとっても美味しくて飲みやすい! 無肥料無農薬の自然栽培米を原料に用いているので、ダイレクトに素材の味を楽しめます。乳酸菌たっぷりなのも嬉しいポイント。

ほかにも、見た目は日本酒と変わらないアガベシロップを副原料にした「CRAFT series 稲とアガベ」など、さまざまな種類のお酒がありました。この土地でワクワクするような事業を創出し、未来につなげていきたいという想いに溢れる稲とアガベ醸造所の今後に期待が高まります。

稲とアガベ醸造所

こうして、1泊2日の男鹿トリップは終了! 男鹿の文化を守り、未来へ向けて活動する男鹿のひとたちが大好きになりました。

ちなみに男鹿半島は、2022年12月に全線復旧した五能線を使った旅での前後泊地としてもおすすめです。男鹿温泉郷と旅客列車「リゾートしらかみ」の発着駅であるJR東能代駅を結ぶ観光バスもあるんですよ。ぜひ足を運んでみてください!

東京駅

掲載情報は2023年3月30日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

今回の旅の行程

【1日目】JR東京駅→JR秋田駅→JR男鹿駅→元湯 雄山閣

【2日目】元湯 雄山閣→稲とアガベ醸造所→JR男鹿駅→JR秋田駅→JR東京駅

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秋田・男鹿温泉JR+宿泊 元湯 雄山閣

1泊2日/東京駅⇔男鹿駅/夕朝食付き

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この記事を書いた人

藤田華子

編集者、ライター。SDGsやライフスタイルについての連載、エッセイも執筆。趣味は将棋、お風呂(温泉ソムリエです)、読書。観る将・読む将として、将棋の魅力をお伝えしていきます!
Twitter:https://twitter.com/haconiwa_ohana

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