今回の列車旅ポイント
こんにちは、美術ライターの明菜です。今回の列車旅は静岡県浜松市、ライフスタイルを提案する「ドロフィーズキャンパス」へ。北欧のインテリアを中心にマリメッコのキッチン雑貨や生地も豊富で、「こんな家に住んでみたい!」と夢が膨らみます。さらに、緑が豊かな浜松城公園も散策し、自然に触れてリフレッシュ。スローライフを体感し、心も体も癒やされる旅になりました。さっそく、出発しましょう!
JR東京駅からJR掛川駅まで東海道新幹線で約1時間半。隣接する天竜浜名湖鉄道の掛川駅に徒歩で移動し、マリメッコ列車「New スローライフトレイン」に乗車しました。
コロンとしたフォルムに淡い青色の外装が愛らしい、1両編成です。
車内のカーテンやヘッドカバーは、北欧を代表するアパレルブランド「マリメッコ」の生地で彩られています! これから始まる列車旅へのワクワク感が高まります。
「大胆で個性的なデザイン」のファブリックデザインを毎年発表しているマリメッコ。窓ごとに異なる色とデザインのカーテンがかかっており、どの席に座ろうか迷ってしまうところ。
緑に囲まれた地域を、列車はトコトコ走っていきます。たまたま見えたのは茶畑でしょうか? 思いがけず静岡らしい風景に出会えてラッキーでした。
列車に乗ること1時間ほどで、都田駅に到着! 運転手さんに切符を渡して下車した無人駅は、円熟した木造の質感と北欧のデザインが調和したかわいらしい駅でした。
「スローライフが始まる駅」という都田駅には「都田駅カフェ」が併設されています。マリメッコの生地をはじめ、北欧のインテリアがふんだんに内装に使われ、華やかかつ癒やされるユニークな空間です。
駅のホームに隣接するテラスには、フィンランドのサウナが連想される丸い席が。せっかくなのでテラスで鳥の声や雨の音を聞きながら、マリメッコの食器で抹和茶(まわちゃ)に手づくりクッキーを添えていただきました。
抹和茶は、甘みを引き出したまろやかなお抹茶にピリッと山椒が効き、体の芯があたたまる心地がして、冷え性の筆者にはとても嬉しい味わいでした。こちらのカフェでしかいただけない限定のドリンクだそうです。クッキーはサクサクほろほろと軽く、抹和茶とよく合う優しい味と食感です。
都田駅から歩くこと約10分で、北欧のライフスタイルを体験できる「ドロフィーズキャンパス」に到着しました。1万坪の敷地に18の施設があり、カフェやインテリアショップなどを訪れながら、理想の暮らしを見つけることができます。
施設の多くは、地域の方から譲り受けた住宅などをリノベーションしたもの。北欧のライフスタイルを取り入れつつも、都田の風土を感じるあたたかい場所でした。立ち寄った施設の一部をご紹介していきます。
まずは「ドロフィーズカフェ」でランチ。
店内は、ナチュラルな素材を生かした家具や観葉植物のある癒やしの空間です。自宅でそのまま真似したいくらい素敵なインテリアで、ソファやテーブル、照明など、どれもシンプルかつ長く愛用できる北欧の名作家具ばかり。気に入ったものは購入することもできます。
お食事の食器も北欧らしいデザイン。地元の食材を生かした季節限定の「ポークシチュー スカンジナビアンドリア」は、浜松産いきいきポークをたっぷり使用しており、ほろほろと溶けるようなやわらかいお肉の食感と、じゅわっと滲む肉汁の旨みがおいしい一品でした。
ランチのあとは、インテリアのお店へ。「『Kiitos』ギャラリー」に行ってみましょう。
浜松市のインテリアショップでは唯一の正規取扱店で、食器やエプロン、ミトンなど、キッチン雑貨を中心にマリメッコのアイテムが勢揃いしていました。定番商品のみならず、数量限定品や日本限定商品も取り扱っているとのこと。
カラフルな雑貨がより取り見取りで、夢が膨らみますね。マグカップやお皿などの食器類に加え、クッションカバーにもマリメッコを取り入れたら、統一感を持たせつつお部屋が華やかになりそうです。
「Kiitos」ギャラリーからドロフィーズ・ストリートを渡った向かい側にあるのが「ドロフィーズインテリア」。北欧らしいスローライフを提案するお店で、北欧の家具や食器を中心に、実用性とデザイン性を兼ね備えた良質なアイテムが揃っています。
北欧家具でコーディネートされた店内に、「こんなお部屋に住んでみたいな」と想像が膨らみます。
ちなみに、筆者が特に強く「北欧」を感じたのが、キャンドルを飾るアイテムです。キャンドルといえば、「ヒュッゲ(※)」というデンマークの価値観やマインドセットに欠かせないもの。北欧の長い冬に想いを馳せつつ、炎のゆらぎを見つめて癒やされる時間も、ぜひ日々の暮らしに取り入れたいです。
※編集部注:デンマーク語で「居心地のいい空間」や「楽しい時間」のこと
ドロフィーズインテリアの店内を通り抜けて、北欧の色鮮やかな生地を豊富に取り扱う「ドロフィーズファブリック」へ。
特にマリメッコの取扱数が多く、日本で有数の品揃えであることから、全国からマリメッコファンが訪れるそうです。
日本では、ポーチやバッグなどの既製品を買う人が多いと思いますが、北欧では自分のお気に入りの生地を買い、カーテンやクッションを自分でつくることも一般的だそうです。お店で素敵な生地と出会ったら、ポーチやバッグなど小さいものからつくってみるのも楽しいですね。
ハンドメイド初心者向けのキットも販売されています。ファブリックボード(木製の枠に布を貼りつけたインテリア雑貨)なら不器用な私にもつくれそう! とワクワクしながら生地を選びました。
次は、築100年を超える古い蔵をリノベーションした本屋「蔵で旅するbook store」へ。
蔵はもともと、大切なものを代々にわたって保管したり、モノを熟成したりする場所。その落ち着いた雰囲気のなかで、本の価値も熟成していくように感じられました。
階段を上がると、くつろぎながら読書ができるスペースが。時間がゆっくり流れる店内で、ナチュラルなライフスタイルやインテリア、旅行などの本のページをめくり、至福のひとときを過ごしました。
ドロフィーズキャンパスでスローライフを体感し、都田駅に戻ります。天竜浜名湖鉄道の西鹿島駅で遠州鉄道に乗り換えて新浜松駅へ向かいます。駅周辺のホテルにチェックインして1日目は終了です。
2日目は、新浜松駅から徒歩5分ほどのJR浜松駅の周辺を散策します。「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」は、往路の降車駅(今回は掛川駅)と復路の乗車駅(今回は浜松駅)が違う駅でも予約できるので旅の自由度が高まります。
浜松駅から徒歩20分ほどで到着したのは、浜松市のセントラルパーク「浜松城公園」です。
浜松城は元亀元年(1570年)に徳川家康が築城したお城。天守閣や、基本的には自然の状態の石をそのまま使用した「野面積み」の石垣を見学しながら、公園を散策しました。
とりわけ日本庭園が素晴らしかったです。浜松城天守閣と作左山の谷間を利用して深山(みやま)渓谷を表現した回遊式の庭園だそう。滝の音とゆらゆら泳ぐ鯉に癒やされます。
散策の休憩に「スターバックス コーヒー 浜松城公園店」に立ち寄りました。大きな窓ガラスと天然素材が特徴で、自然と一体になっているようなお店です。
内外の天井部分には静岡県産の天竜杉が使用され、ナチュラルな素材で居心地が良い空間です。
ウッドデッキにはテラス席があり、森林浴をしているような気分でドリンクやフードをいただけます。この日は雨だったので、しとしとと降る雨音を聴きながら、香り高いスターバックス ラテをいただきました。
公園散策とコーヒーでリフレッシュしたら、浜松駅へ。東海道新幹線で帰京します。ドロフィーズキャンパスも浜松城公園も緑が豊かで、季節によって異なる楽しみがありそうです。ぜひまた癒やされに訪れたいと思います!
掲載情報は2023年10月3日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR掛川駅→天竜浜名湖鉄道・掛川駅→都田駅/都田駅カフェ→ドロフィーズキャンパス→都田駅→遠州鉄道・西鹿島駅→新浜松駅(ホテル)
【2日目】JR浜松駅→浜松城公園→スターバックス コーヒー 浜松城公園店→JR浜松駅→JR東京駅
1泊2日/東京駅⇒掛川駅・浜松駅⇒東京駅
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