今回の列車旅ポイント
こんにちは、サウナが大好きな文筆家・岩田リョウコと申します。サウナを好きになってからは、目的地=サウナという「サ旅」をしています。とはいえ、グルメも、観光も、ぜんぶ味わいたい欲張り旅で、その土地の魅力を余すところなく堪能しています。
今回のサ旅の目的地は、山梨県の山中湖にある「CYCL(サイクル)」。2024年「SAUNACHELIN(サウナシュラン)」を受賞した、彗星の如く現れた美しすぎるサウナなんです。欲張りひとりサ旅、スタート!
JR新宿駅から特急「かいじ」でまずはJR大月駅へ向かいます。
山中湖への旅は、「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」を利用すると、特急「かいじ」と宿をお得なセットで申込みできて便利ですよ。
新宿駅から大月駅までは約1時間。大月駅で富士急行線に乗り換えて、河口湖へ向かいます。景色がずっとすばらしいので、河口湖駅までの旅もあっという間です。
河口湖駅到着。ここからは周遊バス「ふじっ湖号」に乗り山中湖を目指します。
60分弱バスに揺られて撫岳荘前バス停で降りると、目の前に「CYCL」登場。
CYCLは2024年4月にオープンしたサウナ。男女一緒に水着で入れます。おしゃべりOK、セルフロウリュOK、そして、目の前には大自然。これはもうフィンランドの湖畔のサウナそのもの。
※編集部注:入浴料(2時間30分)にはレンタルフェイスタオル、バスタオル、サウナマットを含む。水着・館内着のレンタル(別料金)もあります
建築家、百枝優さんが手がけた洗練された建物は、どこを切り取っても絵になる美しさで、うっとりです。建築デザインは笠雲(山頂付近に発生する雲。山が笠を被ったように見える)の富士山をモチーフにしているそうです。
では、建物の中へ。更衣室、シャワー、水風呂は男女別で、サウナ室と外気・内気浴スペースが男女共用です(外気浴には女性専用チェアあり)。
サウナ室は富士山の深層部がモチーフになっているそう。しっかり熱く、湿度もある、わたしの大好きなサウナのセッティング。まるでマグマの中にいるような視覚的効果もあって、汗もスピードを上げて溢れ出します。気持ちがいい!
十分蒸されたので水風呂へ。ここの水風呂、飲用も可能な富士山の天然地下水掛け流しで、ずっと浴槽から水が溢れ出しているんです。水温12度にドボン!
水風呂の横にあるドアを出ると、外気浴スペースがあります。取材は3月でしたが前日に季節外れのドカ雪が降ったそうで、あたりは雪景色。深呼吸すると、ひんやり透き通るような空気が体を駆け巡って……、「大ととのい」です。このまま富士山へ飛んでいってしまいそう。
晴れた日は、目の前に壮大な富士山を眺めながら外気浴ができます。
内気浴スペースにあるベンチは背もたれが斜めになっていて、くつろげます。ウォーターサーバーも設置されています。
ここCYCLは、男女一緒に水着で入れること、おしゃべりができること、そして絶妙なコンディションのサウナと気持ちよすぎる水風呂という、サウナの「楽しさ」や「良さ」がすべて詰め込まれているので、サウナデビューやサウナビギナーにももってこいのサウナだと思います。
サウナ好きのスタッフの方からレクチャーを受けながら入れますし、仕上げにこの絶景ですからね、最高のサウナ体験で、きっとサウナが好きになります。
さて、しっかり3セット堪能いたしましたので、服に着替えて2階のラウンジへ上がってみます。
2階のラウンジはガラス張りで、まるで山中湖に浮いているような感覚に。
テーブルと椅子ではなくて、床に座れるのもサウナの後だとさらにリラックスできます。
サウナ料金は、展望ラウンジでいただけるスイーツとフリードリンク込み! アイスドリンクは、コーヒー、紅茶、グリーンティー、デトックスウォーターの4種。コーヒー、紅茶はホットもあります。
スイーツは、自家製プリン、フルーツポンチ、柚子シャーベットの中から1つ選べます。わたしは自家製プリンをセレクト。さらに、季節ごとのフルーツを使ったパフェ(別料金)まで注文。秒で完食。
実は、CYCLを運営するのは大阪の老舗果物専門店なので、フルーツを使ったスイーツがどれも絶品なんです。取材時(2025年3月)の季節のパフェは「贅沢いちごパフェ」でした。いちごはたっぷり、生クリームはさっぱりしていて、さらにはいちごのシャーベットも入っています。
パフェという名前がついていますが、わたしからすればこれはもはやヘルシーフード。わたし的にはカロリーゼロ。サウナで汗もかいたことだし!
この日は富士山の裾は見えていましたが、晴れている日はどんなふうに富士山が見えるのかもご紹介したくて、CYCLから写真をいただきました。
天気や季節によっても見える景色は変わるだろうし、何度来ても毎回違う景色が楽しめるのは自然の中のサウナの醍醐味ですね。
CYCLの向かい、歩いて10秒ほどの距離にある「the 508 cafe」では、CYCLを利用すると10%オフの料金でスパイスカレーをいただけます。サウナのあとの食事のことを「サ飯」というのですが、スパイスカレーはサウナと相性がとってもいい!
なんだかお店の雰囲気がグランピング施設みたいだな〜なんて思っていたら、それもそのはず。こちらのカフェは「the 508」というキャンプ場内にあるんです。
スパイスカレーは辛さ控えめながらもしっかりスパイスが効いて、サウナ後ということもありすごいスピードで食べ終わってしまいました。
今夜の宿、「富士マリオットホテル山中湖」へ向かいます。周遊バス「ふじっ湖号」に乗り、撫岳荘前のバス停から旭日丘バス停まで約5分。ホテルに事前予約をしておくと、旭日丘バス停に送迎バスがお迎えに来てくれます。旭日丘バス停からホテルまでは15分くらい。
お部屋は木の温かみのあるインテリアで揃えられています。ソファは座ったり寝っ転がったりできる座面の広さ。1日歩いてお疲れの足を労ってくれるソファです。
今回のお部屋からは、富士山が見えました。夕暮れになるにつれて、富士山の姿もどんどん変化していきます。
夕食をいただくためホテル内のレストラン「Grill & Dining G」へ。特に楽しみにしていた食事の時間! というのも、わたしの大好きなブッフェにプラスして、メインディッシュも選べるセミブッフェスタイルなんです。
メインはスタッフさん一押しの「甲州ワインビーフサーロインと本日の鮮魚グリル 塩ポン酢おろしで」(この日の鮮魚はスズキ)にしました。メインが来る前に、一旦ブッフェタイムです。
※編集部注:メニューは季節ごとに内容が変わります
「北海タコの燻製」など、魚介類や鶏肉などを使用した前菜もメニューが豊富!
富士の伏流水で育った「富士レタス」など、地元で育った野菜をいただけるサラダコーナー。
「富士山牛乳と苺の葛豆腐」は、まろやかでやさしいお味。一口で食べられるサイズなので、ブッフェ全種類制覇を狙うわたしにはグッとくる心遣いです。
ブッフェ、全種類制覇いたしました! 山梨県や富士山周辺の食材がふんだんに使われたメニューで、大満足です。
※編集部注:写真奥のモクテル「Kiwi-coco(キウイココ)」は別料金
特に印象に残ったのは「忍野産放牧たまごとアスパラのサラダ」と「信玄どり胸肉のハムとタプナードソース」。この2つを掛け合わせて食べたのですが、ヘルシーながらもしっかりしたお味で、これだけでもメインになりそうな満足感でした。
メインディッシュもやってきました。お肉もお魚も塩ポン酢おろしでいただきます。珍しいですよね。お魚に塩ポン酢が合うのは言わずもがなですが、濃厚なワインビーフと塩ポン酢の「濃×薄」も絶妙にマッチするお味でした。塩ポン酢とお肉の組み合わせ、ハマりそうです。
夕食後に温泉とサウナへ。
この日は、女風呂がサウナ付き、男風呂が露天風呂付き。男湯と女湯が日替わりなので、朝も入ればどちらも味わえます。
ここのお湯は山中湖温泉で、泉質はマイルドでしっとり。ずっと入っていられるお湯でした。そして、こちらでもしっかりサウナ3セットを楽しみ、ぐっすり安眠です。
翌朝、6時に起きて朝風呂へ。
さて、朝食もわたしの大好きなブッフェ。洋風と和風、どちらのメニューも用意されていて、野菜やフルーツも豊富です。
卵料理は、調理方法や具材をカスタムしてオーダーできるシステム。わたしはスクランブルエッグにベーコン、マッシュルーム、アスパラガスを入れてもらいました。
朝食でも山梨の郷土料理がいろいろと食べられてうれしい! 山梨県南東部にある道志村の「刺し身蒟蒻」は、蒟蒻ってことを忘れてしまう新食感。酢味噌でいただきました。
「吉田のうどん」と山梨伝統の万能七味「すりだね」もありました。自分で茹でるスタイルです。朝から腹パンで大満足です。
チェックアウトしたら、ホテルの送迎バスで旭日丘バス停へ。ずっと行ってみたかったカフェ、「PAPER MOON(ペーパー・ムーン)」に向かいます。景色を眺めながら、湖畔を歩くこと20分ほどで到着しました。
11時の開店時には、すでにお客さんが並んでいました。大人気のペーパー・ムーンの創業は1985年、今年(2025年)でちょうど40周年です。
「大人が心地よい時間をすごせるカフェ」がコンセプトの落ち着いた雰囲気の店内(※)。大きな暖炉もあって、薪の燃える音とほのかな香りで時の流れがゆっくり感じられます。飾られているたくさんのドライフラワーも素敵! ドライフラワーはスタッフさんの手づくりなんだそうです。
※編集部注:お店の方針で10歳以下のお子さまは入店できません
こちらでは雑貨の販売もしています。ドライフラワー、食器、アクセサリーなど、かわいい生活雑貨がいっぱい。お土産にアクセサリーをゲットしました。
常時15種類ほどのケーキがショーケースに並びます。午後には売り切れてしまうこともあるそうで、中でも一番人気なのが「アップルパイ」。でも、「ストロベリーショートケーキチョコレートがけ」もゆずれない……。そんな時はひとりでも2つ頼んじゃいます。コーヒーが大好きなわたし。コーヒーがあればケーキいくつだっていける!
バニラアイスが添えられた「アップルパイ」。りんごが溢れるくらい入っています。シナモンの香りのする温かいりんごとサクサクのパイ生地。それに冷たいバニラアイスの組み合わせは、この上ないハーモニーでした。
シーズナルメニューの「ストロベリーショートケーキチョコレートがけ」は、ショートケーキも食べたいけど、チョコレート系のケーキも食べたいという欲張りな願いを叶えてくれました。生クリームのソースにつけたり、ショートケーキの部分だけ食べてみたり、全部盛りで食べてみたり、フォークの入れ方によって味変ができるのもお得感満載。
朝からひとり、ケーキ2つとコーヒーをいただく……。贅沢すぎませんか。TAKAO COFFEEが焙煎したペーパー・ムーンオリジナルブレンドのコーヒーはケーキにぴったりの深煎りロースト。
ゆったりと落ち着いた時間が過ごせるペーパー・ムーン。わたしのお気に入りの場所になりました。
旅の最後に、水陸両用バス「山中湖のカバ」に乗って山中湖へ繰り出します。湖から富士山に大接近できるアクティビティです。ケーキ2つをぺろりと食べてしまったので、受付のある旭日丘バス停までまた歩きます。周遊バスを利用すれば、5分もかからない距離です。
この日は、お天気はよいもののちょっと風が強く、もしかしたら運休ってこともあるのかな? と思いながら向かって、受付に着くと……。
予感的中。運休!
思った通りにいかないことも、旅の醍醐味です。まぁしょうがないか、と思っていると、スタッフの方が特別に水陸両用バスを見せてくれました。
見た目はバスですが、このまま山中湖に入っていけるんです。
車体の後ろに小さなスクリューが付いていて、たったこれだけで、水の中でこの大きな車体をスイスイと動かせちゃうんですって。
車内も見せていただきました。
運転席の前にあるのがバスのハンドル、左横にあるのが船の舵になっています。
運行時は、こんな風に山中湖から富士山を望めます。
KABAには乗れませんでしたが、スタッフの方が「水辺に行くと白鳥がいるからお散歩もいいかもしれないですよ」と教えてくれました。さっそく湖に下りていくと、本当にいました!
結構ふつうに白鳥っているんだ。しかもこんなに近くに行っても全然平気で、スンとポーズを取ってくれました。
刻一刻と姿を変える富士山を眺めながら過ごす1泊2日。サウナで日頃のストレスや疲れを汗と一緒にぜんぶ流して、おいしい食事とスイーツで元気を補充できた旅となりました。わたしの欲張り旅、大成功!
掲載情報は2025年5月29日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
今回の旅の行程
【1日目】JR新宿駅→JR大月駅→河口湖駅→CYCL→the 508 cafe→富士マリオットホテル山中湖
【2日目】富士マリオットホテル山中湖→ペーパー・ムーン→山中湖のKABA→河口湖駅→JR大月駅→JR新宿駅
1泊2日/新宿駅⇔河口湖駅/夕朝食付き
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