今回の列車旅ポイント

  1. 東京駅から越後湯沢駅までは新幹線で1時間強
  2. 開業100周年を迎える越後湯沢駅
  3. 十日町市のアートスポット巡りは駅レンタカーが便利

こんにちは。観音クリエイションです。今回は、新潟県十日町市へ、自然とアートを一度に楽しめる旅に行ってきました。

旅のメインは、日本三大峡谷の1つとして観光客に人気の「清津峡」と、世界的に知られる十日町市・津南町で開催される国際芸術祭「大地の芸術祭」の作品群。「あてま高原リゾート ベルナティオ」に宿泊する1泊2日で、その魅力を撮影しながら満喫します。

越後湯沢駅に到着

東京駅から新潟へ、列車旅の始まり

2025年に開業100周年を迎えるというJR越後湯沢駅から「駅レンタカー」を利用して、清津峡方面へと向かいます。十日町市を巡るならレンタカーが便利。駅直結のビジターセンター内で手続きもスムーズに済ませられます。

越後湯沢駅の構内 越後湯沢駅の構内

ちなみに、JR東京駅から清津峡を目指す場合、上越新幹線で越後湯沢駅まで約1時間強。乗ってしまえばすぐ。都会の景色が遠ざかり、車窓には山々のグラデーションが広がっていくはずです。

新潟への旅は、新幹線と宿をお得なセットで申込みできる「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」を利用するのがおすすめです。

清津峡渓谷トンネル

清津峡渓谷トンネルで絶景とアートを体験

越後湯沢駅から車で約30分。日本三大峡谷の1つ「清津峡」に到着です。

バスを利用する場合は、越後湯沢駅より森宮野原駅前行き急行バスで約25分、清津峡入口バス停で下車をします。バス停から清津峡渓谷トンネルのエントランス施設までは、徒歩で30分ほどかかります。

清津峡渓谷トンネルへの道 清津峡渓谷トンネルへの道
清津峡渓谷トンネル

ここでの目玉は、全長750メートルの「清津峡渓谷トンネル」。歩を進めるごとに、非日常の世界へ誘われます。

清津峡渓谷トンネル内部
清津峡渓谷トンネル内部 トンネルの中はひんやりした空気

トンネル内には3つの見晴所があります。第一見晴所では、眼前に迫る彫刻のような柱状節理(柱のような割れ目)を観察でき、自然のダイナミックさに圧倒されます。

清津峡渓谷トンネル 第一見晴所 第一見晴所
清津峡渓谷トンネル 第一見晴所 第一見晴所からの景色
柱状節理

柱状節理の縦縞模様は数百万年前の火山活動が生み出したもの。光の当たり方によって表情が変わるのも見どころです。

第二見晴所、第三見晴所からは、峡谷の奥行きや川の流れを「切り取る」ことができ、写真好きにはたまらないスポット。さらに、トンネル内全体が大地の芸術祭の作品になっていて、自然とアートを同時に味わえるのも魅力です。

清津峡渓谷トンネル 第二見晴所 第二見晴所のアート作品
清津峡渓谷トンネル 第二見晴所 じつはトイレです

清津峡渓谷トンネルが、大地の芸術祭によってリニューアルされたのは、2018年4月。建築家のマ・ヤンソンと彼の所属する建築事務所「MAD アーキテクツ」によってアート作品『Tunnel of Light』として生まれ変わりました。第二見晴所のアート作品は、新作として2021年に追加されたそうです。

第二見晴所からの景色 第二見晴所からの景色
第二見晴所からの景色
第三見晴所のアート作品 清津峡渓谷トンネル 第三見晴所
第三見晴所のアート作品

清津峡渓谷トンネル パノラマステーション

水鏡に映る峡谷の美。自然とアートが溶け合う

そして、最奥部にあるのが「パノラマステーション」。床に水が張られ、鏡のように景色を反射する演出は圧巻です。この場に立っている自分までも作品の一部になったような錯覚を覚えました。

マ・ヤンソン / MADアーキテクツ「Tunnel of Light」(大地の芸術祭作品)
パノラマステーション

床に張られた水面が鏡のように景色を映す「パノラマステーション」は、時間帯と立ち位置で仕上がりが大きく変わります。おすすめは午前中の曇りや薄曇りの日。直射日光が入ると反射が強すぎて白く飛びやすいため、やわらかい光のほうが、リフレクションがきれいに出ます。

また、トンネルの中心付近でしゃがんで、低めのアングルから撮影すると、鏡面のようなリフレクションがより美しく撮影できました。人のシルエットを入れると、スケール感も伝わりやすくなります。

パノラマステーション
パノラマステーション
パノラマステーションから見える絶景 パノラマステーションから見える絶景

最奥のパノラマステーションで水鏡と絶景を堪能したら、来た道を折り返します。

清津峡渓谷トンネル エントランス施設

反射鏡と足湯に迎えられる「ペリスコープ」

清津峡渓谷トンネルの入口に戻って、エントランス施設「ペリスコープ(潜望鏡)」へ。

エントランス施設「ペリスコープ(潜望鏡)」

2018年の清津峡渓谷トンネルのリニューアル時に新設されたこちらの施設は、ショップやカフェ、足湯が入っていて、ここでもアート的な仕掛けが楽しめます。

足湯の天井に設置された反射鏡 足湯スペースの天井にある反射鏡

足湯の天井に設置された反射鏡には、外の景色や人の動きが映り込みます。足湯を楽しんでいるだけで作品を体験できるのが面白いですよね。

あてま高原リゾート ベルナティオ

自然と共生するリゾート

清津峡をあとにして今日の宿へ。車で約20分、広大な敷地を持つ「あてま高原リゾート ベルナティオ」に到着。自然との共生を掲げるリゾートで、心身ともにリラックスできます。

あてま高原リゾート ベルナティオ
ふるさとの湯(写真提供:あてま高原リゾート ベルナティオ) ふるさとの湯 露天風呂
写真提供:あてま高原リゾート ベルナティオ

チェックインのあとは、館内の大浴場「ふるさとの湯」へ。茶褐色のお湯が特徴で、泉質は柔らかく優しい肌触り。お湯に浸かって自分の腕を撫でた瞬間に「これは良いお湯だ」と実感しました。

ふるさとの湯(写真提供:あてま高原リゾート ベルナティオ) ドライサウナも併設
写真提供:あてま高原リゾート ベルナティオ
客室

お部屋はやわらかな光に包まれたツインルーム。窓の外には木々の緑が広がり、旅の疲れを静かに癒やしてくれます。

あてま高原リゾート ベルナティオの夕食

新潟の食材を多様なメニューで堪能

夕食はビュッフェスタイル。レストランに入ると、あたたかな照明に照らされた料理がずらりと並び、どれから手を伸ばそうか迷ってしまいます。新潟の旬の食材をふんだんに使ったメニューが多く、郷土料理から洋食まで幅広く揃っていて、どれも手づくりの温かみを感じます。

夕食ビュッフェ
特製ローストビーフ 写真提供:あてま高原リゾート ベルナティオ 特製ローストビーフ
写真提供:あてま高原リゾート ベルナティオ
本日の中華海鮮 本日の中華海鮮

人気メニューだという「特製ローストビーフ」は、低温でじっくりと火入れがされ、ジューシーな仕上がり。新鮮な海鮮を中華だれで和えた「本日の中華海鮮」には、ソースが数種類用意されていて、自分好みに味のアレンジが楽しめます。 (メニューは季節により異なります) 

料理人の方が目の前で握るお寿司 料理人の方が目の前で握るお寿司

ライブキッチンでは料理人の方が目の前で寿司を握ってくれる演出もあり、その所作を眺めているだけでも楽しい時間。魚沼産コシヒカリで握られたシャリはほどよい弾力があり、ネタの甘みと合わさって優しい味わいでした。

魚沼産コシヒカリで握られた新潟の旬の味 魚沼産コシヒカリで握られた新潟の旬の味
夕食 海と山の幸がたっぷりの夕食
ビール アルコールも

このほかにも、炊きたてのごはんや地元の野菜を使った料理、スイーツコーナーなど、ひとつひとつに丁寧な仕事が感じられます。旅先で「今日は何を食べようか」と迷う時間さえごちそうに思えるような、心満たされる夕食でした。

スイーツ スイーツも

あてま高原リゾート ベルナティオの朝食

朝食もビュッフェスタイル

2日目の朝。大きな窓からやわらかな朝日が差し込み、爽やかな空気の中で一日の始まりを迎えます。朝食会場には炊きたてのごはんの香りが広がり、思わずほっとするような安心感に包まれました。

朝食

ライブキッチンでは、料理人の方が炊きたての魚沼産コシヒカリでおにぎりを握ってくれます。ふんわりとした手のぬくもりを感じるおにぎりは、塩加減も絶妙。地元野菜の小鉢や焼き魚、温かい味噌汁など、どの料理もやさしい味わいで体にすっと馴染みます。

朝食
朝食
ホテルの敷地内

朝食後は敷地内をのんびり散策。池や森が広がり、雨上がりの緑が一層鮮やかに映えていました。静かな時間の流れが心地良く感じられます。

また、こちらの宿では、太鼓やJAZZの生演奏、よさこい演舞などのナイトイベント、クリスマスに合わせた期間限定イベントなども開催されています。

清津峡の周辺観光/十日町市アート巡り

大地の芸術祭の屋外展示を巡る

チェックアウトのあとは、大地の芸術祭の屋外アート展示を巡りました。

最初に訪れたのは、宿から車で10分ほどの場所にある『日本に向けて北を定めよ(74°33’2”)』。清津峡からは、車で20分ほどです。

リチャード・ウィルソン / 日本に向けて北を定めよ(74°33’2”) (大地の芸術祭作品)

作家はリチャード・ウィルソン。ロンドンにある自宅をもとにつくられた実物大の構造だけ、方位を保ったまま設置された作品とのこと。里山に力強く佇む姿が印象的。

次は、ここから車で10分ほどにある『鳥たちの家』。作家はジャウマ・プレンサ。

ジャウマ・プレンサ / 鳥たちの家(大地の芸術祭作品)

こちらの作品は、高さ19メートルの塔が空へと伸び、天と地をつなぐ象徴のような存在感を放っていました。視線を上げると、天空へと吸い込まれるようなスケール感に圧倒されます。

清津峡の周辺観光/現代アートの発信拠点へ

越後妻有里山現代美術館 MonETへ

車で約20分、今回の旅の最後に訪れたのは「越後妻有里山現代美術館 MonET」。大地の芸術祭の拠点施設の1つです。

同じ施設内には越後妻有交流館「明石の湯」、隣には「道の駅 クロステン十日町」があり、アート鑑賞、温泉、食事、お土産購入などをまとめて楽しむことができます。

レアンドロ・エルリッヒ / Palimpsest: 空の池(大地の芸術祭作品)

美術館の象徴的な作品『Palimpsest: 空の池』は必見。作家はレアンドロ・エルリッヒ。水面に光が反射して、時間帯によって違う表情を見せてくれます。

展示室に入ると、無数の小さな時計が空中に吊り下げられ、群れのように漂っている常設の作品『movements』に目を惹かれました。作家は目[mé]。

目[mé] / movements(大地の芸術祭作品)
目[mé] / movements(大地の芸術祭作品)

遠くから見ると白い空間に黒い粒が舞っているようで、近づくとそれぞれが針を動かす時計だとわかります。ひとつひとつは小さな存在なのに、集まることでうねりのようなリズムを生んでいて、鳥の群れを眺めている感覚に近い。立ち止まって眺め続けていると、自分もその群れに巻き込まれて漂っているような気持ちになりました。

さらに奥へ進むと、『16本のロープ』(作家は、イリヤ&エミリア・カバコフ)の展示室が。天井から張り巡らされた16本のロープに、ペットボトルや金属片などの「ゴミ」が約100個ぶら下がっています。

イリヤ&エミリア・カバコフ / 16本のロープ(大地の芸術祭作品)

近づいてよく見ると、それぞれのゴミにはメモがつけられていました。「愛」「家事」「子供」「健康」といった日常の会話が書かれていて、どの言葉も、誰かの記憶の断片のように空間に漂っていました。

イリヤ&エミリア・カバコフ / 16本のロープ(大地の芸術祭作品)

「もしスープを飲むなら温めるわ」「僕たち、とてもいい時間を過ごしたね」といった1枚1枚のメモに記された短い言葉が、不思議と自分のなかの記憶を呼び起こしていくような感覚になりました。

イリヤ&エミリア・カバコフ / 16本のロープ(大地の芸術祭作品)

ゴミのように無数にぶら下がるそれらは、見方を変えれば、誰かの人生のかけらでもある。静かな展示室の中で、日常の営みや感情のひとつひとつが、まるで小さな祈りのように吊るされているようでした。

展示を見終えたあとは、ミュージアムショップへ。作品の余韻を抱えたまま、もう少しこの世界に浸っていたくなりました。

『Force』をモチーフにしたノート 『Force』のテクスチャーノート

目に留まったのは、展示のひとつ、『Force』をモチーフにしたテクスチャーノート。黒い表紙に無数の線が刻まれていて、作品で見た「重力を可視化した糸の連なり」がそのまま閉じ込められたよう。手に取った瞬間、今回の旅の余韻をそのまま持ち帰れる気がして、迷わず購入しました。

サロン MonET店内(写真提供:越後妻有里山現代美術館 MonET)©Nakamura Osamu 写真提供:越後妻有里山現代美術館 MonET

今回は立ち寄れませんでしたが、美術館内にはマッシモ・バルトリーニ feat. ロレンツォ・ビニの作品『Two River』でもあるカフェ「サロン MonET」(冬季休業。営業期間と営業日はHPで要確認)があり、地元の素材でつくられる季節のスイーツなどが楽しめるそうです。

こうして振り返ると、清津峡渓谷トンネルの水鏡、あてま高原リゾート ベルナティオの温泉と料理、そして越後妻有里山現代美術館 MonETで出会ったアートの数々──自然と人の創造力が重なり合う空間に巡り逢えた旅でした。

東京からわずか1時間強で、まったく別の時間の流れに身を置ける。そんな贅沢を味わえるのが、新潟県十日町市の魅力だと思います。自然とアートに触れたい人にこそおすすめしたい1泊2日。次の週末はカメラを片手に、この地を訪れてみてはいかがでしょうか。

行きたい 食べたい 日本海!新潟・北陸宿泊割引クーポン配布中!

北陸・新潟エリアには日本海の絶品海鮮料理が味わえるお宿がたくさんあります。今が旬の海の幸を味わいに旅へ出かけませんか?

 

今なら、枚数限定・先着順にて、新潟県および北陸方面への宿泊付き旅行商品に使用できるおトクな割引クーポンを配布中です♪ 詳しくはこちら

越後湯沢駅から帰途へ

掲載情報は2025年11月27日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

今回の旅の行程

【1日目】JR東京駅→JR越後湯沢駅→清津峡渓谷トンネル→あてま高原リゾート ベルナティオ

【2日目】あてま高原リゾート ベルナティオ→大地の芸術祭・屋外アート展示『日本に向けて北を定めよ(74°33’2”)』→『鳥たちの家』→越後妻有里山現代美術館 MonET→JR越後湯沢駅→JR東京駅

新潟・当間高原
JR+宿泊 あてま高原リゾートベルナティオ

1泊2日/東京駅⇔越後湯沢駅/夕朝食付き

※商品が0件の場合は検索条件を変更いただき、
再検索をお願いします。

アンバサダー企画

【2025年・春夏】びゅうたびアンバサダーの活動の様子を紹介!列車旅の投稿、アンバサダーと一緒につくる旅の記事

びゅうたびアンバサダーの列車旅の投稿や旅のモデルコース、ワークショップのレポートまで。 2025年・春夏の活動をまるっと紹介します!

記事を読む

【2025年・春夏】びゅうたびアンバサダーの活動の様子を紹介!列車旅の投稿、アンバサダーと一緒につくる旅の記事

記事を読む
アンバサダー企画

【2025年・春夏】びゅうたびアンバサダーの活動の様子を紹介!列車旅の投稿&一緒につくる旅の記事

びゅうたびアンバサダーの列車旅の投稿や旅のモデルコース、ワークショップのレポートまで。 2025年・春夏の活動をまるっと紹介します!

記事を読む

【2025年・春夏】びゅうたびアンバサダーの活動の様子を紹介!列車旅の投稿&一緒につくる旅の記事

記事を読む

人気記事ランキング

週間

月間

旬の旅

春は桜、夏は高原、秋は紅葉、冬はスキー……
今行きたい、季節ならではの旅の情報が満載です。

みんなの#びゅうたび

読者の皆さんが撮影した「とっておきの一枚」を集めました。
旅先で見つけたあなただけの写真を「#びゅうたび」でぜひ投稿してください!

みんなの投稿を見る

みんなの#びゅうたび

みんなの投稿を見る