今回の列車旅ポイント

  1. 東京駅から約1時間30分。焼き物の街・笠間への旅
  2. 笠間工芸の丘、陶炎祭の会場・笠間芸術の森公園へは周遊バスが便利
  3. 日本一の栗の産地・笠間で栗スイーツを満喫

こんにちは! 編集者の藤田華子です。和文化が好きで、日常的に和装を嗜むようになってから器や民藝といった日本の伝統的な手仕事に魅了されています。

ということで今回は、「笠間焼」で有名な、茨城県笠間市へ! 1日目は「笠間工芸の丘」の工房で陶芸体験を楽しみ、年に1度開催される人気の陶器市「笠間の陶炎祭(ひまつり)」の会場となる「笠間芸術の森公園」を散策。2日目は歴史ある笠間稲荷神社を参拝し、笠間の和栗をふんだんに使った栗スイーツをカフェやテイクアウトで満喫します。笠間の魅力をたっぷり探ってきます!

笠間工芸の丘

「つくる・見る・買う」が叶う笠間焼の聖地

旅の始まりは、JR東京駅。特急「ときわ」に乗ってJR土浦駅へ。「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」を利用すると、特急「ときわ」と宿をお得なセットで申込みできるのでおすすめです。

特急ときわ
JR友部駅

土浦駅で常磐線に乗り換えて、JR友部駅に到着です。東京駅からは、1時間半ほど。

友部駅からは、かさま観光周遊バス「連絡ルート」で道の駅かさまバス停に向かいます。ここで「周遊ルート」に乗り換えて、陶芸美術館 工芸の丘バス停へ。徒歩5分ほどで、今回の目的地である「笠間工芸の丘」に到着です。

登り窯 さっそく登り窯がドーンとお出迎え!

笠間焼とは、笠間を中心とした地域で制作された焼き物(陶器・磁器)のこと。昔の笠間焼は壺や甕(かめ)といった日常生活で使用する器が中心でしたが、近年は立体造形や伝統工芸など、さまざまな作品がつくられています。

「笠間の陶炎祭」の会場である「笠間芸術の森公園」内に位置するこちらの施設は、笠間焼のつくる・見る・買うがすべて詰まった笠間観光のハブ。私がお邪魔した日も、散歩を楽しむ方や赤ちゃん連れのファミリーなど、地元の人と観光客が入り混じるピースフルな空気に満ちていました。

笠間工芸の丘 笠間焼の陶芸体験

土をこね釉薬を選ぶ。一点ものをつくる喜び

まずは、「クラフト工房」で土の感触を肌で感じる「手ひねり体験」に挑戦することに。粘土を叩いたり押し広げたりしながら、好きなデザインの作品をつくることができるんです。

クラフト工房
手ひねり体験 スタッフさんがお手本を見せてくれます

自分の指先で少しずつ形を整えていく時間は、まるで土と対話しているよう。無心に粘土をこね、創作に没頭するひとときは何ものにも代えがたい心地よさです。

釉薬のサンプル

最後に、器の表面を覆うガラス質の膜である釉薬(ゆうやく)を決めます。釉薬を塗って焼くことでツヤと防水性が生まれるのですが、厚みや塗り方ひとつで、焼き上がりの色や表情がドラマチックに変化する、陶芸の醍醐味ともいえる工程です。

手ひねり体験 子ども用にピエロの器をつくりました

焼き上がるまでは約3カ月。どんな表情に仕上がるのか、自宅に届く日を待つ時間さえも、旅の続きのように楽しめます。

笠間工芸の丘 クラフトカフェ

笠間焼の器に彩られて。銘柄豚の至福ランチ

次は、施設内の「クラフトカフェ」へ。ここでは笠間の旬の食材を、贅沢にも地元の作家さんが手がけた器でいただけます。

クラフトカフェ

景色が見渡せる大きな窓がある店内は開放的で、リラックスできる穏やかな空気が流れていました。棚には、お食事の際に使われる笠間焼の器が作家さんの紹介と合わせて並べられており、これから運ばれてくる一皿への期待感を高めてくれます。

常陸の輝きハンバーグプレート

「常陸の輝きハンバーグプレート」は、茨城県の銘柄豚の旨みが凝縮された、肉汁溢れるジューシーな味わいが格別。

笠間の栗ソフト

食後には、名産の栗をふんだんに使った「笠間の栗ソフト」も外せません。笠間市は、栗の栽培面積・収穫量ともに全国1位を誇る茨城県の中でも、特に代表的な栗の産地なんです。一口ごとに広がる芳醇な香りと上品な甘み。目と舌の両方で笠間を堪能できる、至福のひとときでした。

笠間工芸の丘 クラフトアートスペース・ショップ

名工の技に触れ、ショップでお気に入り探し

そして、「クラフトアートスペース」へ。人間国宝・松井康成氏の作品をはじめ、茨城が誇る名工たちの傑作が展示・販売されています。

クラフトアートスペース
クラフトアートスペース
クラフトアートスペース

人間国宝・松井康成氏による、異なる色の粘土を練り合わせて模様をあらわす技法「練上手(ねりあげで)」の緻密な文様は、まさに息を呑む美しさ。重要無形文化財になっています。笠間焼の歴史と、現代に受け継がれる革新的な感性を同時に肌で感じることができました。

ショップ

広いショップエリアも散策。若手からベテランまで、多種多様な笠間焼が並んでいてお気に入りを見つけるのもまた楽しい。

ショップ

「特徴がないのが特徴」と言われるほど自由な作風の笠間焼だからこそ、今の自分にぴったりの「一点もの」に出合える喜びがあります。

ショップ

地元の特産品コーナーも。ほかにも茨城県の伝統工芸である桐工芸や、オリジナル栗のお菓子などもありました。

笠間の陶炎祭 開催地・笠間芸術の森公園

アートの森を冒険!陶炎祭の舞台を散策

笠間工芸の丘の先に広がるのは、広大な「笠間芸術の森公園」! 伝統工芸と新しい造形美術をテーマにしたこの公園は、散策しながらアートも楽しめ、さながら五感で満喫する美術館のようです。

陶の杜エリア

なかでも見逃せないのが、陶製のオブジェが点在する「陶の杜」エリア。背の高い木々が空を覆う深い山に、土から生まれたオブジェたちが浮かび上がり、まるで異世界の遺跡に迷い込んだかのよう。

ここで、通りかかった地元の年配男性と一緒に散歩をする機会がありました。「昔はね、散歩をしながら窯で焼いているところをのぞいては、『このぐい呑み、いいね』なんて言ってその場で買ったもんだよ」と、懐かしそうに目を細めて話してくださったのが印象的でした。

陶の杜エリア

そうした地域に根ざした陶芸の文化は、今、新しい形へとつながっています。笠間には陶芸を専門に学べる大学校があり、その門を叩く若者や、この土地の自由な風土に惹かれてやってくる移住者も多いのだそう。古くからの伝統を大切にしながら、新しい感性が次々と混ざり合っていく。笠間の街の「これから」に、私までワクワクしてしまいました。

そんな笠間で年に一度開催されるのが「笠間の陶炎祭」です。

陶炎祭の様子(写真提供:笠間焼協同組合) 陶炎祭の様子(写真提供:笠間焼協同組合)
陶炎祭の様子(写真提供:笠間焼協同組合) 陶炎祭の様子(写真提供:笠間焼協同組合)

笠間焼をテーマに、200以上の作家や窯元が集結する陶器市。器に出合うお買い物的な楽しみ方だけではなく、フェスのような賑わいとおいしいグルメも満喫できちゃうんだから胸が高鳴ります。第45回目になる2026年の開催期間は4月29日(水)~5月5日(火)です。

さて、たくさん歩いてお腹が空いてきたところで、JR水戸駅周辺の宿でゆっくり休むとしましょう。

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笠間稲荷神社

愛らしい「栗みくじ」に心なごむ

2日目は、街の中心に鎮座する、白雉2年(はくち。西暦651年)創建と伝えられる「笠間稲荷神社」からスタート。

笠間稲荷神社
笠間稲荷神社

1300年以上の歴史を誇り、日本三大稲荷の1つにも数えられる名社です。一歩境内に足を踏み入れると、そこには凛とした空気が。

笠間稲荷神社

国の重要文化財に指定されている御本殿の、緻密で力強い彫刻はまさに圧巻。併設された「笠間稲荷美術館」と合わせて、笠間の歴史と美意識を肌で感じることができます。こちらの美術館では、中世の「常滑・瀬戸・越前・信楽・丹波・備前」の日本六古窯の古陶器も展示されており、笠間焼がどのような変遷を経て今に至るのか学べるんです。

栗みくじ

参拝後にオススメなのが、笠間ならではの「栗みくじ」。特産品の栗をモチーフにした愛らしいフォルムのおみくじは、旅の記念にぴったりです。コロンとした栗を手に取れば、おみくじの結果がどうであれ(笑)、思わず顔がほころびます。

笠間の栗スイーツ&モンブランのお店 1

江戸時代の蔵で味わう、究極のモンブラン

笠間は、まさに栗スイーツの聖地。笠間稲荷神社の門前通りにも、個性豊かなお店が並び、街歩きの楽しみが尽きません。

和栗や ~古~ -inishie-

笠間稲荷神社の向かい、門前通りで一際目を引く、江戸時代に建てられた蔵を改装した「和栗や ~古~ -inishie-」も栗スイーツが楽しめるお店です。

和栗や ~古~ -inishie- 店内 一枚板のテーブルも、もちろん栗の木
和栗や ~古~ -inishie-「モンブランデセル」

重厚な歴史を感じる空間でいただくのは、看板メニューであり、2025年10月全国モンブラン大会で優勝した「モンブランデセル」。栗は自社農園と周辺地域で栽培されたなかから厳選したものを贅沢に使用。注文を受けてから絞り出されるモンブランで、栗そのものの濃密な香りに思わずうっとり……。

和栗や ~古~ -inishie-「栗とバターのmariage」

さらにこちらでは、希少な厳選和栗ペーストと最高級発酵バターのみを組み合わせた「栗とバターのmariage(マリアージュ)」も人気です。和栗本来の風味を信じ抜いているからこそ辿り着いた、引き立て合う素材同士の調和は感動の味わい。

2階は予約制の栗スイーツのミニコース専用席となっており、まさに「栗づくし」の贅沢に浸れます。ほかにもパフェやシェイクなどメニューも豊富で、栗の新たな魅力を発見できる場所です。

笠間の栗スイーツ&モンブランのお店 2

「ほぼ栗」な濃厚な栗スイーツをお土産に

旅の最後に立ち寄りたいのが、栗の魅力を最大限に引き出した「ほぼ栗スイーツ」シリーズで話題の「笠間マロン堂」です。

笠間マロン堂 店頭には鰻を焼く香ばしい香りが漂います

実は、笠間の老舗鰻屋さん「うなぎ量深」がコロナ禍の飲食業界が落ち込むなかで「地元の栗の本当のおいしさを届けたい!」と、スタートさせた情熱溢れるブランドなんです。

ほぼ栗モンブラン ほぼ栗モンブラン

今回はお土産に、笠間の栗を100%使用した、プレミアムお重栗モンブランの「ほぼ栗モンブラン」を購入。家に帰ってからも旅の思い出が鮮やかに蘇ります。

ほぼ栗モンブラン

ひと口食べると、栗本来の素朴な甘みが口の中に広がります。栗そのものの風味をストレートに感じられる味わいでした。

ほぼ栗パウンドケーキ(写真提供:笠間マロン堂) ほぼ栗パウンドケーキ
(写真提供:笠間マロン堂)

ほかにもしっとりしたパウンドケーキなどがあり、大切な人への贈りものにも最適。老舗の誇りと栗への愛が詰まった逸品は、旅の締めくくりにぴったりでした。

※編集部注:モンブランなどの笠間マロン堂の商品は、「うなぎ量深」の鰻をお召し上がりの方のみ、店内での飲食が可能。笠間マロン堂の商品のみをご購入の方は、お持ち帰りのみ

器、アート、歴史、そして甘い栗。 今回の旅を通じて、笠間の人々が伝統を慈しみ、街全体で「笠間焼」を大切に育んでいる様子に深く感動しました。

かつて日常の散歩道で器を買い求めた時代から、若い世代や移住者が新しい風を吹き込む現代へ。歴史を繋ぎながら進化し続ける笠間の未来は、きっとこれからも私たちの目を楽しませてくれるはずです。お気に入りの器においしいスイーツ、そんな心豊かなくらしのヒントを探しに、ぜひ皆さんも笠間へ足を運んでみませんか。

友部駅から帰京

掲載情報は2026年4月23日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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JR+宿泊 JR東日本ホテルメッツ 水戸

1泊2日/東京駅⇔土浦駅

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今回の旅の行程

【1日目】JR東京駅→JR土浦駅→JR友部駅→笠間工芸の丘/笠間芸術の森公園→JR友部駅→JR水戸駅(ホテル)

【2日目】JR水戸駅→JR友部駅→笠間稲荷神社→和栗や 古-inishie-→笠間マロン堂→JR友部駅→JR土浦駅→JR東京駅

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