北東北で特別な旅を。写真家大村祐里子さんおすすめの10スポットをご紹介 東北

北東北の穴場を観光!写真家お墨付きの旅スポット10選

こんにちは、写真家の大村祐里子です。

写真家のみならず、モノをつくる仕事をしている人にとって、感性を刺激するために「心が動かされるシーンに出会い続けること」がとにかく大切だと思っています。私にとっては、それが「旅」だったりします。ということで、この記事では、私の心を動かしてくれるであろう北東北のスポットを、独断と偏見で10か所ご紹介します。北東北は、ご飯も美味しく、景色もきれいなので、個人的によく旅をしているエリアです。



青函トンネル記念館(青森県)

ケーブルカーに乗って地下探索!

旅の移動手段として欠かせない列車。北東北エリアでまず思い浮かべる列車スポットといえば、青函トンネルではないでしょうか。青函トンネルは、青森県と北海道を結んでいる鉄道トンネルです。

青森県のJR三厩駅から町営バスに乗って27分ほど走った場所に「青函トンネル記念館」があります。こちらでは、ケーブルカーに乗って地底に潜り、地下の坑道の様子を見学できるそうなのです! 地底マニアとしては、聞いただけでワクワクが止まりません。

実は私、小学生のときに青函トンネル内にある「竜飛海底駅※」に降り立ったことがあります。そのとき感じた、ひんやりと冷たい非日常的な空間がいまだに忘れられません。「青函トンネル記念館」では、その追体験ができるのではないかと期待してしまいます。

※今は廃止されています。

青函トンネル

外界から隔絶されたトンネル内は神秘的。

三陸鉄道リアス線(岩手県)

海岸段丘と、うに弁当を存分に楽しむ

三陸鉄道リアス線は、宮古駅と盛駅を結ぶ路線です。かつて北リアス線と呼ばれていた宮古駅から久慈駅までの所要時間は約1時間半。海岸線に沿って走るため、窓からはリアス式海岸の絶景を望めます。私は、レトロな車両に乗ってのんびり旅をするのが何よりの癒やしなので、乗らない理由がない! というくらいに惹かれてしまいます。

久慈駅構内の「三陸リアス亭」(朝ドラのあまちゃんに出てくる「リアスのうに丼」のモデルになったお店です)で販売している、「うに弁当」をいただきながら、美しい景色を堪能するのがツウみたいです。この贅沢な時間を早く味わってみたい……。

うに弁当

美味しい予感しかしない「うに弁当」。

いわて蔵ビール(岩手県)

夢のような飲み比べ&一関の郷土料理

さきほどお弁当が出てきたので、今度はグルメ関係のスポットをご紹介します。

岩手県のJ R一ノ関駅近くにある、「いわて蔵ビール」。敷地内には醸造所とレストランがあります。いわて蔵ビールでは、山椒ビールや日本では珍しい自然酵母を使ったオーガニックビールなどを造られているそうです。醸造所ではこちらの製造過程も見学できるとのこと。

個人的には、併設の「蔵元レストランせきのいち」で、一関の郷土料理をいただきながら、できたてのビールを飲み比べするプランに惹かれます。私のように、お酒を飲むと美味しいご飯がたくさん食べたくなってしまうタイプには、最高の体験だと思いました。

定番のビールを少量ずつ味わえるお得セット

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秋田酒類製造株式会社(秋田県)

高清水の酒蔵で日本酒三昧!

お酒繋がりでもう1スポットご紹介させてください。秋田県秋田市にある「秋田酒類製造株式会社」。こちらは、かの有名な「高清水」を造っています。日本酒の酒蔵は甘くて良い匂いがするので大好きなんですよね……。こちらでは、酒造りの歴史を知ることができ、お酒への理解をより深められそうです。

秋田県の地酒も購入できるので、自分へのお土産はもちろん、大切な家族や友人にもお土産としてぜひ、購入したいですね。

※2020年8月現在酒蔵見学、ショップは一時クローズしております。現地での地酒の購入や最新情報についてはホームページでご確認いただく、もしくは直接お問い合わせください。

日本酒の展示

展示の方法もおしゃれで惹かれます。

酸ヶ湯温泉(青森県)

死ぬまでに絶対入りたい、ヒバ千人風呂

グルメの次はやはり温泉。地元で「青森ナンバーワン温泉」とも称されているらしい「酸ヶ湯温泉」は外せません。お湯が強い酸性で、酸っぱいことから「酸ヶ湯」と呼ばれるようになったそうです。豊富な湯量と各種効能から、湯治のお客さんも多く訪れる場所です。

ここで絶対に行ってみたいのが、名物・総ヒバ造りの「ヒバ千人風呂」です。まるで過去にタイムスリップしてしまったような、圧倒的な歴史が刻まれた内装を見るだけでテンションが上がります。写真を目にしたとき「荘厳……」と言葉が漏れてしまいました。ここでゆっくりとお湯に浸かれば、心身ともに元気になること間違いなしです。

ヒバ千人風呂

神々しさすら感じてしまうヒバ千人風呂の内装。

乳頭温泉・鶴の湯(秋田県)

乳頭温泉郷・最古の宿で入浴体験

北東北の温泉をもうひとつ紹介させてください。秋田県・乳頭温泉郷にある「鶴の湯温泉」です。約400年の歴史を誇り、乳頭温泉郷の中で一番古い人気の宿です。木造建築で茅葺き屋根というのも好印象……。やはり温泉は歴史ある場所に惹かれます。温泉は、4つの源泉と多くの浴槽があり、それぞれ泉質が違うので湯めぐりも楽しめます。名物は混浴露天風呂。美肌・保湿保温効果も高いそうなので、疲れた女子を外側から美しく蘇らせてくれるのではないかと期待してしまいます。

鶴の湯の露天風呂""

自然に囲まれた露天風呂で癒やされたいです。

おすすめ記事:乳頭温泉郷を温泉家がレポート!泉質の違う七湯を湯めぐりしてみた

奥入瀬渓流(青森県)

秋の紅葉の時期に訪れてみたい!

のんびりと温泉に浸かって元気になったあとは、観光といきましょう! まずは、青森県で外せない「奥入瀬渓流」をご紹介します。深い自然林に覆われた奥入瀬渓流は、約14kmの流れに沿って散策を楽しめるスポット。渓流とほぼ同じ高さに車道と歩道がつくられているので、尾根や山腹の道から渓谷を眺められ、トレッキング初心者の方にも安心です。かつて、新緑の時期に奥入瀬渓流を訪れたことがあります。空気が凛としていて、歩いているだけで心が浄化されるようでした。ただ、最も景観として美しいのは紅葉の時期なのではないかと思います。いつかカラフルに彩られた奥入瀬渓流に行くのが夢です。

奥入瀬渓流

渓流を長時間露光で撮影してみたいです

おすすめ記事:青森で紅葉狩り♪奥入瀬渓流&十和田湖をハシゴ。名物バラ焼きも!

中尊寺(岩手県)

国宝「中尊寺金色堂」で平安期の文化に触れる

次は、「中尊寺金色堂」をご紹介します。

中尊寺は、岩手県平泉町にある天台宗東北大本山の寺院。奥州藤原氏三代ゆかりの古刹であり、平安時代の美術、工芸、建築など、約3,000点もの文化財を有しています。その中で、藤原清衡が1124年に建立した仏堂が「中尊寺金色堂」で、国宝建造物第1号に認定されています。

私は小学生のときに、修学旅行で中尊寺金色堂を訪れました。そこから25年近く経過していますが、金箔が押され、神秘的な光を放つ堂内の様子は、いまでも強く目に焼き付いています。国宝の意味、歴史の意味を考えさせられる出来事でした。

いま訪れたら、どのように感じるのか知りたいです。

中尊寺金色堂

あの不思議な輝きはいまだ忘れられず。

おすすめ記事:「中尊寺金色堂」と平泉の世界遺産をめぐる旅

秋田市新屋ガラス工房(秋田県)

おしゃれなガラスの器をつくってみよう!

旅の途中では、手を動かして何かをつくってみたくなってしまうタイプです。そこで気になったのが、秋田県にある「秋田市新屋ガラス工房」。このガラス工房では、吹きガラスによるマイグラスや小鉢の制作体験ができるそうです。理想の器をつくるためのアドバイスをもらいながら制作できるそうなので、不器用な私でも安心です。

ショップでは、さまざまなガラス作家さんの作品を購入できるとのこと。写真を見る限り、どれもセンスの良いものばかり。いまガラスの器にハマっているので、あれもこれも欲しくなってしまいそうです。

秋田市新屋ガラス工房

カラフルな箸置きは、どれもすてき。

おすすめ記事:秋田美人のヒミツを探ってみた。おいしい&かわいいも欲張る秋田旅

宮沢賢治記念館(岩手県)

宮沢賢治の世界にたっぷりと浸れる時間

誰もが知っている東北出身の詩人・童話作家といえば、宮沢賢治。著作は『注文の多い料理店』『銀河鉄道の夜』など有名なものばかり。

岩手県花巻市には、宮沢賢治に関する資料が多数展示されている「宮沢賢治記念館」があります。文学が大好きな私は、10年以上前に一度訪れているのですが、2015年に大幅リニューアルされたとのことで、また訪れなければ……! という意欲に燃えています。

宮沢賢治の作品はどれも独自の世界観で彩られており、なかにはエキセントリックな内容のものも……。ただ、残された資料などをじっくり眺めていると、賢治の世界がどのように形成されたのかが、少しだけわかるような気がします。その瞬間がとても楽しいので、文学記念館巡りはやめられません。

賢治の使っていたチェロです。胸熱。

賢治の使っていたチェロです。胸熱。

おすすめ記事:盛岡&花巻で宮沢賢治の世界にどっぷり浸る!イーハトーブの旅へ

北東北にはご当地のグルメから絶品のお酒、一度は訪れたい記念館など観光スポットが盛り沢山ですね。次の旅行は家族と、お友達と、北東北を訪れてみてはどうでしょうか。

掲載情報は2020年8月7日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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この記事を書いた人

大村 祐里子

写真家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒。クラシックカメラショップの店員を経て、写真の道へ。福島裕二氏に師事後、撮影のほか、雑誌・書籍・Webでの執筆など、さまざまなジャンルで活動中。趣味はフィルムカメラを集めて、使うこと。
YURIKO OMURA : http://omurayuriko.jp/
シャッターガール : http://shutter-girl.jp/

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