四万温泉の名宿「鍾寿館」で過ごす週末。四万ブルーの絶景探しも
今回の列車旅ポイント
- JR吾妻線からの車窓風景
- 列車とバスで行ける、アクセスの良い宿
- JR高崎駅で買う名駅弁「峠の釜めし」
こんにちは。フォトグラファーのぽんずです。平日は会社員として働いているので、なかなかハードな毎日を過ごしています。
そんな日常の中、ふいに「なんにもしない」をしたい! という衝動に駆られることがあります。
となれば、やはり行くべきは温泉! 今回は、群馬にある四万(しま)温泉を訪れました。
JR東京駅から四万温泉へ
いざ、なんにもしない旅へ!
出発は東京駅から。シックなカラーリングがおしゃれな、北陸新幹線に乗り込みます。東京駅から約1時間で、高崎駅に到着。
高崎駅からはローカル線の旅! 吾妻線へ乗り継ぎます。
だんだんと、景色が穏やかになっていきます。ビルが見えなくなり、目の前には自然が広がります。
列車に乗っている地元の高校生たちの姿を見ると、ふいに10年前の甘酸っぱい記憶が呼び覚まされました。いつもの通勤列車の中ではついスマホばっかりいじってしまうけど、今日は旅だもの。SNSからは離れ、懐かしい曲を聴きながら車窓を楽しむことに。
JR中之条駅から「四万温泉 鍾寿館」へ
四万温泉 鍾寿館に到着!
吾妻線にゆられて、1時間ほどで中之条駅に到着。中之条駅のバス停から約35分。山口バス停で下車。降りてすぐ前が本日のお宿、「四万温泉鍾寿館(しょうじゅかん)」です。
頭に思い描いていたイメージにぴったりで、嬉しくなります。ひとりで温泉というとなんだかハードルが高いような気がしていたのですが、ここの旅館はおひとり様もウェルカムだそう! 旅館側から歓迎をしてくれると、なんだか安心しますね。
ウェルカムドリンクで、梅のジュースをいただきます。
すぐ近くに川が流れているので、お部屋にも川のせせらぎが聞こえてきます。耳を澄ますと、遠くからうっすらとひぐらしの鳴く声も。
忘れていたノスタルジーを掻き立てられるような、古い映画の中で見たことがあるような、そんな空間です。
荷物を置いたら、お散歩に。旅館を出てすぐ、目の前に四万川という川が流れています。
驚いたのがその色。四万ブルーとも呼ばれているそう。透き通るターコイズブルーにうっとり……!
四万川沿いを歩いて行くと四万温泉街に。歴史ある温泉施設も多く、浴衣姿で散歩するカップルの姿も。歩いてまわるのにぴったりの広さの町なので、浴衣姿での散策にも良さそうです。
鍾寿館で温泉と食事を堪能
鍾寿館で、心ほぐれる癒しの時間を
30分ほど温泉街を散歩してほどよく疲れたあとは、お待ちかねの温泉へ!
鍾寿館では、大浴場、露天風呂、貸切風呂といったさまざまな種類のお風呂が楽しめます。
私がいちばん感動したのは露天風呂の「山里乃湯」。なんと貸切……!!!
入浴の際は、フロントで申し込み、案内していただきます。
静寂と眺めを独り占めしながら、お湯につかる幸福。日々の仕事で固まっていた体が、ゆっくりほぐれていくのを感じます。
「あれ、なんで悩んでたんだっけ?」と思い出せなくなるくらい。
ひとりなので、誰に気兼ねする必要もありません。好きなだけ湯船につかればいいし、何度でも楽しめる。この満足感は、ちょっと想像以上でした。
部屋には冷たいお水が用意してあります。よく冷えて澄んだお水を飲み干すと、なんだか浄化された気分に。カフェインばっかり摂っている普段の生活を、ちょっぴり反省。
旅館の楽しみは温泉だけではありません。ゆっくり体を温めたあとは、夕ご飯タイム! 宿泊する部屋とは別の個室で、まわりの視線を気にする必要もなく、悠々と楽しめちゃいます。
水に恵まれた地域ならではのお料理が並びます。
サワガニ……(昔飼ってた!)と若干動揺を隠せずにいる私に、旅館の方が「1本ずつ、足から食べると食べやすいですよ」とのアドバイスを。初めての味でしたが、口に含むと香ばしく、パリパリとした食感も楽しく、噛めば噛むほど風味が広がります。美味しい。
こちらは鮎の塩焼き。ほろほろふわふわの身がたまりません。
どのお料理も滋味深い味。水がきれいな地域だからこそのラインナップなんだと思います。
お腹もいっぱいで眠くなったけれど、ここは欲張りたい! ということで、寝る前にもう一度お湯につかり、満たされた気持ちでおやすみなさい。
翌朝。やっぱり外せないのが朝風呂です。朝の光に包まれた湯船って、なんであんなに清々しいんでしょうね。
朝ご飯も、もちろん夕食同様、個室でいただけます。
群馬の名産であるネギと、味噌をあえたお料理が絶品。ご飯がすすみます。朝からこんなに食べられるかな? と思ったのも束の間、ぺろっと完食です。
桃太郎の滝
四万ブルーを堪能しよう
快適な温泉宿に泣く泣く別れを告げ、宿から歩いて15分ほどのところにある、「桃太郎の滝」というスポットへ向かいます。四万川の青い水が流れ込み、美しい景色が眺められることで有名だそう。でも、ほんとに青いのかな? と半信半疑で向かった私。
そして、こちらが「桃太郎の滝」です。
ほんとに青い!!! もはや美味しそう。ぷるっぷるのゼリーみたい。
色が濃いのに澄んでいて、思わずじっと覗き込んでしまいます。
四万甌穴前
緑に包まれたカフェで、深呼吸
さて、次の目的地へ向かいます。再び鍾寿館まで戻り、最寄りのバス停山口から四万温泉バスに乗り5分。四万甌穴(おうけつ)前というバス停で下車します。向かった先は、「森のカフェKISEKI」。
なんと、席から一面のグリーンビューが楽しめるんです!
爽やかな緑を眺めながらいただくりんごジュースの美味しいこと。川が近いからか、涼しい風も通り抜けます。ここで日がな一日読書したら最高だろうな。
カフェのすぐ隣には、「甌穴」といって、迫力のある川の流れを楽しめる場所があります。
「甌穴」とは、川の底や河岸の岩にできる円形の穴のこと。何万年もの時間をかけて自然が作り出した造形美に、思わず見入ってしまいます。
JR中之条駅
釜めしをほおばりながら、帰りましょう
さて、そろそろ帰途に就く時間。
再び四万甌穴前から四万温泉バスに乗り、30分ほどかけて中之条駅まで向かいます。
中之条駅からは、吾妻線で高崎駅へ。
帰りの高崎駅で忘れちゃいけないのが、おぎのやの峠の釜めし! 絶品の釜めしをほおばりながら、東京駅へ帰りましょう。
器が陶器製なので時間がたっても中身が温かく、具にもご飯にもしっかりお出汁の味がしみていて、ひと口ごとに噛み締めたくなる美味しさ。釜めし形のミニケースに入ったお漬物もなんだかキュート。上品なお味で、箸がどんどん進みます。
お弁当の容器は捨てずに持って帰るのがオススメ。なぜなら、なんとこの容器を再利用してご飯が炊けるんです。家に帰るのが楽しみになりますね。
なにかと忙しい、私たちの毎日。「なんだか凝り固まっちゃったな」と思ったら、着替えとお財布だけリュックに詰めて、いざ群馬へ。
一度体験すればクセになるひとり温泉の旅へ、出かけませんか。
東京駅
掲載情報は2019年9月10日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
今回の旅の行程
【1日目】東京駅→高崎駅→中之条駅→鍾寿館→四万温泉街散策→鍾寿館
【2日目】鍾寿館→桃太郎の滝→森のカフェKISEKI→甌穴→中之条駅→高崎駅→東京駅