さっぽろ羊ヶ丘展望台 北海道

phaが行く、3泊4日の北海道おっさん二人旅【後編】

2020.01.07 北海道
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POINT

今回の列車旅ポイント

  1. 冬の北海道は、雪が降るので列車が便利
  2. 北海道の雪景色を車窓から楽しむ
  3. 駅から近い「白い恋人パーク」

※本記事は、前編/後編の2回に分けてお届けします。

こんにちは、phaです。
日常に疲れた四十路のおっさん2人、phaと友人の櫛ヶ浜(くしがはま)が動物やスイーツに癒やしを求める、というコンセプトで3泊4日の北海道旅行にやってきました。

前編では、北海道新幹線の中でアニメを見ながら東京から北海道まで移動して、登別で「大湯沼川天然足湯」に入ったり「のぼりべつクマ牧場」で飼い慣らされたヒグマを見たり、札幌でスープカレーを食べたりパフェを食べそこなったりしました。
今回の後編では札幌と函館を巡る予定です。何か日常を忘れられるような素敵なものに出会えるでしょうか。

白い恋人パーク

スイーツが人生を救う

今日は昨日食べそこねたパフェを食べようと思う。2人とも酒を飲まないので、必然的に欲望がスイーツに向かうことになる。

筆者と友人

札幌駅前のホテルをチェックアウトして、地下鉄さっぽろ駅から南北線に乗って約2分、大通駅へ。さらに東西線に乗り換えて約16分、終点の宮の沢駅まで行き、
そこから徒歩約7分、今日の目的地は「白い恋人パーク」だ。

白い恋人パーク

白い恋人といえば北海道の超メジャー大定番お土産だけど、白い恋人パークは白い恋人を作る「ISHIYA」が運営しているお菓子だらけのテーマパークなのだ。
ここでたくさんの砂糖やカカオや脂肪分を摂取して生きる気力を回復したいと思う。

白い恋人パーク

家があったのでとりあえず入ってみた。

白い恋人パークには、ファクトリーコースと、プレミアムファクトリーコースという2つの入館料金プランがある。今回はプレミアムファクトリーコースを申し込んだ。こちらのコースのみ、プロジェクションマッピングを使った約30分のツアーに参加することが出来る。

ツアー(※)がはじまると、博士の助手であるガイドの女性がチョコレート好きな博士とやりとりしながら、歴史上におけるチョコレートの四大革命について教えてくれる。派手な演出で、楽しみながらチョコレートの歴史について知ることができた。

※編集部注:ツアーは撮影不可

古いチョコレートのパッケージ

古いチョコレートのパッケージの解説をしてもらう

そのあと、ファクトリーコース・プレミアムファクトリーコース共通で白い恋人の製造ラインを見学することができる、チョコトピアファクトリーに移る。

白い恋人パーク

これはいい。工場の機械を見るの好きなんだよな。目の前で機械が動き続け、ベルトコンベアーが流れ続け、ディスプレイに表示される製造個数が増えていくのはとても気持ちいい。無心に見入ってしまった。

白い恋人についての知識もいろいろ増えた。
白い恋人というのはチョコレートをフランスの伝統的なお菓子である「ラング・ド・シャ」で挟んだお菓子だけれど、チョコレートのほうがラング・ド・シャより少し大きいのはなぜだろうか? それは、チョコレートを少し大きくして衝撃を吸収するようにすることで、ラング・ド・シャが崩れにくくなるから。なるほど。

あと、白い恋人パークには「プルミ」と「ラムル」という猫のキャラクターがいるんですが、なぜ猫かわかりますか? ラング・ド・シャというのは、フランス語で「猫の舌」という意味だからなんですよね。猫の舌のようにざらざらしているから。勉強になりましたね。どこかで使ってください。

ツアーのあとは園内をうろつく。園内にはたくさんのスイーツが溢れている。スイーツを作っているところを見られる場所もある。チョコ、キャンディ、アイス、パフェ……。
なかでも巨大な飴を丸めて作っている様子が面白かった。

白い恋人パーク

よし、パフェを食べるぞ。パーク内の「チョコレートラウンジ・オックスフォード」という店に入った。
窓際の席に案内される。眺めがすごくいい。

チョコレートラウンジ・オックスフォード

僕は「白い恋人パフェ」を、櫛ヶ浜は「ワッフルプレート 2種のベリー&チョコレート」を頼んだ。
メニューによると、白い恋人パフェはISHIYAの人気商品を一度に味わえる贅沢なパフェ、とのことで上に白い恋人が1枚刺さっている。

白い恋人パフェ

これはうまい……。ホワイトチョコ味のアイスが美味しい。そしてラズベリーっぽい酸っぱいソースがかかっているので、甘いのと酸っぱいのが適度に混ざっていて飽きずにどんどん食べ進められる。これを食べている時間がずっと続けばいいのに、と思いながらぱくぱく食べていたら、一瞬でなくなってしまった。
満足した。

羊ヶ丘展望台

羊を見て羊を食う

スイーツに舌鼓を打ったら、あとは肉だな。

宮の沢駅から大通駅まで戻り、そこから今度は東豊線に乗り換えて約12分、福住駅に向かう。そこから羊ケ丘展望台行きバスに乗り約10分、終点で下車すると「さっぽろ羊ヶ丘展望台」がある。クラーク博士像が有名なところだ。

さっぽろ羊ヶ丘展望台

展望台からは札幌市内を一望できる。昨日の登別は雨だったけど、今日の札幌はとてもいい天気でよかった。このまま晴天が続けばいいな、という期待はのちほど裏切られることになるのだけど。

さっぽろ羊ヶ丘展望台

とりあえずこのポーズはやっておくか。

羊はどこだ。羊が見たい。

さっぽろ羊ヶ丘展望台

いた。
羊、かわいいけど、あまり動きがないのでそんなに長時間見るものではないな。

羊を見たから次は食べよう。羊ヶ丘展望台のレストラン「羊ヶ丘レストハウス」ではジンギスカンを食べられるのだ。

ジンギスカン

ジンギスカン!
いやー、羊ってうまいですよね。昔はそんなに食べていなかったんだけど、大人になって北海道出身の友人が増えたら、羊が食べやすくて美味しいということに気づいた。豚や牛よりさっぱりしててヘルシーな感じもあるし。

エゾシカもあったので頼んでみた。エゾシカ、普通のシカより味が濃くて野趣が強い。うまい。

エゾジカの肉

野菜の上の肉はエゾジカ

エゾシカは本州のシカより体が大きいらしい。諸説あるが、同じ種だと寒冷地の方が大きい体になるという話があったな。ベルクマンの法則か。寒い土地だと放熱を抑えないといけないんだけど、熱の生産量は体長の3乗に比例するのに対して、放熱量は体長の2乗に比例する。なので体が大きいほうが寒冷地に強いのだ。そういえば昨日札幌駅前で見たカラスも東京のカラスより少し大きかったような気がする。

よし、食った。スイーツと羊を食ったので、次の土地へ向かおう。今回の旅の最終目的地、函館へ。

函館

雪の函館

羊ヶ丘展望台から札幌駅行きのバス(※)で38分、札幌駅まで戻り、ホテルに預けていた荷物を回収したあと、特急スーパー北斗に乗り込む。札幌から函館までは約3時間45分の旅だ。

※編集部注:運行は夏期間(4月1日〜11月30日)のみ

特急スーパー北斗

昨日クマを見て足湯に入った登別を通り過ぎ、おととい通過した東室蘭や長万部を今度は逆向きに通過する。昨日までは右側に見えていた海が今日は左側にある。
窓の外の風景がだんだん暗くなってきて、やがて夜になった。

車窓

車窓から見える長万部あたりの海

JR函館駅に着き、函館市電に乗り換える。函館駅前停留場から約30分かけて、湯の川温泉停留場に向かう。

函館市電

湯の川温泉停留場から徒歩3分、「湯元 啄木亭」が今夜の宿だ。

湯元 啄木亭

おととい泊まった「登別 石水亭」と同じ系列の宿なので、安心感がある。部屋もいい感じだしご飯も美味しくてお風呂も広い。最高だな。

湯元 啄木亭

写真提供:湯元 啄木亭

湯元 啄木亭

バイキングでご機嫌な櫛ヶ浜。

この日は疲れもたまっていたので早々に寝てしまった。

外は、僕らが寝たあとから吹雪になっていたらしい。
目を覚ますと目の前が雪景色になっていた。

湯元 啄木亭

東京ではなかなか見られない雪景色にテンションが上がったけど、外を歩くのは大丈夫か少し不安になる。櫛ヶ浜は腰を痛めているし。すってんころりんと転んで病院行きなんてことにならないように慎重に行かないと。

啄木亭には立派な日本庭園があるのだけど、雪をかぶってとても綺麗になっていた。

湯元 啄木亭

摩周丸

青函連絡船に思いを馳せる

今日も、函館市電で湯の川温泉停留場から函館駅前停留場まで戻り、駅から徒歩5分ほどのところにある「摩周丸」に向かった。

摩周丸

摩周丸というのは正式名称を「函館市青函連絡船記念館摩周丸」という。
かつて、青森と函館のあいだは青函連絡船という船で結ばれていた。石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」で歌われているやつだ。この青函連絡船は1988年の青函トンネル開通によって終航となった。

今は青函トンネルと北海道新幹線のおかげで、東京から函館まで4時間半ほど列車に乗っていれば着くけれど、青函連絡船の当時は青森から函館までの航路だけで約4時間かかっていたのだ。そんな時代もあったのだな、昭和は遠くなりにけり。

筆者

とりあえず船長のコスプレをしてみたり、

筆者と友人

当時の客席に座って青函連絡船のドキュメンタリー映像を観たりした。
摩周丸の中はひろびろとしていて、そんなに人も多くなく、とてもくつろぐことができた。歳を取ると若い人がたくさん来るにぎやかな観光地よりもこれくらいのゆっくりした場所がいいな。

摩周丸で一番楽しかったのは操舵室だった。

操舵室

操舵室にあるハンドルやボタンやレバーを好きなように動かしまくっていいのだ。
ガチャッてレバーを上げたり、ポチってボタンを押したり、カチってスイッチを入れたり切ったり、その武骨な響きがたまらない。

「これはフィジェットキューブ(※)だね」
と櫛ヶ浜が言った。
確かに。部屋全体がフィジェットキューブな、フィジェットルームって感じだ。最近の機械ってタッチパネルとかが多くてこういうゴツい手触りのものがあまりないけれど、こういうのをガチャガチャする快感ってあるんだよな。

※編集部注:ストレス解消用の玩具

摩周丸

船室で大の字になる櫛ヶ浜。

元町

異国情緒のある坂の街

そのあとは元町というところが異国風の建物がたくさんあって綺麗だ、と聞いたので行ってみることにした。元町って横浜にも神戸にもあるけど、港町と何か関係あるのかな。

函館市電で約6分、函館駅前停留場から十字街停留場まで移動して、そこから元町を目指す。ぶらぶら散歩でもしよう、と思っていったのだけど、結構急な坂だった。そういえばガイドブックに「坂の街」とか書いてあった気がする。昨日の雪で足元が悪いので転ばないように慎重に登っていった。冬場は雪道用の靴を履いたほうがいいのかもしれない。

元町には、教会がいくつもある。

函館ハリストス正教会

教会の中は荘厳な雰囲気でとても良かった。

帰りは、雪で凍った急な坂道を歩いて降りていくのが怖かったので、アプリでタクシーを呼んだ。
タクシーの運転手さんに聞いてみると、
「ときどき元町に観光客の人が徒歩で行くんだけど、上りはいいけど降りられないって言ってタクシー呼ぶのが多いんですよ。冬は特に危ないですね」
といっていた。函館駅までは10分くらいで着いた。

函館駅から特急スーパー北斗で約20分ほどかけて新函館北斗駅に戻り、そこからまた北海道・東北新幹線はやぶさに乗って4時間ちょっとかけて東京駅に戻った。

今回はなかなか充実した旅だったと思う。移動に時間はかかったけれど、飛行機の旅では見られない景色がたくさん見られたので楽しかった。また機会を見つけて北海道に行ってみたいなと思う。

筆者

東京駅

掲載情報は2020年1月7日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

今回の旅の行程

【1日目】ホテルグレイスリー札幌→白い恋人パーク→さっぽろ羊ヶ丘展望台→札幌駅→函館駅→函館市電 湯の川温泉停留場→湯元 啄木亭

【2日目】湯元 啄木亭→函館市電 湯の川温泉停留場→摩周丸→元町→新函館北斗駅→東京駅

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この記事を書いた人

pha

1978年生まれ。著書に『持たない幸福論』(幻冬舎)、『しないことリスト』(大和書房)、『ひきこもらない』(幻冬舎)、『がんばらない練習』(幻冬舎)などがある。
はてなブログ:https://pha.hateblo.jp/
note:https://note.com/pha

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