長野の秘湯をハシゴ!白骨・扉・美ヶ原温泉を温泉ソムリエが案内
今回の列車旅ポイント
- 駅レンタカーを利用した温泉巡り
- 松本駅から徒歩圏内の「みよ田 松本店」で郷土料理を
- 駅ビルMIDORIで名産品を購入
はじめまして。温泉大好きOL、温泉ソムリエeriです。
温泉ブログ「美肌温泉手帖」では、溢れ出る温泉愛を垂れ流し(かけ流し)で綴っています。
今回は長野県のJR松本駅を起点に、駅レンタカーを利用した温泉めぐりへ行ってきます!
新宿駅
高層ビルから山や畑に移り変わっていく
JR新宿駅を出発した特急あずさは八王子から甲府、そして長野県へ。車窓の景色は、高層ビルやマンションから山々や畑に変わり、これから始まる温泉旅への高揚感が高まります!
新宿駅を出発して約2時間40分、松本駅に到着しました。駅の正面東口を出てすぐ右手に見える「駅レンタカー松本営業所」に向かいます。レンタカーの手続きを終えて、いよいよ温泉めぐりスタートです!
美ヶ原温泉 ふれあい山辺館 白糸の湯
奈良時代開湯の歴史ある温泉地
駅レンタカー松本営業所から約15分、最初に向かったのは「美ヶ原温泉 ふれあい山辺館 白糸の湯」です。
石鹸やシャンプー、タオルはないので、持参もしくは館内で購入しましょう! 内湯と露天風呂があり、泉質は弱アルカリ性単純温泉で無色透明のサラサラとしたお湯。冷えた体がジワ〜ッとほぐれていくのを感じます。
白骨温泉公共野天風呂
秘湯ムードたっぷりの白骨温泉
白糸の湯から約1時間15分。トンネルをくぐり、ひたすら山道を進み、ついに「白骨温泉公共野天風呂」へ到着! 達成感〜!!
洗い場と露天風呂があります。そうそう、白骨温泉の床や浴槽の白い模様、これはなんと温泉成分が沈殿し固まったもの! 自然に生まれたアートは、ひとつとして同じ模様はなくまるで芸術作品のようです(感動!!)。この模様が骨のように見えることから「白い骨・白骨」と呼ばれるようになったと伝えられているそうです。
乳白の色をした温泉はさらさらとした湯ざわりですーっと肌になじみます。泉温は少しぬるく、秘湯感ただよう雰囲気での入浴のため、より長く入っていたくなります。湯あがりは肌がツルツルと感じられますが、保湿は忘れずに!
こちらでは、温泉粥と温泉卵も振る舞われています。お粥に合わせてふき味噌もいただきました。周辺で採れたふきのとうを使った手作りのふき味噌! ほのかに塩味が効いた温泉粥と味噌がマッチして、まろやかで美味しいのです!
編集部注:白骨温泉公共野天風呂は、2020年11月24日から2021年4月下旬まで冬季休業。温泉粥と温泉卵は、通常は有料ですがイベント時などは無料。
湯元齋藤旅館
江戸時代から続く老舗旅館
公共野天風呂から約2分、「湯元齋藤旅館」へ到着です! 客室棟3棟を含む7施設から成る大きな旅館です。新型コロナウイルス感染症対策として、ロビーや廊下など館内のあらゆる箇所に除菌用のアルコールが設置されており、お客さんも従業員の方々もマスク着用が徹底されていました。
お部屋は「介山荘」という宿泊棟の最上階スタンダードルーム。10畳和室+広縁です。
この景色を楽しめるのは、旅館エントランスから9階分ほど高い位置にある介山荘ならでは。広縁の椅子に座って山々を眺めているだけで、日常のストレスが浄化されるような感覚になります。
大浴場の「薬師の湯」と「龍神の湯」は、通常深夜0時から1時に男女を入れ替えるため、一泊でも両方の浴室を楽しめます。
「薬師の湯」「龍神の湯」、どちらも内湯はヒノキとサワラの木組みで造られた湯屋。木のぬくもりが浴室の雰囲気を和らげ、心地よく過ごすことができました。
ポカポカと体が温まったので、夕食へ。
食前酒と前菜から始まり、信州サーモン、信州大王イワナ、信州源泉蒸し、信州プレミアム牛茸鍋、信州フランス鴨ロースト、信州黒味噌……など、12品からなる「しなの旬菜料理」は信州づくし! 秋刀魚や栗、紅葉の形をしたお芋など季節を感じる品もあります。
普段の生活では滅多に出会うことのないお料理で、ひと口いただくごとに信州を感じることができました。
編集部注:食事内容は季節によって異なります。
夕食を終えて部屋へ戻るとお布団が敷かれていました。お腹いっぱいのまま布団にダイブしたい私にとってはとてもうれしいサービス。読もうと思って持って来た本を数冊枕元に置いて、布団でうとうとしていたらうっかり21時前に寝落ち。
目が覚めると外はまだ暗くて、ぼうっと過ごしながら空が明るくなるのを待ちました。何をするでもなく、ただ椅子に座って空を眺めて過ごすという、日常生活ではなかなか作れない「無」の時間——これぞ旅先での醍醐味って感じがして、好きな時間の使い方です。
2日目の朝。大浴場でしっかりと体を温めてから向かったのは楽しみにしていた野天風呂「鬼が城」。脱衣所のドアを開けるといきなり白濁湯が注がれた湯船が! 標高1,400メートルのこの地は空気も美味しい!
一般的に、にごり湯=強酸性=刺激が強い……と連想しがちですが、白骨温泉は弱酸性。まろやかでやさしい温泉で、体全体がとろけてしまいそうになりました。湯船の中の温泉は白く濁って見えますが、湧き出た時は透明なのです。これは温泉成分が空気に触れることで化学変化を起こし白く濁るから。温泉って神秘的!
朝食は、湯豆腐、焼き魚、温泉卵、お漬物など、「ちょっとずつをいっぱい」食べたい私には嬉しいラインナップ。温泉粥と白米を選ぶことができたので、迷わず名物・温泉粥をチョイス。
白骨温泉は胃腸に良いとされている温泉で、温泉で作った湯豆腐に温泉で炊いた温泉粥など、浸かるだけではなく食事でも温泉を楽しめるのはこの地ならでは。お腹いっぱいいただき、チェックアウトしました。
扉 天然温泉「桧の湯」
贅沢すぎる、山奥の秘湯
本日も引き続きレンタカーで巡ります。湯元齋藤旅館を出発して約1時間40分で、扉 天然温泉「桧の湯」へ到着しました。男女ともに内湯・露天風呂がある日帰り入浴施設です。泉質はph8.77のアルカリ性単純温泉。無色透明の湯ですがかすかに硫黄の香りもあります。館主さん曰く、水を加えて温度調節するなど手を一切加えることなく、湧き出た源泉をそのまま湯舟にかけ流しているそう。
できることならこのままずっと浸かっていたい、と病みつきになるほど。山奥の秘湯で、かけ流しの温泉をこの素晴らしいロケーションで楽しめて、しかも入湯料300円(税込)。こんな贅沢、なかなかありません。
名残惜しいですが、今回の旅、シメの温泉をめいっぱい楽しみ出発です。桧の湯から駅レンタカー松本営業所まで山道を下って、約30分。レンタカーを返却し、次は昼食タイム!
そばきり みよ田 松本店
ランチに郷土料理「とうじそば」を
駅レンタカー松本営業所から徒歩で約6分、「そばきり みよ田 松本店」へ到着です。
「とうじそばプラン(スペシャル/2,200円税込)」は、馬刺し、焼き味噌、塩イカ刺と胡瓜の和え物、葉わさび漬け、とうじそば、そば米雑炊、ざるそばと盛りだくさんの内容です。
「とうじ」とは冬至? 湯治? と想像していたら、正解は汁に投じると書いて「投汁(とうじ)」。旧奈川村(現在は松本市に編入)に伝わる郷土料理だそうで、野菜の入った出汁の中に冷蕎麦をさっとしゃぶしゃぶして食べるお蕎麦の食べ方です。野菜の旨味がたっぷりの出汁が美味しい!
とうじそばを食べ終えたら残ったお鍋に蕎麦の実を投入。そして溶き卵を入れたらそば米雑炊のでき上がり! もうこれは反則だ! 美味しいに決まっている。そして、最後にはシメのざるそば。もう……お腹いっぱい……!
松本駅
信州土産の定番「雷鳥の里」をお土産に!
松本駅へ戻り、駅ビルMIDORIで「雷鳥の里」を購入! 40年以上愛されるロングセラー商品で、欧風せんべいでクリームを挟んだサクッとした食感。一つ食べ始めると止まらず、気がついたら一人で全部食べてしまう(恐ろしい 笑)お菓子です。
帰りは松本駅から特急あずさに乗り、旅を終えました。
今回は松本駅を起点に、白骨温泉や扉温泉へ湯めぐりドライブに出掛けました。温泉粥やとうじそばなどご当地グルメも食べることができて大満足! ぜひ、松本へおでかけください♪
新宿駅
掲載情報は2020年12月22日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
今回の旅の行程
【1日目】JR新宿駅→JR松本駅→駅レンタカー松本営業所→美ヶ原温泉 ふれあい山辺館 白糸の湯→白骨温泉公共野天風呂→湯元齋藤旅館
【2日目】湯元齋藤旅館→扉 天然温泉 桧の湯→駅レンタカー松本営業所→そばきり みよ田 松本店→JR松本駅MIDORI→JR新宿駅