山も海も楽しめる北陸鉄道で行く【金沢・ローカル線の旅】 北陸

山も海も、懐かしの車両も楽しめるローカル線。金沢・北陸鉄道の旅

2021.11.16 北陸石川
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POINT

今回の列車旅ポイント

  1. 鶴来駅のレトロな駅舎と展示品に歴史を感じる
  2. 金沢市内から山方面、海方面にアクセスしやすい北陸鉄道
  3. 首都圏を走っていた懐かしい車両に再会

列車旅大好き! ライターの望月崇史(もちづき・たかふみ)です。

旅に出るときは、「自分がどんな旅をしたいのか」と心に正直になることが大事! まずは、旅でやりたいことを3つ書き出しましょう。たとえば、こんな感じ……。

・新幹線に乗りたい
・ローカル線の旅もしたい
・山も海も見たい

こんな3つの条件を満たす場所……北陸にあります!

北陸新幹線でJR東京駅から約2時間半、金沢市とその近郊を走る北陸鉄道へ向けて、いざ出発!!

東京駅

北陸新幹線「かがやき」で2時間半、金沢へ!

かがやき

朝の東京駅。西からはるばるやってきた夜行列車が停まり、通勤客が列車を待つ在来線ホームを横目に、北陸新幹線「かがやき」に乗り込みます。

ブルーが映える新幹線に身を委ねたら、都心のビル群をあとに、軽井沢から浅間山を眺め、上田から飯山にかけては日本最長河川・千曲川(信濃川)を何度か渡って、糸魚川まで来れば車窓には青い日本海が現れます。

JR金沢駅に着いたら、いよいよローカル線・北陸鉄道へ! 北陸本線で金沢駅からJR西金沢駅までは約5分、西金沢駅に隣接する北陸鉄道石川線の新西金沢駅までは徒歩約1分で到着。

北陸鉄道7000系車両

北陸鉄道7000系車両(野町駅にて撮影)

金沢市内と郊外を結ぶ北陸鉄道には、石川線と浅野川線があります。石川線は山、浅野川線は海の方面に向かうのが特徴。1日目に乗車する石川線は、野町駅~鶴来(つるぎ)駅間(13.8キロメートル)を約35分で結びます。

石川線で1990年(平成2年)から活躍する7000系車両はもともと、首都圏の私鉄で活躍していた車両。懐かしい方もいることでしょう。

石川線 車窓

田園風景が広がる石川線の車窓

新西金沢駅を出た2両編成のワンマン列車は、住宅地の中をトコトコと走り抜けていきます。

額住宅前駅で野町駅行きの列車とすれ違い、曽谷駅を過ぎると車窓にのどかな田園風景が広がってきました。一面に首を垂れた稲穂。所々、稲刈りが終わった田んぼからは稲わらの匂い。これぞ実りの秋です。「今だから楽しめる」車窓を見つけられると、列車旅はワクワクしてきますね!

鶴来駅

終着駅はレトロな木造駅舎。旅気分もアップ!

鶴来駅舎

列車に揺られること約30分、鶴来駅にやって来ました。鶴来駅は石川線と同じ1915年(大正4年)に開業した100年以上の歴史がある駅。

当時を感じさせるレトロな木造駅舎が、降りた人を温かく出迎えてくれます。自動改札のない昔ながらの改札口を抜けますと……。

鶴来駅 待合室

鶴来駅 待合室

レトロな列車関連品がぎっしり! 昭和の頃は鶴来駅から能美線が分岐、石川線も白山比咩神社近くの加賀一の宮駅まで線路が延びていましたが、2009年(平成21年)からは、鶴来駅が石川線の終着駅となりました。

そんな石川線や鶴来駅の歴史を待合室のショーケースの展示品が教えてくれます。壁には主要駅の昔の写真も展示されていて、石川線が1世紀以上にわたって、地元のみなさんに愛されてきた路線であることを知ることができます。

金劔宮

地名の由来となったとされる神社にお参り!

金劔宮

鶴来は、戦国時代以前から物資が集まる宿場町として発展してきました。古い町屋などが残るまち並みを進んで、勾配のやや急な通称「男段」を登って、高台にある「金劔宮(きんけんぐう)」へ。

紀元前の創建と伝わる神社で、古くは「劔宮(つるぎのみや)」と呼ばれ、「鶴来」という地名の由来になったといわれています。金運アップの御利益を求めてお参りする方も多いとか!?

金劔宮境内 不動滝

なだらかな坂の通称「女段」を下っていくと、清水が流れ落ちる音が聞こえてきました。こちらの「金劔宮境内 不動滝」は、高さ約7メートル、幅約2メートルの天然の滝で、白山市の名勝にも指定されています。

滝つぼに近寄れば、ひんやり気持ちいい! 汗ばんでほてった体もス~ッと汗が引きました。聞けば、鶴来は白山の伏流水に恵まれたまち。きっと美味しい「アレ」を造っているお店もありますよね?

菊姫

水に恵まれたまちで、400年以上続く酒蔵を訪問!

菊姫

ありました、酒蔵! 安土桃山時代から400年以上、ここで酒造りを行っている「菊姫」です。

菊姫の名は、白山信仰の総本山「白山比咩神社」の御祭神「菊理媛(くくりひめ)」に由来。約40年前に、一度は廃れた「山廃仕込み」のお酒を復活させたことで酒好きには有名です。山廃仕込みの山廃とは酒のもととなる酒母の造り方(酵母の育て方)のひとつ。微生物の共生を利用した昔ながらの造り方で、日数がかかることによりお酒のうま味成分が多くなるといいます。

菊姫 店内

お店の方によると、菊姫の酒造りも、敷地内の地下水を使って、毎年10月から3月の寒い時期に行われているそうです。

造り手15人のうち、6人は能登杜氏で有名な能登地区出身、9人は大学の理系出身で、伝統のいいところと科学的な研究を取り入れ、「濃醇うまくち」の味わいにこだわっているとのこと。おすすめの1本を買い込んで、家に帰ったら晩酌で楽しむことにしましょう。

北陸鉄道7700系車両

北陸鉄道7700系車両(日御子駅~鶴来駅間にて撮影)

鶴来のまちを1日散策したら、あっという間に夕暮れ。鶴来駅に、こちらもかつて東京都内の私鉄で活躍していた2枚窓の7700系車両が迎えにやって来ました。今宵は金沢駅前のホテルに宿泊。明日の旅に備えます。

北鉄金沢駅

「第二の人生」をスタートさせた03系車両に乗車!

2日目は、金沢駅前の「もてなしドーム」地下にある北鉄金沢駅からもう1つの路線、浅野川線に乗ります。浅野川線は1925年(大正14年)開業。北鉄金沢駅~内灘駅間(6.8キロメートル)を、約20分で結んでいます。

北陸鉄道03系車両

北陸鉄道03系車両(北鉄金沢駅にて撮影)

改札を抜けると「地下が似合う」車両が待っていました。2020年に登場した北陸鉄道03系車両は、最近まで都内の地下鉄を中心に活躍していた車両なんです。

浅野川線 車窓

浅野川線の車窓

浅野川線は6.8キロメートルの間に12駅もあります。駅と駅の間がとても短く、列車の速度が上がりきる前に次の駅に着いてしまいます。

磯部駅を出て、北陸自動車道と国道8号の高架橋をくぐる辺りから寄り添ってくるのが、路線名にもなっている浅野川。車窓からは川の土手が見えるくらいですが、昔から「浅電」の愛称で親しまれてきた路線らしい風景ですね。

粟ヶ崎駅

細いホーム1本だけの無人駅で途中下車

粟ヶ崎駅

03系車両は、北陸鉄道に来てワンマン運転対応に改造されたほかは、地下鉄時代の面影がよく残っていました。

10分あまり揺られ、大野川の鉄橋を渡ると金沢市から内灘町へ。川岸の粟ヶ崎(あわがさき)駅は、細いホーム1本だけの小さな無人駅です。ちょっと降りて新たな活躍を始めた03系車両の写真でも撮りましょうか。

北陸鉄道03系車両

北陸鉄道03系車両(粟ヶ崎駅~蚊爪駅間にて撮影)

15分ほどして、先ほど乗ってきた03系車両が内灘駅から戻ってきたところを写真に捉えました。粟ヶ崎駅を発車して、そろりそろりと大野川を渡っていく様子が、とてもローカル線らしくて素晴らしい!

ちなみに、大野川は石川県で最も大きな潟(湖)・河北潟から流れ出している川。さっそく、河北潟が望める高台へ行きましょう。

道の駅 内灘サンセットパーク

河北潟のご当地グルメを賞味!

内灘大橋

浅野川線の終着・内灘駅の駅前から発車する路線バスに揺られて約10分。サンセットブリッジ内灘の愛称で知られる「内灘大橋」が見えてきました。

その袂には「道の駅 内灘サンセットパーク」があります。橋の向こうには河北潟。その干拓地には牧場が広がります。道の駅では、この牧場で獲れた牛乳を使ったご当地グルメをいただくことができます。

ミルクバターらーめん

その名も「ミルクバターらーめん」。金沢の中華の名店「菜香楼」と共同開発したラーメンで、スープは豚骨ベース。これに内灘産牛乳をふんだんに使うことで、まろやかな味わいに仕上げています。麺が緑色なのは、能登野菜の中島菜が練り込まれているからなんです。

河北潟ジェラート

ラーメンでお腹を満たしたらデザートも! お隣の「カフェテリアみるくの森」をのぞくと、「河北潟ジェラート」が。さっそくいただけば、牛乳の風味を大切にしながらサッパリとした味わいが心地いい!

内灘海岸

旅の〆は、内灘海岸の砂浜で美しい日本海!

筆者

内灘海岸にて筆者

お腹いっぱいになったら、潮風を感じて、内灘海岸までお散歩。訪れた日は、白い砂浜に投げ釣りを楽しむ方がチラホラ。いやぁ人がいないってホントに気持ちいい! 波音を聞きながら寝ころんで、青い空と白い雲をただ眺めていたくなりますね!

内灘海岸の風紋

内灘海岸の風紋

足元に目をやると、砂浜に美しい模様が出来ていました。これは日本海から吹き寄せる強い風によって作られる「風紋」。天然のアートです。北鉄金沢駅から15分ちょっと列車に揺られるだけで、こんな癒やしスポットへ来ることができるなんて素晴らしい!

今回は徒歩と路線バスの移動でしたが、内灘駅前の観光協会でレンタサイクルが利用できます(※)。次は自転車でグルっと回るゾ!

※編集部注:感染症対策のため休業の場合もあります。利用時は事前に確認をすることをおすすめします(詳しくはこちら

北陸鉄道03系車両と8000系車両

北陸鉄道03系車両と8000系車両(内灘駅にて撮影)

金沢の中心部から郊外へ伸びるローカル線・北陸鉄道の旅。石川線は白山の麓へ、浅野川線は日本海が広がる内灘海岸へ、あっという間にアクセスできます。しかも、首都圏で走っていた懐かしの車両が、いまも現役です。列車に揺られて、北陸の山と海に、いっぱいの「元気」をもらいに行きませんか?

東京駅

掲載情報は2021年11月16日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

今回の旅の行程

【1日目】JR東京駅→JR金沢駅→JR西金沢駅→新西金沢駅→鶴来駅→金劔宮/金劔宮境内 不動滝→菊姫→鶴来駅→新西金沢駅→JR西金沢駅→JR金沢駅→ホテル

【2日目】ホテル→北鉄金沢駅→粟ヶ崎駅→内灘駅→サンセットブリッジ内灘/道の駅 内灘サンセットパーク→内灘海岸→内灘駅→北鉄金沢駅→JR金沢駅→JR東京駅

石川・金沢JR+宿泊 ホテル金沢 30,800円

2021年12月23日出発/1泊2日/東京駅⇔金沢駅/バス付ツイン/素泊まり

※参考価格です。最新情報はこちらからご確認ください

※表示価格は、2021年11月4日時点のおとな1名の価格です

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この記事を書いた人

望月崇史

1975年12月8日、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、ニッポン放送で放送作家に。
番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年、およそ4500個! 放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。 ニッポン放送のウェブサイト「ライター望月の駅弁膝栗毛」では、「1日1駅弁」を基本に、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。
ライター望月の駅弁膝栗毛:http://www.1242.com/lf/articles/news_special/ekiben/

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