【冬の星座×温泉】佐久地域星空トレインで星を巡る旅へ・長野 甲信越

星空×温泉を満喫。佐久地域星空トレインで星を巡る旅へ・長野

2022.01.25 甲信越長野
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POINT

今回の列車旅ポイント

  1. しなの鉄道の佐久地域星空トレイン「晴星(はれぼし)」に乗車
  2. 佐久平駅前の北斗の拳デザインマンホールがリアル!
  3. 洋館風の駅舎がかわいい野辺山駅。天井には……

こんにちは、普段はみなさんに星空を届ける仕事をしている「つかけん」と申します。今回、私は長野県佐久地域の「星」を巡る列車旅に出かけてきました。天井の星、地上の星、さぁ、どんな星に出会えるでしょうか?

東京駅

北陸新幹線で軽井沢駅へ!

次から次へと新幹線が発着するJR東京駅。多様な車両が行き交い、見ているだけで飽きません。かくいう私は北陸新幹線「はくたか」に乗り込んで一路、JR軽井沢駅へ。乗車時間は1時間10分ほど。あっという間でした。

北陸新幹線 はくたか

軽井沢駅

佐久地域星空トレイン「晴星」に乗車!

軽井沢駅で、しなの鉄道に乗り換えます。

「軽井沢×列車」といえば、そう「EF63」です。旧信越本線時代、軽井沢駅と横川駅間の難所・碓氷峠を越える補機として開発された電気機関車がEF63形。北陸新幹線の開通に伴い同区間は廃線となり、引退したEF63のうち1両が、この軽井沢駅に展示され余生を過ごしています。

写真左 晴星

奥に見えるのがお目当ての晴星

お目当ての佐久地域星空トレイン「晴星(はれぼし)」が入線してきました。

晴星

2021年9月から運行を開始した佐久地域星空トレイン「晴星」。車体には満天の星を背景に、浅間山や八ヶ岳といった沿線の山々と2基のパラボラアンテナがデザインされています。

佐久地域星空トレイン「晴星」

パラボラアンテナは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)臼田宇宙空間観測所の64mアンテナと美笹深宇宙探査用地上局の54mアンテナでしょうか……想像が膨らみます。

佐久地域星空トレイン「晴星」

愛称の「晴星」は公募で決められた

「晴星」に乗り込んで軽井沢駅を発つと、さっそく浅間山が車窓に。それにしても、ちょっとお天気が心配です。今にも雪が降ってきそう……。目的地の小諸駅までは約25分で到着です。

車窓 浅間山

浅間山はすっかり雪化粧

小諸駅

停車場ガーデンで地元の味に舌鼓

小諸駅を出て「停車場ガーデン」に向かいます。歩いて1〜2分ほど。駅前といえる立地です。

まさにガーデンという言葉がぴったり。いろいろな植物がネームプレートを添えて植えられていました。ほかの季節であればもっと彩り豊かだったと思いますが、だからこそ咲いている花や熟した果実が目につきましたね。

停車場ガーデン

停車場ガーデン カフェ

まずは「停車場ガーデン カフェ」でお昼ご飯。信州の野菜や地元パン屋さんの特注パンを使った料理がメインで、週替わり・月替わりのメニューもありました。

私は「信州むらさき米と季節野菜の菜園風カレー」(スープ・プチデザート付きセット)をチョイス。

信州むらさき米と季節野菜の菜園風カレー

見た目がとても鮮やか! 野菜はもちろん、ご飯がむらさき米なので、まず目で楽しめます。カレーはしっかりスパイシー、スープは優しい味で、大満足です。

小諸駅

日本唯一の穴城、小諸城

お昼ご飯を食べたあとは、歩いて5分ほどの「小諸城大手門」へ。小諸城は、城下町より城郭が低い位置にある「穴城(あなじろ)」です。

大手門は江戸時代初期の慶長年間に建てられた、小諸城址に2つある国の重要文化財のひとつ。華美な装飾はありませんが、自然石を加工しないで積み上げる野面積みの石垣と相まって、まさに質実剛健という言葉がぴったりな雰囲気です。市街地の中にド~ンと門だけがあるので、そのミスマッチ感もなかなかです。

小諸城大手門

自然体感リゾート かすがの森

満天の星を見上げながら温泉でゆったり

小諸駅からJR小海線に乗り15分ほどのJR佐久平駅へ。宿の送迎バス(事前予約制)に乗ること30分ほど、本日の宿「信州佐久 春日温泉 自然体感リゾート かすがの森」に到着です。

お、少し雲間から青空が覗いてきました。なんといっても今回の旅のテーマは「星」です。満天の星を見ずして帰れません。

かすがの森

チェックインを済ませ、まずは温泉へ! 宿には「蓼科の湯」「白樺の湯」と大浴場が2つあり、時間で男女入れ替え制。どちらにも露天風呂があります。

蓼科の湯

蓼科の湯

「蓼科の湯」の露天風呂は屋根がなく、温泉に浸かりながら星を眺められそうです。これは期待大! とはいえ、まだまだ空が明るい時間帯。今は紅葉を眺めながら、ですね。

蓼科の湯 露天風呂

春日温泉の源泉は40度ほどの「ぬるま湯」で、大浴場は「温湯(ぬるゆ)」と「熱湯(あつゆ)」の2つの浴槽がありました。

自然体感リゾート かすがの森

佐久名産○○が登場!

温泉を楽しんだあとは、晩ご飯です。数々の小皿料理にお刺し身、すき焼き、釜めし……。すき焼きは自分で調理するスタイルで、できたてをいただくことができました。牛肉だけでなく鶏肉も。

夕食

すき焼き

これでおしまいかと思いきや、さらに追加のお料理が! しかもそれは、佐久の名産を使ったもの……さぁ、何だと思いますか?

答えは……じゃ~~ん

鯉の旨煮

そう、鯉の旨煮です。

鯉は薬用魚とも呼ばれるほど栄養価に富んでいるそうで、何を隠そう、私は人生初鯉でした。淡水魚特有の泥臭さがあるのかな? と警戒していたのですが、そんなことはまったくなく、味も癖がなくて食べやすかったです。

晩ご飯を食べ終わると、空に雲一つありません。部屋のバルコニーに出てみると、数えきれないほどの星! まさにプラネタリウムのようです(本来は逆ですが)。

夜空

東向きのバルコニーからは昇りゆく冬の星座が

というわけで、いざ夜の露天風呂です。

頭の真上から北東が開けていて、カシオペヤ座やペルセウス座、ぎょしゃ座といった秋から冬の星座を堪能しながら湯に浸かれます。なんという贅沢な時間でしょう!

大浴場の灯りと常に立ち上る湯気のために部屋から見た満天の星には及びませんが、その代わり源泉かけ流しの温泉があります。冬の天体観察といえば寒さとの戦いですが、温泉に入りながらであれば極楽極楽。何時間でもいられそうでした。笑

佐久平駅

愛をとりもどせ!!

翌朝、チェックアウトしたあとは送迎バスで佐久平駅へ。

駅近辺には、漫画『北斗の拳』のキャラクターをデザインしたマンホールのふたが設置されているのです。同作の原作者である武論尊さんが佐久市出身であることから2019年にお目見えしたもの。マンホールは全部で7つ……北斗七星の形に配されているそうです。

まずは主人公ケンシロウ。

ケンシロウ

ケンシロウ

いやぁ、カッコイイですねぇ。そして色鮮やか。踏んだら瞬殺されそうな迫力です。

ラオウ トキ

(左)ラオウ(右)トキ

ユリア ジャギ

(左)ユリア(右)ジャギ

サウザー レイ

(左)サウザー(右)レイ

ケンシロウのほか、抜擢されたのはラオウ、トキ、ユリア、ジャギ、サウザー、レイ。7つのマンホールは数百mの範囲におさまっていますから、北陸新幹線と小海線の乗り換えの合間に足を伸ばしてみるのもいいかもしれませんね。

※編集部注:北斗の拳デザインマンホールについて詳しくはこちら

佐久平駅

JRの路線一、高い場所を走る列車に乗って

佐久平駅から小海線に乗って旅の最終目的地、野辺山に向かいます。全線が非電化区間のため、乗るのはディーゼル車。電車とは違うこの音がいいですね。

小海線

ところで、長野県では「長野県は宇宙県」を合言葉に「長野県は宇宙県」連絡協議会が中心となり、さまざまな活動をしています。県内全市町村で天の川が見られるほど星空が美しく、プラネタリウムや天文台、宇宙関連の研究施設が数多くあるからで、この小海線沿線にもいくつか。

これから向かう「国立天文台 野辺山宇宙電波観測所」や、JAXAの施設、佐久平駅から徒歩圏内にある「佐久市子ども未来館」など。星形の城「龍岡城」も星関連といえるかもしれません。駅名標にも星空がデザインされていますね。

佐久平駅 駅名標

そして車窓にも「宇宙」が。JR臼田駅に着こうというところ、遠くの丘の上にロケットが見えました。笑

稲荷山公園 ロケット

稲荷山公園 宇宙ロケット型展望台「コスモタワー」

ほかにも何かあるかもしれません。ぜひ皆さんも探してみてください。

列車に揺られること1時間40分ほど。日本で最も標高が高い駅であるJR野辺山駅に到着です。

野辺山駅

こぢんまりとした駅ですが、曲線を多用した外観がかわいいですね。

野辺山駅 天井

駅舎の天井を見上げると星空が

野辺山駅 天井

ストロボを焚くと星座が浮かび上がります

国立天文台 野辺山宇宙電波観測所

日本の電波天文学の聖地へ

野辺山駅から「国立天文台 野辺山宇宙電波観測所」までは徒歩で25分ほど。天気がよければ八ヶ岳の山並みを眺めながらいい散歩になります。ほとんど一直線なので迷うこともないでしょう。

野辺山宇宙電波観測所

近づくと畑越しに巨大電波望遠鏡が

観測所に到着。

野辺山宇宙電波観測所

観測所 全景

隣の南牧村農村文化情報交流館から見た観測所全景

受付を済ませ観測所の敷地内に入ると、大小さまざまなパラボラアンテナが目に飛び込んできます。

パラボラアンテナは 宇宙 からの電波を集める役割を果たしている、電波望遠鏡の「顔」。 宇宙 からの微弱な電波を集めるために、こんなに大きいサイズが必要なんです。

パラボラアンテナ

パラボラアンテナの付近は携帯電話使用禁止

解説板

解説板も充実。設置されている電波望遠鏡やそれらが見つめる宇宙の姿を一通り学ぶことができます。

ミリ波干渉計

今は現役を引退した口径10mのミリ波干渉計たち。写真の手前に写っているレールを使って移動させ、性能を調整することができました。

そして最奥部には観測所の主力、口径45mの電波望遠鏡が!

45m電波望遠鏡

私はここを何度も訪れていますが、この45m電波望遠鏡の大きさにはいつも圧倒されます。

45m電波望遠鏡

一方で、こんな小さなパラボラアンテナも。

野辺山電波ヘリオグラフ

こちらも今は現役を引退していますが、かつて太陽を観測していた電波望遠鏡です。

野辺山宇宙電波観測所は日本が誇る電波天文学の聖地。宇宙からやってくる電波を静かに待ち受ける電波望遠鏡の勇姿、ぜひ見てほしいですね。

さて、それでは東京に帰ることにしましょうか。再び、小海線と北陸新幹線を乗り継いで東京へ。

佐久地域星空トレインに露天風呂で見上げた満天の星、巨大電波望遠鏡……まさに長野県にあふれる「宇宙」を満喫できた旅でした。もちろん宇宙だけでなく、食事に温泉と、その土地ならではの魅力も詰まっていました。今度は野辺山でも星を見たいですね。

東京駅

掲載情報は2022年1月25日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

今回の旅の行程

【1日目】JR東京駅→JR軽井沢駅→しなの鉄道 佐久地域星空トレイン「晴星」→小諸駅→停車場ガーデン→小諸城大手門→JR小諸駅→JR佐久平駅→かすがの森

【2日目】かすがの森→JR佐久平駅→北斗の拳デザインマンホール→JR佐久平駅→JR野辺山駅→国立天文台 野辺山宇宙電波観測所→JR野辺山駅→JR東京駅

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この記事を書いた人

つかけん

とある博物館の学芸員。1982年、神奈川県生まれ。プラネタリウムで「人」と「宇宙」を繋ぐ仕事をする傍ら、日本各地のプラネタリウムや博物館を巡っている。好物は鉄道・城郭・クラシック音楽・地学全般(石ころからお天気まで)。著書に『身近にあふれる「天文・宇宙」が3時間でわかる本』(明日香出版社)。ほか月刊『天文ガイド』誌に記事を執筆。
Twitter:https://twitter.com/tsuka_ken
Facebook:https://www.facebook.com/ken.tsukada.3
note:https://note.com/astro_ken/

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