今回の列車旅ポイント
こんにちは。東京在住の青森を愛する旅ブロガー・ねこぜと申します。10数年前に初めて訪れた青森で戸惑っていたところ、地元の人たちの優しさに触れたことがきっかけで、青森の大ファンになってしまったドジな旅人です。以来100回以上、青森旅を楽しんでいます。
今回は初夏の青森、南部地方の田子町(たっこまち)と五戸町(ごのへまち)へ。地元の名産、田子町のにんにくと田子牛、五戸町の馬肉を求め1泊2日の列車旅に出ました。ドジでおなじみの私ですが、今回は無事に目的地までたどり着けるのでしょうか。不安ですが行ってみましょう!
まずはJR東京駅から東北新幹線「はやぶさ」に乗り、約2時間30分でJR二戸駅へ。
二戸駅でIGRいわて銀河鉄道に乗り換えて、青い森鉄道の三戸駅に向かいます。IGRいわて銀河鉄道から青い森鉄道へは直通運転。
鮮やかなブルーの車両にテンションが上がります。
二戸駅から15分ほどで三戸駅に到着。人気絵本『11ぴきのねこ』(こぐま社)の町として知られる三戸町。あらゆるところでねこたちが出迎えてくれます。
ここからは自然豊かな景色を眺めながら、ゆったりまったりの旅になる……はずだったがそうはいかない。
三戸駅前から南部バスに乗って40分ほどの「田子中央」バス停で下車……で、目的地の「田子町ガーリックセンター」に到着するはずが、間違えて三戸町コミュニティバスに乗ってしまいました。
1〜2時間に1本のバスを間違えるはずがない! と思っていましたが、バス停には時刻表にはのっていない三戸町コニュニティバスも停まります。私のように間違えないよう、赤い南部バスに乗ってくださいね。
やっと本命のバスに飛び乗って……もう汗だく。笑
「にんにく」の生産量が日本一の青森県の中でも、品質の高いにんにくで知られる田子町にやってきました! 田子町で生産されるにんにくは「福地ホワイト六片」といって、一粒一粒が大きく甘みや味が濃厚なのが特徴。
そんなにんにくをこれでもか! というほど味わえる施設がここ「田子町ガーリックセンター」なんです!
こちらは、田子町のにんにく産業の振興と交流の拠点となっています。施設内のレストラン「Gilroy Cafe」でいただけるのが、数量限定のご当地グルメ「田子ガーリックステーキごはん(通称:ガリステごはん)」!
にんにくだけでも最高なのに、ガーリックステーキ寿司、9種類の創作にんにく料理の前菜、みそ汁、ガーリックアイスまでついています。こんな贅沢プレートに興奮しないわけがありません!
まずは、ワインのようなウェルカムドリンク。正体は、にんにく入りコーラ「ジャッツ!タッコーラ」! ほんのりにんにくの香り。
毎年変わる9種類の前菜。にんにくの漬物やスープに感激。
ガーリックステーキ寿司は、肉を焼いてシャリにのせて食べます。品評会にて、青森県初の最高賞を受賞したことがある「田子牛」のほか、「県産豚」「あべどり」の3種類のお肉がいただけます。
にんにく好き、ひとり焼き肉好きにはニヤニヤが止まらない幸せな時間です。
ピリ辛にんにくネギ麹がのったシャリに、焼き肉を巻いて食べます。ジュワッと溢れるお肉の旨味とにんにくがマッチしていて思わず笑顔に!
添えられたガリもにんにくという徹底っぷり!
収穫シーズン限定の無料サービス。掘りたて生にんにくの「すりおろし」で、追いにんにく!
食後のデザートはガーリックアイス! 甘みたっぷりで美味しい!
こんなににんにくづくしなのに全く飽きない! にんにくのポテンシャルを感じます。
ただし、においで田子町でにんにく料理を満喫したことがバレてしまうので(笑)、食後のにおい対策はお気をつけて。
上を見ると、コロンとした形がかわいいにんにくライトが!
レストランで大満足したあとは、併設されているギフトショップで気に入った商品を購入できるのもうれしい! ここでしか買えないオリジナル商品もたくさんあるので要チェック!
ウェルカムドリンクで出てきたタッコーラは人気商品!
人気ナンバー1は「にんにくラーメン 味噌味」。6月中旬頃〜7月のにんにく収穫時期には、採れたての生にんにくも買えます!
ガーリックアイスが美味しすぎたので、「にんにくソフト 黒にんにく入りチョコ」も買ってしまいました。添えられたにんにくジャムがまた美味しい……! たっこにんにくイメージキャラクター「たっこ王子」のパネルと記念撮影。
にんにくをたっぷり食べて元気になったところで町中を散策してみましょう!
町中にある、かわいいにんにくモチーフのオブジェたち。いたるところで、にんにくが見つかります。
まだまだあるので、ぜひ田子町で見つけてみてね!
にんにく畑が見えたので、収穫作業の様子を見させてもらうことに。収穫期で大忙しなのに気さくな農家さんがにんにくを抜かせてくれました!
収穫から10日以内のフレッシュなにんにくを「生にんにく」と呼ぶそう。持つとずっしりと重く、茎を切れば水が滴るほど。皮にも水分があり、いつもスーパーで見るにんにくとはまるっきり違います。感激。
田子町ガーリックセンターから徒歩30分程度。南部バスだと「マエダストア田子店」バス停で降りて徒歩1〜2分程で、「真清田神社」に到着。
坂上田村麻呂が建立したとの伝説があり、歴史のある神社として現在も親しまれています。
道路に面した鳥居をくぐり、一見民家に続くと思われる小道を通り、右側に進んでいくとさらに2つ目の鳥居が現れ、急な坂道になります。
坂を登りきったところにご神木があります。大切に見守られてきた樹齢500年程の杉(田子町指定天然記念物)は圧巻です。
ご神木の先にひっそりとたたずむ真清田神社の本殿。彫刻や装飾が見事でじっくり見てしまいました。ここは来る価値ありです。
「田子中央」バス停から南部バスで三戸駅に戻り、青い森鉄道で八戸駅へ。今夜は八戸駅近くのホテルに宿泊。明日も青森県ならではの美味しいお肉を食べるぞ!
「八戸駅前」バス停から五戸駅前行きの南部バスに乗車して約40分、「中央」バス停で下車。懐かしさ溢れる商店街を通り、徒歩3分ほど。
馬肉といえば五戸、と言われるほどに有名な五戸町の馬肉。老舗「尾形 五戸本店」は、「尾形精肉店」が営むお店で、自社牧場で大切に育てた安心・安全で新鮮な馬肉(桜肉)が味わえることで人気です。
地元の人たちは誕生日や記念日に行くことも多いとか。落ち着いて馬肉を思う存分味わえます。
人気メニューの「桜鍋セット」。中肉鍋、馬刺し、ライス、おしんこ。
特注のこうじ味噌と、ピリッとした辛みが美味しい自家製の青なんばんのしょうゆ漬をつけていただきます。肉の旨味をピリリと辛いこうじ味噌がひきたてて美味しい!
トロンとした馬刺しはクセが無く、何枚でも食べられそうなほどあっさり。
低カロリー、低脂肪、高タンパク質と栄養面でも優秀。気兼ねすることなくもりもり食べられます。
精肉店なので、お土産に馬肉のテイクアウトや発送ができるのもうれしい!
尾形 五戸本店から「中央」バス停に戻り、南部バスに乗車して約15分、「ごのへ郷土館前」バス停で下車して徒歩1分ほど。
「ごのへ郷土館」は2013年(平成25年)に閉校した豊間内小学校の校舎を利用した歴史民俗資料館。五戸町の歴史や文化を振り返ることができる施設になっています。ピカピカに整備され磨き上げられたきれいな元校舎。
五戸町の埋蔵文化財(土器、石器等)、民俗文化財(農具等)、古文書、南部鉄道資料などが展示され、馬と人が一緒に暮らしていた時代も知ることができます。
奥にはカフェコーナーも併設されています。地域の方々の手づくりスイーツも並んでいて、心地いいスペース。梅ゼリーで一息つきました。
町の伝統工芸の保存伝承を目的とした活動室からは、地元のお母さんたちのにぎやかな笑い声が聞こえてきて、憩いの場になっているようでした。雰囲気のいいスポットなのでぜひ訪れてみてほしいです。
八戸駅〜五戸町に列車が通っていないのが不思議でしたが、ここで旧南部鉄道の歴史展示を見て納得しました。
かつて尻内駅(現・八戸駅)~五戸駅を結んでいた旧南部鉄道は、十勝沖地震で壊滅的な被害を受け、そのまま廃線に。グラウンドに展示されているオレンジの車体は、旧南部鉄道で1967年まで使われていた、国内で現存する唯一のディーゼル機関車「DC351」。保存されていた京都から、なんと半世紀ぶりに青森県に帰ってきたとのこと。
こちらの施設は開館4周年で来館者2万人を超えたそうで、青森の廃校を使った施設の中でもぐんを抜いて賑わっているそうです。
「ごのへ郷土館前」バス停から南部バスで約25分、「八戸駅前」バス停へ。新幹線で帰京します。
1泊2日で青森の美味しいものを味わい、青森の景色を眺めながらのんびり巡ると、都心では感じられない空気に癒やされ、す〜っと肩の力が抜けます。
猛暑でお疲れの方は、涼しい青森がおすすめです。青森ならではの味がギュッと詰まった「にんにく・ブランド牛・馬肉」を食べて栄養補給してくださいね。
掲載情報は2022年8月9日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR二戸駅→三戸駅→田子町ガーリックセンター→田子町散策→真清田神社→JR八戸駅(ホテル)
【2日目】JR八戸駅→尾形 五戸本店→ごのへ郷土館前→JR八戸駅→JR東京駅