今回の列車旅ポイント
今年の日本の秋はのんびりとやってきた。どうも、こんにちは。写真家の岡本晃です。
非日常な時間を過ごしたくて定期的に旅をしていると、「四季ごとの景色を眺めてみたいなぁ」と思うお気に入りの場所ができてきます。
今回は秋の紅葉を堪能するために、「貴船もみじ灯篭」が開催されている京都へ。叡山電車の展望列車「きらら」に乗り、京の奥座敷・貴船にある貴船神社周辺を散策する1泊2日の旅をしてきました。
ここでしか体験できないような列車旅。光に照らされた情緒ある紅葉に夢中になって、シャッターが止まりませんでした。
旅の始まりはJR東京駅。東海道新幹線「のぞみ」に乗って、JR京都駅までは2時間15分ほど。「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」を利用すると、新幹線と宿のセットがお得に予約できるので、1泊以上する際はおすすめです。
道中は今回巡る場所を予習したり、立ち寄るお店や、どんな写真が撮れるのか考えたりしているとあっという間。気づけば京都駅に到着していました。
京都駅から列車を乗り継いで30分ほど、叡山電車の出町柳駅へ。この駅から鞍馬線の貴船口駅を目指します。
叡山電車には、沿線の景色の移り変わりを楽しむために、車両に大きなガラス窓を採用した展望列車「きらら」が走っています。春から夏は青紅葉、秋には紅葉をパノラミックな展望で眺めることができます。
ちなみに、「きらら」という名称は、は修学院から比叡山に通じる登山道「雲母坂(きららざか)」が由来になっているそう。
乗車した「きらら」は、新縁の青紅葉をイメージしたメープルグリーンに塗装されていて、かわいらしかったなぁ。
出町柳駅から貴船口駅までは約30分。市原駅〜二ノ瀬駅の約250mの区間にある約280本の紅葉に囲まれた「もみじのトンネル」が特に見どころ。
紅葉シーズンに徐行運転(※)される「もみじのトンネル」は、シャッターチャンスの区間でもあります。晴天だったので、紅葉の影がシャワーのように乗客に降り注いでいたことには感動しました。
※編集部注:紅葉シーズンに合わせた鞍馬線・市原駅〜二ノ瀬駅間の「もみじのトンネル」徐行運転について、詳しくは公式サイトをご確認ください
貴船口駅の駅舎は2020年にリニューアルされました。駅周辺にも紅葉が多く、美しい駅になっています。
ここから貴船神社まではバスを利用すると約10分。徒歩だと約30分。自分は徒歩で行こうかと思っていましたが、坂道が続く様子と両手にカメラを持っているので、今回はバスで行くことにしました。
貴船口駅の目の前にある京都バス・貴船口駅前停留所から乗車するので、乗り継ぎは楽々です。
約5分で貴船停留所に到着。停留所から「貴船神社」の入り口までは徒歩5分ほどです。
貴船神社までの街道沿いには、お土産屋や旅館などが立ち並びます。
貴船神社の入り口に到着しました。
本宮に向かうまでの階段の両側には、赤い燈籠が並んでいます。
貴船神社には、貴船山の麓に3つの社殿があります。参拝は三社詣といって、本宮、奥宮、結社の順序ですべて参ると、願いが叶うとされているそうです。
貴船神社は、貴船川の清流沿いに建てられていることもあり、水を司る神として崇敬されています。実際、周辺を歩いている時は川の流れる音や匂いで常に水の存在を感じ、瑞々しい紅葉も眺めることができました。
「絵馬発祥の地」としても有名な貴船神社。紅葉シーズン限定の「紅葉絵馬」で願い事をしました。
御神札・御守などの頒布品の種類が多いのも貴船神社の特徴です。お土産に、国産の椿油などを御神水で仕込んだ「お清め洗顔せっけん」と、中に塩が入っている「御神塩守」を購入しました。
貴船神社の「お清め洗顔せっけん」を、びゅうたび読者5名にプレゼント。ぜひご応募ください。
秋の山間の日没は早い。ふと灯篭を見ると、いつの間にか光が灯り始めていて、昼間と雰囲気が変わってきました。
このライトアップは例年開催されている「貴船もみじ灯篭」というイベントの一環。貴船神社周辺と街道沿いの旅館などに設置された灯籠の灯りに紅葉が照らされて、幻想的な景色を味わうことができます。
夕方からは一気に気温が下がるので防寒対策は必須ですが、せっかく来たなら、昼夜両方の景色を見るのも一興です。
帰りはバスを利用して貴船口駅に戻り、また展望列車「きらら」に乗車して岩倉駅へ向かいます。
貴船もみじ灯篭の期間中は、夕暮れから21時頃まで「もみじのトンネル」区間がライトアップされます。
「もみじのトンネル」区間では、夜は徐行運転に加え、車内の灯りを消して運行。その時間はあっという間ですが、一瞬時が止まったような、ずっと見ていたいような、そんな気持ちになる幻想的な景色にただただ感動しました。
この日は岩倉駅近くのホテルにチェックイン。
2日目は、紅葉の庭園が美しいと聞いて「岩倉具視幽棲旧宅」(※)を訪れました。岩倉駅から徒歩20分ほど。京都バスを利用する場合は、岩倉実相院停留所から徒歩3分ほどです。
※編集部注:入場人数を限定しての公開。混雑時は、予約がないと入場できない場合もあります。詳しくは公式サイトをご確認ください
岩倉具視幽棲旧宅は、明治期の代表的な政治家で明治維新の十傑といわれた岩倉具視が、一時失脚した際に幽棲していた住まいです。もともとあった附属屋と、増築した主屋と繋屋で成り立っていて、昔の建築がきれいな状態で保全されており、国指定史跡にもなっています。
この旧宅は、実際に部屋に上がることができます。岩倉具視がどんな暮らしをしていたのか、どんな景色を眺めていたのか、その片鱗を肌に感じました。
敷地内には、岩倉具視の遺髪を収めた慰霊碑、遺品や明治維新関係文書などが展示・収蔵されている対岳文庫もあります。
敷地内にある「岩倉カフェ」からも、紅葉した庭園を眺めることができます。
「お飲み物とお菓子のセット」は、飲み物は3種類から、お菓子は2種類から、好きに組み合わせて選ぶことができます。お天気がいい日は、外にあるベンチでもいただくことができます。
帰りは、岩倉駅から京都駅に戻り新幹線に乗って東京駅へ。晴天の中、心動かされる紅葉を満喫し、充実した2日間でした。冬には雪景色も楽しめるみたいなので、季節を変えてまた訪れたいです。
掲載情報は2024年1月29日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
応募期間は終了しました。沢山のご応募ありがとうございました。
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR京都駅→叡山電車 出町柳駅→展望列車「きらら」乗車/もみじのトンネル→貴船口駅→貴船神社/貴船もみじ灯篭→貴船口駅→岩倉駅
【2日目】岩倉駅→岩倉具視幽棲旧宅/岩倉カフェ→岩倉駅→JR京都駅→JR東京駅