今回の列車旅ポイント
御朱印旅や参道のグルメを紹介する本を書いている、社寺旅作家の大浦春堂です。今回は大阪の少彦名神社や大阪天満宮、大阪城豊國神社を参拝したり、北浜のレトロな建造物が残るエリアをお散歩したりしてきました。1泊2日で旅する大阪の御朱印旅の記録、ご覧ください!
JR東京駅〜JR新大阪駅は、新幹線でおよそ2時間半。ランチはせっかくなので大阪で食べようと、逆算して9時台の新幹線に乗車しました。
新大阪駅に到着後、まずは宿泊するホテルへ。たいていのホテルではチェックイン前後でも宿泊者の荷物を一時預かりしてくれます。1泊2日分の荷物を入れたスーツケースを預け、身軽になった状態で街へ繰り出しましょう。
新大阪駅から最初の目的地である「少彦名神社」までは20分ほど。地下鉄の御堂筋線・淀屋橋駅で下車します。神社がある北浜・道修町(どしょうまち)エリアは、江戸時代から薬の街として栄えた場所で、今でも製薬会社のオフィスや薬問屋、薬局などが軒を連ねます。
そんな薬の街に鎮座する少彦名神社は、日本の医薬の祖神である少彦名命と中国の医薬の祖神・炎帝神農をお祀りする神社です。地域の人々に「神農さん」と親しまれ、特に医薬に携わる人達から篤く信仰されています。
参拝に訪れた日は、たまたま縁起のよい一粒万倍日(何かをはじめるのに良い日)。この日だけの一粒万倍みくじや福銭も授与いただけるとあって、平日ながら境内は大勢の人で賑わっていました。
おみくじに当たりが入っていると特別なお守がいただけるというお楽しみ付きの一粒万倍みくじ。
御祭神名の御朱印のほか、卯年にあたる今年(2023年)は兎の御朱印、雨の日の御朱印、一粒万倍日限定の御朱印など、種類も豊富。私は大阪に旅行や出張で行く度、少名彦神社にお参りに寄るのですが、毎回さまざまな御朱印に出会えるのが楽しみのひとつになっています。
このほかにも張り子の縁起物「神農さんの虎」も有名で、疫病除けや災厄除けの信仰があります。虎はお守りや絵馬にも描かれているほか、大小さまざまな張り子も。ユーモラスな表情がとてもかわいい!
お参り後は、徒歩で北浜エリアを散策しながらランチへと向かいます。このあたり一帯は、江戸時代には両替商や問屋などが建ち並び大阪の商業の中心地として栄えました。日本銀行大阪支店や大阪取引所が建ち、今でも金融街としての歴史が息づいています。
「大阪取引所」(旧:大阪証券取引所ビル)の前には、NHKの朝ドラで知名度が飛躍的に高まった、大阪商工会議所の初代会頭・五代友厚公の銅像も。
近代的なオフィスビル群のなかに、1900年代前半に建てられたレトロモダンな歴史的建造物がひょっこりと姿を現すのでぶらぶらと歩くだけでも面白い!
大きなライオンの石像が目を引く「難波橋」を渡って、中之島へ。北浜から西天満へ掛かる浪華三大橋のひとつで、みごとな装飾に思わずシャッターを切ります。
土佐堀川を超えると、堂島川との間にある中之島という細い島に到着しました。整備された公園や美術館、公会堂などの文化施設も多く、まるでオアシスのようなおもむきです。
1904年(明治37年)に開館した重要文化財に指定されている「大阪府立中之島図書館」。
ランチは図書館のなかにある「スモーブロー キッチン ナカノシマ」へ。
レトロな建物を生かしたおしゃれな内装で、カメラ片手に旅する人にはぴったりのかわいいカフェです。
スモーブローとは、北欧・デンマークのオープンサンドのこと。ライ麦パンの上に季節の彩り豊かな野菜や果物をのせた、まるでアートのようなメニューを楽しみます。
オーダーしたのは、そのときどきでシェフがおすすめを選んでくれる「おまかせ3種盛り合わせ」。この日は、人気のローストビーフとレバーペーストをのせた「獣医さんの夜食」、艶やかな色が食欲をそそる「スモークサーモン・ビーツ・グレープフルーツ」のサンド、季節の生フルーツとドライフルーツの食感が楽しい「季節のフルーツ・ヨーグルト・チアシード」でした。
ビタミンカラーのカラフルでかわいいルックスは食べるのがもったいなくて、たくさん写真を撮ってしまいました。
重要文化財ながら今も現役の大阪府立中之島図書館。見どころも多いので、食後は館内を見て回るのがおすすめです。
お腹がいっぱいになった後は、ふたたび中之島や北浜、淀屋橋の歴史的建造物を見学して歩き、当夜のホテルがある新大阪へ戻りました。
ホテルをチェックアウトし、新大阪駅からJR大阪天満宮駅に向かい「大阪天満宮」へ。「天満の天神さん」として親しまれる学問の神様・菅原道真公をお祀りする神社で、受験シーズンにはたくさんの受験生が合格祈願に訪れます。
境内には菅原道真公のご生涯を、太宰府天満宮から寄贈された人形で展示している「天神様のご一代」のほか、境内社など見どころも多くあります。
御朱印は授与所でいただけます。
梅の花を描いた御朱印帳や厄除けお守りなどが人気なのだそう。
参拝後、南北約2.6キロに伸びて日本一長いともいわれている「天神橋筋商店街」を歩き、お土産ものを物色するのがおすすめ。食の都の商店街らしく、食べ歩きできるものを扱うお店も多いのが特徴です。
次は「大阪城豊國神社」へ行くため、JR天満駅から大阪環状線に乗ってJR大阪城公園駅へ。
大阪城を築城した豊臣秀吉公を祀る豊國神社は、大阪城公園のなかに鎮座しています。総面積105.6haもの広大な公園は隈なく見て回るとゆうに半日はかかりそう!
神社のほかにも、梅林や西の丸庭園などが点在。四季折々の花が楽しめるとあって、観光客のみならず地元の人たちの憩いの場にもなっているのだそう。
現在は二の丸の一角に建つ豊國神社ですが、もとは昨日歩いた中之島に1880(明治13)年に京都にある豊國神社から分祀されたのが始まり。現在の地には1961(昭和36)年に遷り、現在に至ります。
豊國神社の御朱印帳と御朱印、そして珍しい名刺風のお守りなど。立身出世した秀吉公にあやかって、仕事運の向上を願う人にはおすすめの授与品です。
秀吉公の馬印「千成瓢箪」にちなんだ、ひょうたん柄のお守りや絵馬など。授与品もさまざまな種類があります。
大阪城公園駅へ戻り、大阪駅を経由して新幹線に乗るため新大阪駅へ。天下人の歴史ロマンに浸れる場所を訪れたからか、久しぶりに歴史小説を読みたくなり、電子書籍を購入。車中では読書に没頭し、あっという間に東京駅に到着してしまいました。
掲載情報は2023年3月22日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR新大阪駅→淀屋橋駅→少彦名神社→大阪府立中之島図書館/スモーブロー キッチン ナカノシマ→JR新大阪駅(ホテル)
【2日目】JR新大阪駅→JR大阪天満宮駅→大阪天満宮→JR天満駅→JR大阪城公園駅→大阪城公園/大阪城豊國神社→JR大阪城公園駅→JR新大阪駅→JR東京駅