今回の列車旅ポイント
「5冊だけの本屋」という選書サービスを行っている「5冊だけの本屋 ミホコ」です。本好きな方にも、普段は本を読まないという方にも、読書を楽しんでもらうための活動をしています。
SNSで話題のTSUTAYAから独立系書店まで、魅力的な本屋が集まる名古屋。今回はそんな名古屋で、本好き・本屋好きなら行ってみたい本屋を巡ります。
旅のはじまり。JR東京駅に発着する新幹線を見ていると一気に旅気分。
東京駅からJR名古屋駅までは、東海道新幹線「のぞみ」で約1時間40分。意外と近くて驚きました。
さっそく向かうのはSNSで話題の巨大本棚がある「TSUTAYA BOOKSTORE則武新町」。名古屋駅から歩いて15分ほどです。
「イオンモールNagoya Noritake Garden」内の1階と2階のツーフロアで、スターバックスコーヒーも併設しています。
お目当ての巨大本棚は、この奥、1階と2階につながる階段付近に。
2階正面から見た本棚は圧巻。天井部分の鏡に本棚がリフレクションされ、天井までつながって見えるアートな巨大本棚。
巨大本棚を見た後は、イオンモールNagoya Noritake Gardenに隣接している陶磁器の複合施設「ノリタケの森」を散策します。
自然あふれる広大な敷地です。この日は、あいにくの雨でしたが、たくさんの人が散歩したり、映えスポットで写真を撮ったりしていました。
散策後は、ライフスタイルショップ「ノリタケスクエア名古屋」内の「Café grand vert(カフェ グラン ヴェール)」でランチ。
お料理とノリタケティーをノリタケの食器でいただきます。お店の方によると、お客さまのイメージに合わせてひとりひとり違うカップで提供しているそう。いただいた「grand vert特製 小エビのテルミドール風クロケット トマトとオマール海老のソース」は、カフェランチながらもまるで本格フレンチのような味で驚きました。
※編集部注:ご紹介したランチセットは季節限定メニューです。最新のメニュー情報はこちらをご確認ください
お腹も満たされ、いよいよ楽しみにしていた「ランプライトブックスホテル名古屋」へ向かいます。名古屋駅へと戻り、名古屋市営地下鉄東山線に乗り1駅で伏見駅へ。伏見駅からは徒歩約3分です。
ホテルに入ってすぐの本棚が気になりますが、一旦レセプションでチェックイン。
本が積み重なったようなデザインのレセプション。
このホテルの最大の魅力は、1階に24時間オープンの「ランプライトブックスカフェ」と本屋「ランプライトブックス」があること。(※)
読書していて小腹が減ったら、カフェに軽食やスイーツなどもあり、本が読みたくなったら、いつでも気軽に本屋で本を見たり買ったりすることもできます。
ホテルから一歩も出ることなく本や食事があり、読書に集中できる環境が整えられています。
※編集部注:ランプライトブックスカフェの営業時間は、当面の間7:00~19:00。詳細はこちら
本屋には「旅」と「ミステリー」の本がずらり。宿泊者は、気になった本を部屋で読むこともできます。徹夜覚悟でミステリーを選ぶか、ゆるりと旅本を選ぶか……迷います。
部屋はコンパクトながらも読書には最適。ベッドサイドには本を十分におけるスペースと読書ライトがあります。部屋に飾られている本は、普段自分では手に取らないものばかり。こういう出会いもうれしい。
オットマン付きのソファまであり、至れり尽くせり。
しばらくベッドでごろごろしながら本を読んだり、宿泊者がもらえるドリンク1杯無料チケットでいただいたコーヒーを片手にソファで写真集を眺めたりして過ごします。
1階の本屋へ。夜になると人も少なくゆっくり見ることができます。読みたい本を1冊選び部屋に戻りました。
旅先で寝付けない深夜やいつもより早く目覚めてしまった朝に、ふらっと「思い立って本屋へ」気軽に行けるのはうれしい。
読書していたら深夜3時! 明日に備えなければいけないのに、読書が楽しくて眠れません。
結局、朝まで読書をしてしまい、本好きには夢のようなひとときでした。
ひとりで読書に没頭できる部屋は、日頃の雑多なことを忘れさせてくれます。仕事で忙しくて読書する暇がない。ひとり時間が取れず、ゆっくり読書できない。そんな読書好きの方にとって最高の環境です。
名残惜しくもチェックアウト。
2日目は、地下鉄を利用して移動します。名古屋は地下鉄が本当に便利。
伏見駅から東山線の一社駅までおよそ20分。駅から徒歩4分ほどで静かな住宅街にある「BookGallery トムの庭」に到着。フィンランドカフェ「kokoti cafe」が隣接しています。kokoti cafeの店主は、カフェを開く前からBookGallery トムの庭の大ファンで長年通っていたそう。
写真、向かって右側がBookGallery トムの庭、左側がkokoti cafe。
店主によって厳選された絵本と児童文学が、新刊から国内外で長年愛される名作まで幅広くそろう店内。
絵本は、表紙の絵からのインスピレーションも大切という店主の思いから、どの絵本も一目で表紙を見ることができます。気になった表紙の絵本を手に取り、選べるのはうれしい。
さらに奥へと進むと児童文学が。今では手に入らないような貴重な本もあり、まるで宝探しをしているような気持ちになります。童心に帰り、隅から隅まで一冊一冊丁寧に手に取りながら、見て回ります。
店内には、子ども用の椅子から、大人用の椅子までさまざまな椅子があります。大きな出窓から日が差し込む部屋で、ゆったりと椅子に座って海外の翻訳絵本を見ていると、まるで自分も海外にいるような気分になります。
本屋を思う存分楽しみ、絵本を選んだら、お隣のカフェへ。
本屋でたくさんの文学に触れ、頭をフル回転させた後のスイーツは格別。
kokoti cafeの店主曰く、フィンランドといえばシナモンロールだけど、定番料理のミートボールに添えられているリンゴンベリー(こけもも)を使って何かつくりたいということで生まれたのがこのケーキだそう。しっとりふわふわのケーキと、リンゴンベリーのソースが混ぜられたクリームが相性抜群。
フィンランドのおやつをお供に、購入した海外の翻訳絵本を読んでいると、あっという間に時間が過ぎ、束の間の非日常を存分に味わって、お店を後にします。
東山線の一社駅から2駅の東山公園駅へ。駅から徒歩1分ほどで「ON READING」に。
本好きがわざわざ遠方から訪れたい人気の本屋です。
ドアには、「感じる、考える人のための本屋」というコンセプト。
読書で、自分の人生を豊かにしたい、自分と向き合いたい。そんな本好きの心をくすぐります。
店主のこだわりを感じる本の並びに、本好きの血が騒ぎます。この本の隣にこの本がくるのか! と終始驚き。気になった本を1冊手に取ると、その隣の本も気になり、そのまた隣にも今の自分に必要な本なのではないかと思う本が。凝り固まった価値観と思考を刺激してくれそうな良書ばかり。本好きもそうでない方でも気張らずに本を選ぶことを楽しめます。
こうして名古屋での本屋巡りを終えました。名古屋駅へと戻り、東海道新幹線で東京駅へ。
大型書店から個人書店まで幅広い本屋を巡り、ホテルでは読書に浸り、本好きにとっては贅沢な2日間でした。本屋巡りをすると抱えきれないほどの本を買ってしまう本好きあるある。案の定、私も大量の本を買い込み、帰路につきました。
掲載情報は2023年4月11日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR名古屋駅→TSUTAYA BOOKSTORE則武新町→ノリタケの森/Café grand vert→ランプライトブックスホテル名古屋
【2日目】ランプライトブックスホテル名古屋→BookGallery トムの庭/kokoti cafe→ON READING→JR名古屋駅→JR東京駅