今回の列車旅ポイント
みなさんこんにちは! 歴史旅大好きモデルの加治まやです!!
暑すぎず寒すぎず、洋服で気温調整ができる過ごしやすい季節になりましたね。季節のうつろいを感じながらいくらだって歩けてしまう、この時季の旅が私は大好きです(10月取材時)。
今回は山形県の天童温泉へ。大好きな温泉旅ということでとっても楽しみ!
「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」を利用すると、新幹線とお宿のセットがお得に予約できるという話を耳にした私。JR東京駅から山形新幹線「つばさ」に乗ってJR天童駅に向かいます。
いつものようにホームを歩いていると……あれ? 2つの新幹線がつながってる!? 初めて見た光景にびっくり仰天です。
今回乗ったのは山形方面に行く山形新幹線「つばさ」と、仙台方面に行く東北新幹線「やまびこ」が連結された新幹線。途中のJR福島駅で切り離されて、それぞれの行き先へ向かうんだって。
新しい発見があるから旅ってやめられないよね。
新幹線に乗って約3時間、天童駅に着きました。
天童市は将棋の駒の生産量が日本一。ということで、街のいたる所に将棋をモチーフにしたものがあります。江戸時代に下級藩士の内職として推奨されたのが、天童で将棋駒がつくられはじめた由来だとか。
天童駅から歩いて20分ほどで天童温泉に到着します。今回宿泊するのは「湯坊いちらくTENDO SPA & BREWERY」さん。
お洒落なエントランスに心躍ります。
のれんをくぐるとドーンと目に入ってきたのが、
こちらの黒門と現代アートな彫刻!
江戸時代の旗本屋敷の門を東京から持ってきたんですって。江戸好きの加治まやとしてはこれだけでテンションが上がります。
では、さっそくチェックイン。
湯坊いちらくさんは、オールインクルーシブのお宿(※)。みなさんは「オールインクルーシブ」って知っていますか? 恥ずかしながら私は初めて知ったのですが、飲食や館内の施設・アクティビティなどの料金が、すべて宿泊料金に含まれているサービスのこと。
目一杯楽しむぞー!!
※編集部注:ビジネスプランなど、オールインクルーシブ適用外のプランもあります
お部屋に行く前にロビー横にあるアメニティコーナーから好きな柄の浴衣を選びます。これも別料金かかることが多いよねぇ……と感動。
今回のお部屋は私の好きな畳にベッドの和洋折衷タイプ。旅館気分もホテル気分も味わえるのがいいよね。荷物を置いて一息ついたらさっそく活動開始です。
湯坊いちらくさんといえば、なんといっても館内にある「天童ブルワリー」! ちなみに、ワイナリーはワインをつくる場所ですが、ブルワリーはビールを醸造する場所。(これも初めて知りました)
山形県の白鷹町は60年以上にわたるホップ(ビールの原材料になる植物)栽培の歴史があり、県全体としても、全国トップクラスの一大ホップ産地だったこともあるそう。しかし、後継者不足などの影響でホップ農家さんの数も減ってしまったとのこと。
天童ブルワリーでは、そんな県内のホップ農家さんたちと協力して山形県産のクラフトビールをつくっているんです。
こちらのビールもオールインクルーシブに含まれるので、出来立てのクラフトビールを湯上りの一杯で楽しめます。お土産としてショップで購入することもできるので、滞在中にお気に入りを見つけるのも良さそう。
ビールサーバーが設置されたカウンターから、さっそくビールをいただきましょう!
私がいただいたのは「天使のさくらんぼ」。色がかわいくて飲むのがもったいないけど、いただきまーす!
え、甘……酸っぱい……おいしい!!!!
山形県産のさくらんぼ(佐藤錦)を使用したフルーツラガースタイルのクラフトビール。ビール独特の苦みがほとんどなくて、甘酸っぱいカクテルを飲んでいるみたい。ダントツで女子におすすめです。
また、今回はちょうど「オクトーバーフェスト」(※)の期間ということもあり、8月に収穫された超フレッシュなホップを使った口当たりのとても良いオリジナルビールもいただくことができました。
※編集部注:毎年秋にドイツのバイエルン州ミュンヘン市で開催されるビールのお祭り
ちょうど貸切露天風呂が空いたので、明るいうちにひとっ風呂浴びることに。館内には貸切風呂が3つあり、そのうちの1つ、陶器風呂に入ります。
※編集部注:2024年5月より、陶器露天風呂のサウナ改修工事に伴い、ひのき露天風呂、蔵王岩石露天風呂の2箇所のみの提供となっています。最新情報はホームページよりご確認ください
脱衣所は鏡張りでラグジュアリーな雰囲気。マッサージチェアがあるのもうれしい!
陶器風呂は広くてゆったりと浸かることができます。陶器風呂の横には、木の露天風呂も! お湯は透明で無臭の源泉掛け流し。美肌に効果があるということで、お風呂から上がった後も楽しみです。
ちなみに大浴場にも素敵な露天風呂が付いていますよ。
お部屋で火照った身体を一休みさせているとすぐに夕食の時間です。できることが多すぎてゆっくりする時間がないかも!? 笑。
夕食時の飲み物もオールフリーで、自分で取りに行くスタイル。クラフトビールに加えてスパークリングワインや地酒、焼酎なんかもあってびっくりです。
私は飲めば飲んだ分だけちゃんと酔っ払ってしまうので、全種類コンプリートはできなかったけれど、もしかしてここってお酒好きの人にとっては天国のようなお宿なんじゃない……??
地元のお野菜を使った前菜はどれもおいしくて山形のそば粉を使用したクラフトビール「蕎麦ドライ」が進みます。「きのこの香草マリネ」はきのこの味がとても濃くておいしかった。
「山形野菜のピクルス」も甘酸っぱくておつまみにいい感じ。
「山形牛のサーロイン」と「さくらんぼ鶏の酒粕タンドリーチキン」は、どちらもびっくりするくらい柔らかくて口の中でとろけました。さくらんぼ鶏とは、さくらんぼ果汁と山形産飼料米を食べて育った鶏のことなんだって。
山形といえばお米の産地でもありますね。目の前にあるお釜で炊かれた「新米はえぬき秋鮭はらこ飯」は、一粒一粒が立ち上がったご飯と鮭いくらの相性が抜群で絶品です。
山形を満喫のディナー! ごちそうさまでした!
館内にある「ツキコマSTAND」(※)では、セルフサービスでお酒などを楽しむことができますが、20時からはバーテンダーさんがカウンターに立って本格的なカクテルをつくってくれます。
今日は明るいうちからお酒を飲んでいたので、この時点でだいぶいい気持ちに。いったんアルコールはお休みして「大人のクリームソーダ」なる魅惑的な名前の飲み物を注文しました。
※編集部注:11時~15時のカフェタイムはオールインクルーシブの適用外のため、利用には別途料金がかかります
ひゃー! かわいい!!! おいしい!! アイスクリームが火照った身体にしみ渡る〜!!
飲み物は館内のどこでも飲めるのだけれど、100年前の蔵を改装してつくられた多目的スペースやライブラリー、外のビアテラスでもゆったりくつろいで飲むことができます。
ライブラリーには地元の郷土史の資料や所縁のある歌川広重の画集など、私の大好きなジャンルの本がたくさん!
生憎この日は雨が降ったり止んだりでやっていなかったのだけれど、ビアテラスではキャンプファイヤーをすることもあるとのこと。今度来た時はぜひ体験したいな!
最後にもう一杯、夜風に吹かれながら飲む蕎麦ドライは最高で、いい気持ちのままお部屋に帰ろうとしたのですが……
なんとロビーラウンジで山形名物「つったい鶏そば」が夜食として配られているではありませんか……! さっきまで満腹だったはずの私のお腹、名物の蕎麦を見た瞬間に「まだイケる!」と悪魔の囁きをしだす始末。
もちろんおいしくいただき、ほろ酔い、満腹で眠りにつきました。
翌朝、昨日は入れなかったもう1つの貸切露天風呂「蔵王岩風呂」へ。
朝風呂を楽しんでから朝食に向かいます。朝食はビュッフェスタイルで、山形県産のお野菜や山形名物が所狭しと並んでいます。
昨日の夜は和食だったし、今日は洋食でいこう! と野菜多めの洋食チョイスにしてみました。
オムレツはその場でつくってくれるスタイルで、中には山形県産のマッシュルームが入っています。山形県河北町などで栽培されている「かほくイタリア野菜」も選べるサラダは、野菜の味がしっかりしていておいしい。
こちらを完食した私のお腹、昨日の蕎麦で胃が大きくなったのかまだ余裕があるぞ……?
ということで、和食もいただくことにしました。やっぱり地元の名物は食べなきゃだよね。
玉こんにゃくは山形県民のソウルフードとのこと。柚味噌田楽でいただきます。そして、何といっても芋煮! 山形といえば芋煮ですね! ほくほくの里芋、食べられてよかった〜。少し濃いめの味付けでとてもおいしいです。
お腹いっぱいのまま訪れたのは、お宿に併設されているアートギャラリー。山形県出身の彫刻家、松田重仁さんの作品が展示されています。
美術史専攻だった私、アートには少しうるさいのですが……実は、お宿のいたる所に飾ってある彫刻作品を「素敵だなぁ」と昨日から感じていたんです。
「ただ置いてある」のではなく「似合う場所に作品が飾ってある」と感じることができるお宿は案外少ないと思うのです。ちゃんとアートが好きな人が飾っているんだなと、とてもうれしくなりました。
朝から温泉に入って、おいしいご飯を食べて大好きなアートに触れて、胸いっぱいでお宿をあとにして帰路に。今度は友達と来て、もっとたくさんビールが飲めたらいいな。
掲載情報は2023年12月5日配信時のものです。現在の内容と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。
今回の旅の行程
【1日目】JR東京駅→JR天童駅→湯坊いちらく/天童ブルワリー
【2日目】湯坊いちらく→JR天童駅→JR東京駅
1泊2日/東京駅⇔天童駅/夕朝食付き
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